○ビー玉ラバーズ○
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#50 [向日葵]
※訂正
ってそんか場合×
ってそんな場合○
-----------------------
先生の方に顔が向かない。それ以前に体が動かない。
座ってるせいでお尻が痛くて身動きとりたいのに、この重い空気がそれすらも許してくれないみたいに上手く体が動かせない。
不規則な息遣いになる。
吐息で少し窓ガラスが曇った。
「大原。」
:07/10/17 00:37
:SO903i
:☆☆☆
#51 [向日葵]
ビクッ
静かなせいか、先生の声がやけに耳に響く。
先生がこっちを見てるのは分かる。“話す時は人の目を見て話なさい”が鉄則だけど、そうも簡単に実行は出来ず、やっぱり窓ガラスを曇らせてばかりだ。
するとため息が静かに聞こえた。
「何もしないから。こっち向きな。」
まだ恐いけど、さっきよりも優しい声に、私の首はまっすぐ前を向くくらいになった。後は目を横にずらす。
:07/10/17 00:41
:SO903i
:☆☆☆
#52 [向日葵]
―――――

―――――
今日はここまでにします
>>22に感想板がありますんで、良ければ感想お聞かせ下さい


:07/10/17 00:43
:SO903i
:☆☆☆
#53 [向日葵]
訂正だけしときます

※訂正
>>48車をお料理×
車を降りよう○
車料理してどうするんでしょうね

:07/10/17 09:15
:SO903i
:☆☆☆
#54 [向日葵]
先生の優しい、でも真剣な目が、私を射抜く。
射抜かれた私は、体のあちこちがなんだか痛い気がした。
「今日、何で放課後来なかった?」
「……。約束なんて、してませんよね。私だって……毎日暇してませんから。」
まるで拗ねた言い方。
どうして昨日遅れたくせに私は貴方の都合で振り回されなきゃいけないんでしょうと、言外に私だけそう聞こえた。
でもこれはちゃんと目を見てないから話せる事で、目を見て喋ってしまえば、私はお口にチャック状態だろう。
:07/10/17 16:08
:SO903i
:☆☆☆
#55 [向日葵]
「靴箱。……見たんだろ?」
「……。だからなんですか?靴履き替えますから当たり前」
「文句があんならこっち見て言えよっ!!」
言葉を遮られて、先生は急に怒鳴った。
私はビクッとさっきより震えて、更に先生を見れなくなった。
そして怒鳴られて驚いたせいで、涙がじんわり滲み出した。
泣かまいと我慢して、歯をギュッと食い縛った。
「なぁ。言えよ。俺に不満があんだろ?」
:07/10/17 16:13
:SO903i
:☆☆☆
#56 [向日葵]
私はブンブンと首を横に振るので精一杯だった。
私は顔を少し傾けて先生を視界から消した。
「大原。」
先生の怒った声が耳に響く。
この空間から逃げ出したいっていう思いだけが私の頭を一杯にした。
しばらくして、滲んだ視界に先生の大きな手のひらが出現して、私の頬を包んだかと思うと、先生の方へ向かされた。
と同時に、口の中に、タバコの匂いが吐息と共に微かに流れてきた。
今……私は先生と唇を重ねてる。
:07/10/17 16:21
:SO903i
:☆☆☆
#57 [向日葵]
離れて先生の目を見た時、堪えれきれなくなった涙が頬をつたった。
それは決して嬉し涙なんかじゃない。
「何で……?何でキスするの?!聞き訳がないから機嫌治しとでも思ってるんですか?!」
「は?!落ち着けよ。何言ってるんだ。」
「私……っ貴方の玩具じゃないんです……っ。」
先生にとったら私はまだまだ子供で、考え方も体も、何もかもが未熟。
でも誰かを好きって気持ちに、年齢なんて関係ないでしょ……?
