○ビー玉ラバーズ○
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#30 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あ、ここです。保健医なんですよ先生。」
麻さんはまた綺麗に微笑んで頷いた。
どうやら知ってるみたい。
ガラガラ
開けた途端タバコの匂いがした。先生がいる証拠だ。
「失礼します。先生?お客さんです。」
「客?一体誰……。」
「……こんにちは。」
私は何回か2人を交互に見た。
そして何回かに分かってしまった。悟ってしまった。
:07/10/13 23:17
:SO903i
:☆☆☆
#31 [向日葵]
先生の驚いた顔。
麻さんの嬉しそうな顔。
私は静かに保健室から出て行った。
あの2人は…………元恋人だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日は日直だったから、教室に残って残りの日誌事項を書いた。
やよちゃんは陸上部に入っているので部活へ行ってしまった。
私はシャーペンの先を見ながら頭がパンクしそうなぐらい色々考えていた。
先生はまだ、あの人が……。あの人は私と先生が付き合ってる事知ってるのかな……。
:07/10/13 23:23
:SO903i
:☆☆☆
#32 [向日葵]
「ハァ……。」
ライバル関係になってしまうのなら……私勝つ自信なんてない。
相手は騒がれるほど綺麗で、いい匂いがして……。
試しに自分の毛先に鼻を近付けた。
シャンプーの匂いが微かにするけど、人の鼻に届く程の効力は無さそう……。
シャーペンを置いて、机に伏せる。
少し傾いた西日が眩しい。
私がいなくなった後、2人はどんな話をしたんだろう……。
もしかして……より戻したなんて無いよね……?
:07/10/13 23:28
:SO903i
:☆☆☆
#33 [向日葵]
「コーッラ。」
「へ?」
体を起こすと、側には先生がいた。
「何で今日は来ないの?」
「あ……日誌を書いてて……。」
先生はスルリと日誌を取ると、勝手に書きだした。
「なら早く書いて、いつもみたいに来いよな。寂しいだろ。」
「……っハイ。」
先生が、寂しいと言ってくれた。
わざわざ私のクラスまで来てくれた。
それが何より私は嬉しかった。
:07/10/13 23:34
:SO903i
:☆☆☆
#34 [向日葵]
「よし。じゃあ帰るか。」
「ハイ!」
そして私達はいつも通り家路を急いだ。
********************
来たる日曜は快晴!
見事なデート日和です!
先生と待ち合わせする場所は、知り合いがいなさそうな駅が5つ向こうの花壇。
大きな時計もあって、行くと私の様に待ち合わせしてる人が一杯だった。
思わず観察してしまう。
:07/10/13 23:38
:SO903i
:☆☆☆
#35 [向日葵]
あの人は誰と待ち合わせしてるのかな?
あの人は彼女からメールが来たのかな?
あ!初々しい可愛いカップル!私も今日が初デートですよぉっ!
自分が幸せだと、人も幸せに見えてしまう。
待ち合わせの時間が迫る度、私の心はワクワクした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あ、あれ……?
待ち合わせ……11時だったよね?
時計を見上げると、11時10分になろうとしていた。
10分くらい!と私は周りを観察しながら、先生を待ち続けた。
:07/10/13 23:43
:SO903i
:☆☆☆
#36 [向日葵]
15分……25分……40分……。
流石に遅すがると思い、電話をかけてみる事にした。
{……もしもし。}
「?!」
女の人?!それも……この声……麻さん……?
私は素早く何故か電話を切った。
「せ……先生……?」
どうして麻さんが?
