[ストリート×チルドレン]
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#45 [トイロ]
#02話#
銀河市は、真ん中に大きな川が流れている。
川の右側は都会、左側は田舎という単純な構成になっている。
田舎といわれる、河川の左側には深い雑木林がある。
その深い林の中を幼い少年、五十嵐 幸は歩いていた。
「う-‥さむッ」
それもそのはず。
今の季節はちょうど真冬で、幸の足元の地面は雪が積もっていて真っ白なじゅうたんみたいだ。
:07/12/12 22:34
:SH903i
:☆☆☆
#46 [トイロ]
おれは、いがらし さち。
小学2年生。
なんでおれがこんな所にいるのかというと、話は少し前にもどる。
おれが通う小学校の近くに公園がある。
そこの公園にホラ吹きじいさんってやつがいる。
(香介さんは、「ほーむれす」って呼んでたけど)
そのじいさんがおれにこんな話をしてきた。
「みかん色をした坊や
こんな話は知っているかい
実はね
あそこに深い林があるだろう?
あの林の奥には、この寒い季節にだけ咲く純白の薔薇があるんだ」
:07/12/12 22:38
:SH903i
:☆☆☆
#47 [トイロ]
「また始まった」
おれはため息まじりで呟いた。
「嘘じゃないよ
今まで君たちには、たくさんホラを吹いてきたが、この話は真実だ」
じいさんは初めてみせる真剣な目で、おれに語り続けた。
だから、おれはその真相を確かめるためにこんな寒い場所にいるのだ。
:07/12/12 22:46
:SH903i
:☆☆☆
#48 [トイロ]
「まだ着かねぇ‥」
幸は白い息を吐きながら、雪景色の中をただひたすら歩く。
歩きはじめて、すでに数時間は経ったころ、幸は足をとめた。
そこはガケで
つまり行き止まりだった。
「なんだよ‥やっぱウソだったってことかよ」
幸はへなへなと座りこんだ。
もう体力が限界だった。
(おれ、帰れる元気まだ残ってるかな‥)
:07/12/14 17:48
:SH903i
:☆☆☆
#49 [トイロ]
幸は所在なさに、ガケの下を覗いてみた。
「!!」
そこらはトゲだらけの茨だった。
その中に一輪の真っ白な薔薇が咲いていた。
しかし、幸の視線は違うところに向けられていた。
純白の薔薇を両手で包むようにしてみつめている少年へと。
それが幸と紅の出会いだった。
:07/12/14 17:51
:SH903i
:☆☆☆
#50 [トイロ]
「なにしてんの?」
少年はビクッとして、ふりむいた。
金色の瞳が幸の目とぶつかる。
その少年は、ほんとうに美しかった。
雪のように白い肌、銀色に輝く髪、黄金の瞳。
その瞳が潤んでいた。
「あ-わかった!
出られないんだな?
じゃあおれが手伝ってやるから」
幸は身を乗りだして、手をのばした。
:07/12/14 17:54
:SH903i
:☆☆☆
#51 [トイロ]
少年は差し出された手をみつめている。
「なにやってんだよ
はやく、つかまれよ;」
幸はさらに手をのばした。
少年は潤んだ瞳でゆっくりと幸を見あげた。
「‥ぼくのこと‥‥
こわくないの?」
:07/12/14 17:57
:SH903i
:☆☆☆
#52 [トイロ]
「はあ?
なんでおれが泣いてるやつを怖がらなきゃいけな‥‥」
少年の胸元は、血で赤く染まっていた。
まるで少年がそばにある薔薇の赤みを、すべて奪ってしまったかのように−‥‥
:07/12/14 18:00
:SH903i
:☆☆☆
#53 [トイロ]
「‥‥それ、だれの血だ?」
幸は少年の胸から顔へ視線を移した。
少年は泣いていた。
声をあげることもなく
ただ ただ 涙を流した。
少年の頬をつたう滴は
ただ静かに輝きをおびていた。
:07/12/14 18:07
:SH903i
:☆☆☆
#54 [トイロ]
「‥‥‥‥おまえの名前、なに」
「‥‥‥クレナイ‥」
「‥変な名前‥‥ふ」
幸は微笑した。
「クレナイ‥
それは、おまえの血じゃないんたな?」
幸は黄金の瞳をみつめた。
:07/12/14 18:10
:SH903i
:☆☆☆
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