:07/10/17 16:26
:SO903i
:☆☆☆
#58 [向日葵]
「昨日……私がどんな気持ちで待ってたか、先生ご存知ですか……?」
先生と、好きな人との初めてのお出かけは、予想もしない形で裏切られた。
まるで1人で舞い上がっていた私を嘲笑うかの様に。
「私……っ……私は先生の何ですか……?」
そう言って私はうつ向いた。先生はきっと私をフるだろう。この苦しい雰囲気から、早く私を解放して欲しかった。
そんな私を、先生は優しく長い腕の中に収めた。
そして背中をさすってくれる。
:07/10/17 16:33
:SO903i
:☆☆☆
#59 [向日葵]
「何って……大切な人に決まってんでしょうが……。俺の事嫌いになったの?」
先生は優しい声で私に話しかける。
「違……っ。だってあの日……麻さんと……。」
「やっぱり見てたか……。遅れたのもアイツのせいだよ。待ち合わせの駅とは逆の場所に連れて行かれてな、ホラ、あそこ普通しか止まんないでしょ?」
私は先生を一旦離してじっと見た。
先生から恐い雰囲気はもう消えて、ただ柔らかい雰囲気が先生を包んでいる。
「アイツが元カノだって事はもう気づいてるだろ?」
:07/10/17 16:42
:SO903i
:☆☆☆
#60 [向日葵]
私はコクンと頷く。
優しく微笑んだまま、先生は話を続けた。
「この頃「会いたい」だのなんだの連絡がしょっちゅう来てな。無視したら遂には家前で待ち伏せだ。」
それでこの頃機嫌が悪かったのかとパズルがはまるみたいにパチンと分かった。
「付いてくるわ、無理矢理違う方面のしかも特急乗せられるわ……俺だって散々だった訳よ……。」
「それだけじゃない……。」
「キスの事言ってんの?」
私はまた頷いた。
:07/10/17 16:57
:SO903i
:☆☆☆
#61 [向日葵]
「よくあるでしょ?「キスしてくれたら諦める」ってやつ。まんま言ってくれたよ。だからした。それだけ。」
「それだけ……。」
私の声の変化に、先生は眉を寄せた。
「ん…なに?」
「“それだけ”だなんて、私は思えません。」
だってキスは、お互いに好きだって分かりあうもので、その度もっと好きになって、それはまるで宝物で……。
先生の唇が私の頬やおでこに触れる度、私の胸は幸せで一杯だった。
:07/10/18 00:03
:SO903i
:☆☆☆
#62 [向日葵]
「先生は……そんな軽いものみたいに……お手軽にしてしまうんですね……。」
「どうでもいい奴にはな。」
先生はまた私を抱き締めた。ギュッとされて、私は息が詰まりそうになる。
「でもお前は別だ。何度も思った。唇に触れたいってな。……でも、勿体無い気がして無理だったんだよ。」
「勿体無い……?」
先生は「そう。」と呟いた。
「減るもんじゃないのに、何でだろうな……。」
:07/10/18 00:08
:SO903i
:☆☆☆
#63 [向日葵]
なんだ……なぁんだ……。
先生は、私に触れたがってくれてたんだ。
私をちゃんと好きでいてくれたんだ。
子供だからとか、そんなのじゃなくって、ただ1人の人間として、好きになってくれてたんだ……。
「先生。」
「ん?」
「大好きです……。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カチッ
帰りに送ってもらう時、先生がタバコに火をつけた。
:07/10/18 00:11
:SO903i
:☆☆☆
#64 [向日葵]
「先生にしては久々にタバコ吸いますね。」
「まぁな。」
「何か理由でもあったんですか?」
先生はハンドルを片手で運転しながら窓を開けて空気抜けをした。
そしてフーッと煙を吐いてから、理由を話してくれた。
「緊張するとな、どうしても上手く吸えないんだ。さっきも、もしかしたらお前にフラレるのかと思ってな……。」
と先生は照れ笑いを浮かべた。
:07/10/18 00:15
:SO903i
:☆☆☆
#65 [向日葵]
そして私は先生に告白された日の事を唐突に思い出した。
そういえば、あの時も吸ってなかった。
それは私に告白する時、緊張してたって事……?
