○ビー玉ラバーズ○
最新 最初 🆕
#599 [向日葵]
私は眉を寄せて何が何だかと言った視線を送った。

静流は苦笑したまま私の頭をガシガシ撫で回す。

「いきなり抱きつかれたらドキドキするでしょーが。」

それを言われて、やっと意味が分かった私は顔が熱くなった。

思えば公衆の面前で何大胆な事をしてるんだ私……っ!

「さて……と。俺が紅葉に襲いかからない内に行きますか。」

「ば、馬鹿じゃないの……っ!」

⏰:07/12/17 15:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#600 [向日葵]
静流はくっくっと喉で笑うと、至って普通に自然に私と手を繋ぐ。

静流の指先が思ったより冷たくてビクッと少し震えた。

「何か欲しい物ある?」

「別に……。」

「エリカ様かお前は。」

欲しい物なんて浮かばない。
服だって足りてるし、食べ物はあまり好きじゃないし、アクセサリーなんかもっての他だ。

「んー……じゃあさ、俺が選んだプレゼントあげる。それでいい?」

「静流がー……?」

⏰:07/12/17 15:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#601 [向日葵]
いらない物をくれそうなので私は嫌そうな顔をした。
そんな事構わないのか、静流はにこにこしたまま私の手を引っ張って行った。

店に入って、静流が手にした物は

「え?リボン?」

静流はにこにこしながら頷いた。

まさか……私は静流へのプレゼントなんか考えてないからもし私が「考えてない」と答えた場合……。

「紅葉が俺へのプレゼント!」

とかクサイ事やるんじゃないでしょうね……。

⏰:07/12/17 15:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#602 [向日葵]
「紅葉何色が好き?」

「んぇ?オレンジ。」

「りょーかいっ!」

50センチ程に切ってもらったオレンジと緑のリボン。
私が赤を選んだなら、ちょっとしたクリスマスカラーだ。

店を出ると、駅前からずっと離れた所へ歩いていく。

「ちょっと静流?どこ行くの?」

「見てからのお楽しみっ。」

⏰:07/12/17 15:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#603 [向日葵]
「なんだか楽しそうね。」

「紅葉は楽しくない?」

そんな事……言わせないで。

「なかったら……今いないわよ。」

静流はニカッと笑って進む足を早めた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「とーぅちゃぁくっ!!」

「えー……。」

着いた場所には、電飾が全く付いてない大きなツリーと、ツリーを照らす照明があった。

⏰:07/12/17 15:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#604 [向日葵]
ツリーをよく見てみると、色とりどりのリボンが結んであった。

そこでようやく静流がリボンを買った意味が分かった。

「ツリーに飾りつけ?」

「んーまぁ近いかな。」

そう言うと、さっき買ったリボンを出し、重ねてツリーに結んだ。

「毎年この街恒例のものなんだ。“好きな色のリボンを結ぶと願いが叶う”って。」

「なんか七夕みたい。」

そんな恒例のものを静流がしようだなんて、ますます静流は私より女の子っぽい。

「そうだな。」

⏰:07/12/17 15:26 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#605 [向日葵]
静流は私の両手を握ると、私の目の高さに合わせて私を見つめた。

「紅葉の願い事は?」

「願い事って口に出したら叶わないんじゃ……。」

「いいからさ。」

あちこちに視線を向けて、私は「うー……」と唸った。

私の願いは……

「食べ物がもうちょっと食べれるようになりたい。」

「ブハッ!そんなんでいいの?!他は?」

⏰:07/12/17 15:30 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#606 [向日葵]
他?!

私は必死に頭をねじって他の願い事を考えた。

静流はその間も私をじっと見つめる。
なんだか急かされてる気分……。
当然本人にはそんな気ないのだろうけど……。

「少し丈夫な体になりますように……とか?」

「お前の願い事は健康な事についてばっかりか。」

「だったら静流言ってみなさいよー!」

すると静流はおでこをコツンと当てて目を閉じた。

⏰:07/12/20 00:13 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#607 [向日葵]
「紅葉がずーっと俺といてくれますように……。」

「……っ。」

静流はゆっくり目を開けて、優しい目をして間近で私を見つめる。

「わ……私が出て行くとでも思ってる訳?」

「実際出て行った事あんじゃん。俺の気も知らずひっでぇーよなぁっ。」

非難の言葉とはうらはらに、静流は茶目っ気たっぷりの目でからかう様に言った。

「さて!手本は見せた。……紅葉の願いは?」

⏰:07/12/20 00:17 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#608 [向日葵]
そんなの言われたら、私が言う事は1つって分かってるくせに……。
つくづく静流はズルイ。

「……静流が私に飽きませんように。」

私の素直じゃない願い事に、静流は声を上げて笑った。
握られている手が、2人の体温であったかくなっていく。

手だけじゃなく、私の心に、いつまでも……いつまでも温かさをくれるのは……

きっと…静流だけだから……。



―温―*END

⏰:07/12/20 00:21 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194