○ビー玉ラバーズ○
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#550 [向日葵]
――――――――――――

今日はここまでにします(◎・ω・◎)

>>283に感想板がありますんで、よければ感想お願いします

⏰:07/12/04 01:47 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#551 [向日葵]
アンカーです

>>1-100>>101-200>>201-300>>301-400>>401-500>>501-551

⏰:07/12/04 07:55 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#552 [向日葵]
アンカーです

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-551

⏰:07/12/04 07:56 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#553 [向日葵]
「そんなん強制とかいいながら来ない奴だっているよ。ま、俺は抜けるの簡単だろうな。なんてったって主催者は香月だから。」

香月さんは静流の友達で、私の良き理解者。
香月さんには、返せきれない程の恩がある。

「私は行かないわよ。クリスマスだなんとお子様がやる事じゃない。」

「俺よりお子様が何を言うか。いいじゃん。行こうよ。ベランダからの景色ばっかじゃつまんないっしょ?」

「別に。」

素直ないい子じゃない私に、静流は段々イライラしてきたみたい。笑顔が堅い。

⏰:07/12/06 00:33 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#554 [向日葵]
「これだけ頭下げてんのに行かないってかお前は。」

「頭下げてないじゃない。」

さてそろそろ限界らしい。
静流の口の端がピクピク痙攣し始めた。

ケンカしたい訳じゃないけど、私は“イルミネーション”なんか行きたくもない。

「たまには自分が折れてやろうとかさ……思わない訳?」

「折れて自分の特になるならとっくの昔に折れてるわよ。」

⏰:07/12/06 00:37 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#555 [向日葵]
カーン。

ケンカ開始のゴングが2人の頭に鳴り響く。
こうなってしまえば決着がつくまで誰にも止められない。

「俺は紅葉が楽しむと思って言ってんのになんでそんな態度とられなきゃなんないんだよ!」

「楽しめないから行かないっつってんの!クリスマス=何かイルミネーション的な物って方程式なんかちゃんちゃらおかしいわよ!」

第一……私には嫌な思い出があった。

「誰もイルミネーションにこだわってねーよ!」

「嘘だね!」

「違う!」

⏰:07/12/06 00:42 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#556 [向日葵]
ガルルと唸り声をあげながらしばらく睨み合い、「ふんっ!」と同時にそっぽを向く。
お決まりのケンカの仕方なので、源さんもただ見てるだけで止めになど入らない。

あぁあ……またやっちゃったよ……。

――――――――……

*****************

次の日。
学校に行きながら俺はウンウン悩んでいた。

せっかくのクリスマスに自分の彼女は興味皆無って……。

⏰:07/12/06 00:46 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#557 [向日葵]
挙げ句、ケンカ……。

「あぁぁぁ……。」

下駄箱に反省のポーズのように手をついて悩みに落ち込みをプラスさせる。

あそこまで固くなに嫌がると言うことは、もしかしたら昔何かあったのかもしれない。
訳を聞きたい所だが、果たしてちゃんと話してくれるんだろうか……?

「……どこの猿軍団出身だお前は。」

「あ、香月。」

香月がグレーのマフラーの垂れてしまった方をうっとおし気に後ろへ巻き直しながら俺に近づいてきた。

⏰:07/12/06 00:52 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#558 [向日葵]
――――――――――――

少しですが今日はここまでにします

>>283に感想板がありますんでよければ感想お願いします

⏰:07/12/06 00:53 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#559 [向日葵]
「紅葉が反抗期で……。」

「んなのいつも似たようなもんじゃん。」

あながち否定できないこのツラさ。
紅葉が反抗期のような態度をとるなんて最早日常茶飯事なのだ。

「なぁ香月。俺ー……クリスマス会……。」

「へー。抜けるとか言う気かお前。」

学校一の人気者の流し目のような鋭く、それでいて茶目っ気を含んだ視線が俺を捕らえる。

その視線に思わず口にチャックする仕草をした。

⏰:07/12/08 23:13 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#560 [向日葵]
その様子に満足した香月はにっこり笑って「そーそー。」と頷いた。

