[ストリート×チルドレン]
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#1 [トイロ]
現代ファンタジーの物語です。
エロはないのでご安心を。

ここは小説だけにしようと思います。
読者様からの投稿はこちらの感想板よりお願いします。
★感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3096/


>>2-4
続きます・・・

⏰:07/12/08 01:08 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#2 [トイロ]
★更新状況

私は色々と忙しい身なので、更新は頻繁にできません。

ですから、温かい目で読んで下さればと思います。

もし遅更新が嫌な人は
しばらく更新がたまるまで他の小説をお楽しみ下さい。
私なんかのよりもずっと楽しめると思います。
または暇つぶしの為に読んで下さい。

⏰:07/12/08 01:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#3 [トイロ]
★諸注意

私は漫画がメインなので、小説はど素人です。
そこのところ、ご理解ください。

この小説は、私が中学時代に描いた漫画をもとに書いているので、ツッコミたい所など多々あると思われます。
ファンタジーということで、なんでもありな物語なんだと思ってくだされば幸いです。

⏰:07/12/08 01:28 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#4 [トイロ]
★登場人物

この物語は、登場人物が多いと思われます。
混乱された方は、感想板の方でお確かめされたらよろしいかと思います。


★感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3096/

⏰:07/12/08 01:31 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#5 [トイロ]
★更新★

#01話#


5.4.3.2.1‥


キーコンカーコン《♪HR終礼ベル


「うっしゃ-!!帰るぞ、アキコ」

鮮明なオレンジ色の髪をした男子生徒が立ち上がると、
続いてボーイッシュな女子生徒が立ち上がり

「ラジャー★」

と叫んだ。

⏰:07/12/08 01:39 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#6 [トイロ]
「待てぃ!
まだHRは終わってないぞ」

このクラスの担任である中野、通称中センが2人を呼び止めた。


「でもさ中セン」

「中野先生と呼べ」

「HRまで参加したのは俺ら2人だけなんだし、むしろ最後まで居てやったことに感謝してほしいね」

「‥‥」

⏰:07/12/08 01:42 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#7 [トイロ]
「じゃ、中センまたあした-」

「せんせ、さよなら-」


真面目(な方)である2人が去った後

「もういやだ‥‥こんなクラス‥‥」
と哀れな担任は独り嘆くのであった。

⏰:07/12/08 01:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#8 [トイロ]
++++++++++


「中セン泣いちゃってるかな-」

「いいかげん慣れろよな-ってかんじ」

「あはは
中セン熱血教師だからね」

「あの学校であそこまで真面目になれる先公もレアだよな」


俺は、五十嵐 幸(いがらし さち)。
悪名高い銀河高校に通う2年生。

⏰:07/12/08 01:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#9 [トイロ]
俺の横で笑ってるちっこいヤツは、林 秋子(はやし あきこ)。

小学からの付き合いで、俺の親友。


「今日うたばんでMICHI出るよ〜」


MICHIとは、アーティストのチーム名。
俺とアキコはMICHIの熱狂ファンだ。


「まじ!?じゃあ買いに行こうぜ」


幸たちが店へ向かおうとしたとき

⏰:07/12/08 01:52 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#10 [トイロ]
「離せってば!!!」


幸が声がした方へ振り向くと
建物の間の細道でオヤジと、秋子より背が小さい子の姿を見つけた。


「駄目?
ぢゃあ5万でどお?
いいでしょ?」


「だから無理だって言ってんだろ!!!
はやく離せよッ
このエロジジイ!!!」

⏰:07/12/08 01:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#11 [トイロ]
―「離せよ」


オヤジは思いも寄らなかった所からの声に驚いた。


―‥「な、なんだね!君は!?」


「いいから離せって言ってんだろ」

幸が睨みかえした。


オヤジは腰が抜けたのか

「ひえっ」

と奇声を上げて、そそくさとその場を去った。

⏰:07/12/08 02:02 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#12 [トイロ]
その様子を見てた秋子が

「ヒュ〜♪」

と感心して言った。


「‥お前、大丈夫か?」

幸は小さい子に体を向けて言った。


「‥‥幸‥」


「‥躬稀(みけ)!?
お前、また男に襲われてたのか!?」


「ふぇ〜さちぃ〜」

躬稀は幸にしがみついた。

⏰:07/12/08 02:04 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#13 [トイロ]
「もう僕いやだよ
オヤジに胸みせて『僕は男です』て言ったのに、全然諦めてくれなくて」


「あ-」

(コイツの場合、性別とか関係ないからな;)


コイツは、光国 躬稀(みつくに みけ)。
中学からの付き合いで、ちっこい犬みたいなやつ。
とにかくフェロモンが半端なくて、男女関係なく襲われる(笑;)。

⏰:07/12/09 09:08 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#14 [トイロ]
よくみると、躬稀のシャツははだけていて、淡いピンクの乳首が丸見えだった。

さすがの幸もグラッとくる。

「‥ま-とりあえず、その乱れた服装」を整えナサイ」


躬稀は幸に言われた通り、ボタンを留め、ネクタイをしめた。

⏰:07/12/09 09:10 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#15 [トイロ]
★訂正★

×間違い

乱れた服装」を整えナサイ」


○正しくは‥

乱れた服装を整えナサイ」

すいません‥

⏰:07/12/09 16:56 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#16 [トイロ]
★更新★

躬稀がこんな状態だったので、幸は躬稀を家まで送り、今日発売のMICHIのアルバムCDは秋子に任せた。


++++++++++

⏰:07/12/09 16:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#17 [トイロ]
「ただいま-」


俺の家は高層マンション。
周りがほとんどマンションだから、見晴らしはよくない。

「おかえり」


幸がリビングを覗くと
香介が煙草をふかしながらソファに座り、あの冷たいクールな笑顔を向けていた。

⏰:07/12/09 17:01 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#18 [トイロ]
「あり?香介さん‥?
たしか帰ってくるのは、1週間後じゃなかったっけ」


「あと1週間もあんなボロイ署にいたら、俺は窒息死する」


この人は、五十嵐 香介(いがらし こうすけ)。
職業は、銀河警察署の中で裏仕事を主に担当している敏腕刑事で、34歳とは思えぬ美貌、俊敏さをもつ。
そして俺の保護者でもある。
血のつながりはないけどね。

⏰:07/12/09 17:03 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#19 [トイロ]
「そ-いや新しいクラスはどうだったんだ?」


(クラス替え‥かなり前の話なんですけど‥
そんだけ会ってなかったってことか
結構大きな仕事だったみたいだし)

幸は香介の帰宅をひそかに嬉しく思いながら答えた。

「今回もアキコと同じクラスだった
躬稀は違うけど」


「お前等って呆れるほど離れね-なあ」

香介は相変わらず冷たい笑顔を浮かべながら言った。

⏰:07/12/09 17:06 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#20 [トイロ]
(やっぱ‥格好いいよな)


黒のスーツに白ワイシャツが似合う小麦肌、引き締まった筋肉、整った容姿。

女避けにかけている眼鏡(サングラスは逆効果だったのでやめた)までも、煙草のせいで香介の男気フェロモンを抑えきれていない。

それにあの冷たいクールな笑顔を向けられたら、十中八九これで落ちない女はいない。


幸にとって香介は憧れの存在でもあった。

⏰:07/12/09 17:09 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#21 [トイロ]
プルルル‥《♪香介携帯の着信音


「あ゙?」

明らかに不機嫌な声で香介は電話に出た。


「‥ざけんな!!
俺は疲れてんだよ!!」

どうやら仕事の依頼らしい。


「いくら積まれたってなあッ!!!
‥‥‥‥‥‥‥
わかった、すぐいく」

ピッ《♪電話を切る音


「幸、仕事だ」

香介はソファから立ち上がり、煙草の火を消した。

⏰:07/12/09 18:29 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#22 [トイロ]
「幸、仕事だ」

香介はソファから立ち上がり、煙草の火を消した。


「は?
さっき『いくら積まれたってやらない』って‥
つか、なんで俺に言うんだよ!?」


「だれも『やらない』とは言ってない」


(せこ‥)

⏰:07/12/09 18:33 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#23 [トイロ]
「だが、俺はたいへん疲れている」


「‥‥‥」

幸は嫌な予感を感じた。
そして、それはみごとに的中した。


「だからお前が代わりにいってこい」


「はぁぁぁッ!!?
嫌だよ!
俺が香介さんの仕事手伝うの何度目だよ
やったって報酬は全部香介さんのところにいくんだし
いやだよ!!!」

⏰:07/12/09 18:35 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#24 [トイロ]
「お前の教育費、生活費、その他諸々を払ってるのは誰だ?」


「う‥‥」

幸はたじろいた。


香介は勝ち誇ったような瞳で幸を見下す。


結局、幸は得にもならない仕事を請け負うことになった。

⏰:07/12/09 20:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#25 [トイロ]
++++++++++


「で、今日の仕事は?」


今の幸は、昼間の健全な男子高校生とは、かなり雰囲気も外見も違っていた。

鮮やかなオレンジ髪は黒く、サングラスをかけ、耳にはトランシーバーをはめ、身体を黒コートで覆っている。


「ん、上出来
これで五十嵐 幸とバレることはねぇな」

香介は得意げに幸をみた。

⏰:07/12/09 20:21 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#26 [トイロ]
「いいから、今日の仕事はなに!!?」

幸は苛立ちを隠せずにきいた。


「ったく、この俺様がバレねぇように変装させてやってんのに‥なんだその態度は!?」

香介が凄く冷たい目で幸をにらみつける。


幸は一瞬退いたが
負けじと言い返す。

「香介さんが無理矢理やらせてんだろ!!」

⏰:07/12/09 20:25 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#27 [トイロ]
「上の者が下の奴を利用するのは当然のことだろ」

香介はしれっと受け流した。


「‥‥‥」

(忘れてた‥
俺はこの人に何を言っても敵わないんだった)


「とりあえず車乗れ
詳しいことは中で話す」


幸はベンツの黒テカリのドアを開けた。

(そういや、なんで刑事がベンツなんかに乗ってんだ!?
公務員って安月給のはずだよな‥)

⏰:07/12/09 20:28 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#28 [トイロ]
これ以上考えると怖くなりそうだったので、頭を横にふって追い出した。


香介が不可解な顔をしたので、幸は慌ててキャビアのような紫黒の光を放つ高級車に乗り込んだ。



目がつぶれるほど多彩な極光を放つ夜の街とは対照的に、深黒をまとう車が光の街の中を走る。


香介は少し目を細めながらハンドルを操る。

⏰:07/12/09 22:03 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#29 [トイロ]
「今日は‥
族が遊んでるから教調してくれ、という依頼」


「−‥はあ!?
そんだけ!?
そんな仕事、俺じゃなくても出来るやつ警察署にゴロゴロいるだろ!
なんで香介さんそんな仕事請け負ったんだよ?」


「当たりまえだろ
俺はずいぶん前に、身も心もこの桜の紋章に捧げたんだからな」


「‥‥‥」

(ぜったい金だ‥)

⏰:07/12/09 22:11 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#30 [トイロ]
目的地に着いたらしく、香介は緩やかに車をとめた。

「依頼された族はあそこの空きビルにタムロってるから
じゃあ、うまくやれよ」


「はいはい
言われなくても任された以上、任務はこなしますっつ−の」

(でなきゃ、後が恐いんだから‥)


幸はため息をつきながら車を降り、空きビルへ向かった。

⏰:07/12/10 19:27 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#31 [トイロ]
++++++++++


空きビルの中はすごく薄暗かった。
隙間から差し込んでくる月光で、あちこちに鉄パイプや、缶ビール、使いかけのスプレーがあちこちに転がってることがわかった。


幸がしばらく模索していると、人の気配を感じ取った。


「----でさぁ
次はあそこいってみようぜ」


声主は、長い廊下の向こうからこっちへ歩いて来ているようだった。

幸はまだ声主の姿を捕えていない。

⏰:07/12/10 19:30 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#32 [トイロ]
「そんで今度は‥」

月の光が声主の姿を包んだ。


炎のような赤い長髪に、壮大な自然のように浩然な碧の瞳をもつ青年だった。


幸はその鮮やかさに目を奪われた。


彼は暁月 祐(あかつき たすく)。
十字族のリーダーで、年齢は幸より少し年上ぐらい。

⏰:07/12/10 23:35 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#33 [トイロ]
祐の碧の瞳が幸の姿を映した。

「ゔわぁぁッ!!!
キャットだよ!!ど、どうしよ-ッ」


(キャット?)


