○ビー玉ラバーズ○
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#649 [向日葵]
何……も……?

誠は私をギッと睨む。
それは嫉妬のようで、軽蔑のような思いをこめた目だった。

「俺の気持ち、分かったフリして振り回して、遊んでるんだろ?……だからあのアイツと楽しそうにしたり話題だしたりしてるんだろ?!」

――パンッ………

私はいつの間にか平手を誠にお見舞いしていた。
手が軽くジンジンする……。

「分かってないのはどっち……?誠だって、私を好きって言ったくせに女の子と抱き合ってたじゃないっ!!」

「?!……まさか、あれ見て……っ?」

「遊んでるのは誠じゃない!!せっかく私は……。」

⏰:08/01/06 00:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#650 [向日葵]
涙が出そうになって、急いでお弁当を片付けた私はそこを逃げ出した。

後ろで切羽詰まった誠の声が聞こえた気がしたけど、私は振り向く余裕すらなく、廊下を走って行った……。

―――――――……

昨日同様、また1人教室で座っていた私は、誠に渡す予定のチョコを眺めていた。

告白のつもりだったバレンタインデーはパー。
逆に喧嘩してしまった。

どうしてこうなっちゃうの……?

ガラガラガラ

⏰:08/01/06 00:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#651 [向日葵]
ドアを開ける音に、滲んできた涙を慌てて拭いた。

「なぁんだ。また橋田か。」

「丹下君……。」

丹下君は今日は私の隣に座って私をじっと見る。

「チョコなんて眺めて……何、お目当ての男に失恋でもしたか?」

「……かもね。」

誠は呆れてしまったかもしれない。
こんな恋愛ベタな私に。
年上のクセに、すごく情けない……。

「あの中坊だろ?有名だよなあの子。」

「……うん。」

⏰:08/01/06 00:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#652 [向日葵]
誠の顔を思い出すと、ふいに引っ込めた筈の涙が1粒流れ落ちた。

私何やってんだろ。
不安にさせたのは、原因は私なのに、誠にヒドイ事言っちゃった……。
誠は私の為に、常に自然体で接してくれた。

なのに私は、ギクシャクするわまともな返事出来ないわ……挙句の果てには文句まがいの事まで……。

こんな事なら、もっと早くに言っておくんだった。

気持ちが離れるその前に……。

「橋田。泣くなって。」

⏰:08/01/06 00:33 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#653 [向日葵]
そう言いながら私の頭を撫でようとしたらしい丹下君は、手を私の方へ伸ばしてきた。

その時だった。

ガラガラガラ

誰かがドアを開けた。

私は涙を拭いて、ぼやける視界をクリアにする。

そこに立っていたのは

誠だった。

「お前……よくも加寿姉泣かしやがったな……っ!!」

へ?

⏰:08/01/06 00:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#654 [向日葵]
誠は私の鞄を持つと、グイッと私を引っ張って教室から連れ去った。

「何されたの?」

昇降口まで来て、私に向き直った誠は心配そうに私を見上げた。

私は涙で濡れたまつ毛をパシャパシャ瞬きしながら誠を見た。

「何もされてないよ……?丹下君は、慰めようとしてくれただけ。」

「慰め?」

「泣いてたのは……自分が情けなかったから……。」

誠は眉を寄せて困った顔をしながら私を見つめる。

⏰:08/01/06 00:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#655 [向日葵]
「……私、誠が好き。私はこの通り、恋愛なんてこれっぽっちもわからないから、誠にどう接したらとか迷ってたの。告白の返事だって……するのすごく恥ずかしくて今まで言えなかった。」

私は自分の手の中にある物に気づく。

今日の為に、沢山の誠への気持ちを詰め込んだ、小さな、でも中身は一杯詰まった箱……。

それを誠に差し出す。

「誠は人気者だから……自分に自信がなかったの。だからバレンタインデーって言う特別な日から勇気をもらって、今日伝える事に決めてた。……受け取って、くれる?」

⏰:08/01/06 00:46 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#656 [向日葵]
その瞬間……

ポロ……

また1粒涙が落ちた。
でも今度は自分の目からじゃない。

落ちたのは、誠の目から。

「……わ、カッコ悪……っ。男のくせに、嬉し泣きとか……っ。」

誠は乱暴に袖で目を拭くと、箱を包みこんでいる私の手ごと、いつの間にか私より大きくなった手で温かく包んだ。

「ありがとう……加寿姉。」

「私も……好きになってくれて、ありがとう誠……。」

⏰:08/01/06 00:50 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#657 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・

幸せな気持ちで、だけどどこかお互い初々しい雰囲気を漂わせながら、仲良く手を繋いで帰っていた。

「気にしないでいいからね。俺の抱き合ってた事。あれ、無理矢理抱きつかれただけだから。」

「なら、誠も気にしなくていいからね。丹下君。彼、彼女いるから。」

「そっか……。」と呟いた誠の顔は、ホッとして嬉しそうに微笑んでいた。

そんな彼が、とても愛しくて、頬に唇を一瞬押し付けた。

⏰:08/01/06 00:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#658 [向日葵]
「――――っ!!」

手を繋いだまま、距離をおく誠。

「クスクス……。すごい顔赤い……っ。」

箱に詰め込んだ、大好きって気持ちが、ちゃんと誠に届いたみたい。

今、とても穏やかな気持ち……。

みんな……そうじゃないのかな。

大好きな人といれば、嬉しい事、辛い事、楽しい事、悲しい事……。
沢山、共有出来る。

様々な形。
様々な色。

⏰:08/01/06 00:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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