「俺様主催っつーことをよーく肝に銘じとけよ静流。クリスマス1人で過ごす事になっちまったのも、お前らがくっついちまったせいなんだからな。」

それを聞いて、俺は押し黙った。
香月は、色々協力してくれたのに、俺は……傷つけてしまった……。

暗くなった俺の表情を見て、香月は俺の頭を派手に数回叩いた。

「冗談だっつーの。分かれよな。この俺が引きずってるとでも思った訳?」

⏰:07/12/08 23:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#561 [向日葵]
余裕たっぷりの笑顔に、俺は苦笑いした。

香月は俺の1回りも2回りも器がデカイ……。
きっと一生敵わないんだろうな……。

********************

「イルミネーション行かなきゃ駄目?」

源さんに尋ねた。
キッチンで洗い物をしていた源さんは「んー……」と唸る。

「逆に紅葉ちゃんは何で行きたくないの?」

笑顔で聞いてくる源さんに悪気はない。
でも私は思い出したくもない事を蒸し返されたようでイラッとした。

⏰:07/12/08 23:26 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#562 [向日葵]
私はしばらく黙ったままその場に立ち、くるりと向きを変えて寒い冬のベランダへと向かった。

空を見上げながら、その悲しい思い出をたぐり寄せる。

どうして楽しい思い出はかすんでしまう程儚いのに、悲しい思い出はこんなにも鮮明なのだろう。

――――
―――――――……

丁度、6年生の頃だった。

虐待は日に日に悪化。止める気配すら一向に無かった。

⏰:07/12/08 23:29 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#563 [向日葵]
今日も帰って来てから虐待の時間。
最早抵抗するのを止めて、ただ殴られるだけの毎日に変わった時の事だった。

今日は終業式。24日。
誰もがクリスマスと言うイベントに胸踊らせている。

私には、クリスマスの意味すらもう無い。
一生、殴られるのだと。

そんな思いで、ランドセルを背負った時だった。

ガチャ!

「!!」

無表情で、母さんが私の部屋へやって来た。

⏰:07/12/08 23:33 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#564 [向日葵]
そんな……あんまりだ……。
それでなくても明日から冬休み。
学校と言う逃げ場は無くなるのに……。
朝から……殴られる……。

もちろん私は恐怖で凍りつき、顔は真っ青になった。
そんな私に、母さんは歩みよる。

もう駄目だ……っ!

目を瞑ったその時だった。

母さんの香りを身近に感じた。それに、体温も。

どうして?信じられない……。
お母さんが、私を抱きしめてる……。

⏰:07/12/08 23:37 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#565 [向日葵]
「ごめんね紅葉……。いつもぶったりして……。痛かったよね……。」

母さんの顔を見ると、悲しそうな笑みを見せていた。

夢みたいだ。
母さんが私を殴らないなんて……。謝るだなんて……。

私はその嬉しさに涙を流した。

元の母さんに戻ってくれた。これからまた楽しい毎日がやってくる。

諦めていた希望が、戻り始めていた。

「仲直りの印に、駅前の話題になってるイルミネーション見に行こうね。母さん仕事終わったらすぐに行くから。」

⏰:07/12/08 23:41 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#566 [向日葵]
この言葉……ちゃんと覚えてる。聞き間違えるなんて絶対ない。

私は珍しく笑顔で登校。

終業式が終わって、家にランドセルを置き、駅前まで待ちきれないように走っていった。

まだ昼前なので、駅前のイルミネーションにはただの電飾しかない。

でも私の心は、正にイルミネーションのようにキラキラ輝いていた。

母さんの仕事はいつも昼過ぎには終わる。
私は母さんが来てからのお話を沢山考えていた。

⏰:07/12/08 23:44 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#567 [向日葵]
この前、クラスでクリスマス会やった事。苦手な理科で100点を取った事。体育で、鉄棒の見本を見せた事。

言いたい事が、山ほどあった。
それを考えていると、あっという間に時間は過ぎていった。

現在、1時。

母さんはそろそろ来るかもしれない。

母さんが来そうな所を、そわそわと体を揺らしながら見つめる。

―――1時半。

仕事……長引いてるのかな?
母さん……?

