○ビー玉ラバーズ○
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#450 [向日葵]
ビー玉ラバーズスペシャルストーリー

*恋愛喫茶店―世津&マスター―*









季節は秋に移り変わろうとしていた。

半袖では少し寒く、長袖では少し暑いこの時期。

そんなむしゃくしゃする季節には、あそこが一番。

その名も、「恋愛喫茶店。」

⏰:07/11/21 20:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#451 [向日葵]
私こと相模原 世津(さがみはら せつ)は、そのなんともうさんくさい喫茶店の常連だ。
いや、常連と言うか……。

カランカラーン……

「マスター。こんにちはー。」

挨拶をしながらドアをくぐると、カウンターにはお湯を沸かしているマスターがにっこり笑って私を迎えてくれた。

「世津さん。いらっしゃいませ。」

常連なんて半分嘘。

私はこの綺麗な顔立ちをしたマスターさんの恋人だったりします。

⏰:07/11/21 21:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#452 [向日葵]
マスターから告白されてもうすぐ4ヶ月程が経とうとしている。

告白はなんとマスターからだった。

マスターと言っても私とは6歳差。
そこらにいるおじさんではない。

「なんか飲み物下さいな。」

「かしこまりました。丁度新しい紅茶の葉が入りましたんで。少々お待ち下さい。」

用意しているマスターを見ながらふと思った。

「ねぇマスター。私そういえばマスターの誕生日知らないですけど。」

⏰:07/11/21 21:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#453 [向日葵]
コポコポお湯を注ぎながらマスターは穏やかに笑った。

「あまり、誕生日と言うのは好かないもので。なんと言っても私を捨ててしまわれた両親の元に生まれた日ですからね。」

いい香りの紅茶が出てきた所で私は「しまった……っ。」と後悔した。

マスター。もとい那月さんは、幼い頃捨てられ、今は亡き喫茶店のマスターに育ててもらったと言う。

23歳の大人とは言え、捨てられた傷は大きい筈。
出来るだけ触れないようにしてたんだけど……。

⏰:07/11/21 21:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#454 [向日葵]
――――――――――――

キリます(◎・ω・◎)

>>283に感想板がありますんで良ければ感想お願いします

⏰:07/11/21 21:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#455 [向日葵]
「ごめんなさい……。」

「何故謝るのです?世津さんは何も悪い事はしてませんよ。だから……。」

と言って、カウンター越しに片手を伸ばして、優しく私の頬を包んだ。

その行為に、反省で少し伏せていた目を開き、固まった。

「そんな顔なさらないで下さい。」

マスターを見ると、やっぱり穏やかに微笑んでるだけで、でもその笑顔に苦しみのような感情はなさそうだった。

「……ハイ。」

⏰:07/11/24 00:02 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#456 [向日葵]
喫茶店ならではの温かな雰囲気が私達を包もうとした。

その時だった。

バターン!
ガランガランガラン……

派手に喫茶店の扉が開いて、来客を告げるベルがうるさいくらいに鳴り響いた。

「マスター!」

振り向くと、中学2年生くらいの活発そうな女の子が満面の笑みで入ってきた。

「あぁ梨子(りこ)さん。いらっしゃいませ。」

⏰:07/11/24 00:06 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#457 [向日葵]
「ウフフー!いらっしゃいましたぁっ!」

と言いながらカウンターに座り、マスターに「アイスカフェオレ!」と元気よく頼んだ。

半ば驚いていた私は彼女を呆気にとられて見ていた。
でも私は気付いた。

この子、マスターが好きだな……?

「ねぇマスター!私今日部活のレギュラーに選ばれたんだ!誉めて誉めて!」

見た所彼女は体育系で、しかも外の競技っぽい。
小麦色に焼けたその肌が物語っていた。

⏰:07/11/24 00:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#458 [向日葵]
マスターは注文されたカフェオレを作りながら相槌を打っていた。
すぐ近くの私は少しいたたまれなくなって、後ろのテーブル席に移動した。

「だからマスター頭撫でて!いつもみたいに!」

移動して座ろうとしていた私はピクッと反応してしまった。

頭撫でる……?

いつもみたいに……?