……ううん。落ち着こう。何かがあったのかもしれない。
とりあえず、改札に行って先生をいち早く見れる様に待ってみよう。
:07/10/13 23:49
:SO903i
:☆☆☆
#37 [向日葵]
>>22に感想板を掲載してますんで、良ければ感想よろしくお願いします


:07/10/14 00:26
:SO903i
:☆☆☆
#38 [向日葵]
電車は来るも、先生は来なくて、不安が私を何度も押し潰しそうになった。
その時だった。
「……!」
先生が、エスカレーターから降りてくるのが見えた。
私の顔が、ほころんでいくのが分かる。麻さんとは、やっぱり何も無かったんだ。
「先……っ。」
手を、大きく振り上げた時だった。
人混みをかきわけて、麻さんが後ろから追ってくるのが見えた。
:07/10/16 23:48
:SO903i
:☆☆☆
#39 [向日葵]
少し振り上げたやり場のない手は、静かに下げられた。
不思議な感じ……。
これだけ人がいるのに、先生と麻さんがやけにはっきり見える。
ガヤガヤうるさい人混みの雑音と距離のせいで、エスカレーターを降りて何か言い合ってる2人の会話は聞こえない。
だから、私は直ぐに待ち合わせ場所へ戻れば良かった。
何も知らない、何も見てないかの様に……。
そうすれば……
2人のキスシーンなんて見なくて良かった……。
:07/10/16 23:52
:SO903i
:☆☆☆
#40 [向日葵]
あまりにドラマチックなシュチュエーション。
人混みの中、まるで別れを惜しむ男女。
人はそんな2人を赤い顔をして見つめる。
ねぇ先生……。
私にキスしてくれなかったのは、麻さんを忘れられなかったから?
私が子供だったから?
私は……私みたいな子供は……あの煙すら吸えない子供は……大人の貴方にとって、只の玩具でしたか……?
先生……。
先生……。
:07/10/16 23:56
:SO903i
:☆☆☆
#41 [向日葵]
――――
――――――……
学校がこれだけ億劫な事はなかった。
足が重いとは正にこの事。
ゆっくりした速度で靴を履き替える。
「……ん?」
上靴の上に紙切れ。2つにたたんである。
中を開いた。
<放課後。保健室に来る様に。矢田>
そっか……。私昨日結局すっぽかした事になるんだ。
:07/10/16 23:59
:SO903i
:☆☆☆
#42 [向日葵]
ううん違う。
私恐くて逃げた。
だってきっと先生からは別れの言葉が出てくるだろうから……。
傷つくのが恐くて……私逃げたんだ。
折り畳んであった紙切れを、手のひらで潰して、靴箱近くのゴミ箱に捨てた。
ごめんなさい先生……。
ダメージを受ける準備をさせて下さい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「どうしたの初音。なんか元気無いみたいだよ?」
移動教室の時、やよちゃんが私に言った。
:07/10/17 00:03
:SO903i
:☆☆☆
#43 [向日葵]
やよちゃんには一杯迷惑かけてるから、出来れば何も言わない方がいいと思い、「お腹痛くて」と嘘をついた。その後に「でもすぐ治るよ」と付け足して。そうじゃないと保健室行きを命じられるからだ。
「……っ。」
「初音?!そんな痛いの?!」
いつの間にか、涙が流れた。「違う」と首を振るのが精一杯で、私はうつ向いたまま足を進めた。
どうして今になって流れたんだろう。
・・・
あの時は、まったく出て来なかったのに。
:07/10/17 00:09
:SO903i
:☆☆☆
#44 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
保健室行きの約束を破って、私はやよちゃんがいるグランドの端っこで座っていた。
やよちゃんはさっきからダッシュしたりして綺麗な体を鍛えている。
私もせめて、何か他の事に集中出来る事があれば、こんなグチャグチャな思いを紛らわす事が出来るんだろうに……。
ヴーヴー
カバンの中の携帯が鳴った。
でも今は見れない。
校則違反で没収されてはいけないからだ。