⏰:07/12/08 23:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#568 [向日葵]
待っても待っても母さんは来なかった。
お金なんか持ってなかったから、冷えた体を温めるための飲み物も買えず、私はひたすら母さんを待ち続けた。

とうとう辺りは暗くなり、イルミネーションが色とりどりに光始める。

見にくる人達、笑い合う人達、「綺麗だね」といい合う人達。

そんな中、孤独に震えてる子供が……



1人……。

時計を見ると、もう8時を差していた。

⏰:07/12/09 01:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#569 [向日葵]
「君?」

呼ばれる方に、私は見た。
声をかけたのは警察官だった。

「ずっとここにいるけど何をしてるの?誰か待ってるの?それとも今から塾か何か?」

「母さん……来ない……。」

「家はどこかな?送ってあげよう。」

住所を教えると、警察官は私と手を繋いで家へと向かった。

その手の温かさは、今でも覚えている。

⏰:07/12/09 02:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#570 [向日葵]
家に帰ると、灯りがともっていた。

え……。
母さん……?

警察官がチャイムを鳴らすと、愛想良く母さんが出てきた。

「お宅の娘さんですよね?駅前でずっといましたよ?」

母さんは私をじっと見つめる。
そして悲しそうに笑った。

私はその顔を見ていち早く気付いた。




騙されたのだと。

⏰:07/12/09 02:06 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#571 [向日葵]
「すいませんお巡りさん……。この子精神状態がよくなくて、よく出歩くんですよ……。」

母さんが警察官に話してる間、全て私は把握出来た。

これも虐待の1つ。

希望を抱かせて一気に奈落の底へ突き落とす。
その絶望的な私に、母さんはまた一興する。

その証拠に、悲しそうな笑みは、私を哀れんでじゃない。

面白くてたまらないといった、ほくそ笑み……。

警察官との会話が終り、母さんは私の腕を引っ張ると、壁に私を叩きつけて一言。

⏰:07/12/09 02:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#572 [向日葵]
「バーカ。」

高らかに笑いながら、夜の暴力が始まる……。

――――
――――――……

「……っっ!」

寒さじゃない寒気が、私の体を駆け巡る。

両腕を強く抱いて、私はその場に座りこんだ。

当時の事を思い出すのはすごく辛い……。

自分の無力さを思い知らされ、あの鈍い痛みが、体に流れる。

私は少し息を乱した。
口からは白くなった吐息が漏れる。

⏰:07/12/09 02:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#573 [向日葵]
――――――――――――

今日はここまでです(。・ω・。)

>>283に感想板がありますんで、よければ感想お願いします

⏰:07/12/09 02:17 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#574 [向日葵]
「ただいまー。」

静流が帰ってきた。
私は振り向いて、「おかえり」の一言も言えないでいた。

それはケンカした気まずさとかじゃなくて……。

「おかえり。ちょっと今から出かけるからお留守番お願いしますね。」

「ハイヨー。」

そう言って、源さんは階段を降りて行った。

リビングに沈黙が流れる。

思い出の恐怖は、まだ私の心臓を休ませてはくれない。

⏰:07/12/09 13:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#575 [向日葵]
「紅葉……寒いから中入れ。」

静流の声は落ち着いていた。
まだ怒ってると思ってたから、口はその内聞くだろうと思って。

でも、反抗心からでなく、ただ単にその場から動けない私は、結果的に静流の言葉を無視して震えてるだけだった。

キシッとフローリングが軋んだ。
静流が近づいてくる気配を感じる。

体育座りしている足を包んでいる私の腕を見つめていた私の視界に、静流の手が出現する。

⏰:07/12/09 13:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#576 [向日葵]
そしてそのまま私をギュッと抱き締めた。