「偉いですねー。」

マスターは何の躊躇もなくその子の頭を丁寧に撫でた。

⏰:07/11/24 00:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#459 [向日葵]
「……。」

落ち着け。落ち着け私……。
大丈夫。ヤキモチなんて……妬くだけ無駄って言うか。マスターが好きなのは(自分で言うのも何だけど)私な訳だし……。

と思いつつも気持ちを抑えられない私は飲もうとしていた紅茶のカップをプルプル震わせた。

再び「落ち着け」と暗示をかけていると、お店の奥から電話が鳴りだした。

「あ、少し、失礼しますね。」

そう言って奥へ消えて行ったマスター。
なんとなく気まずい空気が流れていると感じているのは私だけだろうか……。

⏰:07/11/24 00:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#460 [向日葵]
「ねぇちょっと。」

「え……?」

さっきより低めの声はまさしく梨子ちゃんとか言うあの子から発せられたもので、私は紅茶から彼女に目を向けると、梨子ちゃんは椅子を少しクルリと回してカウンターに肘をつきながら私を見ていた。

「あの……何か?」

「アンタ、マスターの彼女でしょ。」

おおっと落ち着け私ぃ。
いくら年上に敬語が使えない上“アンタ”呼ばわりされたからって怒るな怒るなっ。

⏰:07/11/24 00:24 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#461 [向日葵]
「そ……そうだけど……。」

作り笑いをしていても自分の顔がどうなっているかが薄々分かっていた。
多分青筋立ててる。

「ハァ……やっぱりね……。」

そっぽを向きながら梨子ちゃんは呟いた。
そして何か考えてからまた(偉そうに)私を見た。
私はその目線に不快感を隠せそうになかったが、なんとか頑張った。

「最近、マスターの感じ変わったからもしかしたらと思ったのよねー……。まさか先に越されてるだなんてなぁー。」

⏰:07/11/24 00:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#462 [向日葵]
「ハァ……。」

「一体どんな手を使ってマスター落とした訳?色仕掛け?……でもないか。」

コイツ……今確実に胸当辺り確認しやがった……っ。
どうせAカップだよバカヤロウ!!

「私、マスター好きなの。アンタみたいなおばさんに負ける気しないから。むしろ奪うし。」

「そ……そう……。」

「落ち着け」の代わりに、今度は「私の方が大人」と暗示し続けた。
でなければ今直ぐにでも胸ぐらを掴んでしまいそうな自分が怖かった。

⏰:07/11/24 00:32 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#463 [向日葵]
「別に10歳差とか、この頃じゃ普通じゃん?だから「無理だ」とか余裕ぶらない方がいいと思うよ?今の中学生舐めたら痛い目見るかんね。」

それだけ饒舌なら舐めてなんかいられないって…。

「お待たせしました。」

奥からマスターが帰ってくると、目を見張るぐらいの早さで梨子ちゃんは椅子をマスターの方へ戻した。

「ぜぇんぜんっ!そこの美人なお姉さんとお話してたからっ!」

あぁ……どうしよう……女って怖いなぁー……。なんだその極端な二重人格。

⏰:07/11/24 00:38 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#464 [向日葵]
―――――――……

結局梨子ちゃんは私が帰ろうと思う時間までいて、ロクにマスターとは会話する事が出来なかった。
諦めて、カバンとお金を置いた私は静かに喫茶店をあとにした。

しかし……最近の中学生ってすごいなぁ……。
私が中学生の時ってあんなだっけか?

ってか……嫌だったな……。

マスターがあの子の頭に優しく触れた瞬間、胸の奥がジリジリ痛くなった。

「馬鹿みたい……。」

年下に妬くだなんて……。

⏰:07/11/24 00:42 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#465 [向日葵]
――――――――――――

今日はここまでにします(◎・ω・◎)

>>283に感想板がありますんで、良ければ感想お願いします

⏰:07/11/24 00:43 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#466 [向日葵]
トボトボ家へ帰る。
足取りは驚くほど重い気がした。

「世津さん!」

「え?」と思い、重かった足を止め、後ろを振り向いた。
すると、蝶ネクタイもチョッキも、どこかの貴族のような片方だけの眼鏡も外したマスターが向こうから走ってきといた。

私の前まで辿り着いたマスターは息を少し切らしながら私を見つめた。

「帰らないで下さいよ……私は毎日送らせて頂いてるじゃないですか。」

⏰:07/11/25 01:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#467 [向日葵]
「だ…っ、……だって……。」