幸が意味が分からず、立ったままでいると、やけにおとなびた声が祐の背後からきこえた。


「だから言ったでしょ、リーダー
警察だってバカじゃないんだから」

⏰:07/12/10 23:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#34 [トイロ]
おとなびた声で話す者が、闇から姿を現した。




−闇の中に差し込んでくる月の光を浴びて


銀色に輝く髪−



−月の光に反射して


金色に光る瞳−



−こいつは‥‥

⏰:07/12/10 23:39 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#35 [トイロ]
「‥じゃリーダー
僕がとめとくから、適当に散ってて」


「おう
任せたぞ♪」


気付けば、十字族の姿はもうなかった。


銀髪の青年は足元に散らばっている鉄パイプを握った。

「さてと‥ポリ公の犬さん
どうしましょうか」

⏰:07/12/11 07:59 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#36 [トイロ]
「キャットって
誰も正体を知らないんだよね
じゃあ、まずはお顔拝見させていただきましょうか」


銀髪の青年は、幸の胸にめがけて飛び込んできた。


(んな!?正面から!?)


幸は胸元に潜めてある銃に手をかけた。


銀髪の青年はその動きに気付くと鉄パイプで幸の利き腕を跳ね退け、そのまま幸を押し倒した。

⏰:07/12/11 08:01 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#37 [トイロ]
「いてッ!!!」

あまりの衝撃に幸の声が漏れる。


グゥ〜〜〜ッ《♪腹の虫が鳴る音


「‥‥」

幸の目はパチクリ。


「ありゃ
もう食事の時間か?
でも腹の足しになるものが‥」


青年の金色の瞳が幸の視線とぶつかった。

⏰:07/12/11 08:03 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#38 [トイロ]
「はあ〜
今夜は男で我慢するか」

青年はため息を吐く。


(は?)


幸が理解できずにいると
青年の顔が近づいてきた。

(え?え?)


青年が幸の耳元に顔をうずめると、熱をともなう幸の首すじを舐めはじめた。


(うわッ!!?)

⏰:07/12/11 18:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#39 [トイロ]
そのとき幸はみた。

暗闇の中、一点の光‥
純白に輝くキバを。


キバは幸の生暖かい首すじに勢いよく食いこんだ。


(−ッ!!?)


ゴクゴク‥


(な、なんだこの感じ!?
意識が‥‥や‥ば‥‥)

⏰:07/12/11 18:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#40 [トイロ]
‥ゴクゴク‥


‥ジュルッ‥ハァ‥


‥ゴクゴク‥‥


プチッ


我慢の限界がついに切れた。

「いつまで飲んでんだ!!
てめぇはよッ!!!」

幸は美麗な銀髪を思いっきり引っ張った。


「いてっ!!?」

青年の腕が幸のサングラスにあたる。

⏰:07/12/11 18:43 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#41 [トイロ]
−‥カシャン


「あ‥‥」

幸の目に彩りがもどる。



−その


鋭い瞳をもつ者は


ただひとり‥−



「−‥‥‥幸‥‥‥‥」


「−‥え‥‥」

⏰:07/12/11 18:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#42 [トイロ]
「−‥え‥‥」



グラッ

幸の視界がぐらついた。


「なんだこ‥れ‥
意識がとお‥の‥く」

⏰:07/12/11 18:47 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#43 [トイロ]
薄れる意識の中
俺は、なつかしい‥‥

あいつの名を呼んだ。



哀しい顔でやさしく笑う


あいつの名を‥。


「‥‥クレナイ‥‥」

⏰:07/12/11 18:49 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#44 [トイロ]
++++++++++


#01話#

幸×紅:{再会


-END-


++++++++++

⏰:07/12/12 00:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#45 [トイロ]
#02話#


銀河市は、真ん中に大きな川が流れている。
川の右側は都会、左側は田舎という単純な構成になっている。


田舎といわれる、河川の左側には深い雑木林がある。

その深い林の中を幼い少年、五十嵐 幸は歩いていた。


「う-‥さむッ」


それもそのはず。
今の季節はちょうど真冬で、幸の足元の地面は雪が積もっていて真っ白なじゅうたんみたいだ。

⏰:07/12/12 22:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#46 [トイロ]
おれは、いがらし さち。
小学2年生。

なんでおれがこんな所にいるのかというと、話は少し前にもどる。


おれが通う小学校の近くに公園がある。
そこの公園にホラ吹きじいさんってやつがいる。
(香介さんは、「ほーむれす」って呼んでたけど)

そのじいさんがおれにこんな話をしてきた。


「みかん色をした坊や
こんな話は知っているかい

実はね
あそこに深い林があるだろう?
あの林の奥には、この寒い季節にだけ咲く純白の薔薇があるんだ」

⏰:07/12/12 22:38 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#47 [トイロ]
「また始まった」
おれはため息まじりで呟いた。


「嘘じゃないよ
今まで君たちには、たくさんホラを吹いてきたが、この話は真実だ」


じいさんは初めてみせる真剣な目で、おれに語り続けた。


だから、おれはその真相を確かめるためにこんな寒い場所にいるのだ。

⏰:07/12/12 22:46 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#48 [トイロ]
「まだ着かねぇ‥」

幸は白い息を吐きながら、雪景色の中をただひたすら歩く。


歩きはじめて、すでに数時間は経ったころ、幸は足をとめた。
そこはガケで
つまり行き止まりだった。


「なんだよ‥やっぱウソだったってことかよ」

幸はへなへなと座りこんだ。
もう体力が限界だった。

(おれ、帰れる元気まだ残ってるかな‥)

⏰:07/12/14 17:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#49 [トイロ]
幸は所在なさに、ガケの下を覗いてみた。


「!!」


そこらはトゲだらけの茨だった。
その中に一輪の真っ白な薔薇が咲いていた。


しかし、幸の視線は違うところに向けられていた。

純白の薔薇を両手で包むようにしてみつめている少年へと。



それが幸と紅の出会いだった。

⏰:07/12/14 17:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#50 [トイロ]
「なにしてんの?」


少年はビクッとして、ふりむいた。
金色の瞳が幸の目とぶつかる。


その少年は、ほんとうに美しかった。
雪のように白い肌、銀色に輝く髪、黄金の瞳。

その瞳が潤んでいた。


「あ-わかった!
出られないんだな?
じゃあおれが手伝ってやるから」

幸は身を乗りだして、手をのばした。

⏰:07/12/14 17:54 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#51 [トイロ]
少年は差し出された手をみつめている。


「なにやってんだよ
はやく、つかまれよ;」

幸はさらに手をのばした。

少年は潤んだ瞳でゆっくりと幸を見あげた。

「‥ぼくのこと‥‥
こわくないの?」

⏰:07/12/14 17:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#52 [トイロ]
「はあ?
なんでおれが泣いてるやつを怖がらなきゃいけな‥‥」



少年の胸元は、血で赤く染まっていた。


まるで少年がそばにある薔薇の赤みを、すべて奪ってしまったかのように−‥‥

⏰:07/12/14 18:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#53 [トイロ]
「‥‥それ、だれの血だ?」

幸は少年の胸から顔へ視線を移した。



少年は泣いていた。


声をあげることもなく
ただ ただ 涙を流した。


少年の頬をつたう滴は
ただ静かに輝きをおびていた。

⏰:07/12/14 18:07 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#54 [トイロ]
「‥‥‥‥おまえの名前、なに」


「‥‥‥クレナイ‥」


「‥変な名前‥‥ふ」

幸は微笑した。



「クレナイ‥
それは、おまえの血じゃないんたな?」


幸は黄金の瞳をみつめた。

⏰:07/12/14 18:10 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#55 [トイロ]
少年は、幸の鋭く深い瞳にみつめられ、圧倒されそうだった。


(−‥鋭い‥深い瞳‥‥)



「‥‥ぼくのじゃ‥ない」


「ならいい
こっちに来い!クレナイ!!」


名前を呼ばれた瞬間
少年の頬にひとすじの涙が流れた。

⏰:07/12/14 18:12 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#56 [トイロ]
−おれ、クレナイがおれの手をとったとき、とてもほっとしたんだ。


もうだいじょうぶだって思えたんだ。


だけど、あいつはおれの前から姿を消した。−



−なあ、クレナイ

おまえはいま
なにしてる?‥−

⏰:07/12/14 18:15 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#57 [トイロ]
++++++++++


#02話#

幸×紅:{出逢い


-END-


++++++++++

⏰:07/12/14 18:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#58 [トイロ]
#03話#


「‥‥‥ち‥」


「‥さ‥‥ち‥‥」


「幸ってば!!!」



真っ暗だった俺の視界にアキコの度アップが現れた。

⏰:07/12/15 13:27 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#59 [トイロ]
「うわッ!!!」


「やっと起きた〜」


まわりを見渡してみると
俺の部屋だった。

窓から朝日が射しこんでいる。



「気分はどう?」

優しく声をかけてきたこの人は、香介さんの助手で、山田 太郎(やまだ たろう)。
ある意味、すごい名前‥。

山田さんは、とにかく優しい人で、香介さんにこき使われているかと思うと涙がでてくるくらい、とてもいい人だ。

⏰:07/12/15 13:29 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#60 [トイロ]
山田さんは、うまく事態を呑みこめないでいる俺にやさしく説明してくれた。


「幸くんがなかなか空きビルから出てこないから、不思議に思ってね

だから、僕が中に入って確認してみたら幸くんが倒れてて

僕は外で待機していた香介さんに連絡をとって、幸くんをここまで運んできたというわけなんです」



「‥‥俺以外に‥他にだれかいませんでした?」


「僕がきたときは幸くん、一人だけだったよ」

山田さんは、熱いお茶を渡しながら答えた。

⏰:07/12/15 13:33 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#61 [トイロ]
アキコが俺をまじまじとみる。

「てか幸
今回のけが、なんか変だよ?
まるで‥なにかに噛まれたみたい」


俺は思わず手で隠した。
紅に血を吸われたところを‥。


「?」

アキコが頭上にクエスチョンマークを浮かべていると、山田さんが口を開いた。

「アキコちゃん、幸くんはもう大丈夫みたいですから、後は任せました

僕はそろそろ香介さんと合流しないと」


「はい、わかりました!
ちゃんと学校にも行きます」

アキコは山田さんに敬礼ポーズをした。

⏰:07/12/15 13:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#62 [トイロ]
「はい、わかりました!
ちゃんと学校にも行きます」

