―温―
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#432 [向日葵]
背中を大きな手でポンポンと 叩きながら、私の頭を濡れた胸元に押しつける。

今気づいた、
タオルを被したのは雷だけじゃなく自分の濡れた体から避ける為でもあるんだと。

「私なんか、ほっといて……着替えてきなさいよ。」

静流はクスッと笑うと、私を抱き直してまた背中をポンポンと叩く。

「いいからさ。」

「どうせすぐ忘れるでしょ。私の苦手なものなんて。」

⏰:07/09/18 13:46 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#433 [向日葵]
すると静流は黙ってしまった。背中を叩く手も止まる。

雨と少し遠くなった雷の音、それと私達の呼吸が暗闇の中に響く。

しばらく経って、ようやく静流が口を開いた。

「忘れないよ。」

目の前には静流の胸。
顔は見えないけど、その声は真剣味を帯びていて、予想外の反応に私は目を見開いた。

また背中を叩くのを再開しながら、静流がまた言った。

「忘れないから……。」

⏰:07/09/18 13:52 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#434 [向日葵]
―誘―









「俺紅葉が好きだから。」

これはついこの間の香月との会話。
あのDVD鑑賞会の時だ。

双葉と紅葉とが出かけている時に香月が言い出した。

「別にいいよな?狙っても。」

⏰:07/09/18 13:56 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#435 [向日葵]
香月の目がマジだった。
どうやら冗談ではないらしい。

「なんで……。紅葉なんだよ。お前なら、学校にいくらでも告白してくれる奴いるじゃんかよ。」

「いいと思う奴いないし。ってか何?紅葉じゃ駄目な訳?」

「別に……。」

イスに座ってた香月が立ち上がって、俺の目の前まで寄ってきた。

「静流さ。紅葉が好きな訳?」

「え……。」

⏰:07/09/18 14:03 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#436 [向日葵]
香月の顔が、何だか怒っている気がした。

「俺が紅葉に近づく度に、お前はいっつも言葉濁してるじゃんか。」

「それは!紅葉は妹みたいだし、今朝も聞いただろ。アイツはゴミ捨て場に……。」

「だから大切にしたいとでも言うのか?それなら話は早いよな。」

香月は俺の胸ぐらを掴んでぐいっと顔を近づけた。

「お前のそれは同情でも、兄弟愛でもない。恋情だよ。」

と言って胸ぐらを離した。

⏰:07/09/18 14:10 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#437 [向日葵]
恋情……?

俺が紅葉に?

だって俺には……双葉が……。

「そんな筈……ない。」

香月は俺を少し睨んで横を通ると、ソファにドカッと座った。

「どう解釈するかはお前の勝手だ。だけどな、中途半端がどちらの事も傷つける事を知っておけよ。」

*********************

そしてここからがあれから数日後の話。

「ジャーン!」

⏰:07/09/18 14:14 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#438 [向日葵]
と言って源さんが出してきた中くらいの箱。

箱には見た事のあるロゴ。

「これって。」

「そう!携帯だよ!」

開けてみると白い色をした携帯が入っていた。
人生初携帯。
分厚い説明書と共に登場。
「やっぱり今の時代なかったら不便でしょ?」

「はぁ……まぁ。」

「お金なら気にしないで!じゃんじゃん活用したらいいよ!」

⏰:07/09/18 14:20 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#439 [向日葵]
そう言われると逆に使いずらい……。

幸いにも私は機械に強い方だったので説明書を少しパラパラと読めば使えそうだ。

「ありがとう……ございます。」

「どーいたしまして!じゃあ僕下でちょっと仕事してくるね。」

と源さんはカミングアウトした。

私は携帯を取り出して電源を入れる。
「Hello」と画面上に出た。

貰ったからには何かいじりたい。

⏰:07/09/18 14:25 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#440 [向日葵]
「あ、そうだ。」

と電話が近くにある本を開ける。

そこには香月さんのケー番がかかれた紙切れ。

「登録しとこ。」

「何を?」

文字通り飛び上がった。
静流が帰って来て横から顔を出した。

「あ!携帯!しかも最新じゃん。いいなぁ〜。」

「源さんがくれたの。」

携帯を見せながら静流に言った。
静流は携帯をパカパカしたりして隅々まで見る。

⏰:07/09/18 14:33 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#441 [向日葵]
一通り見てから携帯を私に返してくれた。

「で、登録って何を?」

「え?あぁ。香月さんのケー番を。」

と言いながら電話帳を開いたと同時にまた静流に取られた。

止める前に静流が携帯をいじる。
最初の設定のせいでボタン音がピピピピピピと鳴る。

待っているとようやく携帯が戻ってきた。
何をしたのかと電話帳を開いた。

そこには静流のメアドと番号が入ってた。

⏰:07/09/18 14:38 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


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