「純也」
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#200 [あぃみ]
「もし?なに?」
不機嫌な純也。
「あ、ごめん。
明日空いてるかなって」
「明日?んーわかんね」
「そっか。じゃあもし暇だったら電話して?」
「おう。」
あれ?覚えてない?
:07/11/29 10:48 :911SH :☆☆☆
#201 [あぃみ]
そっけない態度から覚えてないことが確信できた。
自分から、
「誕生日なんだけど」なんてミジメで言えない。
一緒にいてくれたら
それだけでいいと思っていた。
:07/11/29 10:54 :911SH :☆☆☆
#202 [あぃみ]
ついに誕生日。
朝起きるとメールが八件入っていた。
友達からおめでとうメールが沢山入っている。
何度も繰り返し受信Boxを見ても、純也からのメールはない。
一件気になるアドレスがあった。登録されていないアドレス。
:07/11/29 11:01 :911SH :☆☆☆
#203 [あぃみ]
「あいみちゃん、今日誕生日だよね。昨日まさるが夢に出てきて教えてくれたよ。おめでとうって伝えろって私にしつこく言ってたよ。もう19歳になったんだね。初めて会ってから四年もたつね。おばさん、あいみちゃんが大好きよ。あなたの幸せを願っています。」
まさるママからのメール。このメールを読む時だけゆったりと時間が流れたきがする。
:07/11/29 11:08 :911SH :☆☆☆
#204 [あぃみ]
それぞれに返事を打ち、
ありがとうを伝える。
りんちゃんからもメールが来ていた。
可愛いデコメールで
「おめでとう!純也とはどうなった?てか、あいとゆっくり話がしたい。」
そんな内容だった。
普段ゆっくり話がしたいなんて言わないのに
不思議に思った。
そして、純也が私の誕生日忘れているってこと、りんちゃんに話そうと電話をかけた。
:07/11/29 14:16 :911SH :☆☆☆
#205 [あぃみ]
眠たそうなりんちゃんは、「絶対覚えてるって!サプライズで脅かすつもりなんだよ!」なんてのんきに話してくれた。
…サプライズかぁ。
携帯ばかり気にする一日はいつもの倍くらい長く感じた。
純也からの連絡はない。
:07/11/29 14:20 :911SH :☆☆☆
#206 [あぃみ]
もうすぐいつも電話してくる時間。
いつのまにかサプライズを待ち望んでいる私。
まだかなまだかなー
なんて昔のCMソングが頭をぐるぐる回り、携帯をにぎりしめていた。
サプライズって…
覚えてないふりをして、突然花束とか?
いや、今更キザ男はないだろう。
:07/11/29 14:24 :911SH :☆☆☆
#207 [あぃみ]
それか…
「付き合う?」なんて言われたり?
んー、プレゼント用意してくれていたり?
おいしい物をご馳走してくれるのかな。
私の気持ちは勝手にウキウキしている。
:07/11/29 14:27 :911SH :☆☆☆
#208 [あぃみ]
事務所の控え室で一人、鏡の前で着替えていた時だった。
なんか急に胸がしめつけられて呼吸が上手く出来ないでいた。
金縛り?
起きてるのに?
身体が動かなくなる。
声が出ない。
:07/11/29 14:38 :911SH :☆☆☆
#209 [あぃみ]
まさるだってわかった。
まさるの匂いがたしかにした。
後から私を抱きしめているような感覚。
でもすごく力強い。
苦しいよ…やめて…
まさる、もう私はまさるを好きじゃないの。
心の中で必死に訴えた。
:07/11/29 14:43 :911SH :☆☆☆
#210 [あぃみ]
さらに強い力が加わったあと、徐々にほどけ、やがてスーっとなくなった。
顔をあげた。鏡の中の私は涙で見えない。
自分の荒い呼吸だけが控え室に響いていた。
なんだったんだろう。
すると電話がなった。
:07/11/29 14:47 :911SH :☆☆☆
#211 [あぃみ]
純也だっ!
「もしもし?」
電話にでると純也はいつもより優しい声で言った
「どうした?鼻声だぞ?泣いてた?」
「ううん。平気」
私はまさるのことなんて言えなくて鼻をすすりながら答えた。
:07/11/29 14:52 :911SH :☆☆☆
#212 [あぃみ]
「俺時間あいたから遊べるけどもう終わったの?」
そして純也は迎えに来てくれた。いつもの場所で待っててくれた。
私は嬉しさを隠しきれず走って車にむかった。
お気に入りの服を着ていつもより気合いをいれてメイクヘアを整えて。
:07/11/29 14:56 :911SH :☆☆☆
#213 [あぃみ]
勢いよく助手席に乗り込み嬉しくてニタニタしていた。
純也はこちらをちらっとみると、ボソッっと小さな声で少し笑顔で言った。
「やっぱお前は綺麗なんじゃん。」
そういえば
純也と会う時はいつも夜中とかでスッピンに近いのが多かった。
綺麗って言ってもらうのは久しぶりな気がする。
:07/11/29 15:16 :911SH :☆☆☆
#214 [るり]
:07/11/29 20:07 :N900iS :☆☆☆
#215 [あぃみ]
るりちゃん
はげって笑
ありがとう
笑
:07/11/29 20:33 :911SH :☆☆☆
#216 [あぃみ]
車はなかなか出発しない。私は純也を見る。
純也は私を見ていた。
「ん?」
少しとまどって首を傾げて見た
純也は目をそらさない。
…見つめあっているってこうゆうこと?