アキコは山田さんに敬礼ポーズをした。


山田さんはやさしく微笑んで、立ち上がった。

「じゃあ、僕はこれで失礼します
幸くん、無理しないようにしてくださいね」

山田さんは速やかに部屋を出ていった。


(おいおい、育ち盛りの高校生を部屋に2人っきりで残していいんですか!?;)

⏰:07/12/15 13:39 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#63 [トイロ]
アキコは、俺が心の中でそんなひとりツッコミをしていることも当然知らずに、話しかけてくる。


「にしても、幸がヘマするなんて珍しいね-
しかも貧血‥‥ぷ」


「うっせ-」

俺は着替えながら簡単に返した。

(そ-だよ‥
俺、きのう紅に会えたんだよな
そんで紅に血を吸われて‥)

⏰:07/12/15 13:42 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#64 [トイロ]
「‥幸?
手とまってるよ?
早くしないと、また中センがうるさいよ」


「ああ、ごめん」

俺は適当に返事をして制服に着がえ終えた。



俺は頭の中でぐるぐる考えながら、アキコと家を出た。


++++++++++

⏰:07/12/15 13:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#65 [トイロ]
アキコが絶えずに話しかけてくれるが
全く耳にはいってこない。

俺は紅のことで頭がいっぱいだった。


気のせいか街中がざわついている。


「幸、なんか珠西族とケンカだって!」

アキコは目を輝かせて、興奮している。


(ったく、こいつのケンカ好きもどうにかしねぇとな;)

⏰:07/12/15 13:49 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#66 [トイロ]
「ふ-ん‥‥相手どこ?」


「十字族」


俺はアキコのほうにバッと顔を向けた。

アキコは驚いていたが、かまわず俺は問いつめた。

「場所は!?」


「え、あっちの通りみたいだけど‥‥
‥ちょっ‥幸!!?」


気づいたら、俺は走りだしていた。

⏰:07/12/15 13:53 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#67 [トイロ]
学校とか、中センの説教とか全部吹っ飛んでいた。


俺の頭の中はただ


"はやくあいつに会いたい"



それだけだった。

⏰:07/12/15 13:59 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#68 [トイロ]
++++++++++


裏通りでは、珠西族と十字族が向かい合っていた。


「祐、てめぇ‥
昨日はよくも俺らのテリトリーを荒らしやがったな」

珠西族のリーダーが啖呵をきる。


「珠ちゃん、シンナーはあかんで
お酒もほどほどにね♪」

十字族のリーダー、祐は笑って関西弁まじりに言った。

⏰:07/12/15 22:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#69 [トイロ]
珠西族のリーダーは少しビクッと怯んだ。

「‥そんなもん吸ってねぇ」


「缶ビールのなか」


「‥‥‥」

図星だったのか珠西族のリーダーは黙りこんだ。


すると、さっきまで笑っていた祐の顔つきが変わった。

⏰:07/12/15 22:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#70 [トイロ]
「てめぇ、珠西のリーダーだろうが
なにシンナーとか吸わせてんだ

族の連中のことを本気で考えない野郎なんかがなあ

リーダーを名乗る資格なんかねぇんだよ」



「‥ぅるせえッ!!!」

珠西族のリーダーはそう叫ぶと同時に、祐へ殴りかかってきた。
珠西族の連中たちもそれぞれ十字族に殴りかかる。

⏰:07/12/15 22:53 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#71 [トイロ]
数分後、乱闘はおさまった。
鎮まらせたのは十字族。



祐が血を吐きながら倒れている珠西族のリーダーの胸ぐらを掴んだ。

「シンナーの入った缶は、俺らが昨日空きビルから回収した
‥もう、すんじゃねぇぞ
三度目はこんなもんじゃ済ませねぇからな」


珠西族のリーダーは、ただ黙って祐を睨みつけた。

⏰:07/12/16 00:08 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#72 [トイロ]
祐は掴んでいた手を離し、解放する。

「おし!
みんなお疲れ★
もう用は済んだから撤収〜♪」



十字族が散らばりはじめたころ、後ろで彼らを睨みながら珠西族のリーダーは呟いた。

「そうだよな〜
俺たちが十字族に敵うわけないし」


「?」

最後尾にいた祐が振りかえる。

⏰:07/12/16 00:18 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#73 [トイロ]
「族長は赤髪に碧の目、副までも銀髪に金色の目だせ?
こんな化け物ぞろいに俺らが敵うわけねぇ‥」



言い終わらないうちに珠西族のリーダーは殴られていた。

「がはッ!!!」

血を吐きながら路上に倒れた。


彼を殴った十字族の副リーダー、紅は胸ぐらを掴み、珠西族のリーダーを起こした。

⏰:07/12/16 00:21 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#74 [トイロ]
「おまえ、いま自分がなんて言ったかわかってんのか」


「ぁあ゙!!?
バケモノぞろいって言ったんだよ!!!」



「僕のことは何と言おうが構わないよ

けど、僕以外の人たちのことだけは‥絶対許せねぇ!!!!」

そう叫んだかと思うと、紅はみぞおちに一発、拳を突っ込んだ。

⏰:07/12/16 13:18 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#75 [トイロ]
「ぐがッ!!!」

珠西族のリーダーは急所を衝かれて再び倒れこむ。


しかし、だんだん紅の一方通行の暴力はエスカレートしていく。


そんな様子を傍観していた祐はなにかに気付いたように叫ぶ。

「‥紅ッ、もうやめとけ!
それ以上やると、まじで死ぬぞ!!!」

⏰:07/12/16 13:23 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#76 [トイロ]
珠西族のリーダーの顔は変形し、もう誰なのか分からなくなっていた。


しかし、祐の声は届かない。


紅は変形した顔にさらに拳を振りおとそうとする。


「紅ッ!!!」

祐が止めようと駆け出す。

⏰:07/12/16 13:25 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#77 [トイロ]
祐は間に合わなかった。

祐よりも速く止めにはいった人がいたせいで‥。




「−‥なにやってだよ、紅」


「‥‥‥幸‥‥」



紅の拳は幸の平手で受け止められている。

⏰:07/12/16 13:26 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#78 [トイロ]
幸は紅の手首へと握りなおして言う。

「おまえ、どうしちゃったんだよ
前はこんな‥人を傷つけるような奴じゃなかったろ!」


紅はスッと幸を見据える。

「勝手なこと言うなよ
前はこんな奴じゃなかったって?
そんなの幸が知らないだけじゃないか!!」


「‥‥‥でも、これはやりすぎだ」

⏰:07/12/16 13:28 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#79 [トイロ]
幸は後ろで倒れている珠西族のリーダーを横目でみる。


「それにな‥紅
殴る行為は相手だけじゃなく、自分自身も傷つけるんだぞ」


幸は紅の血で滲んでいる拳を見ながら言った。


「俺はおまえにも傷ついてほしくねぇんだよ」



「‥‥‥ふっ
やっぱり変わらないね、幸」

紅は微笑する。

⏰:07/12/16 13:32 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#80 [トイロ]
「‥‥なんで僕が幸の前から姿を消したのか知ってる?」


「知らねぇよ
おまえが勝手にいなくなったんだろ」



「幸のことが、憎くてたまらなくなった‥‥からさ」



幸の瞳が大きく見開かれた。




++++++++++

⏰:07/12/16 13:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#81 [トイロ]
++++++++++


#03話#

幸×紅:{修羅場


-END-


++++++++++

⏰:07/12/16 13:59 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#82 [トイロ]
#04話#


「−‥はあ」

十字族のリーダー、暁月 祐が公園のベンチに腰をおろす。

「リーダー、みんなに連絡しといた
今のところ、珠西に襲われたやつはいないみたいだよ」

十字族の副リーダー、紅が祐に近づく。


「おう、そうか
でもしばらく、気は抜けないな」

祐は肩をすくめた。



「‥‥リーダー」

⏰:07/12/17 20:24 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#83 [トイロ]
「‥‥リーダー」


「ん、どした」


「さっきは‥ごめん
あんな無駄な喧嘩‥‥」

紅は視線を地面におとした。


「無駄じゃねぇよ」


「‥‥え」

紅は顔をあげた。

⏰:07/12/17 20:26 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#84 [トイロ]
「あれは俺たちの為に、ヤってくれた喧嘩だろ?
ありがとな、紅」


いつもは金色に光る目が、いまは赤い。


「にしても、あいつも馬鹿だよな〜
今は、髪の色とか、目の色とか自由に変えられる時代だっつ−の☆
まあ、俺らのは元々だけどな♪」


紅は、祐の笑顔をみると、心が軽くなる。

⏰:07/12/17 20:29 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#85 [トイロ]
(なんかリーダーって、幸に似てるよな‥‥)


紅が心の中でそんなことを思っていると、祐が真面目な顔になった。

「それに‥‥紅‥
謝る相手が違うだろ?」


「‥え?」


「お前とあの幸‥とかいう奴の関係がどういうものなのか、俺にはわかんねぇけど
あの言葉が嘘ってことぐらいはわかるよ★」

祐の顔はまた笑いにもどった。

⏰:07/12/17 20:35 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#86 [トイロ]
「‥‥‥」



祐は立ち上がり背伸びする。

「‥ったく
うちは問題児ばっか集まってるよなあ〜
リスカから、売春、万引き、不登校、自殺未遂、窃盗‥‥
あ゙〜挙げていったらきりねぇや★」


祐は紅に向きなおる。

⏰:07/12/17 20:39 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#87 [トイロ]
「でもな、紅

俺は別に道はずしたっていいと思うんだ

俺らはまだガキなんだしなッ☆

過去におこした失敗なんて気にしなくていいんだよ

知ってるか?
人ってのは、失敗を重ねてデカくなるんだぜ★

だから大事なのは、その失敗をしたうえで、いま何をするか−‥だろ?」

⏰:07/12/17 20:42 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#88 [トイロ]
「‥‥ドラッグを回収しまわってるのはそのためか」


「あら、わかっちゃった?

‥人はさ、
たとえどんな間違いを犯したとしても、最後には立ち直れる生き物なんだよ♪」


祐の顔つきが変わる。


「けどドラッグは違う
あれは未来の可能性までも奪ってく

⏰:07/12/22 19:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#89 [トイロ]
たった1度でも、ドラッグに手出したら‥
永遠に抜けることができない地獄の明日が待ってる‥‥」


碧の目が深くなった。


「珠西族のやつらは何も悪くねぇ‥

あいつらはただいいように利用されてるだけだ
金づるとしてな

子どもはいつだって結局、大人に振り回されてんだよな‥」

祐の瞳が遠くを見つめる。
その視線の先には、神々しいほど輝く月がただ静かに浮かんでいた。

⏰:07/12/22 19:39 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#90 [トイロ]
++++++++++


#04#

紅×祐:{LEADER論


-END-


++++++++++

⏰:07/12/22 20:31 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#91 [トイロ]
#05話#


"幸のことが、憎くてたまらなくなった‥‥からさ"





「俺がいったい何したっていうんだよ!!!」

−ゴツン


「へ?」

.