静流の体温が、冷えた体に心地いい。

「どうかした?まだ怒ってんの?」

優しく私に声をかける静流。
私は首を振って否定した。

「じゃあどうしたのさ。」

私は静流に向き直って、一瞬見つめてから静流の胸に抱きついた。
静流も優しく包んでくれる。

「私は……イルミネーションが恐いの……。」

⏰:07/12/09 13:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#577 [向日葵]
話を聞いてるだけだと、「何言ってんだコイツ」と反応されるだろう。
でも静流は、静かに「うん。」と言って、話の先を促す。

「だから静流と出かけるのが嫌なんじゃない。私の問題だから……だから……。」

言葉が途切れると、静流はゆっくり頭を撫でてくれた。

「分かったから。……大丈夫だよ。」

静流から離れて、顔を覗くと、理解ある顔で、優しく微笑んでくれていた。

無意識に、何故かホッとする。

⏰:07/12/11 11:06 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#578 [向日葵]
「辛いのに話してくれてありがとう。」

静流の掌が、私の頬を包む。外気で冷えた私の頬に、静流の掌はとても温かく感じた。

「出かけるのだったら別にいいの。まぁどちらにしても、静流はクリスマスは香月さんに監禁状態だとは思うけどね。」

静流はパチパチと瞬きした。

「なんでそんな事分かるの?」

「香月さんから謝罪メールが来たの。」

静流は「なるほど。」と呟く。

⏰:07/12/11 11:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#579 [向日葵]
静流は私の顔から手を離した。温かくなくなった私の頬はスースーする。
その離した手で、私の指先をいじりながら、しばらく静流は、夜の冷蔵庫みたいに「んー……。」と考え事をしていた。

「……。いけるかな……。」

静流が聞こえるか聞こえないかの声でボソッと呟いた。

「え?」

「いやな、クリスマス会出席するわするけど、早めに切り上げて紅葉とどっか行けないかなぁって。」

「私は別にいいわよ。クリスマスって2日あるし。」

⏰:07/12/11 11:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#580 [向日葵]
すると静流は私にデコピンした。
軽くのけぞり、おでこをさすりながら静流に非難の目を向ける。

「お前には乙女のロマンがないのか。イヴが一番盛り上がるっつーのに。」

「なんかその言い方、静流が乙女みたい。」

少しおかしくて、フフッと笑った。
すると静流の顔が少し赤くなった。

どうしたんだろう……。

「わ……笑うな。」

「ごめん。面白かったから。」

⏰:07/12/11 11:20 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#581 [向日葵]
「そうじゃ……なくて……。」

じゃあ何なんだ……?
歯切れが悪いなぁ。

「とにかく、それぐらいなら香月は許してくれると思う。帰り遅くなっても父さんは咎めないだろうし。な?行こう?」

私はうつ向いた。

私に待つ勇気があるだろうか。
もちろん、静流がほったらかしにする訳ない。
それは信じてる。

でも悪いイメージって、いつでも付いてくるものだから……。

⏰:07/12/11 11:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#582 [向日葵]
静流は今度は両手で私の顔を包む。
そして真っ黒な潤んだ瞳で私をじっと見つめた。
私も見つめ返す。

「……待つのは恐い?」

嘘はつけない。
目を伏せて、小さく頷いた。

「紅葉……。」

再び静流を見ると、優しく静流の唇が私の唇に重なった。
胸がドキン……と高鳴る。

離れて、間近くで見つめ合う。

「絶対、紅葉を1人ぼっちにはさせないから。俺の事信じて?」

⏰:07/12/11 11:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#583 [向日葵]
少し悲しそうな静流の瞳。

私もいつまでも立ち止まってないで、勇気出さなくちゃ……。

私はまた小さくコクンと頷いた。
頷いてから静流はゆっくり私を胸元に抱きよせた。

大丈夫。

静流の抱擁が、そう告げた気がした。

――――――……

「ま……それぐらい許してやるかな……。」

次の日。俺は昨日の件を香月に伝えた。

⏰:07/12/11 11:32 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#584 [向日葵]
「香月愛してるっ!」