お客さんの機嫌を損ねてしまえば、マスターに迷惑がかかる。
それならば、私が幾分か我慢した方が事は丸くおさまるし

……何より、私があそこにいたくはなかったんだもの……。

「…?世津さん……?」

マスターは気遣わし気に私を見る。
そして右手をそっと差し出して、私に触れようとした。

それを視界の隅に認めた私は、反射的にその手を払ってしまった。

⏰:07/11/25 01:32 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#468 [向日葵]
パシッと乾いた音が響いた所で私はハッとした。

「あ、ごめんなさ……。」

マスターはびっくりしていた。
目には少し悲しそうな雰囲気が漂っていた。

「ごめんなさい……。」

私はもう1度謝った。

でも、触れて欲しくはなかった。

あの子を触った手で、私を触って欲しくはなかったの……。

「私は、世津さんに何か気に障る事をいたしましたか……?」

⏰:07/11/25 01:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#469 [向日葵]
それがあの子に対する嫉妬だと知ったら、マスターは私をみっともないと蔑ずんでしまうかもしれない……。

「す……拗ねてたんですっ!」

だから嘘をついた。

「マスターが誕生日を教えてくれないから。何でよ!って。ただそれだけです。」

マスターはしばらく私の顔をじっと見つめた。
私は嘘と見極められない為ぐっと神経を集中させた。

するとマスターの顔から緊張がとけた。

⏰:07/11/25 01:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#470 [向日葵]
「10月14日ですよ。丁度明後日の日曜に24になります。」

「え?!そんな間近だったの?!」

もっと余裕がある事を期待していたから、嘘をついたのは自分と言えど動揺を隠せないでいた。

「でも……教えてくれて、ありがとう。お陰で、マスターの誕生日見逃さずにすみましたっ。」

マスターは、今度は嫌がらなかった方の手で私の顔を包む。
それに気づいたから、私は今度は抵抗しなかった。

⏰:07/11/25 01:44 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#471 [向日葵]
「こんな事で、世津さんの笑顔が見れるならばいつでもお教えしますよ。」

私は嬉しくなって、顔をほころばせた。

「ありがとう。」

そう言うとマスターも穏やかに笑った。
と、急にマスターの顔が近づいて、ほんの2秒ほど唇が重なった。

半時遅れて、私の体温が首から上がっていくのが分かった。

「……マッ……!マスター!」

「クスクス。すいません。」

⏰:07/11/25 01:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#472 [向日葵]
顔が赤い私を引っ張る形で、マスターはいつもみたいに私をちゃんと家まで送ってくれた。

――――――――……

「マスターの誕生日明日なんですってね。」

土曜日。
本来なら中学生で部活をやっているのならば学校に行ってる時間に梨子ちゃんはいた。

「……ん?なんでそれ……。」

「昨日マスターアンタが出ていったって気づいてからあたしを放って出て行ったのよ。」

その言葉に少し胸が温かくなる。

⏰:07/11/25 01:52 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#473 [向日葵]
そんな私を気にもせず、梨子ちゃんは喋り続ける。

「で、気になって追い掛けたら思わぬ収穫ってわけ。ってかさ、キスされたとか超ムカつくんですけどっ。」

つまり尾行されてたんだマスター……。
しかもキスされてたトコまで見られてただなんて……っ。

「で、でも、私彼女なんだからキスぐらいするもん。」

とりあえず威厳みたいなものを見せ付けるために反論してみる。

効果はまぁまぁあったみたい。梨子ちゃんは悔しげに歯を食い縛っている。

⏰:07/11/25 01:56 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#474 [向日葵]
「アンタなんか……マスターにふさわしくないっ!」

「それを決めるのは貴方じゃない。」

その時マスターが奥から出てきた。

「お2人共仲がよろしいんですね。」

「ウンそうなのぉーっ!」

相変わらずの豹変ぶりは拍手を送りたくなる。
私には絶対不可能だ。
梨子ちゃんは猫なで声を続ける。

「マスター、そこのお姉さんから誕生日の事聞いたの!お祝いしたいんだけどダメェ?!」

⏰:07/11/25 02:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#475 [向日葵]
おいおいっ!それは私のセリフなんだけど?!

