○ビー玉ラバーズ○
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#565 [向日葵]
「ごめんね紅葉……。いつもぶったりして……。痛かったよね……。」

母さんの顔を見ると、悲しそうな笑みを見せていた。

夢みたいだ。
母さんが私を殴らないなんて……。謝るだなんて……。

私はその嬉しさに涙を流した。

元の母さんに戻ってくれた。これからまた楽しい毎日がやってくる。

諦めていた希望が、戻り始めていた。

「仲直りの印に、駅前の話題になってるイルミネーション見に行こうね。母さん仕事終わったらすぐに行くから。」

⏰:07/12/08 23:41 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#566 [向日葵]
この言葉……ちゃんと覚えてる。聞き間違えるなんて絶対ない。

私は珍しく笑顔で登校。

終業式が終わって、家にランドセルを置き、駅前まで待ちきれないように走っていった。

まだ昼前なので、駅前のイルミネーションにはただの電飾しかない。

でも私の心は、正にイルミネーションのようにキラキラ輝いていた。

母さんの仕事はいつも昼過ぎには終わる。
私は母さんが来てからのお話を沢山考えていた。

⏰:07/12/08 23:44 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#567 [向日葵]
この前、クラスでクリスマス会やった事。苦手な理科で100点を取った事。体育で、鉄棒の見本を見せた事。

言いたい事が、山ほどあった。
それを考えていると、あっという間に時間は過ぎていった。

現在、1時。

母さんはそろそろ来るかもしれない。

母さんが来そうな所を、そわそわと体を揺らしながら見つめる。

―――1時半。

仕事……長引いてるのかな?
母さん……?

⏰:07/12/08 23:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#568 [向日葵]
待っても待っても母さんは来なかった。
お金なんか持ってなかったから、冷えた体を温めるための飲み物も買えず、私はひたすら母さんを待ち続けた。

とうとう辺りは暗くなり、イルミネーションが色とりどりに光始める。

見にくる人達、笑い合う人達、「綺麗だね」といい合う人達。

そんな中、孤独に震えてる子供が……



1人……。

時計を見ると、もう8時を差していた。

⏰:07/12/09 01:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#569 [向日葵]
「君?」

呼ばれる方に、私は見た。
声をかけたのは警察官だった。

「ずっとここにいるけど何をしてるの?誰か待ってるの?それとも今から塾か何か?」

「母さん……来ない……。」

「家はどこかな?送ってあげよう。」

住所を教えると、警察官は私と手を繋いで家へと向かった。

その手の温かさは、今でも覚えている。

⏰:07/12/09 02:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#570 [向日葵]
家に帰ると、灯りがともっていた。

え……。
母さん……?

警察官がチャイムを鳴らすと、愛想良く母さんが出てきた。

「お宅の娘さんですよね?駅前でずっといましたよ?」

母さんは私をじっと見つめる。
そして悲しそうに笑った。

私はその顔を見ていち早く気付いた。




騙されたのだと。

⏰:07/12/09 02:06 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#571 [向日葵]
「すいませんお巡りさん……。この子精神状態がよくなくて、よく出歩くんですよ……。」

母さんが警察官に話してる間、全て私は把握出来た。

これも虐待の1つ。

希望を抱かせて一気に奈落の底へ突き落とす。
その絶望的な私に、母さんはまた一興する。

その証拠に、悲しそうな笑みは、私を哀れんでじゃない。

面白くてたまらないといった、ほくそ笑み……。

警察官との会話が終り、母さんは私の腕を引っ張ると、壁に私を叩きつけて一言。

⏰:07/12/09 02:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#572 [向日葵]
「バーカ。」

高らかに笑いながら、夜の暴力が始まる……。

――――
――――――……

「……っっ!」

寒さじゃない寒気が、私の体を駆け巡る。

両腕を強く抱いて、私はその場に座りこんだ。

当時の事を思い出すのはすごく辛い……。

自分の無力さを思い知らされ、あの鈍い痛みが、体に流れる。

私は少し息を乱した。
口からは白くなった吐息が漏れる。

⏰:07/12/09 02:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#573 [向日葵]
――――――――――――

今日はここまでです(。・ω・。)

>>283に感想板がありますんで、よければ感想お願いします

⏰:07/12/09 02:17 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#574 [向日葵]
「ただいまー。」

静流が帰ってきた。
私は振り向いて、「おかえり」の一言も言えないでいた。

それはケンカした気まずさとかじゃなくて……。

「おかえり。ちょっと今から出かけるからお留守番お願いしますね。」

「ハイヨー。」

そう言って、源さんは階段を降りて行った。

リビングに沈黙が流れる。

思い出の恐怖は、まだ私の心臓を休ませてはくれない。

⏰:07/12/09 13:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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