○ビー玉ラバーズ○
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#615 [向日葵]
もしかして……返事を急かさないのも、私の事、好きじゃなくなっちゃったのかな……。
――――――――……
「だぁっと思うなら!尚更バレンタインデーなんて待ってないでさっさと言いな!」
学校。
私は誠との事を杏ちゃんに相談した。
杏ちゃんは机に乗り出して至近距離で私を見つめる。
「だ……だだ、だって……。言えないんだもんっ。恐い……し……。」
「今のままじゃ弟君は生殺し状態よ?!そんな加寿の勇気の問題で待たせたままじゃあまりにも可哀想じゃないっ!」
:07/12/25 00:06
:SO903i
:☆☆☆
#616 [向日葵]
私はウッと唸った。
確かに、私は誠が何も言わない事に甘えてる。
もちろん、勇気が出せないのも嘘じゃない。
誠がこのままの状態をどれだけ我慢強く待ってくれているのかも知ってるけど……。
「もしも……誠が好きな人別にいたりしたらさ……初告白なのにいきなり玉砕だよ?しかもバレンタインデー前っ!ショックすぎるよーぅぅ……。」
「まったく……。」と言って杏ちゃんは呆れかえってしまった。
こんな自分、自分でも呆れちゃうよ……。
:07/12/25 00:11
:SO903i
:☆☆☆
#617 [向日葵]
「弟君がもし加寿の事好きじゃないなら、いつも通り一緒に登校しないと思うよ?弟君って多分彼女が傷ついたりする事出来るだけしなさそうなタイプだし。」
だって誠は優しいもの。
優しくて優しくて……年上の私がどんどんのめり込んでしまうぐらい存在が大きい人……。
「とにかく!バレンタインデーはちゃぁぁんっと心込めなさいよ?!」
「……うん。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昼休み。
いつもの時間に誠が来ない。
:07/12/25 00:15
:SO903i
:☆☆☆
#618 [向日葵]
授業が長引いてるのかな?
迎えに行きたいけど行き違いにはなりたくないし……。
なら、誠がいつも通る階段のトコで待っててみよっ!
そしたら絶対会うだろうし。
私はその階段へと向かった。
「――――。」
「ん?」
階段を下りきろうとした時、どこかから話声が聞こえた。
昼休みだから人はそこここにいる。
でもその声は、人気の無い場所から聞こえた。
:07/12/25 00:18
:SO903i
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#619 [向日葵]
階段の下の……用具室……?
そう思った時。
ガタガタガタ!
「?!」
もしかして……ケンカ?!
気づかれないように私は用具室に忍び寄り、そーっと半開きになっていたドアから中を覗いた。
「え……。」
小さく呟いたその声はきっとその2人には聞こえなかっただろう。
中には、中等部の男女。
1人はセミロングの黒髪が綺麗な女の子。
もう1人は……。
「せ……い……?」
:07/12/25 00:23
:SO903i
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#620 [向日葵]
2人は抱き合っていた。
私は目を見開いて1歩、また1歩と後退りした。
そして走る。
また教室へと戻って来た。
他の友達とお弁当を食べていた杏ちゃんは走って来た私に驚いていた。
「加寿?どうかした?」
どうして……?
何で……。
ウウン違う。
何か理由があったに違いない。
じゃなきゃ誠が……あんな安々と女の子を抱き締める訳……。
:07/12/25 00:26
:SO903i
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#621 [向日葵]
あぁ……分かんない……。
結局その昼休み、誠が私の教室に現れる事はなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はぁ……。」
私は1人教室に残っていた。誰もいない教室は意外にも寒い。少し身震いした。
早く……帰らないと……。
ガラガラガラ
「あれ?橋田(加寿の名字)?」
「あ、丹波君。」
:07/12/25 00:31
:SO903i
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#622 [向日葵]
同じクラスでバレー部のキャプテンの丹波君は、バレーをやってるだけあって背が高く、入口を頭を低くしなければ通れないほどだった。
「どうかしたの?」
「丹波君こそ。部活は?」
「今日はミーティングだけ。んで自主練しようと思ってシューズ取りに来た。」
丹波君はかけてる深緑のフチのメガネをくいっとあげて、自分の席まで移動した。
私はそれをただ観察して、彼がドアを閉める瞬間を見送ろうとしていた。
:07/12/25 00:36
:SO903i
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#623 [向日葵]
シューズを取った丹波君は私を見た。
「何か悩み事?」
「へ?どして?」
座ってるせいか、こちらへ向かってくる時の丹波君の背は迫力満天だった。
そして今は、長い足を組んで小さく見える椅子に座っている。場所は2、3個離れて私の前だ。
「なんかこーやっているのって、悩み事ある人が多いんじゃないかなぁーって思っただけ。」
「そんな漫画じゃないんだから。」
「でも実際悩んでる時って1人で黄昏たくない?」
:07/12/25 00:41
:SO903i
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#624 [向日葵]
メガネ越しに、意外に柔らかな目線で私を見つめている丹波君。
背が高いせいか目つきはもっとキツク感じた。
「うん……分かるそれ。」
「で?何かあったとか?」
「……んーん。いいやっ。」
なんだか自分の気持ちを分かってくれてる人がいた事に、少しだけ心が軽くなった。
「そかっ。じゃ、帰ろうかねーぃ。」
「自主練は?」
「今日はもういいや。」
:07/12/25 00:53
:SO903i
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