「そんなお気遣いいりませんよ。梨子さんがこうしていつも来て頂く事が何よりも宝物です。」

梨子ちゃんはお祝いを断られて明らかなシュンとしていた。
これはきっと演技でもなんでもなく、この子の素の部分だろう。

「じゃあ!私が一番にお祝いするっ!」

え?

「マスター!おめでとう!」

マスターは目を細めて喜んだ。

⏰:07/11/25 02:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#476 [向日葵]
私はそんなマスターと梨子ちゃんをぼんやり見ていた。

あ……また胸がザワザワする……。

「世津さん?」

私はハッとしてマスターを見た。
その横には「してやったり」とニヤけている梨子ちゃん。
私はあり得ないくらいの怒りの炎を燃やした。

「マスター。ごめんなさい、一旦帰りますっ。まだ朝なので送るのはいいですからっ!」

出て行く時に、マスターが私の名前を呼んだ気がした。

⏰:07/11/25 02:09 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#477 [向日葵]
――――――――――――

今日はここまでにします(◎・ω・◎)

>>283に感想板がありますんで、良ければ感想お願いします

⏰:07/11/25 02:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#478 [向日葵]
家に帰ると双子で妹の世衣せい)が私を出迎えてくれた。

「お帰りせっちゃんっ。マスターのトコに行ってたんじゃなかったの?」

「ウン……。ちょっとね。ねぇ世衣。ちょっと買い物行かない?」

「行くー!あたしね、服せっちゃんと見たかったんだぁ!!」

本当は買い物なんて気分じゃない。
でもなんとかして怒りの炎を沈めたかった。

マスターが追いかけてこない。
それもイライラしてる1つなのかもしれない。

⏰:07/11/26 01:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#479 [向日葵]
自分で「追いかけてくんな」と言ったようなものなのに……。
矛盾してるよね……。

――――――……

買い物から帰ってきてから私はずっと部屋に閉じ込もった。

モヤモヤ考えながらベッドの上で行ったり来たりとゴロゴロする。

「ハァー……。明日どうしよう……。」

チラッと、ベッド前に置いてあるミニテーブルの上を見た。

ラッピングされた小包が1つだけコソンとある。

⏰:07/11/26 01:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#480 [向日葵]
私はそれを今度はジーッと見つめた。

それはマスターへのプレゼントなのだ。

明日、渡したいんだけど……今日あんな態度を取ってしまったからなぁ……。

マスターも別にあれから何も言ってこないし……。
今度こそ……嫌われちゃったのかもしれない。

「短気は損気……。」

言葉の意味がよく分かる。

でも……私はウジウジするのが人一倍大っ嫌い。

時計を見ると、もうすぐ10時。
部屋を出てお風呂に入り、隅々まで洗う。

⏰:07/11/26 01:27 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#481 [向日葵]
そしてあがってから階段を駆け上り、ドアを閉める前に家の皆に聞こえるくらいの声で

「おやすみっ!」

と言った。

でも実際は寝るんじゃない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

11時40分。

私はそろーっと部屋のドアを開けた。
家の中はシーンとしている。

ここで嬉しいのが私の家の就寝時間が早いって事だ。

⏰:07/11/26 01:30 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#482 [向日葵]
私がやる事。
それは1つ。

今からマスターに会いに行くのだ。

マスターに24歳おめでとうって、仲直りするつもりで言いに行く。

足音を出来るだけ立てず、玄関のドアを静かに閉めて、作戦へ移る。

とにかくダッシュでマスターの元へ。
秋になりかけの夜中は思っていたよりも涼しかった。

せっかくのお風呂も汗ばんだ肌には意味がないような気がしたけど、多分マスターは気にしないだろう。

⏰:07/11/26 01:34 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#483 [向日葵]
「ハァ……ハァ……あれ……?」

閉店時間はとっくに過ぎている筈の喫茶店に、灯りがまだついていた。
さすがにドアには「Close」の看板がかけてあったけど。

中を覗くと、マスターがまだカウンターにいた。

思い切って、ドアを軽くトントンと叩いてみる。

「こんな時間なのに誰だ。」と言う驚きは見せなかったマスターだが、訪問者が私と分かると目を見開いてすぐにドアを開けに来た。

「世津さんっ!何をなさってるんですかこんな時間にっ!」

⏰:07/11/26 01:39 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#484 [向日葵]
腕を引っ張って中へ入れてもらった。

