○ビー玉ラバーズ○
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#99 [向日葵]
「奏はもういいの?先輩の事。」

私は少し間を開けてコクリと頷いた。

「そっか……。」

そうだよ。
もう待ち合わせで待たされる事もない。
無駄に怒らなくてもいい。もういいんだ……。

……なのに、どうして

胸の奥がこんなに苦しいんだろう……。

津奈としばらく話した後、私は家に向かってトボトボ歩き始めた。

帰ってまず何をしよう。
宿題をやって、お風呂に入って……。今日は長風呂にしよ……。

⏰:07/10/21 11:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#100 [向日葵]
足元を見ていた目を、家が近づいて来たので少し上にあげた。

「……っ。」

私は息を飲んだ。

塀に持たれながらしゃがんでいる先輩がいたからだ。

先輩は私に気付くと、見た事ないキリッとした真剣な表情をして立ち上がり、私を見つめた。

いつからいたんだろう。
あの時間からは、既に2時間は経ってる筈。
もう肌寒くなってる為夕暮れも早い……。

私は驚いて立ち尽くしていた足を無理矢理動かして先輩の横を通り過ぎた。

⏰:07/10/21 11:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#101 [向日葵]
門に手をかけた時だった。

「奏……。」

私はまた驚いた。
彼が私を「ちゃん」無しで呼ぶなんて。しかもそんな低い声で。

「俺が……嫌い?」

「……嫌いじゃないです。でも、もういいです……。」


すると腕を引っ張られて、私は先輩に抱きしめられた。
いつもとは違う先輩に、少しドキッとした私は直ぐに我に帰って先輩から離れようとした。

⏰:07/10/21 11:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#102 [向日葵]
「ちょ……!先輩やめて……っ!」

「…………。」

先輩は何も言わずに私を抱き締める。
その腕は1ミリも動かず私を締め付ける。

すると私はある異変に気付いた。
先輩の体が、少し震えているのだ。
寒かったのか?と思い、抵抗するのを少しやめた。

そして次の瞬間、耳元で先輩の息遣いを聞いて、私は分かった。

「先輩……泣いてるの……?」

⏰:07/10/21 11:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#103 [向日葵]
先輩は鼻をすすりながら、私をまだ抱き締めたままでいる。

「ゴ……メン。俺、全然別れたいとかそんなの思ってなくて……。ただ、奏が俺を好きか、試したかったんだ……。」

「……え?」

「奏は、俺みたいな子供っぽいのはもううんざりして、好きじゃなくなったのかなって……。でもいつも怒ってくれてる姿見たらホッとしてたんだ……。」

先輩はそれだけ言うと私をやっと解放して、シャツの腕で乱暴に涙を拭いた。
目を真っ赤にしながら私を見つめる。

⏰:07/10/21 11:27 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#104 [向日葵]
「だから、俺、奏が一番好きだから……。今日のはやり過ぎたと、思う。忘れてないよ。今日は記念日だもん……っ。」

先輩はまた涙をたくさん流した。
私はその姿を見て、すごく愛しくなって、先輩を抱き締めた。

「馬鹿ですね……。こうしてずっといるんですから、嫌いになんてなりませんよ。」

ううん。馬鹿は私か……。
知らず知らずの間に先輩を不安にさせていたのだから。
所詮私も子供だ……。

⏰:07/10/21 11:31 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#105 [向日葵]
先輩の顔を両手で包んで微笑んだ。
涙で濡れた先輩の目に鮮やかに私の姿が映っている。

「なんか、大人っぽい先輩、先輩らしくないですよ?無理しないでいつもの先輩に戻ったらどうですか?」

そう言うと、先輩のりりしかった顔が一気にふにゃあと崩れて、派手に泣き始めた。

「うぁぁ……か、な、で、ちゃぁあん……っ!」

「もうこんな事しないで下さいね?」

先輩はコクコクと何回も頷いて私に抱きついた。
耳元で「うぅぅ…っ!」と泣き声が聞こえる度、私はそっと微笑んだ。

⏰:07/10/21 11:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#106 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

寒かっただろうと、先輩を家に招き入れた。

働いてる母はまだ帰ってないらしい。
私は部屋に先輩を案内した。

「どうぞ。散らかってますけど。」

「わぁいっ!」

と一番にベッドにダイブした。
やっぱり子供だ。

「奏ちゃんの匂いがするー。」

私は微笑んで、先輩の近くに座った。

⏰:07/10/21 11:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#107 [向日葵]
「先輩……。」

「ん?」

「私、そんな子供っぽい可愛いらしい先輩が……す、……き……ですから。」

私は顔を真っ赤にさせた。
好きだなんて言い慣れてない!先輩はよく言えるなぁっ。

肩にトントンと何かが当たったので振り向くと、ベッドに座った先輩が、隣においでとベッドを叩いていた。
指示通り、私はベッドに座る。

「ありがとう。俺も奏ちゃん大好き!」

と言って、一瞬のキスをした。

⏰:07/10/21 11:45 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#108 [向日葵]
そして二人で微笑みあった。

「ところで奏ちゃん。」

「ハイ?」

「俺、男なんだよね!こう見えても!」

「????はぁ……。」

すると先輩の顔がまた近づいてきて、唇が重なった。
またすぐに離れるだろうと思ってたのに、甘かった。

「ん?!ちょ……っ!」

先輩の唇が、少し離れると、先輩の顔が何故か笑ってるのに意地悪く見えた。

⏰:07/10/21 11:50 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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