⏰:08/01/01 15:59 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#92 [トイロ]
幸は振り上げた腕に違和感を感じて、上をみた。


中野先生が赤くなったあごをさすっている。


「中セン‥?
あり?ここ廊下?
俺、何してたんだっけ‥」

幸が寝ぼけた虚ろな目で、中野先生を見上げる。

⏰:08/01/01 16:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#93 [トイロ]
「五十嵐

俺は、廊下で正座をし、反省文を書いたらナシにしてやると言ったんだ‥‥
誰も居眠りをしろとは言っとらん!!!」


−伴゙ン


「痛っ!!?」


「いってぇ〜」


気持ちよさそうに寝息をたてていた秋子がゲンコツをくらい、続いて幸もゲンコツをくらった。

⏰:08/01/01 16:02 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#94 [トイロ]
「ちょっと、中セン!
叩かなくてもいいじゃん
しかもグーとか反則だよ!」

目が覚めた秋子が頭をさする。


「林もまだ一行しか書いてないじゃないか!!
400字書くまで帰さんからな」

「はあ〜!?」


「ありえねぇだろ!!」


秋子と幸は次々にブーイングするが、中野先生は折れない。

⏰:08/01/01 16:07 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#95 [トイロ]
下校時刻が近づいてきた頃。

2-1のドアが勢いよく開いた。

「「づかれだ〜」」


教室に入って来たのは、先ほどまで反省文を書かされていたふたり、幸と秋子。

「アキコ、おそ-い」

秋子と仲がいい、和歌山 架奈(わかやま かな)が
チークでピンク色に染まった頬を膨らませた。

⏰:08/01/01 16:11 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#96 [トイロ]
彼女は、芸能人に間違えられるぐらいの美人で、
彼女にアタックされて落ちない男はいない!と断言できるぐらいの美貌をもつ。
化粧とファションは、プロ級。



「幸だ-☆」


「やっと来た‥」


躬稀が満面の笑みで叫ぶ。

彼をひざの上に座らせている杉本 壱(すぎもと いち)は、安堵のため息をはいた。

⏰:08/01/01 16:16 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#97 [トイロ]
彼は、どこにでもいるような平凡な男子高校生。

さらに言えば、100%童貞だと断言できるぐらいに地味。


「ったく、なんで学校サボったぐらいで反省文書かせられんだよ」


「そ-だよね!
サボるやつ、この学校じゃもっと他にもたくさんいるし!!」


「正座させられながら、廊下で居眠りする人なんてふたり以外いないからだよ‥」

壱の言い分がみごとに的を突く。

⏰:08/01/01 16:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#98 [トイロ]
「ゔ‥‥」

幸と秋子は何も言い返せず、会話が止まる。



架奈が軽蔑するような目で二人をみた。


「てかさぁ
やっぱ二人って付き合ってるんじゃん」


「「‥はッ!??」」


.

⏰:08/01/01 16:21 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#99 [トイロ]
「昨日サボってたのもさぁ
ラブホ街にでも行ってたんでしょ
平日は安いもんね」


「架奈ッ!ちがうちがう;;
ラブホとか行ってないよ!
てか、そもそも付き合ってもないし!!
いつも言ってるじゃん
幸はあたしの親友なんだって!」


「だから親友=イコール=彼氏なんでしょ」


「ちが−うッ!!!」

秋子が必死に訂正する横で、幸も加わる。

⏰:08/01/01 16:26 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#100 [トイロ]
「そうそう!
俺らは永久不滅のマブダチだって、常に言ってるだろ
それによく考えてみろよ、和歌山
俺にこんな幼児体型あつかえると思うか‥ぐあ゙ッ!!!」

幸の股間におもいっきり秋子のキックがはいった。


「おまっ、俺の大事な息子を‥‥ッ」

幸は涙目で秋子を訴える。

.

⏰:08/01/01 16:28 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#101 [トイロ]
「ありゃ、そんなに痛かった?
あたし女だから、ち●こを蹴られる痛みがわかんないの
ごめんね☆」


秋子は反省するそぶりもなく、無邪気に笑ってみせた。


幸は股間に手を添えながら
潤んでいる上目で秋子をみた。


(昔から俺はこの笑顔に弱いんだよな


.

⏰:08/01/01 16:31 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#102 [トイロ]
股間を蹴られるたびに
あの無邪気な笑顔をみせられたら‥

いやでも許してしまうわ!)


幸は独りツッコミをしながら、大事なアソコをさする。



「幸、俺もう帰るよ
はい、預かってた躬稀君」


壱は椅子から立ち上がると、ひざにのっていた躬稀を幸に渡した。

⏰:08/01/01 16:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#103 [トイロ]
「お-、いつもありがとな
じゃ-杉、また明日」


「杉、ばいば-い☆」


躬稀が大きく手を振る。



壱は軽く手を振って
教室を出た。



壱の背中が見えなくなってもずっと見ていた架奈が
口を開いた。

⏰:08/01/01 16:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#104 [トイロ]
「‥‥ね−‥アキコ」


「うん?」


「‥す、す、杉本ってさ
あた し、の‥£¢§‰$〜」


完全に呂律がまわってない。


「は?
何言ってるか分かんない」



「だ、だからッ−‥
‥‥なんでいつも躬稀くんを預かって るの」

⏰:08/01/01 16:39 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#105 [トイロ]
「あ-それは、躬稀くんが襲われないようにだよ

躬稀くんってさ、見たとおり、可愛さがハンパないでしょ

だからいつも誰かが見張ってないと
襲われるどころか、さらわれたりするんだよね;」



「でもな-和歌山

俺が見張れないとき
他のやつに頼むのはいいんだけど、後が大変なんだよ

.

⏰:08/01/01 16:42 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#106 [トイロ]
躬稀のフェロモンが凄すぎるせいで
預けたやつまで虜にしちゃうんだよ

だから返してもらうのが
すんげぇ-大変でさ」


「躬稀くんのお色気は
老若男女だからね」



「‥フーン」


「安心したか?」


.

⏰:08/01/01 16:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#107 [トイロ]
架奈は座っていた机から落ちそうになった。


「はッ!??な、なにがよ」


「べつにぃ-

んで?
まだ確かめたいことがあるんだろ
さっき、言いかけたこととか」


「!??」

架奈の整った顔がみるみる赤く染まる。

ほっぺのチークでさえ、もう見分けがつかない。

⏰:08/01/01 16:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#108 [トイロ]
そんな、幸と架奈のやりとりを
意味がわからずに
ただ首をキョロキョロまわす秋子。


「‥‥‥ッ、アキコ」


「あ、はい」


夕日の暖かい陽射しが
赤く染めた

‥としか思えないくらい、架奈の顔は赤かった。


秋子は、架奈の真剣な眼差しに思わずかまえた。

⏰:08/01/01 16:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#109 [トイロ]
「す、杉本‥って


あた、し の‥‥‥‥‥ッ

あたしがモテること
知ってるのかしら!?」



「‥はい?」
かまえた姿勢が、空しくもくずれる。


秋子の後ろでは、幸が深いため息をはく。



「だッ、だってそお思わない!?
さっきだって
こんなにモテる女の子がそばにいるっていうのに

話し掛けてもこないのよ!?

.

⏰:08/01/01 17:04 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#110 [トイロ]
こんなにモテる女の子が
そばにいるっていうのに

話し掛けてもこないのよ!?

百歩ゆずって、あたしから話しかけてあげたのに

素っ気ない返事しかしなくて
、本ばっか読んでるし!


それにそれに
本の内容が難しすぎて‥‥話題にもならないのよ!!!」

.

⏰:08/01/01 17:07 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#111 [トイロ]
「‥‥‥‥」


秋子は、開いた口が塞がらない。



そして




超鈍感な秋子でも、さすがに気づいた。




.

⏰:08/01/01 17:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#112 [トイロ]
'



「架奈‥



杉本くんのことが


‥好きなの?」





.

⏰:08/01/01 17:54 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#113 [トイロ]
「!!!


そ、そんなわけないでしょ

だッ、だれがあんな地味で冴えないやつなんか‥」



言ってることに矛盾するかのように
架奈のキレイな顔は、ますます赤くなっていった。



幸は呆れたようすで
秋子と架奈のやりとりを傍観している。

⏰:08/01/01 17:56 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#114 [トイロ]
(嘘ついてるのバレバレだよ

そんなに赤くなっちゃって‥

全身で認めちゃってるようなもんじゃん


架奈って恋愛事になると、すごい不器用なんだ‥

コスメとかはめちゃ器用なのに‥‥‥ふふ)


秋子は少し笑って、架奈をみた。


真っ赤になっている架奈は
どんなコスメよりも、ずっと可愛かった。

⏰:08/01/01 17:59 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#115 [トイロ]
「お前な-

いい加減そのあまのじゃく
止めろよ」


呆れた口調で幸が言う。



「なによ!
幸なんかアキコと付き合ってるの隠してたくせに!!」


「隠してたんじゃなくて
ほんとに付き合ってねぇのッ!!!」


.

⏰:08/01/01 23:32 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#116 [トイロ]
架奈と幸が言いあう中、
躬稀は幸におんぶされ、
スヤスヤと寝ている。


「もう幸、それ以上騒ぐと躬稀くん起きちゃう

架奈もそれ以上ムキになると、きれいな髪が乱れるよ」

秋子がふたりを静ませる。

「で、架奈

ほんとは何を言おうとしてたの?
杉本くんがあたしの?」


.

⏰:08/01/02 11:33 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#117 [トイロ]
架奈の顔は
まだ赤みがひかない。



「‥‥‥‥あたしのこと‥



‥‥どう思ってる‥‥‥?」



少し目を潤わせながら、不安げに聞く架奈は、最高に可愛かった。


女である秋子までもドキドキした。


.

⏰:08/01/02 11:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#118 [トイロ]
'
「‥アキコ?」



架奈に見惚れていた秋子は我にかえる。

「‥あ!ゴメンゴメン

えっと‥‥幸、どうなの?」


秋子が後ろにいる幸に振り向く。



幸は背中で眠っている躬稀を起こさないように、小さな声で答えた。

⏰:08/01/02 11:38 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#119 [トイロ]
「ま-‥和歌山が美少女としてモテることは知ってる


んで、カルい女‥」



架奈の顔が赤から青へ変化していく。


幸は続ける。



「‥っぽく見える、て言ってたな

そんで、
‥‥‥『俺、和歌山さんに嫌われてるんだと思う』
て言ってた」

⏰:08/01/02 11:41 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#120 [トイロ]
'

「「はあ!??」」

架奈と秋子が同時に叫ぶ。


「なんでそ-ゆ-ことになるのよ!?」


「杉本くん勘違いしてるよ!」


「だ-か-ら-

和歌山、おまえが不器用すぎんだよ

誤解ときたいんなら、杉の前では素直になれ」


幸はさっきよりも口調が強い。

⏰:08/01/02 11:43 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#121 [トイロ]
幸はさっきよりも口調が強い。



架奈はうつむいた。





「‥‥‥ぅっさい」




「は?」


.

⏰:08/01/02 11:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#122 [トイロ]
「うるさいって言ってんの!

あたしだって、努力してんのよ!!


朝は3時起きで、髪をセットするのに1時間、化粧するのに1時間半。

そして杉本とふたりっきりになるために6時に登校


他にも、美肌のケアや、ウォーキング、制服は毎日アイロンかけ、ヨガ、モデルスタイルのキープ、おかしは断食、ムダ毛処理、エステ、就寝時間は8時‥諸々‥」

⏰:08/01/02 11:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#123 [トイロ]
'
架奈の武勇伝はまだまだ続く。


「‥雑誌は毎月チェックしてるし、杉本の趣味もチェックして雑誌、CD、本、全部買ったし、

何について書いてんのかわかんないし、歌詞みてても意味不明だし、読んでても難しすぎて面白くないし



朝早く学校いって
ふたりっきりになっても
緊張しすぎて、思ってないこと言っちゃうし、
可愛くなれないし、‥」


.