そう思うと、自然と笑顔になってしまう。
「でも私、先生のタバコの匂い好きですよ。でもタバコっておいしいんですか?」
私が質問すると、先生は横目で私を見てニヤッと笑った。
「試してみる?」
信号は赤。
:07/10/18 00:19
:SO903i
:☆☆☆
#66 [向日葵]
先生はタバコを吸うと私に近づき、直接口へと入れてきた。
それはなんとも言えない、まるで媚薬のような
甘い煙……。
:07/10/18 00:20
:SO903i
:☆☆☆
#67 [向日葵]
ビー玉2*子供カレシ*
人混みが大っ嫌い。
よそ見も出来ないくらい周りを見渡さなきゃならないから。人の顔すら見えないような虚しい人だかりはイライラする。……だけど。
彼氏の浮気現場をいち早く見つける私にはもっとイライラする。
私の名前は栄居 奏(さかい かなで)。もうすぐ17歳。
:07/10/18 00:26
:SO903i
:☆☆☆
#68 [向日葵]
彼氏である嵐山 満(あらしやま みつる)(18)とデートの待ち合わせ……
……の予定だった。
「あっ!奏ちゃん!」
と駆けよってきた先輩。この人こそ私の彼氏。そして冒頭で話した正に浮気をしている張本人。
「先輩……今日デートって言いましたよね…。しかも先輩から。」
「ん?そうだっけ?」
:07/10/18 00:30
:SO903i
:☆☆☆
#69 [向日葵]
さて質問です。
皆さんならこんな返事が帰ってきた場合、どうしますか?
いち。「何よそれ!」と怒ってみる。
に。「ひどいよ……。」と泣いてみる。
さん。「私が間違ってたかぁ!」と彼に合わせる。
さぁどれですか?
え?私?私はよん。
殴る。
ボッコ――――ンッッ!!!!
げんこつアッパーKO勝ち。
:07/10/18 00:33
:SO903i
:☆☆☆
#70 [向日葵]
最近の彼は何がしたいか分からない。
自分からデートに誘うわりにはすっぽかして浮気現場を私に見せつけるかのように待ち合わせ場所の前を通り過ぎる。
そして私を見つけると子供のように私の元へ嬉しそうにやってくる。
……いや。彼は実際子供だ。
交際を申し込まれた時
「付き合ってください!」
と告白の花の代わりにペロペロキャンディを私に差し出した。
:07/10/18 00:37
:SO903i
:☆☆☆
#71 [向日葵]
私はその可愛いらしさが好きになって、交際を受けた。
……が。
「彼は何を求めてんだろうか津奈。」
友人の津奈に相談。
津奈は困った顔で笑った。
「別れるしかないんじゃない?」
「だね。…うしっ。言おう。」
「言えるのー……?」
う……それが問題なのだ。
私は時計を見た。
8時10分。そろそろだ。
:07/10/18 00:42
:SO903i
:☆☆☆
#72 [向日葵]
「奏ちゃ―――ん!おっはよぅ!」
ホラ来た。
満先輩は母親に抱きつくみたいに私に抱きつく。
そしと頬づりをする。
「会いたかった!学校が無いと俺寂しくてやだよーっ。」
昨日私が見ていた事なんか忘れた様な口ぶり。
私は先輩を無理矢理剥がしてキッと睨む。
先輩はヘラヘラしながら首を傾げて頭に「?」を浮かべている。
「先輩。そんなに女の子と遊びたいなら、もう別れません?」
:07/10/18 00:46
:SO903i
:☆☆☆
#73 [向日葵]
――――

――――
>>22に感想板載せてます

良ければ感想など下さい



:07/10/18 00:47
:SO903i
:☆☆☆
#74 [向日葵]
このセリフ何回目だろう。
最早決まり文句のようだ。
そして彼も何故何回も言われてるのにその態度を改めようともせず別れてくれないんだろう。
先輩は一瞬キョトンとしてからほっぺたをプクッと可愛いらしく膨らました。
「やだ!俺奏ちゃんが好きだもんっ!」
「だって私もううんざりなんですけど……。」
このやりとりももう飽きた……。
次に先輩がとる態度は……。
:07/10/18 12:05
:SO903i
:☆☆☆
#75 [向日葵]
ポタポタポタ
先輩の水晶のように綺麗な目から、涙がポロポロ流れる。
そう、まるでダダッコかの様に彼は泣くのだ。
「やだぁ……俺奏ちゃんがいいー……。」
こうなってしまう。
そしていつも玩具を買ってあげる母親みたいに妥協するのがこの私だ。
別れ話はまた延長される。
「わかりました……。別れませんから……。」
その途端、先輩は表情を明るくして私に抱きついた。
:07/10/18 12:10
:SO903i
:☆☆☆
#76 [向日葵]
「やったぁ!奏ちゃん大好きぃぃっ!」
別に先輩が嫌いな訳じゃない。
むしろこの人のこんな可愛いさが魅力で、放っておけなくて、好きになっていくばかり。