:07/10/17 00:13
:SO903i
:☆☆☆
#45 [向日葵]
どうせメル●ガ類の物だろう。
帰ったらみよう……。
日も大分落ちかけた頃、やよちゃんの部活が終わった。
「ゴメンネ。さて、帰ろう!」
「ウン。」
「私靴履き替えてくるから先に校門で待ってて。」
「分かった!」
そうして二手に別れて私達は歩いた。
校門の外で待とうと思い、私は校門近くの花壇に近付いた。
:07/10/17 00:17
:SO903i
:☆☆☆
#46 [向日葵]
「よう。」
「!!」
もっと早く気づくべきだった。
この慣れた煙の匂いに。
先生は校門近くにいつもの黒い車を止めて、少し離れた私の後ろでタバコを吸っていた。
「ちょっと付き合えや。」
「今日は……無理なんですっ!帰ってやる事が一杯あるんでっ!」
出来るだけ普段通りにと、明るく言ったけど、その裏にある感情が先生に伝わってしまった。
:07/10/17 00:21
:SO903i
:☆☆☆
#47 [向日葵]
「よく言うよ。俺から逃げてるだけのくせに。」
図星を突かれて顔が赤くなる。早くやよちゃんが来ないかと視線を横にずらすと、その間に先生は間合いを詰め、私の腕を痛いくらいに掴んだ。
「来いよ。言う事があるからよ。」
「私、やよちゃんと……っ。」
「お待たせー!…あれ?先生?」
「おう。ちょっとコイツ借りるわ。気を付けて帰れよ。」
そう言って先生は私をズルズル引っ張っていく。
下校時間が少し過ぎてる為、生徒がいなくて良かった。
:07/10/17 00:25
:SO903i
:☆☆☆
#48 [向日葵]
強制且つ乱暴に助手席に載らされて、私は唖然としていた。
私が脳内機能を停止させてる間に先生は運転席に乗り、エンジンをかけ始めた。
その音で覚醒した私は車をお料理とすると
バンッ!!
窓ガラスが割れるくらいに手をついて、先生に行く手を阻まれた。
「逃がすかよ。」
その声は、機嫌が悪い声よりも遥かに低く、恐ろしいものだった。
:07/10/17 00:29
:SO903i
:☆☆☆
#49 [向日葵]
氷ついた私をよそに、先生は猛スピードで車を走らせた。景色がグングン通り過ぎていく。
運転してる間、終始無言だった。
私は胸の奥でバクバク言ってる心臓を落ち着かす事で精一杯だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キキィッ!
ブレーキ音と共に、少し体がつんのめる。
止まった場所は、どうやら海岸近くらしい。
夜で海が真っ黒だった。
ってそんか場合じゃない。
:07/10/17 00:34
:SO903i
:☆☆☆
#50 [向日葵]
※訂正
ってそんか場合×
ってそんな場合○
-----------------------
先生の方に顔が向かない。それ以前に体が動かない。
座ってるせいでお尻が痛くて身動きとりたいのに、この重い空気がそれすらも許してくれないみたいに上手く体が動かせない。
不規則な息遣いになる。
吐息で少し窓ガラスが曇った。
「大原。」
:07/10/17 00:37
:SO903i
:☆☆☆
#51 [向日葵]
ビクッ
静かなせいか、先生の声がやけに耳に響く。
先生がこっちを見てるのは分かる。“話す時は人の目を見て話なさい”が鉄則だけど、そうも簡単に実行は出来ず、やっぱり窓ガラスを曇らせてばかりだ。
するとため息が静かに聞こえた。
「何もしないから。こっち向きな。」
まだ恐いけど、さっきよりも優しい声に、私の首はまっすぐ前を向くくらいになった。後は目を横にずらす。
:07/10/17 00:41
:SO903i
:☆☆☆
#52 [向日葵]
―――――

―――――
今日はここまでにします
>>22に感想板がありますんで、良ければ感想お聞かせ下さい


:07/10/17 00:43
:SO903i
:☆☆☆
#53 [向日葵]
訂正だけしときます

※訂正
>>48車をお料理×
車を降りよう○
車料理してどうするんでしょうね

:07/10/17 09:15
:SO903i
:☆☆☆
#54 [向日葵]