⏰:08/01/02 11:56 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#124 [トイロ]
'
架奈の目に涙が溜まってきた。


「好きで‥スキで‥だいすきなのに‥


素直になれなくて
うまくしゃべれなくて、‥」


おおきな瞳から大粒の涙がこぼれる。


.

⏰:08/01/02 12:07 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#125 [トイロ]
'

「あたしだってわかってる


自分がどんなに不器用か‥



どんなに好きでも伝えられなきゃ‥


素直になれなきゃ意味がないっことぐらい‥



とっくの昔に気付いてるよ−‥」



.

⏰:08/01/02 12:39 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#126 [トイロ]
'

そのあとは言葉が続かなかった。



架奈は秒刻みに肩をあげ
泣いた、ただ鳴いた‥。




秋子は、なんだかとても切なかった−。




++++++++++

⏰:08/01/02 12:41 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#127 [トイロ]
結局、あたしたちは
中センが怒鳴りにくるまで、

ただ見守ることしかできなかった。




あたしは、桜並木の帰り道を通りながら
隣にいる幸に呟いた。


「ねぇ、幸」


「ん」


.

⏰:08/01/02 17:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#128 [トイロ]
'

「なんかすごく切ないよね


スキなのに、
その気持ちが大きすぎて、相手に伝わらないなんてさ

小さすぎてもダメだけど

大きすぎても難しんだな-」



もうすでに桜の花は散ってしまっている。


.

⏰:08/01/02 17:47 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#129 [トイロ]
'
「そういや、幸

架奈に『安心したか?』みたいな言ってたけど


もしかして‥知ってたの!?」



「知ってた、ってゆ-か気づいてた

和歌山は杉が好きなんだろうな-‥みたいな

たぶん躬稀も気づいてたぞ」


.

⏰:08/01/02 17:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#130 [トイロ]
「え゙ーーー!!!
全然わかんなかった;」


結構、ショックをうけた。


「アキコ、かなり鈍いもんな」


あたしは、かちんときて
言い返そうとしたら‥


「でも、そんなとこもアキコのいいとこだよな

‥俺は、アキコの鈍いところ、好きだぜ」


.

⏰:08/01/02 17:55 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#131 [トイロ]
'

あたしは何も言い返せなかった。




顔が赤いような気がするけど、


きっと気のせいだ。



きっと夕日が、
あたしを赤く染めたせいだ。



.

⏰:08/01/02 17:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#132 [トイロ]
'

あたしは‥


幸のそばにいられる


ただそれだけでいいんだから



いつも隣にいるこの人に


もう恋しないって


あのとき決めたんだから‥



.

⏰:08/01/02 17:59 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#133 [トイロ]
++++++++++


#05話#

幸×秋子:{koi


ーENDー


++++++++++

⏰:08/01/02 20:35 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#134 [トイロ]
★アンカー

>>5ー44  幸×紅
>>45ー57  幸×紅
>>58ー81  幸×紅
>>82ー90  紅×祐
>>91ー133 幸×秋子


.

⏰:08/01/02 23:06 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#135 [トイロ]
★アンカー

>>5-44  幸×紅
>>45-57  幸×紅
>>58-81  幸×紅
>>82-90  紅×祐
>>91-133 幸×秋子



失敗してゴメンなさい(ノ_・。)


.

⏰:08/01/02 23:12 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#136 [トイロ]
#06話#


"ねぇ、さち"


"ん、どうした?"



"ぼくの髪、‥どう思う?"



"うーん、そうだな‥

お月さまみたいで、すごくきれいだと思う


おれはクレナイの髪、
すきだよ"



.

⏰:08/01/02 23:16 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#137 [トイロ]
++++++++++



(あ、
‥また思い出してたのか)



太陽と月が入れ代わった頃
街灯の下で缶コーヒーを飲む女
‥にみえる男がひとり、
名は紅。



暗闇のなかでも銀色に輝く髪を、紅は掻きむしった。

.

⏰:08/01/03 22:29 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#138 [トイロ]
'

(ったく‥ほんとになんなんだよ、アイツは!!

昔と全く変わってねぇなんて、ありえね-だろ!)


空になった缶コーヒーを路上に投げ捨てた。


「いてッ!!」


空き缶が、いかにもガラの悪そうな男に当たった。

⏰:08/01/03 22:32 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#139 [トイロ]
「ちょいとおね-サン
どうしてくれるんや」


「体で払ってもらおうか」


二人の男が紅を引き止める。


++++++++++


すっかり闇に覆われた空を見上げながら、幸は繁華街を歩いていた。


.

⏰:08/01/03 22:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#140 [トイロ]
'
「今日はどこ探そ‥」


探し始めてもう一週間たつのに、幸はまだ紅に会えていなかった。


「やっぱ、手っ取り早く、香介さんにきいとけばよかった‥

いやいや、香介さんのことだもんな
ぜったい取引してくるに決まってる

結局、地道に探すしかないってことか‥」


.

⏰:08/01/03 22:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#141 [トイロ]
幸は、季節はずれのイルミネーションの中を再び歩き続けた。


繁華街を通りすぎ、人通りの少ない小道にでたところ

「ゔわ゙ああぁぁぁッ!!!」

少し離れたところで男の叫び声がした。


「な、なんだ!?」

幸は、悲鳴がした方へ素早く駆けた。

⏰:08/01/05 01:30 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#142 [トイロ]
'

ある角を曲がると紅い花−‥のような血が、幸の目にとびこんできた。



真紅に咲き乱れる光景の中

銀色に輝く、紅がいた。



「紅?おまえ、なにして‥」

幸の靴に何かがあたった。

⏰:08/01/06 16:56 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#143 [トイロ]
幸が靴元に視線を向けると
人工的な金色の髪をした男が転がっていた。


「!! おまえ大丈夫か!?」

幸が男を抱き起こすと首すじの赤みに気づいた。


(この傷痕は‥俺が紅につけられた噛み痕−‥)


「紅、ちょっと確かめたいこ とが‥」

⏰:08/01/06 16:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#144 [トイロ]
'


紅の口元からみだらにこぼれる、深紅の血


人とは思えぬ、鋭くひかる純白のキバ


暗闇のなかでも黄金にの閃光を放つ瞳−‥



「ク レナ、イ‥


まさか‥おまえがやったのか?」


.

⏰:08/01/06 17:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#145 [トイロ]
'

「‥‥‥‥だったら、なに」

紅は口元から零れる血を拭った。


「‥‥‥殺した のか‥?」

「‥殺してない

でもこのままだったら、多量出血で死ぬかもしれないけど」


「‥クソッ」

幸はポケットから携帯を出し、119番をおす。

⏰:08/01/06 17:02 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#146 [トイロ]
「こちら、宰善通り
20代の男性、二名が多量出血で意識不明」

幸は慣れたようすで救急センターに説明する。


『血はとまっていますか?』


幸が二人の首もとをみる。

「はい、とまっています」

『すぐに向かいます、あなたの名前を‥ピッ

幸は電話を切った。

⏰:08/01/06 17:06 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#147 [トイロ]
'
「紅、逃げるぞ」

幸はポケットに携帯を入れた。


「は?

ちょっと!」


幸は紅の腕をつかんで
走りだした。


満面の笑みでいっぱいにしながら‥


++++++++++

⏰:08/01/06 17:14 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#148 [トイロ]
あんな無惨な光景を
目の当たりにしたのに

なんで笑っていられるのかって?


だってそりゃあ‥


紅の腕を掴めたから


あの頃に戻れたみたいで
嬉しかったから



++++++++++

⏰:08/01/12 15:14 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#149 [トイロ]
深い雑木林のなかにふたり、幸と紅がいた。


「はぁ、こ、ここまで来れば大丈夫だろ

あ゙-きっつ」

幸は地べたに座り込んだ。

速く上下に肩を動かしながら呼吸をする。



(ま、まじで倒れる‥;)

紅は大木に身体をあずけて、息をきらしている。

⏰:08/01/12 15:16 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#150 [トイロ]
少し動悸が落ち着いてきて、紅は顔をあげ、辺りを見渡した。


「‥‥‥‥ここは、‥」



幸がニッと笑う。

「そ、あの雑木林
俺と紅が初めて会った場所♪
ここに入り込んじゃえば警察もお手上げ
まあ、長居は危険だけどな」


紅はただ黙って幸の笑顔を見つめた。

⏰:08/01/12 15:18 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#151 [トイロ]
すると、足の方向を変えて向こうへ歩き出した。


「ちょっ、紅!?
そっちは出口だぞ」


紅は、幸に背中を向け歩きつづける。

「出るんだよ」

「は、なんで?」


紅が向きなおした。

「−‥なんでかって?
僕はこの場所が嫌いだからさ!!」

⏰:08/01/12 15:20 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#152 [トイロ]
++++++++++


"僕はこの場所が嫌いだからさ!!"




「く、紅‥」



紅は顔を背ける。



−そうだよな

ここは、紅にとって

親に捨てられた場所でもあるのに


俺は‥−

⏰:08/01/12 15:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#153 [トイロ]
'

親に捨てられた場所でもあるのに、俺は‥−



「ゔっ‥」

紅がうめき声を出して
しゃがみこんだ。


(やっぱり、あれぐらいの量じゃまだ足りなかったか

クソッ‥
自制心を保たないと‥)


.

⏰:08/01/14 23:52 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#154 [トイロ]
幸はあわてて紅に駆け寄った。

「紅!!大丈夫か!?
気分が悪いのか!?」


「僕に触るな!!」


−バシッ


紅は幸の手を払いのけ、
人とは思えぬ目つきで睨みつけた。

⏰:08/01/14 23:54 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#155 [トイロ]
「く、くれない‥」

幸は微かな痛みを負った自分の手を、ギュッとにぎった。

「おまえ‥やっぱ変だよ、おかしいよ
何があったんだよ!!

昔はこんなんじゃなかった
もっと‥優しい奴だったじゃねぇか!!」



「昔はこんなんじゃなかった、‥だって?」


紅がいきなり幸の胸ぐらを掴んだ。

⏰:08/01/14 23:56 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#156 [トイロ]
「なにも知らないくせに、勝手な事言ってんな!!」



−"なにも知らないくせに"

その言葉が嫌というほど
俺の心に‥刺さった−



「うぐッ!」

紅が手を緩めたかと思うと、そのまま倒れ込んだ。

⏰:08/01/14 23:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#157 [トイロ]
「紅!!」

幸は紅を抱き起こした。


紅が静かに呟く。

「もう‥満足に、5日も口にしていないんだ‥」


「まじかよ!!?ちょっと待ってろ
近くのコンビニで水とか買ってきてやるから!」


幸が立ち上がり、走りだそう、とした脚を紅が掴んだ。

⏰:08/01/15 00:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#158 [トイロ]
−ガシッ

「ぬおッ!!?
あ、危ねぇだろ!」


「無駄だよ‥‥幸」


「はあ?
あ、金銭的なこと気にしてんのか!
いいよ、そんなこと‥


「僕は生き血しか口にすることが出来ないんだ」


.