:07/11/29 20:37 :911SH :☆☆☆
#217 [しまじろー]
僕今日誕生日だツた
あげ(・∀・)
:07/11/29 22:33 :D902iS :☆☆☆
#218 [あぃみ]
しまじろ
誕生日なの?
おめでとうございますっ
ちなみ、私のパパも今日で61歳
笑
:07/11/29 23:39 :911SH :☆☆☆
#219 [あぃみ]
続き…
純也の目はすんでいる。
瞳がうす茶色でその瞳の上の綺麗な二重が、すんだ冷たい印象を和らげる。
吸い込まれてしまいそうだ。
「キレイ…」
思わず声になった
:07/11/29 23:44 :911SH :☆☆☆
#220 [あぃみ]
純也はたまにこの優しい笑顔を向けるんだ。
そしてそっと近づいてきて
唇がふれる。
とろけてしまいそう。
幸せ。
私だけのものになってくれたらどんなに幸せなんだろう。
:07/11/29 23:47 :911SH :☆☆☆
#221 [あぃみ]
純也、
今私のこと大好きでしょ?ねぇ そう言って?
私は
大好きだよ。
ねぇ、純也。
:07/11/29 23:49 :911SH :☆☆☆
#222 [あぃみ]
甘い時間は
すぐに終わった。
車は発車してどこかへ向かう。
「ねぇ、どこ行くの?」
運転している純也に聞いた。
「んー
腹減った!」
無邪気に可愛く答える純也。
焼き肉屋さんに着いた。
:07/11/29 23:56 :911SH :☆☆☆
#223 [あぃみ]
焼き肉…
誕生日っぽくていいな
ビールで乾杯。
気取ってなくていいね。
純也と二人。
少し酔ってきてしまった。
勢いで聞いてみた。
「ねぇ誕生日プレゼントはぁ?」
:07/11/30 00:00 :911SH :☆☆☆
#224 [あぃみ]
「はぁ?なんでだよ
あれ?あ!お前もしかして誕生日?」
泣きそうだった。
焼き肉おごってくれて
そのあとプレゼントくれて…告白して…
「覚えててくれてるんだと思った。」
:07/11/30 00:03 :911SH :☆☆☆
#225 [あぃみ]
「わりー完全に忘れてたわ!金ねぇし、
ごめんな…」
肩をポンポンと叩かれた。
「痛いよ。」
胸が痛い。
凍りついた空気。
せっかく純也と居られるのに それは嫌だった。
:07/11/30 00:07 :911SH :☆☆☆
#226 [あぃみ]
「けど前に一回言っただけだもんね!覚えてたら逆にすごいか!」
私はちゃんと笑エテイマスカ?
誕生日に会計も私がすませる。
どんだけ悲しいんだ。
「おいしかったね!」
ちゃんと笑えてイマスカ?
:07/11/30 00:12 :911SH :☆☆☆
#227 [あぃみ]
電話がなった。
まさるママからだった。
純也と居るし、出たくなかったから出なかった。
また電話がなった。
りんちゃんからメールだった。メールを開く
:07/11/30 00:14 :911SH :☆☆☆
#228 [あぃみ]
「やっほぅ!
純也から連絡きた?
あいつ忘れてんのかどーか確かめるために昼間連絡してみたんだよ。
したらちゃんと覚えてたよ
今頃ラブラブかぁー!」
何ですか?
純也は知ってたって事?
するとまた電話がなった。携帯をいじっていたから瞬間的に出てしまっていた。
「もしもし?」
:07/11/30 00:18 :911SH :☆☆☆
#229 [あぃみ]
電話の相手は鼻声で泣いているようだった。
「あいみちゃん、
まさるが11時すぎに
やっと楽になったよ。
今までありがとう。
でも、まさるの事は
忘れないであげて。」
ママ?何言ってるかわからない。
11時って…私が控室でまさるを突き放した時間。
:07/11/30 00:22 :911SH :☆☆☆
#230 [あぃみ]
…ごめん。
そんなことない。まさるのことも大好きだよ。
苦しかったからとっさに思っちゃっただけ。
もう会えないの?
あれは、最後に会いに来てくれたの?
ごめんなさい。
そんなつもりじゃなくて…嫌だよ。死ぬなんて嫌だ。
:07/11/30 00:26 :911SH :☆☆☆
#231 [あぃみ]
パニック状態で
一気に涙が溢れだしてくる。
車に乗っても涙は止まらない。
純也はちらちらとこちらを見ながら車を走らせた。少し不機嫌そうな顔付きだ。
そして信号で止まると口を開いた。
「てかお前めんどくせーよ。」
:07/11/30 00:32 :911SH :☆☆☆
#232 [あぃみ]
この時初めて純也に対して強く言った。
「は?あんた誕生日だってわかってて来たんでしょ、何?あたしを馬鹿にしてんの?ふざけんなよ!誕生日に自分がご馳走するなんて初めてだよ!
