―温―
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#161 [向日葵]
だって静流の態度が気に入らなかったんですもの。
いつもならヘラヘラしながら自分から下ろす癖に。
今日に限ってなんであんなツッケンドンな態度をとられなくちゃならないのよ。
水がたっぷり溜ったじょうろを持った。
すると
紅葉「あいたっ!」
バシャァン!
まだまだ治りきっていない傷が痛くなった。
反射的に手を離したおかげで足元は水浸し……。
また水を入れなきゃいけなくなった。
:07/08/31 01:22
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#162 [向日葵]
ため息をつきながらじょうろを拾う。
住宅街なので、小学校を終えたガキやら世間話が好きなおばさん達の声が薄く聞こえる。
もしかしたら自分も噂されてるのかもと思うとムカムカした。
何も知らないおばさん風情が脚色つけて何か言ってるに違いない。
しばらく座りこんだまま、私はぼんやりそんな事を考えた。
紅葉「だから……世の中なんて嫌いなのよ……。」
カシャン!
:07/08/31 01:27
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#163 [向日葵]
何か耳慣れた金属音が聞こえた。
多分門の鉄格子の音。
更に耳慣れた声が。
静流「紅葉……っ。」
静流が私の元へ駆け寄って来た。
あぁそうか。もう学校の終わる時間なのね。
静流は心配そうに私を見る。
その姿を見ただけで、さっきのムカつきは収まり、なんだかホッとした。
静流「何かあった?!」
紅葉「じょうろ落としただけよ。」
:07/08/31 01:31
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#164 [向日葵]
立ち上がろうとしたら、気配がした。
目を動かせば、またいる。
例の彼女とミステリアスな香月さん。
静流は私の視線に気づいたのか、少し抱き上げて私を立たすと頭を撫でた。
静流「ゴメンな。また来ちゃってさ。」
痛い……。
この場合、傷が痛いんじゃなくって彼女さんの視線がだ。
どうやら彼女は私に嫉妬してるらしい。
静流の手を軽く振り払って、私は水道に向かった。
:07/08/31 01:38
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#165 [向日葵]
紅葉「早く家に入ったら?」
静流「お前は?」
さっきより少な目に水を入れたじょうろを持って、静流に向き直る。
静流を一旦見てから彼女さんを見た。
不安そうな目で静流と私を交互に見てる。
静流も女の子に鋭いんだか鈍いんだか……。
紅葉「私は水やりがあるの。」
と言って横を過ぎきる事が出来れば良かった。
ズキッ!
紅葉「っいた!」
:07/08/31 01:43
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#166 [向日葵]
今度は足が痛くなった。
カクンと崩れてしまいそうになる時、誰かの腕が私を支えた。
水をまたしても無くしたじょうろが、音を立てて地面に落ちる。
香月「あっぶー…。大丈夫か?」
*****************
紅葉「いたっ!」
その声を聞いて振り向いた時に、静流が手を出すのは遅かった。
何故なら香月が早く反応し、気づけば紅葉の体を支えていたからだ。
:07/08/31 01:46
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#167 [向日葵]
香月「あっぶー…。大丈夫か?」
そのまま香月は紅葉の傷の痛みが引くまで体を支えていた。
一方の静流は、出しかけた行き場の無い手をなかった事にするようにぎこちなく戻した。
静流「……ったく。病人のくせにそんな事すんじゃねぇよ。」
紅葉の体がピクリと動く。
あ、ヤバイ……。これは……。
紅葉「なんですって……?」
:07/08/31 01:50
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#168 [向日葵]
怒った合図だ。
ゴングが良い音を立てて鳴り響いた気がした。
紅葉「少しでもと思ってお手伝いしてるのに何でそんな事言われなくちゃなんないのよっ!」
静流「それでこんな事なってたら意味ないじゃん。無駄だろ。」
紅葉「……っ!静流なんか……キライ!!」
ガコッ!
じょうろを力一杯投げられた静流は不意打ちだったがなんとかすんでの所で止める事が出来た。
:07/08/31 01:53
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#169 [向日葵]
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バタン!
力任せにドアを閉めて私は家に入った。
足をダンダン鳴らして階段を上ってやりたいけどまた痛みが走るのが嫌で、歯を食いしばって上った。
直ぐ様カーテンをしてベランダへ出た。
少し、泣きたくなった。
静流[無駄だろ。]
何で、あんな事言われなくちゃいけない訳?
私が何をしたって言うのよ……っ!
彼女はあれだけ大切にしてるくせに、私はこんな粗末にされて……。
:07/08/31 01:59
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#170 [向日葵]
…………。
…………あれ?
何で今彼女が出てきた?
あぁもぅどーでもいぃっ!!
静流なんか、大大大大大っキライ!!!!
香月「あーぁ。静流が紅葉ちゃん泣かした。」
バッと振り返った。いつの間にカーテンやらを開けたんだろう。
ってか今泣かしたって言ったよね?
紅葉「別に泣いてないし!」
すると香月さんはベランダへ出て来て前みたいに私の隣に来ると、並んで座った。
:07/08/31 02:04
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