⏰:08/01/15 00:03 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#159 [トイロ]
'

紅の言葉が幸の話をさえぎる。



「‥‥‥え‥?」




紅の瞳が暗闇のなか、
黄金にひかる。

⏰:08/01/15 00:05 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#160 [トイロ]
「フッ‥驚いただろ?

僕が人間ではなく、むしろその人間を喰らう、バケモノだから‥」



−そのときの紅は、笑っていたけれど

俺には、自嘲にしか聞こえなかった


あの頃と変わらない‥

哀しい瞳をしていたから−

.

⏰:08/01/15 00:08 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#161 [トイロ]
'

「‥‥‥なんでそんなこと言うんだよ

おまえは、れっきとした人間だろ!!」


「は、何言ってんの
僕は血しか飲めないんだよ?」


「そういう人もいるかもしれね-だろ!」


.

⏰:08/01/19 15:31 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#162 [トイロ]
(いないよ‥;)


紅の口元が緩む。


「ほんとに‥
相変わらずバカだね、幸は‥‥」


「ああ゙?」


「そんな‥確証のないこと言って、
僕の心を揺らさないでよ−‥‥」

⏰:08/01/19 15:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#163 [トイロ]
−やっと自分を僕(バケモノ)だと、認めたのに‥−


「紅‥」

そのあとは言葉が続かなかった。



「幸‥」

紅の顔が近づく。


「僕、幸に会えてうれしかったよ」

⏰:08/01/19 15:35 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#164 [トイロ]
紅と幸のあいだの距離が縮まる。


「俺もだ‥紅」

幸から笑顔がこぼれた。


紅の動きが止まる。


−フッ

「ありがとう、‥幸」

紅は幸を自分へと引き寄せた。

⏰:08/01/19 15:37 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#165 [トイロ]
「え、‥‥‥むふッ」

幸は紅に口を塞がれた。


紅の舌が幸に絡みつく。


(な、なんだこれ‥唾液?のはずだよな

なんか麻薬みたいでクラクラする‥)


紅はそっと幸から離れた。

⏰:08/01/19 15:40 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#166 [トイロ]
「ごめんね、幸

また、‥人間じゃないとこ見せちゃったね」



−あ、
‥あのときの笑顔に似てる
やさしい瞳で笑っているのに、どこか哀しそうな‥あの笑顔


紅がいなくなる前の‥

俺が最後にみた


紅の笑顔−


.

⏰:08/01/19 15:52 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#167 [トイロ]
幸が薄れる意識のなか、
紅はやさしく笑っていた、哀しそうな瞳をして‥


(クソッ−‥何やってんだよ、俺は‥

また同じことを繰り返すのかよ


もう紅にこんな顔させないって‥
もう後悔しないって決めたじゃね-か!!)

⏰:08/01/19 22:11 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#168 [トイロ]
幸は、かばんの底にあるバタフライを手にする。


バタフライとは裏ルート、特に最近は不良グループで流行っている凶器。

数日前、幸が仕事で不良たちから没収したものだ。


幸はそれを取り出すと同時に、自分の手首にめがけて振り落とした。

⏰:08/01/19 22:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#169 [トイロ]
「ちょっ!!‥幸!?」


赤い血が切り口から勢いよく噴き出す。


「ッ−‥いってぇ

ったく、紅は俺を眠らせよ-としたんだろうけど

今回は、そうはいかないからな」


激痛のおかげで、意識がはっきりしてきた。

⏰:08/01/19 22:43 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#170 [トイロ]
「それにな‥

確かに俺はおまえのこと、よく分かってなかったのかもしれない


けど、1つだけ‥俺にも分かることがある

それは、紅、
おまえは生きてていい‥
いや、むしろ生きるべき存在なんだよ

だから俺の血を飲め!
そんでもう‥俺の前から二度といなくなるな!!!」

⏰:08/01/19 22:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#171 [トイロ]
幸の目が赤い。


「−‥‥ったく
手首はすごく血が出るとこれなんだよ

あ-もうこんなに流して‥もったいない」


紅は幸の腕をつかむと、滴れている血を舐めはじめた。

幸は、紅の突然な行動に驚く。
(うわッ!!‥なんかハズカシ-;///‥あれ、痛くない
痛みがひいてきたのか?)

⏰:08/01/21 18:55 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#172 [トイロ]
−ペロ ‥ ペロ


「おっえ」


「‥‥はい?なにいまの;」

「ほんと、昔とちっとも変わっていね
幸の血、あいかわらずマズイ‥‥ぉえ」


「え、俺の血‥まずいの?」

.

⏰:08/01/21 18:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#173 [トイロ]
紅はコクンと頷く。


(まじかよ!
‥なんか、かるくショック;)


「てか、血にうまいとかまずいとかあるのかよ」


「あるよ
最高に美味しいのは美女の血!!

幸の血は‥あえて言うなら青汁だね」

⏰:08/01/21 18:59 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#174 [トイロ]
「あおじる‥‥‥」

(なんか複雑;↓)


紅はお構いなしに続ける。

「う-ん、でもおかしいんだよね
このまえ幸の血を飲んだときは、美女の血以上に美味かったんだ

なんでだろ‥心臓に近いところだったからかな」


「し、しんぞう!!?」

⏰:08/01/21 19:05 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#175 [トイロ]
★訂正

>>172 紅のセリフ

×「ほんと、昔とちっとも変わっていね


○「ほんと、昔とちっとも変わってないね


すいません...(ノ_・。)

⏰:08/01/21 22:01 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#176 [トイロ]
幸の肩に紅の手が添えられ、幸はさらに硬直する。


「あの‥紅さん?;」

幸の声が裏返っている。



「大丈夫、痛くしないから」


(そういう問題じゃねぇ-!!!;)

.

⏰:08/01/22 02:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#177 [トイロ]
紅が軽く息を吸い込む。


「ちょっ‥待て!紅ッ」


−ガブッ

紅の鋭いキバが幸の首すじに食い込む。


「うっ!」


−‥ゴク ゴクッ


「うあっ‥」


幸は再びあの変な感触に襲われた。

⏰:08/01/22 02:23 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#178 [トイロ]
'

幸は、再びあの変な感触に襲われた。


「く、れな い‥‥くっ」


−ゴク‥‥ジュルッ



紅は、真っ赤な液体を夢中で貪る。

⏰:08/01/22 02:25 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#179 [トイロ]
−ゴクゴク ジュルッ‥ゴク


(確かに、痛くはないけど‥
でもこれって
なんてゆ-か、、快感‥‥

「だ-----!!!!;」


幸は紅の銀髪を力のかぎり引っ張った。


「いってぇ----ッ!!?」


.

⏰:08/01/22 02:28 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#180 [トイロ]
思いがけない痛みに叫ぶ。

「くっ‥なにすんだよ!
幸!!」

紅は引っ張られた箇所をさすりながら、涙目で幸をにらむ。


「飲み過ぎだッ!!;ばかやろ-!!!」

こっちも涙目で反論する。

⏰:08/01/23 02:13 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#181 [トイロ]
「だって、めっちゃ美味かったし
それに、幸だって‥まんざら嫌でもなかっただろ?」

紅が意地悪な笑顔を浮かべた。


「−っ‥‥‥///」

幸の顔が一気に染まる。


「俺が興味あるのは女だッ!!」

必至に否定するが全く相手にされず。


「ど−だか♪」

⏰:08/01/23 02:16 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#182 [トイロ]
(ま、僕の唾液には麻薬みたいな効果があるから
気持ち良くなるのは当たり前なんだけどね

でも、おもしろいから黙っとくか♪《笑 )


「俺は健全な男児だ-!!!」

紅のうしろで、半泣き状態で叫ぶ幸。

⏰:08/01/23 02:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#183 [トイロ]
'

「はいはい《笑

にしても、これからは毎日すきなだけ血が飲めるんだねぇ♪」


思わず紅の声が弾む。


「言っとくけど手首からな」

「はあ!?いやだよ
手首とかまずいし!」

⏰:08/01/23 02:20 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#184 [トイロ]
「首からあげたら紅、やめられなくなるだろ」


「あたりまえじゃん」



「‥‥‥‥‥だからだよ」


「大丈夫、貧血になるだけだって」


「〜っ、俺は労働者なの!!
だから、倒れてるひまなんてないんだよ」

⏰:08/01/27 01:55 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#185 [トイロ]
「まずいのはいやだ
ただでさえ、普通に飲んだら、幸の血は格別にまずいのに」


「我慢しろよ」


「いやだ」


「しろ!」


「いやだ!」

⏰:08/01/27 01:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#186 [トイロ]
「しッ −グラッ


(あ、‥‥やば‥‥‥‥)




「幸!?」


紅の声が遠くに聞こえた。



.

⏰:08/01/27 01:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#187 [トイロ]
−ああ 俺はこんなところで倒れてはいけないのに

俺が倒れたら また紅は俺のまえから姿を消すだろう

せっかくまた会えたのに


もう二度とこの手を離すわけにはいかない‥

この雪のように透き通った白い手を‥−


++++++++++

⏰:08/01/27 02:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#188 [トイロ]
まぶたをひらくと、見慣れた天井が目に入った。



「痛ッ‥‥」

幸が起き上がると同時に、小さな頭痛を伴った。


(ここ‥‥俺の部屋?
どうやって戻ってきたんだっけ‥)


自分がベットで横になっていたことがわかった。

⏰:08/01/27 11:25 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#189 [トイロ]
「貧血おこしたばっかりだから、あんまり体動かさないほうがいいよ」


幸は声がしたほうへ顔を向ける。


「ったく、大変だったんだからね
幸をここまで運ぶの」


ベットの傍らに





−紅がいた。

⏰:08/01/27 11:27 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#190 [トイロ]
「紅‥‥」

幸の瞳から涙が零れる。


「ええ!!幸!?
なにか僕した!?;」


「¢△※#◆%£」

涙を拭いながら言う。


「え?きこえないよ」

紅がベットに近づいた。

⏰:08/01/27 11:28 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#191 [トイロ]
'

「ょかった‥
紅がいなくならないで‥」





−‥ぽと




ベットにひとつの染みがついた。

⏰:08/01/27 11:29 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#192 [トイロ]
幸が顔をあげると、



「‥ぷッ

紅、やっぱ泣き虫だな

‥変わってない」




「‥‥そっちこそ泣いてるじゃん」

⏰:08/01/27 11:32 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#193 [トイロ]
幸は笑った。

頬をつたう涙の雫は、宝石の粒のように輝いている。


あの頃と変わらない笑顔が
−咲き誇っていた。






紅は再び涙が溢れた。

⏰:08/01/27 11:33 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#194 [トイロ]
++++++++++


#06話#

幸×紅:{咲ク


-END-


++++++++++

⏰:08/01/27 11:42 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#195 [トイロ]


★番外編:{おまけ


#03.1話#は
>>58-62のあとの
香介×太郎sideの話です。


⏰:08/02/03 17:25 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#196 [トイロ]
#03.1話#


太郎は幸を秋子に任せて、部屋を離れた。

エレベーターに乗り、胸のポケットから携帯を取り出す。

ピッポッパッポ
《♪携帯ボタン音


エレベーターが1階でとまる。

ドアが開くと同時に発信相手、香介がでた。

⏰:08/02/03 17:29 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#197 [トイロ]
「タローか」

「幸くん目覚ましました
アキコちゃんもいるし、もう大丈夫だと思います」

「‥‥」

「‥ふ」
太郎が思わず笑いをこぼす。

「‥なんだよ」


「いえ
それでキングは今どこに?」

⏰:08/02/03 17:31 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#198 [トイロ]
キングとは、香介のコードネームである。


「昨夜のやつを調べてた

依頼されてた族、珠西族は幸が来たときにはもう散ってたみてぇだ」


「では、幸くんは他の族に遭遇したんですね」


「ああ、クソッ電話じゃ詳しいこと言えねぇな

しかたねぇ、おまえを拾ってく
そこにいろ」

⏰:08/02/03 17:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#199 [トイロ]
一方的に電話が切れた。


「ふぅ
ほんとに、親バカなんですから」

携帯を胸に戻し、壁に寄り掛かって香介を待った。


脇を通る女子高校生たちが太郎をちらちらみて、黄色い声を発している。


確かに太郎は、どことなく雰囲気がある男だった。

⏰:08/02/03 17:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#200 [トイロ]
背は香介とあまり変わらないが、肌は香介ほど濃くなく、淡い小麦色をしている。

顔は整っているし、香介がワイルド系なら太郎は紳士といったところだろう。



「あのッ」


いつのまにか太郎の前に女の子が立っていた。


制服でみたところ、どこかのお嬢様学校の生徒らしい。

⏰:08/02/03 17:38 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#201 [トイロ]
「‥なにかな?」


太郎の優しい声にビクッと震える女の子。


ふたりのそばを通る女子高校生たちの視線が冷たくささる。



「あの、えっと、‥山田さん、よくここにいますよね」

(僕の名前は、調べ済みってわけね)


.

