―温―
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#41 [向日葵]
雨は一向に止まない。
寧ろ逆に激しくなっている。
私は直ぐに寝る事が出来なくて何度も寝返りをうつ。
すぐ側の机では息子が勉強をしていて、シャーペンと紙が擦れる音が聞こえる。
起き上がってその後ろ姿を見る。
ときどき教科書を見てるのか横顔を見ると眼鏡をかけていた。
なんでコイツは私に構うんだろう……。
無駄にうっとおしい……。
気づいてなさそうだし…、ベランダに行こう。
:07/08/20 23:07
:SO903i
:MmQkyVrg
#42 [向日葵]
そーっとベッドから降りようとした。
トテッとフローリングに足をつける。
静流「動いてんのバレバレ。そんなに相手して欲しいの?」
紅葉「――っ。違うわよ!」
*****************
所詮は子供だな……。
静流は教科書に目を戻してそう思った。
意外にこちらが冷静に対処していれば、紅葉は扱いやすい。
初めは死にたいとか連呼するせいで頭に血が登っていた。
:07/08/21 01:20
:SO903i
:ZlIFEGwM
#43 [向日葵]
静流「なぁお前さ、どこに住んでたんだ?」
紅葉「黙秘権。」
静流「言うと思った。別にいいけど。」
問題を解きながら後ろの気配に神経を研ぎ済ます。
以外にも今は大人しくしている。
紅葉「ねぇ息子。」
思わず吹いた。
静流「はぁっ?!それ俺のこと?!」
紅葉「他に誰がいんの。馬鹿ねアンタ。」
静流「俺名前言ったよね?忘れたの?」
:07/08/21 01:25
:SO903i
:ZlIFEGwM
#44 [向日葵]
眼鏡を外して紅葉の方を見れば、ベッドではなくドアの方にいて、そこでもたれて体育座りをしていた。
紅葉「覚える気なんてない。どうせアンタ達も同じ。いずれ私がいなくてせいせいすると思う日が来る。」
うつ向きながら言う彼女の声はとても一本調子で、でも寂し気だった。
紅葉「この部屋嫌い。ベランダ行く。」
ガチャ バタン!
静流はただそれを見てるだけだった。
彼女はもしかして、自分からではなく、母親に捨てられた……?
:07/08/21 01:29
:SO903i
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#45 [向日葵]
******************
もう人がいなく、電気が消えたリビングを横切って、私はベランダへ出る。
ザァー……
雨粒が、体に当たる。
さっき問おうとしてた事。それは何故アイツは私に構うかだ。
私なんて放っておけばいいのに…。
私で時間を無駄にしなくていいのに…。
紅葉「ホント馬鹿だ。」
静流「それは俺の事か?」
びっくりして後ろを振り向くと、息子が立って私を見下ろしていた。
:07/08/21 01:34
:SO903i
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#46 [向日葵]
すると息子は私の隣にやって来た。
宿題はどうしたよ……。
紅葉「アンタ以外いないし。」
反論してくるかと思いきや、息子は何も言わず黙ったままだ。
なんだコイツ。
静流「あのさ……。ここで住まない?」
耳を疑った。
思わず笑ってしまう。
紅葉「は?何言ってんのアンタ。頭大丈夫?」
:07/08/21 01:38
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#47 [向日葵]
静流「だって出て行っても行くとこないだろ?」
紅葉「嬉しいながらあるのよ。」
私はそう言って空を差した。
すると凄い力で肩を掴まれて息子の方に体を向けられた。
静流「俺の母さんは…、病気で早くに死んだ。……生きたくても、生きれなかったんだ。」
紅葉「贅沢言わずにお前は生きろとでも言いたいの?アンタの勝手な思想を私に押し付けないでくれる?」
すると掴んでいる手に力がより入る。
:07/08/21 01:42
:SO903i
:ZlIFEGwM
#48 [向日葵]
静流「……。生きる努力くらいしようよ。」
努力?
そんなの死ぬほどしたわよ。
紅葉「アンタに……私の何がわかるの……。」
嫌い。
コイツ嫌い。
私は肩に置いてる手を払い除けて手すりに足をかけ、そこに座った。
静流「馬鹿!危ない!」
紅葉「知ってる?!私はね、12歳の頃から母さんに殴られてるの!」
:07/08/21 02:52
:SO903i
:ZlIFEGwM
#49 [向日葵]
雨は降り続く。
止むことはない。
息子は驚いた顔で私を見ている。
紅葉「止めてって何度も避けんだ!でもあの人は、まるで私をストレス発散の玩具みたいに扱ったわ!」
記憶が溢れ返る。
痛くて、泣き叫んで、でも誰も助けてくれなくて。
面白がって見る人、怖がって遠ざかる人。
友達と呼べる人すらいなくなった。
紅葉「人は汚い。同情なんていらない。私を必要としてくれないなら、私はもう不要じゃない!」
:07/08/21 02:56
:SO903i
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#50 [向日葵]
いつから?
母さん。私の事、いつから嫌いだった?
私必死にいい子になろうとした。
なのにそれはなんの意味も無くって……母さんはただ嘲笑ってひたすら殴った。
意味をもたないならもういい。
抵抗しなくなったらまた殴る蹴る。それは激しさを増して、私は気を失った。
あの時、やっと天に昇れると思った。
やっとこの汚い世界から逃れられるって。
紅葉「なんで生きなきゃいけない?アンタだって、所詮母親と私を重ねてるだけじゃな……っ。」
:07/08/21 03:00
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