ただ彼の口癖のような「好き」と言われる事に最近疑問を感じる。
ならば何故浮気するのかと……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「実は愛情の裏返しとか!」
体育で他のチームがバスケをしているのを見ながら私達は喋っていた。
:07/10/18 12:13
:SO903i
:☆☆☆
#77 [向日葵]
ダムダムボールをつく音が体育館に響いているので、少し声を張り上げないと聞こえにくい。
「あの人は子供そのものだよ?!そんな駆け引き出来っこないって!」
栗色の癖のあるフワフワの髪、整った顔。
一見どこにでもいるイケメンな先輩。
……しかし裏側はまるっきり……繰り返すのすらしんどくなってきた。
「でも奏は愛されてるねー!毎日奏にべったりじゃん!」
「愛されてたら浮気なんかされないっつーの!」
:07/10/18 12:19
:SO903i
:☆☆☆
#78 [向日葵]
好きだから別れない。
でも女の子とは遊びたい。
それじゃ単なるワガママだ。
私はそう言った事が非常にうっとおしいタイプで、小さなワガママならまだしも先輩のワガママは……
「大きすぎる……。」
体育も終わり、着替えながら私は呟いた。
私だって、好きで別れようだなんて言ってる訳じゃないのに……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「奏ちゃんっ!」
:07/10/18 12:22
:SO903i
:☆☆☆
#79 [向日葵]
昼休み。
先輩はいつも私のクラスへ迎えにくる。
その待っている姿はまさしく忠実な犬。
思わずご褒美と骨をあげたくなる。
「今日はどこで食べるー?」
手を繋ぎながら先輩は無邪気に笑う。
「どこでもいいです。」
「じゃ階段で食べよっか!」
私達は出来るだけ人があまり通らない階段へ行った。
「奏ちゃんのおにぎり一口ちょーだい!」
:07/10/18 12:26
:SO903i
:☆☆☆
#80 [向日葵]
口を開けて待つ先輩に私はおにぎりを入れてあげた。
何故だろう。
こう言うのって普通「アーン。」とかって甘い雰囲気の筈なのに……全くそんなの感じられない。
なんだか脱力……。
「おいしいねっ。」
でも幸せそうな先輩を見ると、こちらまで温かい気持ちになる。この瞬間がたまらなく好きかもしれない。
「ねぇねぇ!明後日は記念日だね!」
「あぁ。そうでしたっけ。」
:07/10/18 12:30
:SO903i
:☆☆☆
#81 [向日葵]
明後日は私達が付き合い出して1周年。
素っ気無い返事をしつつ、私はちゃんと覚えていた。
「お祝いしよっ!学校帰り、下駄箱で待ち合わせて一緒にお出かけしよ!」
「……。ハイ。」
いつからだろう……。
先輩との約束が、上辺だけに感じられて、私はあんまり信用出来なくなってる。
でもまさか、いくら先輩でも記念日に浮気するなんてヒドイ事はしないと思う。
……ウン。きっとしないよ。
:07/10/18 23:43
:SO903i
:☆☆☆
#82 [向日葵]
まぁ何はともあれ……先輩を信じて明日を待とうではないかぁ…。
――――――――……
そして記念日。
携帯の目覚まし機能のアラームで目が覚める。
私は少しソワソワしていた。記念日と言う響きがくすぐったいのか、いつもより髪の毛を綺麗にといて、歯はこれでもかってくらいに磨いた。
なんだかいつもの自分じゃないみたい。
デートにだってこんなに気合いをいれなくなったのに。
:07/10/18 23:47
:SO903i
:☆☆☆
#83 [向日葵]
「いってきまーす。」
少し寒くなった外の空気に触れた時、塀の向こうからヒョコンと先輩が現れた。
急な事に、私はパチクリと目を瞬きした。
「おっはよ!奏ちゃんっ。」
「あ、おはようございます……って、先輩なんで?」
先輩は私の家から逆報告で、先輩の方が学校には近い。しかも一緒に行くだなんて事は今までには無かった。
「だって今日は特別な日でしょ?だから2ケツで奏ちゃんと行こうと思って!」
:07/10/18 23:52
:SO903i
:☆☆☆
#84 [向日葵]
先輩は自分の後ろをバンバン叩きながら私が乗るのを待った。
校則違反と言う言葉が頭の隅に引っかかる。
でも、ま……いっか。
私は先輩の後ろに乗り込んだ。
「しゅっぱ――つ!!」
朝だと言うのに元気な先輩は爽快に風を切りながら自転車をこいだ。
私は後ろで先輩のセーターをキュッと掴む。
そして揺れる栗色をした髪の毛を見つめる。
やっぱり先輩も、記念日は嬉しいんだ。
そう思うとホッとした。
:07/10/18 23:57
:SO903i
:☆☆☆
#85 [向日葵]
キュキューッッ!!