マスターの少し怒った目を無視して、私は携帯の時計を見た。

「……50分……。」

「え?」

「マスター、文句は後で聞くから、黙って10分間私をここにいさせて。」

マスターは何が何だかと言った風に顔をしかめたが、直ぐに口元に笑みを戻した。

「お飲み物でも用意しますね。」

そう言ってカウンターに行ってしまった。

⏰:07/11/26 01:43 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#485 [向日葵]
今の会話で約2分……。

私の胸はウズウズして仕方なかった。

早く早くと体を揺らしたい気分。
でも貧乏揺すりは品が無いと思い、必死に高まる体を押さえつけた。

すると段々と喫茶店に甘い香りが漂ってきた。

カウンターを見ると丁度マスターと目が合い、私ににっこり微笑んだ。
それだけで私の心臓がドキンとする。

「な、何を作ってるの……?」

「もう少しお待ち下さい。すぐ出来ますから。」

⏰:07/11/26 01:51 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#486 [向日葵]
しばらくしてテーブルに出てきたのは

「キャラメルマキアーとです。いい香りでしょう。」

甘い匂いの原因はこれだった。

「あ……ありがとう……。」

一口飲もうとしたけど、見るからに熱そうなのでじっと見るだけにした。

マスターは私の向かい側に座って黙っている。

「――っ何か喋ってぇ!」

⏰:07/11/26 01:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#487 [向日葵]
沈黙に耐えきれなくなった私はマスターに懇願した。
いきなりの私の言葉に珍しくマスターがビクッとしていた。

「いえ……何かジリジリしておられましたんで、黙っていた方が良いと思いまして。」

「黙られた方がジリジリするわよ……。」

ため息をついて時間を見た。
只今56分……。

「梨子さんが……。」

その名前を聞いて、今度は私がビクッとしてしまった。
何しろ気まずくなった元はあの子にもあるのだから。

⏰:07/11/26 01:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#488 [向日葵]
「私を好きだと……おっしゃいました。」

「……うん。そう……。」

57分……。

マスターは指先を絡めたり外したりを繰り返している。
私はそれをじっと見ながら、マスターの次の言葉を待っている。

「失礼ながら……お断りさせて頂きました。」

「失礼ながら……?」

失礼って何?
断るのなんか……当たり前だと思ってた。

⏰:07/11/26 02:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#489 [向日葵]
「マスターは優しすぎる!」

ガタッと席を立った。
机に少し当たってしまい、振動でキャラメルマキアートがチャポンと音を立てた。

「マスターは、私が好きじゃないの?!なのに「失礼ながら」って……っ。マスターはあの子の事が少しでも好きだったとかそういう訳?!」

58分……。

「違いますよ。大切なお気持ちを私は踏みにじってしまったんです。だから」

「そういうのが、私は嫌なのっ!」

⏰:07/11/26 02:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#490 [向日葵]
ああ!私仲直りするつもりで来たのに何ケンカしちゃってるのよ!

……でもどうしよう……止まらない……。

「目の前で他の人の頭撫でたり、優しく笑ったりするの嫌なの!仕方ないって分かってる!それがマスターの仕事だもんっ!……でも納得出来ない所があるんだもん!」

「世津さ」

「マスターが私を大事にしてくれてるのは分かってるの!でも、そんな寛大に見れるほど私には余裕がないのっ!」

59分……。

あと1分と気づいた所で私は黙った。
一気に言いたい事を言ったから息が軽く上がっていた。

⏰:07/11/26 02:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#491 [向日葵]
感情が高ぶって、涙ぐんでるのが分かる。

マスターは、唖然と、だけどどこか冷静に私を見つめていた。

もう終りだ。
そんな気がした。

自分の隣に置いてあるプレゼントを掴んでマスターに押し付けた。

「プレゼントです……。本来なら私が一番におめでとうって、お祝いしてあげたかった……。」

そう告げて、私は席を立った。
現在、0時1分。

「じゃあ……帰りますんで……。」

⏰:07/11/26 02:14 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#492 [向日葵]
ドアを開けたと思うと、すぐにしまった。
ドアノブにかかっている私の手に、マスターの手が重なっている。

