○ビー玉ラバーズ○
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#153 [向日葵]
次の日。

いつもの電車に乗り遅れた。
別に間に合わない訳ではないけれど、いつも10分前集合(まぁそれより早く着くけど)を心がけている私はギリギリがそんなに好きじゃなかった。

しばらく待って来た電車は、ラッシュ時よりもかなり空いていた。

おかげで背もたれにもたれる事が出来たので、私は本でも読む事にした。

あ、っと。その前に……。

耳栓代わりの音楽を聞こうと、カバンからイヤホンを出そうとしていた。

「……しょ?」

⏰:07/10/26 00:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#154 [向日葵]
何か近くで話し声が聞こえた。

この時間学生も多いから多分友達同士で喋ってるんだと思い、私は携帯とイヤホンを繋げた。

「……でしょ?桜井君と喋ってた子。」

桜井……?

その名前に作業をしていた私の手は止まってしまった。

「えー…。彼女なの?あり得ないよね?だってデブじゃん。」

え……。これってもしかして……。

「しかもブサイクじゃん。何仲良くなってんのかしらね。」

―――――――っ私だ。

⏰:07/10/26 00:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#155 [向日葵]
私は頭がガンガンした。

「ってか桜井も趣味わりーよな。なんであんなの?」

「しーっ!あんまり声デカかったら聞こえるから……っ。」

とか言いつつ、クスクス笑う男子。
馬鹿にし続ける女子。

桜井君がいつもの降りる駅に着いた時、話していたと思う人達が私の前を通った。

一人一人、私の顔をじろじろ見て……。

ドアが閉まる前に聞こえてしまった。
私を馬鹿にした大きな笑い声。

⏰:07/10/26 00:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#156 [向日葵]
……泣きたくなった。

何故自分の体はこんなに太いんだろう。
何故私は美人ではないんだろう。

太ってる人は生きてる価値すらないのかな。
美人じゃなければ恋をするのもいけないの?

誰がいつ……そんなの決めたんだろう。

桜井君の評判が、私のせいで悪くなる。
もう……関わってはいけない……。

私は自分がちっぽけに思えながら、電車に揺られて行った……。

⏰:07/10/26 00:26 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#157 [向日葵]
「おはよーチロル!」

いつものように暁子ちゃんが挨拶してきた。

「おはよー……。」

私は力無く笑って暁子ちゃんに挨拶した。
そんな私を暁子ちゃんは「どうしたの?」と言う風に首を傾げた。

「元気ないね……。」

「寝不足なだけだよ。大丈夫……。」

[大丈夫。]

頭に触れられた感触をまだ覚えてる。
優しい温かな掌。

でも忘れなきゃ。
気持ちに身を委ねる前で良かった……。

⏰:07/10/26 00:30 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#158 [向日葵]
背中に何かが重くのしかかる気がした。

絶望とか、自信の無さとか、卑屈さとか……。

もう私は、自分を好きになれない決定打を打たれてしまった。
醜い自分が、こんなにも嫌い……。
いらないなら消えてしまえばいいのにとさえ思った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「まだ残るの?」

キャンバスに向かう私に暁子ちゃんは聞いた。

時計の針はもう7時を過ぎている。

⏰:07/10/26 00:35 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#159 [向日葵]
「ちゃんと届け出したし、少しでも進めないと間に合いそうにないから。」

「そう?じゃあ気をつけて帰るんだよ?お疲れ!」

「お疲れ。」

教室は静かになった。
動物の標本。何かの骨。マネキン。そして私だけが教室にいる。
いささか気持ち悪くて仕方ないけど……。

私は筆を動かす。
油の匂いが少しだけした。
[千広の絵ってさ、優しいな。]

筆が、キャンバスの上で停止した。

⏰:07/10/26 00:42 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#160 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

>>22に感想板がありますんで良ければ感想お願いします

⏰:07/10/26 00:43 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#161 [向日葵]
「……っ。」

泣くな……。

泣いたって何も変わらないでしょ?
私知ってるもの。

中学生の時も、高校生の時も、大好きな人がいた。

いくら待っても告白される気配なんて全くなかった。でも思い続けてたら振り向いてくれるって思いながら、たまにそれに疲れて泣いてしまう時があった。

もしかしたらこんな私に神様は何かご褒美をくれるんじゃないかと期待して……。

結局は何事もなく卒業し、未練もなさそうに学校からいなくなる好きな人の背中を見るばかりだった。

⏰:07/10/27 00:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#162 [向日葵]
もういい……。
思い続ける自分が馬鹿らしく思えてきた。
こんな自分を好きになる奴が一体どこにいるんだろうかと、私は卑屈になっていった。

でも桜井君だけは違った。

こんな私の頭を撫でて、名前を呼んで……。

そんな桜井君が悪く言われる原因の私は、側にいてはいけない……。

私は誰も好きになってはいけない。

まるで神様から言われてるみたいだった……。

⏰:07/10/27 00:20 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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