⏰:08/02/03 17:40 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#202 [トイロ]
「あたし、ここ毎日通るんです
それで‥山田さんをみかける度に胸がドキドキして‥//」

(そりゃそうでしょ
元ホストですし《笑)


「ですから、あの、メアド交換してくれませんか!?」


バッと太郎に自分のメアドを書いた紙をさしだした。

⏰:08/02/03 17:42 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#203 [トイロ]
「‥ごめんね
今仕事中なんです」


「あっ!ご、ごめんなさい!!」

女の子は真っ赤になって顔を上げた。


「でも受け取ってもらうことはできますよね!?」


「それにもうすぐ恋人が迎えに来て‥あ、キング!
ここです!」

⏰:08/02/03 17:43 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#204 [トイロ]
黒い光沢をひからせながら、ベンツがふたりの傍にとまる。


運転席の窓が下がり、イケメンな男がガンをとばしながら言う。

「‥はやく乗れよ」


「じゃあ学校遅れないようにね」


太郎は悩殺的なスマイルを女の子にむけ、車に乗りこんだ。

⏰:08/02/03 17:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#205 [トイロ]
車が走り去ったあと、
とり残された女の子は


「‥恋人が‥男の人‥‥」


と放心するのであった。




++++++++++

⏰:08/02/03 17:47 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#206 [トイロ]
「てめぇ‥誰が恋人だ」



「ほんとに助かりました

あ-いうの、気持ちはありがたいんですけど、
正直困るんですよね」



「しょうがねぇだろ

おまえ元ホストで、しかもナンバー1だったし
それがまだ抜けきってねぇんだよ」

⏰:08/02/03 17:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#207 [トイロ]
「それでいてキングはずっと2位だったんですよね」


「‥おまえ喧嘩売ってンのか?」

香介がメンチをきる。


「違いますよ
拳で僕がキングに敵うわけないでしょ」


(‥嘘つけ)

太郎の曇りのない笑顔をみると、よけいに腹がたつ。

⏰:08/02/03 17:50 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#208 [トイロ]
「それでキング
調べた結果、何がわかったんですか?」


(さりげなく反らしやがって)

「依頼されてたのは、珠西族
よくあの空きビルをたまり場にしてたらしい」



「でも、幸くんは会わなかった‥ということですか?」


「ああ、幸が会ったのは、十字族」

⏰:08/02/13 00:46 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#209 [トイロ]
「最近、裏で騒がれている族ですね
なんでもあちこちのテリトリーを潰しているとか」



「この日は珠西族が標的だったようだな

‥幸はどんな感じだったか?」



太郎が呆れた顔をする。


「気になるのなら、自分で行けばよかったじゃないですか

⏰:08/02/13 00:49 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#210 [トイロ]
空きビルから幸くんが出てこないからって、わざわざ僕を呼び出して‥はあ

どうせ今回だって、幸くんのことが心配で、ずっとビルのまわりを巡回してたんでしょう」



香介の肩がピクッと動く。

「‥ずっとじゃねぇ」


「そうですね
情報収集も必要ですしね」

⏰:08/02/13 00:52 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#211 [トイロ]
'
すかさず太郎が言い放つ。


香介は太郎をにらみつけた。

「てめえ
俺の質問に答えろよ」


「はいはい
そうですね‥体調はわりと平気そうだったんですが
‥様子が少し変でしたね」


「変?」

.

⏰:08/02/13 00:54 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#212 [トイロ]
「ええ、アキコちゃんに首もとの傷を指摘されたとき

幸くん、とっさに傷を隠したんです

まるで知られたくないことがあるかのような‥」



「‥あまり気にとめてない族だったが、どうやら調べてみる必要があるみたいだな
このまま直でいくぞ」

香介がハンドルを握り直した。

⏰:08/02/13 00:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#213 [トイロ]
太郎は慌てて制する。

「ちょ、ちょっと待ってください!キング!!

僕は昨夜呼び出されてから着替えてもないし、風呂にも入ってないんですよ!?

少しでいいですから家に寄らせてください」



「んな暇はねえ」

香介の冷たい即答。


.

⏰:08/02/13 00:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#214 [トイロ]
「キング〜;;
親バカなのはいいですけど、それで僕を巻き込まないでくださいよ!!!」



「別に幸のためじゃね-ぞ

銀河市の治安を守るのが、俺たち、警察の使命だからな」



「そのセリフ、いいかげんきき飽きましたよ」

太郎が吐き捨てた。

⏰:08/02/13 01:01 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#215 [トイロ]
香介は、となりでうなだれる太郎を無視して、車を警察署へ向かわせた。

++++++++++



「おまえのコードネームはセイヤだ」



「はいはい
今回も僕はセイヤで、香介さんがキングですね
了解」



.

⏰:08/02/13 01:05 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#216 [トイロ]
++++++++++


#03.1話#

香介×太郎:{その後


-END-


++++++++++

⏰:08/02/13 01:10 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#217 [トイロ]



★番外編:{おまけ


#05.1話#は
>>91-103
壱sideの話です。



91103

⏰:08/02/17 12:03 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#218 [トイロ]
#05.1話#


俺は、杉本 壱。

銀河高校の2年生。


いちおう学年首席。

まあ、銀高で1番を維持してても、別に誇れることじゃないんだけど。


なぜなら銀高は、別名「すべりどめ学校」と呼ばれているように、
勉強に積極的ではない生徒たちが集まっている学校だから。

⏰:08/02/17 18:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#219 [トイロ]
どうして俺がここに入ったのかって?


簡単なことだよ。




遅刻したんだ。



俺の第一志望校は、銀河市のなかでも1、2位を争う名門学校、駘壕高校。


中学校の先生たちから、すごく期待されていて、
俺もそれにこたえようと勉強に励んだ。

⏰:08/02/17 18:38 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#220 [トイロ]
だけど、試験当日。

バス停で要点を見直していたら、おなじベンチに座っていた女の人がいきなり倒れた。

俺は驚いて女の人を起こしたら、、、、





「う、‥‥産まれ、る−ッ!!!」





俺は頭が真っ白になった。


気がつくと、俺は真っ白な部屋、病室にいた。

⏰:08/02/17 18:42 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#221 [トイロ]
30代ぐらいの男の人が俺の手を握って、泣き笑いながら礼を言っていた。


そのとなりには、先ほどの女の人が笑顔を向けながらベットにいた。

小さなちいさな赤ちゃんを抱いて。





ちょっと余談が入ったな;


まあ、これが銀高に入学した理由。

⏰:08/02/17 18:43 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#222 [トイロ]
実のところ、
銀河高校に入ったことは、それほど気にしていない。


妊婦さんを見捨ててまでも、駘壕高校に行きたかったわけじゃないし。




でも最近、全く感じていなかった気持ちが、少しずつ募ってきているような気がする。


原因はだいたい見当がついている。

⏰:08/02/17 18:46 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#223 [トイロ]
銀高で、右にでる者はいないと断言できるほどの美少女、
和歌山 架奈さんだ。



幸にも話したけれど、
なぜか俺は和歌山さんに嫌われている。


もちろん嫌われるようなことをしたおぼえはない。



俺はあまり気にとめない性格だが、
心当たりがないのに嫌われているというのは、やっぱり結構ショックだ。


++++++++++

⏰:08/02/17 18:49 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#224 [トイロ]
'


AM6:10



俺はいつものように教室のドアを開ける。



そして、いつもなぜか早朝から登校している和歌山さんに


「おはよう」



と声をかけてから、自分の席に座る。

⏰:08/02/17 18:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#225 [トイロ]
嫌われているからといって

挨拶をしないのは、おかしいからね。


すごい不機嫌な顔を向けられても;



ちなみに、和歌山さんからあいさつが返ってきたことはない。

まあ、別にいいけど。




さて、俺の唯一の楽しみ、読書の時間だ。


今日は図書館で借りてきた推理小説、「落窪」を読もう。

⏰:08/02/17 18:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#226 [トイロ]
本の世界に引き込まれ

‥る前に和歌山さんの声が俺の頭上にかかってきた。


「す、すぎ杉本っ」



(和歌山さんから声をかけてくるなんて‥めずらしいな)

俺は本から顔をあげた。


彼女と目があう。

気のせいか、彼女の顔が赤いような気がする。

また俺は気づかないうちに、なにか怒らせてしまったのだろうか。

⏰:08/02/22 12:53 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#227 [トイロ]
不安になって彼女の言葉を待つ。




「‥‥‥‥‥‥‥っ‥////」

なかなか次の言葉がでてこない。


そんなに言いにくいことなのだろうか。

俺は必至で記憶を辿り巡らす。



「‥えっと‥‥
‥‥な、なな、ななんでそんな本読んでるのっ!?」

⏰:08/02/22 12:56 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#228 [トイロ]
'



‥‥‥‥‥‥‥。





「えっとえっと、だ、だって!
杉本、授業以外はずっと本ばっか読んでるし!
そんなにおもしろいわけ?」



「‥‥‥面白いよ
まあ、和歌山さんにはわからないだろうけど」


我ながら冷たい言葉。

⏰:08/02/22 12:59 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#229 [トイロ]
我ながら冷たい言葉。



「和歌山さんも雑誌ばっか読んでないで、ちゃんと本読んだ方がいいんじゃないの?」



言葉がまるで鎖のように、つながっていく。


とまれない。

⏰:08/02/22 13:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#230 [トイロ]
「‥雑誌ばっかじゃないし!
あたしだって本読んでるわよ!」


「漫画とか?」


「‥マンガのどこがわるいのよ
それに携帯小説だって、ちゃんと読んでるし」



「悪いとは言わないけど、得るものは少ないと思うよ

まだ教科書に載ってる文章とかのほうが、得るものが多いんじゃない?」




「‥‥‥もういい」

⏰:08/02/22 13:04 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#231 [トイロ]
彼女は、そう終止符を打つと、踵をかえして教室を出ていった。




教室に一人残された俺は、息をはいて座りなおす。



今までの俺なら、あんなことを言われてもうまく受け流せていた。


それなのに‥なぜ彼女に言われると、ここまでムキになってしまうのだろう。


まともに相手しなければいいのに、なぜそれができないのだろう。

⏰:08/02/22 13:08 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#232 [トイロ]
「‥結局、和歌山さんは‥何をしたかったんだ?;」


なんのために、あんな言葉をわざわざ言いに来たのだろう。


毎度ながらおなじ結論にたどりつく。





「‥やっぱり、嫌われてるんだろうな‥‥」

⏰:08/02/22 13:10 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#233 [トイロ]
やりきれない気持ちが沸き上がってくる。


「‥?
なんだこの気持ち‥」



和歌山さんもよくわからない人だが、
最近、1番理解できないのは、

‥‥‥俺自身だった。




「自分のことなんて‥俺が1番知ってるはずなのにな」

あほらしくて、少し笑えた。

⏰:08/02/22 13:14 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#234 [トイロ]
++++++++++


−キーコンカーコン《♪HR終礼ベル



「起立、礼」



ほとんどの席が空いたなか、学級委員である俺は号令をかけた。


HRまで残っているのは、幸をはじめ、10人ほどしかいない。

他のクラスでも似たような状態だ。

⏰:08/02/26 00:17 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#235 [トイロ]
「五十嵐、それと林!!

