―温―
最新 最初 🆕
#222 [向日葵]
静流は黙ったまま私を抱き締めている。

紅葉「どうしてよ…っ。出て行けって言ったじゃない!なのになんで……こんな濡れ……っ。」

言葉が続かなかった。
視界が滲む。
鳴咽で喉が詰まる。
息の仕方が分からなくなる。

紅葉「も……いいから。私なら、もう……いいから……。」

涙か雨だか分からない滴が頬を伝う。
そこで静流がようやく口を開いた。

静流「言ったじゃん……。」

⏰:07/09/03 02:20 📱:SO903i 🆔:WQXhAmnc


#223 [向日葵]
かすれる声で私は「何を?」と聞いた。
静流は私を離して肩に手を置くと、顔の間近くで私を見つめた。

瞳に吸い込まれそうになる。

静流「見つかるまで探す……って。」

目を見開いた瞬間、何粒もの涙が落ちて行くのが分かった。

静流「あんな事言ってごめん。本心じゃない。それは信じて?俺は……紅葉が大切だよ。」

微笑む静流が見える。
痛い……。心臓が痛い……。

⏰:07/09/03 02:24 📱:SO903i 🆔:WQXhAmnc


#224 [向日葵]
何故なら早足で脈を打ってるから。
そんな必要どこにもないのに。

だって静流の“大切”は、家族としてで、異性としてじゃないから。

でも、そんな言葉を言ってくれる静流が……
温かい微笑みをくれる静流が……私は大好きなんだ。

紅葉「邪魔…っじゃ、な、い……っ?」

しゃっくりと一緒に言葉を発するせいで子供みたいな泣き方になってしまう。

静流は微笑みをより一層深くする。

⏰:07/09/03 02:28 📱:SO903i 🆔:WQXhAmnc


#225 [向日葵]
頭を撫でてくれると、また私を抱き締めてくれた。

静流「邪魔なんか思った事もないよ。」

静流の息遣いが耳元で聞こえる。

私は目を瞑って安心感に身を委ねた。

紅葉「ほ……と?」

静流「本当……。」

気持ちがこもってる。
大丈夫。
静流は私を邪魔なんて思ってない。

静流「足痛い?」

また静流が聞いた。
私はゆっくり頷いた。

⏰:07/09/03 02:33 📱:SO903i 🆔:WQXhAmnc


#226 [向日葵]
「じゃあ。」と、静流は私を抱きかかえた。

静流「家に帰ろっか。」

赤ちゃんの様に抱かれた私は、静流の胸元をギュッと掴んだ。
首に腕を回すことはしてはいけないと思ったから。

静流は歩いてる間私が安心するように背中をポンポンとまるで赤ちゃんを寝かすみたいに叩いた。

それでも私は胸が詰まってただその一定のリズムに耳をすませていた。

しばらく歩いた頃だった。小さな声で静流が「あ。」っと言った。

⏰:07/09/03 02:39 📱:SO903i 🆔:WQXhAmnc


#227 [向日葵]
視線の先にはあの人……彼女さんがいた。
どうやら私が見つかったのをまだ知らないらしい。
そこら辺をうろうろ見ている。

紅葉「静流。下ろして。」

静流「え。でも……。」

紅葉「いいから。」

私を抱いてる姿を見てしまったら、また彼女は嫉妬してしまう。
二人の仲を引き裂くつもりなんてこれっぽっちもない。
だから私は先手を打った。
紅葉「あ、あの……!」

声をかけると、彼女はこちらを向いた。

⏰:07/09/03 02:42 📱:SO903i 🆔:WQXhAmnc


#228 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/09/03 02:43 📱:SO903i 🆔:WQXhAmnc


#229 [向日葵]
双葉「あ……っ!紅葉ちゃ…。良かった、いたんだ。」

心配してくれる彼女を見てなんだか眩しくて、今まで避けて続けた自分がなんか情けなくてまともに顔を見る事が出来なかった。
視線が泳いでしまう。

紅葉「すいませんでした……。」

それだけ言って私は家に入った。

*****************

紅葉が家に入ってしまった後、静流と双葉は門前に立って喋った。

双葉はずぶ濡れの静流に自分がさしていた傘に入れてやる。

⏰:07/09/04 00:37 📱:SO903i 🆔:GkaoQpe.


#230 [向日葵]
静流「いいよ。めう意味ないし。」

双葉「クスッ。そうだけど。今日はあったかくして寝てよ?明日風邪で休んだら承知しないんだから。」

静流「ウン。ありがとう……。」

二人の世界に入りつつある。
もう少しで唇を触れる雰囲気になりそうなのに、何かが静流を止めた。

それになんとなく気づいた双葉は話題を変えた。

双葉「あの子の事、大切にするのもいいけど自分も大切にしなよ?」

⏰:07/09/04 00:42 📱:SO903i 🆔:GkaoQpe.


#231 [向日葵]
静流「双葉も大切にする。」

そう言って双葉のおでこに唇を軽く触れた。

静流はやっぱり唇にするのを何故かためらった。

それでも双葉は満足だった。
最後にもう一度「温かくして寝るように」と双葉から念を押されて二人は別れた。
静流は双葉の姿が見えなくなってから家に入った。

****************

紅葉「ただいまー……。」

小さな声で言いながら二階へ上がると、すぐに私に近づく足音が聞こえた。

源「紅葉ちゃん!」

⏰:07/09/04 00:48 📱:SO903i 🆔:GkaoQpe.


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194