「マス……。」

マスターが後ろからゆっくり私を抱き締めた。
私はドキドキしながら固まる。

「私は……そんなにも世津さんを傷つけていたんですね……。」

マスターの腕の力が少し加わった。

「でも嬉しいんです。世津さんがここまで打ち明けて下さった事が……。」

⏰:07/11/26 02:17 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#493 [向日葵]
腕をほどいて、マスターに向き直った。
マスターはいつものように穏やかに笑っている。
手は、私の腰辺りを抱き締めている為、マスターとの距離は近かった。

「世津さんは何かいつも我慢してるようだったので不安だったんですよ。」

「だって……こんな私は嫌われると思ったから……。」

マスターはゆっくりと首を横に振った。

「嫌いになるだなんて……絶対にしませんよ。」

急に、マスターがとても愛しくなって、腕をマスターの首に巻き付けた。
マスターも抱き締め返してくれる。

⏰:07/11/26 02:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#494 [向日葵]
「あれ、いいですね。大事にしますよ。」

マスターが指してる“あれ”は、私が渡したプレゼント。
中身はコーヒーカップだ。

「無理しなくていいですよ。あんまり嬉しくないでしょ。」

「そんな事ないですよ。世津さんから頂いた物ですから……。」

「じゃあ使って?今から一緒にコーヒー飲みましょうよ。那月さん……。」

クスッとマスターの笑い声が聞こえた。
体を離すと、マスターの顔が少しだけ赤くなっていた。

⏰:07/11/26 02:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#495 [向日葵]
「世津さんから名前を呼ばれるのは、またとない幸福ですね……。」

私達はまた笑い合って、一緒にコーヒーを飲みながら時が経つのを忘れて話した。

ぬるくなってしまったキャラメルマキアートは、その日の後何回も飲んだけど、マスターの誕生日程、美味しいとは思わなかった。

一緒に飲んだからこそ、美味しくそして、優しい味がするんだと、後々に分かった。




*恋愛喫茶店*END

⏰:07/11/26 02:32 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#496 [向日葵]
ビー玉ラバーズ*スペシャルストーリー*
*黒蝶・蜜乙女*












「大っっ嫌い!!!!」

「なんだと?!」

冒頭から何事と思いますよね。
でも私はどうしても許せなかったんです。
なので……ケンカ勃発中……。

⏰:07/11/26 02:35 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#497 [向日葵]
どうもこんにちわー!
お久しぶりですっ!

専門学生になって早4ヶ月の本山 蜜(もとやま みつ)。18歳です。

何故私達がケンカしてるかと言うと、原因は皆さんご想像の通り……

・・・
アイツです。

そう。忘れもしない超超超美形でクサくてサブいセリフが大好きでスケベで横暴でミスター俺様!

その名も……

「セツナ!!」

そして私達がケンカをしてるかと言うと、今から数時間前に上ります……。

⏰:07/11/26 02:41 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#498 [向日葵]
――数時間前――

「くぁーっ!あっつーい……。」

夏休みに入った私は、いつもの様に家事を頑張っていました。
只今外で洗濯干してまぁーす!

「蜜。」

「なぁにラフィーユ。」

「俺とラフィでちょっくら蜜吸ってくるわ!」

ラフィーユとオウマ君は私の友達のような存在で、今は家に一緒に住んでます。ついでに学校も一緒だったりしています。

「そう。気をつけてね。」

⏰:07/11/26 02:45 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#499 [向日葵]
「おうよぉ!」

と2人は元気に飛んでいきました。
残りは……。

「おい蜜。」

ほーら来た。

「何ですかセツナ。」

「何ですかじゃない。いつになったら相手をしてくれるんだ。」

実はこの所、課題やら家事やら睡眠やらでセツナをおざなりにしすぎていて、セツナのご機嫌急降下……。

そりゃいいですよねセツナは。単位とか気にしなくていいんですもの。

⏰:07/11/26 02:49 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#500 [向日葵]
というか、セツナは学校には行ってない。
セツナはセツナで、あちらの世界で忙しいらしく、私達はほとんどがすれ違い状態だった。

ところが、私が夏休みと言う理由から、セツナも仕事を放棄して私にべったり……と言うことらしい。
しかし、私がそれどころしゃなかったって事で……。

「仕方ないじゃないですか。ラフィーユにはお料理やら何やら手伝ってもらってるんですから。たまには私がしないと。」

と言いながら洗濯物を干していると、「チッ」と聞こえよがしに聞こえた。

⏰:07/11/26 02:53 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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