「到着っ。」
私が自転車から降りるのを待って、先輩は指定された場所に自転車を置いた。
置くとすぐ隣までやって来て、「今日は寒いね。」と手を繋いだ。
「今日はどこ行きたい?」
「パフェが食べたいです。」
「じゃあいつもん所行こっか。」
空いている手で頭を撫でながら先輩はにこにこしている。
私も連れて口をゆるめた。
:07/10/19 00:02
:SO903i
:☆☆☆
#86 [向日葵]
「めずらしくラブラブなんだね。」
教室へ行くと、津奈がキョトンとしながら私に行った。
「今日は記念日だから。」
「いいなー……私も彼氏欲しいよ。」
記念日と言う魔法はすごい。本当だったら学校で2ケツや手を繋ぐ事はあまり好かない。
人がジロジロ見てくるからなんだか嫌なのだ。
でも不思議。
今日は嫌でもなければ、逆にもっとくっついていたい気さえした。
:07/10/19 00:07
:SO903i
:☆☆☆
#87 [向日葵]
――――

――――
>>22感想板表記してます

良ければ感想お聞かせ下さい


:07/10/19 00:08
:SO903i
:☆☆☆
#88 [向日葵]
「たまには……ね。」
今日の放課後が楽しみで仕方なかった。
なんてったって久々のデートなのだ。
――――――……
放課後。
いよいよ待ちに待った放課後。
うずうずして仕方なかった放課後。
待ち合わせの校門に私はいた。下校している友達に時々「バイバイ」と言いながら先輩が早く来ないか下駄箱周辺をチラチラ見た。
掃除当番かなぁ。
遅いなぁ……。
:07/10/21 01:56
:SO903i
:☆☆☆
#89 [向日葵]
時計の針が進むに連れ、下校している生徒が少なくなっていく。
先輩はまだ来ない。
学校で先生から見つからない位置で先輩に電話しようか迷っていた時だった。
「あ。」
下駄箱に先輩の姿を発見。
「先……っ。」
「やだ満ってばー!」
先輩の隣にいたのは、3年生の綺麗な先輩だった。
「ちゃんとアクセ一緒に見てよ?満はすぐ飽きてどっか行きそー!」
:07/10/21 02:00
:SO903i
:☆☆☆
#90 [向日葵]
「そんな事ないって!約束でしょ?買い物付き合うって。」
私は目の前が真っ暗になった。足が地面に付いてるかどうかさえ分からない。
何言ってんの先輩。
ついさっきまで覚えてたじゃない……。
今日は……記念日なんだよ……?
「あ!奏ちゃん!」
先輩の声で私はピクリと動いた。
いつもみたいに先輩は私の元へ駆けよってくる。
「どうしたのこんなトコでぇ!」
:07/10/21 02:03
:SO903i
:☆☆☆
#91 [向日葵]
体がズキズキする。
頭がフラフラする。
「先輩……今日何の日か、知ってますよね……?」
まさか、いつもみたいな返ししないわよね……?
しないよね先輩……っ。
でも先輩は見事に私の期待を裏切ってくれた。
「今日何かあったっけ?」
胸を、ナイフで一突きされたみたいな鋭い痛みが突き抜ける。
だって朝、先輩ちゃんと言ってたじゃない。私嬉しかったのに……。先輩は私なんてどうでもいいの……?
:07/10/21 02:08
:SO903i
:☆☆☆
#92 [向日葵]
「今からね、この子と買い物に行くんだ!楽しい事一杯するんだ!奏ちゃんも行く?」
楽しい……?
先輩は本当に子供なんですね。楽しい事があればそれを最優先して、大事な事なんてポーンとすっぽかして…………残酷なくらい胸をえぐって……。
「も……嫌……。」
「え?」
私は手を高くあげて先輩を殴ろうとした。
でも途中でどうでもよくなって、また手を下ろした。
:07/10/21 02:12
:SO903i
:☆☆☆
#93 [向日葵]
「も…ぅ……いい……。」
私は回れ右をしてスタスタ家までの道を歩き始めた。
「ま、待って奏ちゃん!」
先輩が後ろから追ってくるのが分かった。
でも私は歩く速度を緩めない。
グイッ!
