○ビー玉ラバーズ○
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#635 [向日葵]
「そーいえば……。」

お茶をいれながらママが台所から少し声をあげて私に話かける。

「誠君にチョコあげるの?」

「はいっ?!」

すっとんきょんな声を出してしまった。
普通、ママは相手が誰であろうとそんな事は聞かない人なのに。
よりによってなんで今回は……っ。

「だぁって。最近の加寿って誠君にぎこちないから。」

「だからって何で聞くの!」

「誠君がお婿さんになってくれたらママ嬉しいなぁぁって!」

⏰:07/12/28 23:26 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#636 [向日葵]
まったくママったら……。

ママは昔から誠大好き人間で、ずっとこんな事を言う。対する誠のママ(つまりおばさん)も私に「誠の嫁に来てね。」とよく言う。

昔はアハハと笑いとばして冗談半分に聞いていたけど、今はそんな笑いとばせる力はどこにも残っていなかった。

「もちろん渡すわよ。でもねママ。いくら身内で、しかもご近所付き合いの人にそれをあげるからって、娘のプライベートの中のプライベートまで根掘り葉掘り聞かないでちょうだいっ。」

⏰:07/12/28 23:31 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#637 [向日葵]
そんな無邪気で好奇心旺盛なところがママの良いところでもあるけれど……。
あんまり何もかもをベラベラ話して娘の嫁ぎ先が決まったと勘違いして小踊りされてはこちらが恥ずかしくて仕方ない。

「はぁい。分かりましたぁ。」

ママは降参のポーズをして、私の前にグラタンを置いた。
焦げめがついたチーズの匂いが食欲をそそる。
いつも通り、ママと楽しく美味しく食事を済ませた。
さっきの注意の効果か、ママがバレンタインについて聞いてくることはもうなかった。

⏰:07/12/28 23:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#638 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・・

部屋に戻ってから、部屋にある小さなテーブルに乗っている小箱を見つめる。

これが正真正銘、誠へのチョコだ。

明日……明日で……私の気持ちを誠に伝える事が出来る……。

――――――……

「う……わぁぁぁ!」

遂に決戦(?)の日。
平静を保ちながら私はいつも通り誠と登校。

すると中等部から誠の叫び声。

⏰:07/12/28 23:39 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#639 [向日葵]
「せ、誠?!」

ただならぬ誠の様子にびっくりした私は、誠の元へと行った。

するとそこには、漫画のように、チョコが入っているだろう小包に誠が若干埋もれていた。

予想からして、下駄箱開けるといきなりチョコ。
まるで玄関あけたら2分でご飯。みたいな……。

「な……んだよこれ……。」

「チョ……チョコ……でしょうね。きっと……。」

そこで改めて、誠がモテていると言う現実に気付いた。

⏰:07/12/28 23:45 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#640 [向日葵]
――――――――――――――

ちょっと休憩します

>>283に感想板がありますんで、良ければ感想お願いします

⏰:07/12/28 23:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#641 [向日葵]
「た……大量だね……。捨てるとか、そんな人の気持ちを踏みにじるような事しちゃ駄目だからね。」

それだけ言って、私は誠に背を向けた。

「ちょ、待って加寿姉!」

誠の声を、聞こえなかったフリして、私は教室へと向かった。

「あれ、いいの?」

階段を上ろうとした時、後ろから呼びかける声がした。

「あ……丹下君……。」

「あの子、君が好きなんでしょ?」

⏰:07/12/29 00:21 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#642 [向日葵]
丹下君の言葉に、赤面する反面、うつ向いて落ち込んだ。

あんなにモテる誠に、自分なんかがふさわしいんだろうか……。

丹下君と話ながら階段を上っている途中、ある物が目についた。

それは、昨日誠と知らない女の子が抱き合っていたあの用具室だった。

誠……昨日私にあぁは言ってくれたけど……本当は同年代の女の子に気持ちが傾いてるんじゃないだろうか……。

「はーしーだっ。朝から暗すぎ。テンション上げてこうぜー。なんてったって今日は魅惑のバレンタインなんだからさっ。」

⏰:07/12/29 00:26 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#643 [向日葵]
「うん……。」

「返事の割りに全然だな。…そうだ!テンション上げる方法教えてやるよ!」

「え?」

「ひたすらサムイダジャレ連発してみる!」

逆にテンションが下がりそうな丹下君の提案に、思わず吹き出してしまった。

「それ、逆効果だからっ!」

「お、笑ったな。その調子っ。」

丹下君の気遣いに、少しだけ胸のモヤモヤが晴れた気がした。
顔が自然とほころぶ。

⏰:07/12/29 00:29 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#644 [向日葵]
「ところで丹下君は――――。」

この時、私は知らなかった。

階段の下で、楽しそうに話している姿を、誠に見られてただなんて……。

――――――……

昼休み。

誠にあんな態度を取ってしまったので、正直会う事を避けたかった。
でもチョコを渡すには、それなりの雰囲気作りをしとかなきゃいけないと思っている私は、今回のチャンスを逃す訳にはいかなかった。

⏰:07/12/29 00:35 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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