○ビー玉ラバーズ○
最新 最初 🆕
#169 [向日葵]
私は人生初告白に頭が真っ白になって何度も瞬きをした。
初めて絶句と言う意味をしる。

「傷ついた千広を慰めようと思ったのに、千広は全然大丈夫そうだったから俺の予定は全部狂った訳!だからつい出た言葉がそれなの!分かった?!」

私は漫画で言う口から可愛いらしい魂が抜けていく状態で固まっていた。

こんな簡単に事が進んでいいのかと頭がぐるぐるし始めた。

「嘘だ……。」

やっと言葉が出せた。

「私みたいなの好きになるなんて……絶対信じないよ……っ。」

⏰:07/10/27 00:51 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#170 [向日葵]
私は180゚回転して階段を早めに降り始めた。

「だったら!」

何段か下りた時、桜井君が叫んだ。
周りが静かなので声がよく通り、大きなその声に立ち止まった私はゆっくりと振り返った。

「信じるまで追いかけてやるよ。」

階段をゆっくり下りながら桜井君はそう言った。

私のいる段まで来ると立ち止まって、ニヤッと笑った。

「覚悟してろよ。」

⏰:07/10/27 00:55 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#171 [向日葵]
その言葉に、私は早くも信じそうになりそうだった。

一番欲しい物が手に入らなかった19年間。

19歳のある日を境に、私の人生が少し変わろうとしていた……。

⏰:07/10/27 00:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#172 [向日葵]
ビー玉4*幼い僕達*











「私引越しするんだ。」

暑い暑い夏の日に、幼なじみの灯(あかり)が、買ったアイスキャンディソーダ味を食べながら呟いた。

当時小学生だった僕達はお互い仲良く、学校から帰ってくると公園でよくこうしたものだ。

⏰:07/10/27 01:02 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#173 [向日葵]
「引越しって……もうすぐ夏休みなのに?!」

「あのね巽(たつみ)。引越しに夏休みとか冬休みとか関係ないの。」

と灯は笑いながらアイスを一かじりした。

そんな軽く笑う灯をヨソに、僕の頭パニックに陥っていた。

僕は灯が好きなんだ。
なのに灯が引っ越してもう二度とこんな風に過ごせなくなるなんて……僕は嫌だ。

「?ちょっと巽?何黙ってんの!あ!分かった。私がいなくなるのが寂しいんだぁ〜。」

と人差し指で僕のこめかみ辺りをツンツン笑いながら灯は突いてきた。

⏰:07/10/27 01:07 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#174 [向日葵]
普段の僕なら「そんな訳あるか」と払い退けるが、引越しの事を聞いてしまった今、僕にそんな余裕などなかった。

灯の手を乱暴に振り払う。

「灯は寂しくないのかよ!そんなヘラヘラ笑いやがって……っ。俺は……。」

12歳になった僕は、「好き」と普通に言えなくなってしまった。

大きくなるばかりがいいことじゃない。

昔の様に「好き」と気軽に言う事が出来るなら、灯を引き留める事が出来るんだろうか。

⏰:07/10/27 01:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#175 [向日葵]
すると灯は笑顔を段々と消し、うつ向いてしまった。

ヤバイ……強くいいすぎたか……?

「……じゃん……。」

「え?」

僅かに聞き取れる声は理解するのには不十分で、僕は聞き返した。

灯はバッと顔を上げると眉を上げ、目は涙で濡れていた。

「寂しくない訳ないでしょ!巽のバカッ!!巽なら笑い飛ばしてくれると思ったのに!泣きたくないから人が明るく話てるのにぃー……っ。」

⏰:07/10/27 01:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#176 [向日葵]
ポテッと溶けてしまった2人のアイスが砂の上に落ちる。

僕は棒もその場に捨てて灯の頭を撫でた。

「ば、馬鹿か……笑える訳ないだろ……。」

「私泣くの性に合わないから好きじゃないの……。知ってるでしょ?」

もちろん知ってる。
いつも見ていた。

笑って、辛くても笑い声溢れる灯だからこそ、その時は愛しいの意味なんか知らなかったけど愛しいと思った。

「俺……灯が好きだよ。」

⏰:07/10/27 01:20 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#177 [向日葵]
「あ……やっぱり?」

「は?」

涙を拭きながら灯はニカッと笑った。

「そんな予感してたんだぁ〜♪」

「なっ……!!」

僕は顔が真っ赤になった。ただでさえ太陽と気温のせいで暑い体が更に暑く熱っていく。

そんな僕を見て、灯はフワッと笑う。

「私も巽が好き。だから離れたくないんだよ……。」

言ってから、灯の顔がほんのり赤くなった。
僕はそれを見て、灯の手をキュッと握る。

⏰:07/10/27 01:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#178 [向日葵]
しばらくの間、やかましい程の蝉の声に耳を澄ませた。

「……いつ行くの?」

「明後日……。」

「そっか……。」

僕らは再び黙った。
そして灯がぽそっと呟いた。

「どうにかならないかなぁ……。」

その言葉を聞いて、僕は一生懸命頭を回転させて方法を考えた。

そして思いついた。
今思えばなんて馬鹿な考えだろうと笑える。

でもその時の僕は、それが精一杯だった。

⏰:07/10/27 01:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194