しかもあんたに対しての涙じゃない!
あたし彼氏いるんだよ!
彼氏が今死んだって聞いて 突き放したのは私で、でもやっぱり好きなんだよ。もう遅いけど、彼氏はあんたなんかよりずっと思いやりがあって優しい人だった!」
泣きわめいた。
:07/11/30 10:03 :911SH :☆☆☆
#233 [あぃみ]
そんな私をみて純也はうっすらと悲しい顔で笑った。
「なんだよ、お前彼氏いたのか。知らなかった。
まぁ所詮俺はお前のこと金としてしか見てねえし、これで終わりでいいんじゃねえ?」
「金…」
一気に怒りが込み上げた。
目が血走るとはこうゆうことか。
:07/11/30 10:07 :911SH :☆☆☆
#234 [あぃみ]
「降りる!」
道路だろうと関係ない!
いますぐまさるに会いに行く。
「おま…無理だよまじ、あぶねーから!」
その言葉を聞いた後
私は勢いよく飛び出した
:07/11/30 10:11 :911SH :☆☆☆
#235 [あぃみ]
…
立ち止まり、一瞬だけ純也を振り返って見た。
あの透き通った目が
とびたしてきそうに
大きく瞼を開いている。
「あいみーー!!」
ずいぶん大きな声が出るんだね。
:07/11/30 14:31 :911SH :☆☆☆
#236 [あぃみ]
「パーーーン!」
純也の声をかきけした
トラックのホーン。
「キーーー!」
ブレーキの叫び声
:07/11/30 14:33 :911SH :☆☆☆
#237 [あぃみ]
…
赤色かな?
…
:07/11/30 14:38 :911SH :☆☆☆
#238 [あぃみ]
…
黒?
かもしれない
…
:07/11/30 14:39 :911SH :☆☆☆
#239 [あぃみ]
…
わからないみたい。
…
:07/11/30 14:42 :911SH :☆☆☆
#240 [あぃみ]
…
そんな大きな声で泣いたら
子供みたいだよ
ねぇ、純也。
…
:07/11/30 14:44 :911SH :☆☆☆
#241 [あぃみ]
−−−−−−−−−−−
キーンコーンカーンコーン。キーンコーンカーンコーン。
「あい、帰るぞー?」
「待ってよぉ、今行くからぁー」
自転車に飛び乗る私。
今日は私の誕生日。
:07/11/30 14:48 :911SH :☆☆☆
#242 [あぃみ]
「よっしゃー!ダッシュだぁー!」
「まさるの運転怖いよー」
「うるせー!
しっかり掴んでおけば大丈夫だって!」
急いで教会に向かう。
:07/11/30 14:51 :911SH :☆☆☆
#243 [あぃみ]
教会についた二人は
制服のまま中に入った。
まさるは、立ち止まると振り返り、向き合った状態で私の肩に手を置いた。
「あいみ、ついてきてくれてありがとう。
俺はあいみが全てだよ。もう悲しませることはない。だからこれからもずっと一緒にいてくれる?」
私は嬉しくて言葉が出なかった。
:07/11/30 14:55 :911SH :☆☆☆
#244 [あぃみ]
「お前がずっと欲しがってた指輪、高くてなかなか買えなかったけどやっとプレゼントできるよ」
まさるがはめてくれた指輪。手が震えて視界が歪んでよく見えない。
でも反射している光はなによりもキレイで…
宝物だよ。
…白色?
かもしれない。ここの色は様々な色に変化する。
:07/11/30 15:00 :911SH :☆☆☆
#245 [あぃみ]
…
今私、まさるとの赤ちゃんにおっぱいあげているの。
ここにはまさるとこの娘、たったの三人だけだけど
こんなに温かい気持ち。
幸せなの。
:07/11/30 15:02 :911SH :☆☆☆
#246 [あぃみ]
ねぇ純也、
ここには何も不都合なんてないよ。
今あなたは幸せなの?
ちゃんと優しさを覚えた?
私…
:07/11/30 15:05 :911SH :☆☆☆
#247 [あぃみ]
純也に会いたい。
そちらの世界を覗いてみたい。
そしてこの娘を見せたい。
ねぇ、純也…?
「end」
:07/11/30 15:08 :911SH :☆☆☆
#248 [☆]
すごいおもしろかったです
!
純也SIDEでも書いて欲しい
:07/11/30 15:20 :N903i :☆☆☆
#249 [我輩は匿名である]
えっ最後なんかよくわからん。死んだの?
:07/11/30 16:17 :P903i :☆☆☆
#250 [極]
純也Side読みたいかも咸
:07/11/30 17:33 :W51S :☆☆☆
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