○ビー玉ラバーズ○
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#39 [向日葵]
少し振り上げたやり場のない手は、静かに下げられた。
不思議な感じ……。
これだけ人がいるのに、先生と麻さんがやけにはっきり見える。
ガヤガヤうるさい人混みの雑音と距離のせいで、エスカレーターを降りて何か言い合ってる2人の会話は聞こえない。
だから、私は直ぐに待ち合わせ場所へ戻れば良かった。
何も知らない、何も見てないかの様に……。
そうすれば……
2人のキスシーンなんて見なくて良かった……。
:07/10/16 23:52
:SO903i
:☆☆☆
#40 [向日葵]
あまりにドラマチックなシュチュエーション。
人混みの中、まるで別れを惜しむ男女。
人はそんな2人を赤い顔をして見つめる。
ねぇ先生……。
私にキスしてくれなかったのは、麻さんを忘れられなかったから?
私が子供だったから?
私は……私みたいな子供は……あの煙すら吸えない子供は……大人の貴方にとって、只の玩具でしたか……?
先生……。
先生……。
:07/10/16 23:56
:SO903i
:☆☆☆
#41 [向日葵]
――――
――――――……
学校がこれだけ億劫な事はなかった。
足が重いとは正にこの事。
ゆっくりした速度で靴を履き替える。
「……ん?」
上靴の上に紙切れ。2つにたたんである。
中を開いた。
<放課後。保健室に来る様に。矢田>
そっか……。私昨日結局すっぽかした事になるんだ。
:07/10/16 23:59
:SO903i
:☆☆☆
#42 [向日葵]
ううん違う。
私恐くて逃げた。
だってきっと先生からは別れの言葉が出てくるだろうから……。
傷つくのが恐くて……私逃げたんだ。
折り畳んであった紙切れを、手のひらで潰して、靴箱近くのゴミ箱に捨てた。
ごめんなさい先生……。
ダメージを受ける準備をさせて下さい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「どうしたの初音。なんか元気無いみたいだよ?」
移動教室の時、やよちゃんが私に言った。
:07/10/17 00:03
:SO903i
:☆☆☆
#43 [向日葵]
やよちゃんには一杯迷惑かけてるから、出来れば何も言わない方がいいと思い、「お腹痛くて」と嘘をついた。その後に「でもすぐ治るよ」と付け足して。そうじゃないと保健室行きを命じられるからだ。
「……っ。」
「初音?!そんな痛いの?!」
いつの間にか、涙が流れた。「違う」と首を振るのが精一杯で、私はうつ向いたまま足を進めた。
どうして今になって流れたんだろう。
・・・
あの時は、まったく出て来なかったのに。
:07/10/17 00:09
:SO903i
:☆☆☆
#44 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
保健室行きの約束を破って、私はやよちゃんがいるグランドの端っこで座っていた。
やよちゃんはさっきからダッシュしたりして綺麗な体を鍛えている。
私もせめて、何か他の事に集中出来る事があれば、こんなグチャグチャな思いを紛らわす事が出来るんだろうに……。
ヴーヴー
カバンの中の携帯が鳴った。
でも今は見れない。
校則違反で没収されてはいけないからだ。
:07/10/17 00:13
:SO903i
:☆☆☆
#45 [向日葵]
どうせメル●ガ類の物だろう。
帰ったらみよう……。
日も大分落ちかけた頃、やよちゃんの部活が終わった。
「ゴメンネ。さて、帰ろう!」
「ウン。」
「私靴履き替えてくるから先に校門で待ってて。」
「分かった!」
そうして二手に別れて私達は歩いた。
校門の外で待とうと思い、私は校門近くの花壇に近付いた。
:07/10/17 00:17
:SO903i
:☆☆☆
#46 [向日葵]
「よう。」
「!!」
もっと早く気づくべきだった。
この慣れた煙の匂いに。
先生は校門近くにいつもの黒い車を止めて、少し離れた私の後ろでタバコを吸っていた。
「ちょっと付き合えや。」
「今日は……無理なんですっ!帰ってやる事が一杯あるんでっ!」
出来るだけ普段通りにと、明るく言ったけど、その裏にある感情が先生に伝わってしまった。
:07/10/17 00:21
:SO903i
:☆☆☆
#47 [向日葵]
「よく言うよ。俺から逃げてるだけのくせに。」
図星を突かれて顔が赤くなる。早くやよちゃんが来ないかと視線を横にずらすと、その間に先生は間合いを詰め、私の腕を痛いくらいに掴んだ。
「来いよ。言う事があるからよ。」
「私、やよちゃんと……っ。」
「お待たせー!…あれ?先生?」
「おう。ちょっとコイツ借りるわ。気を付けて帰れよ。」
そう言って先生は私をズルズル引っ張っていく。
下校時間が少し過ぎてる為、生徒がいなくて良かった。
:07/10/17 00:25
:SO903i
:☆☆☆
#48 [向日葵]
強制且つ乱暴に助手席に載らされて、私は唖然としていた。
私が脳内機能を停止させてる間に先生は運転席に乗り、エンジンをかけ始めた。
その音で覚醒した私は車をお料理とすると
バンッ!!
窓ガラスが割れるくらいに手をついて、先生に行く手を阻まれた。
「逃がすかよ。」
その声は、機嫌が悪い声よりも遥かに低く、恐ろしいものだった。
:07/10/17 00:29
:SO903i
:☆☆☆
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