香月は抱きつこうとした俺の顔を掌でがっつり掴んで阻止した。

「そーゆーのは紅葉にやってろ。」

「マジ感謝するっ!」

やれやれと言う風に香月はため息をついた。
そして「皆ちゅうもーく!」とクラスの視線を集める。

「クリスマス会は終業式の後、着替えてから行くぞー。だから着替え持参なぁ!時間は昼からー。学校近くのカラオケ予約してっからー。」

⏰:07/12/11 11:37 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#585 [向日葵]
――――――――――――

更新終了です

>>283に感想板がありますんで、良ければ感想お願いします

⏰:07/12/11 11:39 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#586 [向日葵]
香月が話している間、お許しが出た事を紅葉に告げるため、早打ちでメールを送った。

*******************

ブーブー

携帯のバイブが鳴る。
ぼんやりとテレビを見ていた私は、目の前にあるテーブルの上に乗ってる携帯を見た。

「静流?」

パキッと携帯を開けて、内容確認。

<香月様様!お許し出たぞ!帰ったらまた予定決めような♪>

⏰:07/12/13 12:04 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#587 [向日葵]
お許しもらったんだ。

返信はせず、携帯を閉じ、私はベランダに出た。

きっと静流とのクリスマスは幸せに溢れると思う。

苦手な食事、睡眠、人との触れ合い。
それを全部克服させてくれたのは静流だ。

静流となら、乗り越えられる。そんな気がする……。
―――――……

来たるクリスマスの日。

玄関まで静流を見送る。

「じゃ、行ってくるわ。」

⏰:07/12/13 12:08 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#588 [向日葵]
「ハイハイ。」

靴を履き慣らした静流はぐるりと私に向き直る。

「今日の予定復唱してみ?」

「アンタそれ何回やらす気?」

今日まで静流は決めた予定を何回も私に言わせた。
今みたいに朝学校へ行く時、帰って来て一段落してから、夜寝る前の最低でも3回。

予定はこうだ。

5時、駅前のツリーで待ち合わせ。
私は駅前に行くまでに、戸締まりをし、ちゃんと可愛いく着替える。(静流希望)

⏰:07/12/13 12:13 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#589 [向日葵]
携帯必ず持参。お金は持たなくて良し。しっかり暖かい恰好をする。

ってかいつも思うけど、これ予定じゃなくて私についてだよね。

「ちゃんと頭に入ってんだから、さっさと学校行って頂戴。」

「ハイハイ。じゃ、後でな。」

と言いながら頭を撫でて、静流は学校へ向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

可愛い恰好……と言われてもなぁ……。

つい最近買ってもらったクローゼットを勢い良く開ける。

⏰:07/12/13 12:17 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#590 [向日葵]
寒いのにスカート履けとか言ってたんだよね静流……。

これについて抗議すると「ブーツ履けばあったかいだろ」と反論。
女の冷えを甘く見るなよこの野郎……。

とは言え、仕方ないので、多くある中の気に入っている黒いスカートを手に取った。

全部着替えてから鏡を見る。
まぁ……許してくれるだろう……。

時計を見ると4時40分。
駅前までは15分。5分前についても悪くないだろう。

⏰:07/12/13 12:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#591 [向日葵]
窓よし、ガスの元栓よし、電気消した、鍵持った。
さて……行こうかな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

流石クリスマス……。ツリー前にはカップルカップルカップル……カップルだらけ。

ってか……。

「ツリーデカイ……。」

どうやってここまで運んだか見てみたいくらいデカイ……。まぁツリーの感想はこれくらいにして、静流が来るのを待とう。

北風が寒い。暖かい恰好をしても尚、生地の隙間から冷気が入ってくる。

⏰:07/12/13 12:26 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#592 [向日葵]
ブルっと震えて腕を摩擦で暖める。
気休めにもならないけど……。