先生の優しい、でも真剣な目が、私を射抜く。
射抜かれた私は、体のあちこちがなんだか痛い気がした。
「今日、何で放課後来なかった?」
「……。約束なんて、してませんよね。私だって……毎日暇してませんから。」
まるで拗ねた言い方。
どうして昨日遅れたくせに私は貴方の都合で振り回されなきゃいけないんでしょうと、言外に私だけそう聞こえた。
でもこれはちゃんと目を見てないから話せる事で、目を見て喋ってしまえば、私はお口にチャック状態だろう。
:07/10/17 16:08
:SO903i
:☆☆☆
#55 [向日葵]
「靴箱。……見たんだろ?」
「……。だからなんですか?靴履き替えますから当たり前」
「文句があんならこっち見て言えよっ!!」
言葉を遮られて、先生は急に怒鳴った。
私はビクッとさっきより震えて、更に先生を見れなくなった。
そして怒鳴られて驚いたせいで、涙がじんわり滲み出した。
泣かまいと我慢して、歯をギュッと食い縛った。
「なぁ。言えよ。俺に不満があんだろ?」
:07/10/17 16:13
:SO903i
:☆☆☆
#56 [向日葵]
私はブンブンと首を横に振るので精一杯だった。
私は顔を少し傾けて先生を視界から消した。
「大原。」
先生の怒った声が耳に響く。
この空間から逃げ出したいっていう思いだけが私の頭を一杯にした。
しばらくして、滲んだ視界に先生の大きな手のひらが出現して、私の頬を包んだかと思うと、先生の方へ向かされた。
と同時に、口の中に、タバコの匂いが吐息と共に微かに流れてきた。
今……私は先生と唇を重ねてる。
:07/10/17 16:21
:SO903i
:☆☆☆
#57 [向日葵]
離れて先生の目を見た時、堪えれきれなくなった涙が頬をつたった。
それは決して嬉し涙なんかじゃない。
「何で……?何でキスするの?!聞き訳がないから機嫌治しとでも思ってるんですか?!」
「は?!落ち着けよ。何言ってるんだ。」
「私……っ貴方の玩具じゃないんです……っ。」
先生にとったら私はまだまだ子供で、考え方も体も、何もかもが未熟。
でも誰かを好きって気持ちに、年齢なんて関係ないでしょ……?
:07/10/17 16:26
:SO903i
:☆☆☆
#58 [向日葵]
「昨日……私がどんな気持ちで待ってたか、先生ご存知ですか……?」
先生と、好きな人との初めてのお出かけは、予想もしない形で裏切られた。
まるで1人で舞い上がっていた私を嘲笑うかの様に。
「私……っ……私は先生の何ですか……?」
そう言って私はうつ向いた。先生はきっと私をフるだろう。この苦しい雰囲気から、早く私を解放して欲しかった。
そんな私を、先生は優しく長い腕の中に収めた。
そして背中をさすってくれる。
:07/10/17 16:33
:SO903i
:☆☆☆
#59 [向日葵]
「何って……大切な人に決まってんでしょうが……。俺の事嫌いになったの?」
先生は優しい声で私に話しかける。
「違……っ。だってあの日……麻さんと……。」
「やっぱり見てたか……。遅れたのもアイツのせいだよ。待ち合わせの駅とは逆の場所に連れて行かれてな、ホラ、あそこ普通しか止まんないでしょ?」
私は先生を一旦離してじっと見た。
先生から恐い雰囲気はもう消えて、ただ柔らかい雰囲気が先生を包んでいる。
「アイツが元カノだって事はもう気づいてるだろ?」
:07/10/17 16:42
:SO903i
:☆☆☆
#60 [向日葵]
私はコクンと頷く。
優しく微笑んだまま、先生は話を続けた。
「この頃「会いたい」だのなんだの連絡がしょっちゅう来てな。無視したら遂には家前で待ち伏せだ。」
それでこの頃機嫌が悪かったのかとパズルがはまるみたいにパチンと分かった。
「付いてくるわ、無理矢理違う方面のしかも特急乗せられるわ……俺だって散々だった訳よ……。」
「それだけじゃない……。」
「キスの事言ってんの?」
私はまた頷いた。
:07/10/17 16:57
:SO903i
:☆☆☆
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