○ビー玉ラバーズ○
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#629 [向日葵]
ママは何か入ったタッパを私に渡した。
「これ、誠君んちに届けきて。この前ケーキ貰ったお礼にって。」
誠んちかぁ……。
仲直りする為に行った方がいいかもなぁ。
「ウン分かった。」
そう言って家から1分もかからない誠宅へと足を運んだ。
インターホンを鳴らして、誰か出てくるのを待つ。
『はぁい。』
「あ、おばさん?加寿です。」
:07/12/26 23:10
:SO903i
:☆☆☆
#630 [向日葵]
『あーハイハイ。ちょっと待っててね。』
ガチャリと切られて、私はおばさんが来るまで待った。
周りを意味なく見渡したり……端から見たら挙動不審に見えちゃうかも……。
するとドアが開いた。
「あ……。」
中から出てきた誠は小さな声でそう呟いた。
私もてっきりおばさんが出て来ると思ってたから、誠にびっくりした。
「や、やほ……。あ、これ、ママから。」
「ん。サンキュ……。」
:07/12/26 23:13
:SO903i
:☆☆☆
#631 [向日葵]
会話が止まってシーンと言う音が聞こえた。
内心顔に汗がダッラダラ出ている私は、仲直りのつもりで来たくせに沈黙に耐えれず今にも足が回れ右をしそうだった。
「……ゴメン。」
「え?」
また呟くように誠が言った。でも今回はなんとか私の耳に届く音量だった。
「いきなり怒鳴り散らして……。嫌な思いさせた。」
あまりに素直な誠に静かに微笑んで、私は頭を撫でた。
:07/12/26 23:17
:SO903i
:☆☆☆
#632 [向日葵]
「気にしてないからいいよ。私も、誠が待ってくれてるのに遅くなってゴメンね。」
「……それで怒ってたんしゃない。」
頭を撫でていた手を誠は掴んだ。
改めて感じる誠の掌の大きさに私は一瞬ビクッとしてしまった。
「分かってんでしょ?俺の気持ち。俺は……他のヤツと仲良くして欲しくなかっただけ。……嫉妬してたんだよ……。」
真っ直ぐな誠の目……。
私の思考を真っ白にしてしまいそうだった。
でもそれと共に安心した。
誠はまだ私を想ってくれてた。
:07/12/26 23:22
:SO903i
:☆☆☆
#633 [向日葵]
「あ……ありがとう……。」
そう言うのが精一杯だった。
この雰囲気で告白するべきかを一瞬悩んだけど、やっぱり止めた。
『誠!お話するなら加寿ちゃんに上がってもらいなさい!加寿ちゃんが冷えちゃうでしょっ。』
インターホンでそう告げるおばさんのおかげで、2人の間のちょっとした空気が元に戻った。
「あ、じゃあまた明日っ!おやすみ。」
「うんおやすみ。」
:07/12/28 23:18
:SO903i
:☆☆☆
#634 [向日葵]
家に入る前、もう1度誠を見ると、誠はまだ数メートル先から私を見つめたままだった。
そんな誠に手を振ると、誠はちゃんと振り返してくれた。
それに静かに微笑みながら私は家に入っていった。
「おかえりー。ご飯食べるー?」
「ウン。」
私はそのままリビングへと向かった。
今日は私が好きなグラタンだった。
ママのグラタンはルーから作るからとても美味しくて好き。
:07/12/28 23:22
:SO903i
:☆☆☆
#635 [向日葵]
「そーいえば……。」
お茶をいれながらママが台所から少し声をあげて私に話かける。
「誠君にチョコあげるの?」
「はいっ?!」
すっとんきょんな声を出してしまった。
普通、ママは相手が誰であろうとそんな事は聞かない人なのに。
よりによってなんで今回は……っ。
「だぁって。最近の加寿って誠君にぎこちないから。」
「だからって何で聞くの!」
「誠君がお婿さんになってくれたらママ嬉しいなぁぁって!」
:07/12/28 23:26
:SO903i
:☆☆☆
#636 [向日葵]
まったくママったら……。
ママは昔から誠大好き人間で、ずっとこんな事を言う。対する誠のママ(つまりおばさん)も私に「誠の嫁に来てね。」とよく言う。
昔はアハハと笑いとばして冗談半分に聞いていたけど、今はそんな笑いとばせる力はどこにも残っていなかった。
「もちろん渡すわよ。でもねママ。いくら身内で、しかもご近所付き合いの人にそれをあげるからって、娘のプライベートの中のプライベートまで根掘り葉掘り聞かないでちょうだいっ。」
:07/12/28 23:31
:SO903i
:☆☆☆
#637 [向日葵]
そんな無邪気で好奇心旺盛なところがママの良いところでもあるけれど……。
あんまり何もかもをベラベラ話して娘の嫁ぎ先が決まったと勘違いして小踊りされてはこちらが恥ずかしくて仕方ない。
「はぁい。分かりましたぁ。」
ママは降参のポーズをして、私の前にグラタンを置いた。
焦げめがついたチーズの匂いが食欲をそそる。
いつも通り、ママと楽しく美味しく食事を済ませた。
さっきの注意の効果か、ママがバレンタインについて聞いてくることはもうなかった。
:07/12/28 23:36
:SO903i
:☆☆☆
#638 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・・
部屋に戻ってから、部屋にある小さなテーブルに乗っている小箱を見つめる。
これが正真正銘、誠へのチョコだ。
明日……明日で……私の気持ちを誠に伝える事が出来る……。
――――――……
「う……わぁぁぁ!」
遂に決戦(?)の日。
平静を保ちながら私はいつも通り誠と登校。
すると中等部から誠の叫び声。
:07/12/28 23:39
:SO903i
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