携帯を見て時間を確認しようとすると

ゴーン…ゴーン…

駅前のロータリーにある時計が5時を告げた。

静流め……。5時って言ったからにはちゃんと5時には着いてなさいよ。
寒い中私を待たすなんて。風邪引いたらただじゃおかないんだから。

冬の5時は結構暗い。
ツリーに付いてる電飾がポツポツと点き始めた。

⏰:07/12/13 12:30 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#593 [向日葵]
どうしようもない不安が私を襲う。

静流……来てくれるよね?
私信じていいんだよね……?

[バーカ]

あの日の言葉が私を闇へと飲みこもうとする。
それをかき消すかね様に、四方八方、静流が来ないか見渡す。

静流……。
静流……。

「やだ……。静流……。」

手が震え始めてきた。

⏰:07/12/17 00:37 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#594 [向日葵]
恐いよ……。

私そんなに強くないの……。

恐い……。
恐い……。

「静流……っ。」

その時だった。

「――……は!」

……!

今のは確かに静流の声だった。
でもどこにいるんだろう。姿がまったく見当たらない。

「し、静流……っ?」

⏰:07/12/17 00:39 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#595 [向日葵]
すると……人混みをかき分けてこちらに息を切らしながら走ってくる静流が姿を現した。

「ハァ……ゴメン……。中々抜けられなくてさ……。ちょっと遅れ……。」

静流が全部言ってしまう前に、私は静流の胸に飛込んだ。
静流の腰辺りをギュッと抱き締めて、胸に顔を埋める。

「……。……遅い。」

ボソッと呟く。
静流の呼吸が段々落ち着いてくるのを耳で聞いていると、静流は私を優しく包んだ。

⏰:07/12/17 00:43 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#596 [向日葵]
「ウン。ゴメン。」

口調は笑みを含んでいてとても優しい。

「5時前にはちゃんといてよ……。」

「ウン。」

「寒かったし……。」

「ウン。」

「……恐かったし……。」

静流はクスッと笑うと、頭を丁寧に撫でてくれる。

私は安堵感が広がっていった。

「大丈夫だから。ホラちゃんと来たでしょ?」

⏰:07/12/17 00:47 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#597 [向日葵]
――――――――――――

今日はここまでにします

>>283に感想板があるんで良ければ感想お願いします

⏰:07/12/17 00:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#598 [向日葵]
「えぇそうね……。」

私は抱き締める力を少し強めた。

「……紅葉?もう離れて?置いてったりしないからさ。」

私は力を緩めて、のろのろと離れた。
静流の顔をチラッと見る。すると、静流の頬が少し赤くなっていた。

「……!静流、熱あるの?!」

静流は苦笑して「ハァ……」と大袈裟にため息をつく。

「無自覚なのが紅葉のいい所って言うか……。」

⏰:07/12/17 14:59 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#599 [向日葵]
私は眉を寄せて何が何だかと言った視線を送った。

静流は苦笑したまま私の頭をガシガシ撫で回す。

「いきなり抱きつかれたらドキドキするでしょーが。」

それを言われて、やっと意味が分かった私は顔が熱くなった。

思えば公衆の面前で何大胆な事をしてるんだ私……っ!

「さて……と。俺が紅葉に襲いかからない内に行きますか。」

「ば、馬鹿じゃないの……っ!」

⏰:07/12/17 15:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#600 [向日葵]
静流はくっくっと喉で笑うと、至って普通に自然に私と手を繋ぐ。

静流の指先が思ったより冷たくてビクッと少し震えた。

「何か欲しい物ある?」

「別に……。」

「エリカ様かお前は。」

欲しい物なんて浮かばない。
服だって足りてるし、食べ物はあまり好きじゃないし、アクセサリーなんかもっての他だ。

「んー……じゃあさ、俺が選んだプレゼントあげる。それでいい?」

「静流がー……?」

⏰:07/12/17 15:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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