―温―
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#280 [向日葵]
でも静流の腕は力を入れたままだった。
「いいから。じっとしてろ。」
そう言うと、やっとこの部屋から出てくれた。
「お、重いでしょっ?!だから、歩くわよ……。」
「病人は病人らしくされるがままになってろ。」
少し怒ってるような口調の静流に私は黙った。
リビングに行って、ソファーへ座らせてくれた。
静流はキッチンへ行って何かゴソゴソやっていた。
何分かしてから手に何かを持ってやって来た。
:07/09/06 14:42
:SO903i
:jlgEr3Lg
#281 [向日葵]
「ほら、すり林檎。蜂蜜入りだから体にいいぞ。」
器にすった林檎をいれて静流は私の隣に座った。
器と静流を交互に見る。
いま食べる気分じゃないんだけどなぁ……。
「食べなきゃいけない……?」
静流はハァと息を吐くと、少しすくって私の口に近づけた。
「アーン。」
「は?」
「口開けろっつってんの。」
:07/09/08 00:25
:SO903i
:qrBbq8eE
#282 [向日葵]
アーンって!
何だそりゃ!!
一向に私は口を閉ざしたまま。
なんだかまた熱が出てきそう。
毎日やってる事だけど、アーンとか言われたら自分が今まで普通に食べさせてもらっていた事が恥ずかしくなってきた。
「い、いらないから。」
下を向いて口に入らない様にした。
するとソファー前にあるテーブルに静流が器を静かに置いた。
諦めたのかと思った瞬間、体がピクリと震えた。
:07/09/08 00:28
:SO903i
:qrBbq8eE
#283 [向日葵]
顎にするりと静流の指先が触れたのだ。
そして軽く掴むと、上を向かせて唇の間にスプーンをいれた。
思わず味を確かめずすぐに飲んでしまう。
それほど動揺していた。
まるで何かいけない事をしている気分さえした。
「な、……何…よ。」
「食べる練習だ。じゃないといつまでも林檎ばっかりじゃ駄目だろ?」
そう言うと静流はいつもみたいに膝に私を乗せる。
また静流の体が密着した。
:07/09/08 00:32
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:qrBbq8eE
#284 [向日葵]
ドキドキ ドキドキ
心臓がうるさい。
静流はまた私の口にすり林檎を流しこむ。
今度はちゃんと味わえた。
「な、美味いだろ?」
微笑みながら、口端についた林檎をとる。
少しだけ指が唇を撫でた。
私は思わず困った顔になってしまった。
しかも顔の体温は上昇。
こんなの、静流にバレちゃう……っ?
:07/09/08 00:36
:SO903i
:qrBbq8eE
#285 [向日葵]
痛みに堪えるのも忍耐が必要だけど
静流の一挙一動に堪えるのも苦難のわざだった……。
これから、二つの事に、堪え抜いていけるのか心配だった……。
:07/09/08 00:38
:SO903i
:qrBbq8eE
#286 [向日葵]
―生―
「しっずる〜い!」
学校で静流は友人香月から大声で呼ばれて振り向く。
そして抱きつかれる。
「どわ!何だよ!」
「お前今日誕生日だろ?お祝いのハグ。」
:07/09/08 00:44
:SO903i
:qrBbq8eE
#287 [向日葵]
そうなのだ。
梅雨真っ只中の今日。
生憎天気は雨。
そんな中、17年前、静流はこの世に生を受けた。
「いらねぇし……。男のハグなんて嬉しくねぇ。」
「じゃあ誰のだったら言い訳?」
静流は思わず「へ?」と高い声を出してしまった。
香月はとりあえず離れて静流の様子を伺う。
「誰って……。」
「まぁ双葉ちゃんだよな!」
:07/09/08 00:48
:SO903i
:qrBbq8eE
#288 [向日葵]
――――

――――
今日はここまでにします

:07/09/08 00:48
:SO903i
:qrBbq8eE
#289 [向日葵]
「え?……あぁ。ウン。」
何でだ……?
俺なんで今紅葉の顔が出てきたんだろ。
「なぁ。そういえば、あの子元気?紅葉ちゃんだっけ。」
自分が考えてた事がバレたかと思って心臓が跳ねた。
冷や汗をかきながら香月に返事をする。
「あぁ。やっと熱もひいたみたいで。あと食事も段々出来るようになったよ。」
「そっか。あ、なぁ。今日遊びに行ってもいい?」
:07/09/09 13:46
:SO903i
:7H/AWLK.
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