腕を引っ張られて先輩の方を向かされた。
「待ってって……言ったのに……っ。」
「何故……?今から買い物なんでしょう……?」
:07/10/21 02:15
:SO903i
:☆☆☆
#94 [向日葵]
虚ろな目をして私は答えた。
先輩はどうしたらと思ってるのか目の前でまごまごしてる。
「言ったでしょ?……私、もういいですから……。」
「あのね奏ちゃ」
「先輩。」
私は言葉を遮った。
先輩は悲しそうな顔をしている。
何故?私なんかもう放っておけばいい。
「……私、先輩からデート誘われる度、正直嫌だったんです。また……今日もかって思っ……。」
:07/10/21 02:19
:SO903i
:☆☆☆
#95 [向日葵]
涙が流れてしまった。
泣くつもりなんてなかったのに……。
でもやっぱり辛かった。
果たされない約束に、いつまでも待たされる私はあまりにも惨めで虚しかった。
「もう先輩の好きなようにして下さい……。私はもう、先輩とは付き合えませんから……っ。」
先輩の手を振り払ってまた歩き出した。
とうとう別れの日が来てしまったんだ。
そう思うと余計に泣けてきた……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ピリリリリ
:07/10/21 10:47
:SO903i
:☆☆☆
#96 [向日葵]
家に帰る訳でもなく、公園のベンチにボンヤリ座っていると携帯が鳴った。
ポケットから出して、サブディスプレイを見ると、津奈からだった。
{もしもし!お楽しみ中ゴメン!あのさぁ…………奏?どうかした?}
私はまたポロポロ涙が流れ始めた。
「……っつ……なぁ……っ。」
{やだ!どうしたの奏?!今どこ?!}
私は場所を告げると、津奈はすぐ行くと言って電話を切った。
:07/10/21 10:53
:SO903i
:☆☆☆
#97 [向日葵]
記念日を忘れられたのが悲しいんじゃない。
先輩が私を好きだったのかが不安なんだ。
あの毎日のように言ってた「大好き」は、偽りなの……?
子供のフリして、ずっと私を嘲笑ってたの……?
「奏!」
15分くらい経った時、息を切らした津奈がやって来た。
津奈が来ると手を伸ばして私は彼女に抱きついた。
「よしよし。何かあったのね。話せる?」
頭を優しく撫でてくれる津奈に私は頷いた。
:07/10/21 10:59
:SO903i
:☆☆☆
#98 [向日葵]
私はまたベンチに座って涙で切々ながら津奈にさっきの出来事を話した。
津奈は私が鳴咽で詰まる度に優しく背中を擦りながら「ゆっくりでいいよ。」と言ってくれた。
そして何分か時間をかけて、話を終えた。
「そっか……。辛かったね……。でもさ、なんで先輩追って来たんだろう。」
「……知らない。珍しく罪悪感がよぎったんじゃない……?」
私は先輩を悪く言う事しか出来なかった。
別れた男女によくある光景。
でも本当は悪口なんて嫌なのに……。
:07/10/21 11:04
:SO903i
:☆☆☆
#99 [向日葵]
「奏はもういいの?先輩の事。」
私は少し間を開けてコクリと頷いた。
「そっか……。」
そうだよ。
もう待ち合わせで待たされる事もない。
無駄に怒らなくてもいい。もういいんだ……。
……なのに、どうして
胸の奥がこんなに苦しいんだろう……。
津奈としばらく話した後、私は家に向かってトボトボ歩き始めた。
帰ってまず何をしよう。
宿題をやって、お風呂に入って……。今日は長風呂にしよ……。
:07/10/21 11:11
:SO903i
:☆☆☆
#100 [向日葵]
足元を見ていた目を、家が近づいて来たので少し上にあげた。
「……っ。」
私は息を飲んだ。
塀に持たれながらしゃがんでいる先輩がいたからだ。
先輩は私に気付くと、見た事ないキリッとした真剣な表情をして立ち上がり、私を見つめた。
いつからいたんだろう。
あの時間からは、既に2時間は経ってる筈。
もう肌寒くなってる為夕暮れも早い……。
私は驚いて立ち尽くしていた足を無理矢理動かして先輩の横を通り過ぎた。
:07/10/21 11:16
:SO903i
:☆☆☆
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