今から職員室に来い」


担任、中センが帰ろうとしていた二人を呼び止める。



「えー今帰ろうとしてたのに〜」

「うへ、やっぱ捕まったか↓」

林さんと幸が渋りながら中センの後についていく。


去る間際、幸がなにかを思い出したらしく振り向いた。

⏰:08/02/26 00:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#236 [トイロ]
「杉!!
悪いけど、俺が戻るまでミケ頼むわ!」


「えっ、ちょっ」


幸はそれだけ言うと、俺の返事もきかず、中センの後を追いかけて行った。



「杉、もしかしてイヤ?」


幸から離れてきた躬稀(みけ)くんが、俺の顔を覗きこむ。



「いや、躬稀くんを預かるのは別にいいんだけど‥」

⏰:08/02/26 00:23 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#237 [トイロ]
今、教室に残ってるのは、俺と躬稀くん、そして、‥和歌山さんだけだった。



(なんか‥気まずい;)



躬稀くんが俺の返答をきいて安心したのか、
ひざによじのぼってきた。


しばらく見守っていたが、苦戦しているようだったので、
俺は躬稀くんをひょいと持ち上げて、ひざに座らせた。

⏰:08/02/26 00:26 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#238 [トイロ]
躬稀くんはもぞもぞと動いて、俺と向き合う形に座りなおす。


(近っ(笑;))


「ねー杉ぃ
なんで幸は、中センに呼び出されちゃったの?」

躬稀くんは、すこしご機嫌ななめのようだ。


「うーん、‥昨日学校サボってたから、たぶんそれじゃない?」



「あー!!
それは中センにいっぱい怒ってもらわなきゃ!!

⏰:08/02/26 00:29 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#239 [トイロ]
昨日ぼく、ずっと待ってたのに
幸、来なくて、すっごく寂しかったんだから!!!」


そう叫ぶと、ぷーっとほおを膨らませる。



そのしぐさが可愛いらしくて、思わず笑ってしまった。


「なんで杉、笑うのっ!?」



(おっと、やばいやばい)



俺は躬稀くんの機嫌を損ねないように、優しく頭をなでた。

⏰:08/02/26 00:32 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#240 [トイロ]
「ごめんごめん

躬稀くん子犬みたいかわいいから
‥て男なのに、こんなこと言われても嬉しくないよね;」



「ううん、すごく嬉しいよ♪
だって、ぼく幸の犬だもん☆」


躬稀くんは撫でられる感触が気持ちいいのか、ご機嫌だ。


(ほんと、感情豊か(笑))


.

⏰:08/02/26 00:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#241 [トイロ]
「でも
昨日は確かに躬稀くん
よく我慢したね

えらいえらい」



「えへへ‥///

だって幸と約束したんだもん
泣き言はいわないって☆

それに帰りは、杉が一緒に帰ってくれたし♪
杉、ありがとお」



「一緒に帰るぐらい、全然いいよ

⏰:08/02/26 00:37 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#242 [トイロ]
それに、さっき幸から聞いたけど、
ついこの前、一人で帰ってたら中年の男に捕まったんでしょ?

あぶないし、躬稀くんになにかあったら嫌だし」




−がばっ


「うわっ!」

⏰:08/03/13 23:59 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#243 [トイロ]
「杉ぃ〜〜〜ッ!もうっ、
幸の次に大大大好きだよ〜〜っ!!」


俺の腰には躬稀くんの腕が巻きついている。


俺はかるく笑って、
ネコっ毛の頭をぽんぽんとたたいた。


「ほんと『幸の次に』とか言うところ、躬稀くんらしいよね(笑)

⏰:08/03/14 00:06 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#244 [トイロ]
うん、でも嬉しいよ
有り難う」


「えへぇ〜///」

躬稀くんは照れくさそうにもじもじする。



ほのぼのと会話していると
いきなり和歌山さんが間に入ってきて、
俺たちを無理やり突き離した。


そして一叫。

⏰:08/03/14 00:07 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#245 [トイロ]
「男同士がなに抱き合ってんのよ!
まじキモイ!
まじありえない!」



‥‥‥‥‥‥。



(何か‥勘違いしてない?)



あ、‥‥まただ。



あの、
なんともいえない気持ちが


沸きあがってきて

⏰:08/03/14 00:11 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#246 [トイロ]
沸きあがってきて



抑えられない‥



「‥‥なんでそう思い込みが激しいわけ?」



ひとつ言葉が漏れると



「こんなのただのスキンシップでしょ
よく女の子同士でも抱き合ったりしてるじゃない」

⏰:08/03/14 00:13 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#247 [トイロ]
 
まるで溢れだす水のように


「お、女の子はいいのよ!
でも男はキモイからダメ!」


止まらなくなる



「‥‥そういうのを偏見っていうんだよ

わかりやすく言えば、まあ自己中心的?」

⏰:08/03/14 00:14 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#248 [トイロ]
「‥‥‥‥」

和歌山さんは何も言わなかった。



気まずい空気がただよう。


躬稀くんが不安げにふたりの顔を交互に見上げる。



そのとき、教室のドアが勢いよく開いた。

⏰:08/03/14 00:16 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#249 [トイロ]
「「づかれだ〜」」


教室に入って来たのは、先ほど中センに呼び出されていた、幸と林さん。



「アキコ、おそ-い」

和歌山さんが俺に背をむけて頬を膨らませた。


「幸だ-☆」

躬稀くんが満面の笑みで幸を迎える。

⏰:08/03/14 00:18 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#250 [トイロ]
「やっと来た‥」

(助かった‥)

俺は安堵のため息をはいた。



「ったく、なんで学校サボったぐらいで反省文書かせられんだよ」

幸が悪態をつく。


「そーだよね!
サボるやつ、この学校じゃもっと他にもたくさんいるし!!」

林さんも賛同に加わった。

⏰:08/03/14 00:20 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#251 [トイロ]
「正座させられながら、廊下で居眠りする人なんてふたり以外いないからだよ‥」


俺の言葉が図星だったのか、二人は黙ってしまった。


(駄目だ‥冷静になれない
今日はもう、はやく帰ろう)



「幸、俺もう帰るよ
はい、預かってた躬稀くん」

⏰:08/03/14 00:21 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#252 [トイロ]
俺は椅子から立ち上がって、ひざに座っていた躬稀くんを幸に渡した。


「お-、いつもありがとな
じゃ-杉、また明日」


「杉、ばいば-い☆」

躬稀くんが大きく手を振る。


俺は軽く手を振って教室を出た。

⏰:08/03/14 00:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#253 [トイロ]
今日はさんざんな一日だったな。


にしても、本当に

この気持ちはなんなんだ?


この気持ちに名はあるのだろうか。


だとしたら、辞書で調べられるのに‥



こんなに物事がうまくいかないのは初めてだ。


このもどかしい思いも。

⏰:08/03/14 00:23 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#254 [トイロ]
++++++++++


#05.1話#

壱×架奈:{鎖


-END-


++++++++++

⏰:08/03/14 20:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#255 [トイロ]



★番外編:{おまけ


#05.2話#は
>>91-103
架奈sideの話です。


⏰:08/03/14 20:39 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#256 [トイロ]
あたし、2年の和歌山 架奈。
銀高のなかでも、とびきりの美少女としてモテモテ!


〔幸:「ふつう自分で"美少女"とか言うかな((呆;」〕


男には困らないほどの美貌をもつ、そんなあたしでも悩みはある。

⏰:08/03/14 20:49 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#257 [トイロ]


〔秋子:「まあ、たしかに架奈はすごい美人だよね(いろんな意味で;)」〕



それは、、、恋。
(きゃっ!///)


〔幸:「『きゃっ!』って‥‥」〕

⏰:08/03/14 22:37 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#258 [トイロ]
そう、あたしは美少女でありながら恋する乙女になってしまったの。

ああ、なんという罪深さ‥。


〔幸:「‥‥‥‥‥」〕


相手知りたいっ!?
知りたいよねっ!??

しょうがないなあ〜。
じゃあ特別に教えてあげる。

⏰:08/03/14 22:40 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#259 [トイロ]
〔秋子:「いやあの、読者さん、まだ何も言ってないけど‥‥」〕


あたしを恋に落とした罪な男はね、、、

同じクラスの‥‥‥‥







す、す、す、  杉本 壱で、ぷっ!

⏰:08/03/14 22:44 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#260 [トイロ]


〔幸×秋子:「『でぷっ』って‥((爆笑!!!」〕



〔架奈:「ちょっと!外野うるさいわよ!!///恥」〕



最後は舌噛んじゃったけど‥

ね、びっくりでしょ!?

⏰:08/03/15 16:02 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#261 [トイロ]
彼女にしたいNo.1の架奈があんな地味男を好きっていうのよ!

杉本はもっとあたしに感謝すべきよ!


〔幸:「あんなストーカー並のことされて嬉しいはずがねぇだろ‥」〕


〔架奈:「ん?なんか言った?」〕
 

⏰:08/03/15 16:08 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#262 [トイロ]

〔秋子:「な、なんでもない!
ほら、続けないと読者さんに失礼だよ((焦;」〕



えっとそう、だから
あたしは杉本とらぶ×A
カップルになるために日々頑張ってるの!

⏰:08/03/15 16:12 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#263 [トイロ]
++++++++++


AM6:00


−ガラッ


(よしっ、まだ誰も来てない)


杉本と二人っきりになれるのは、この時間しかない。


(ふたりっきりになるためなら、早起きでもなんでもやってやるっ!)

⏰:08/03/15 21:16 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#264 [トイロ]
(杉本がくる前に最終チェックしとかなきゃ!)


あたしは鞄から手鏡を取り出して、前髪を整えなおす。


AM6:10


−ガラララ


(来たっ!)

⏰:08/03/15 21:18 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#265 [トイロ]
ピンポンピンポン!
予想的中☆


杉本が教室に入ってくる。


−ドキドキドキドキ


(頑張るのよっ架奈!
にっこり笑って『おはよう』
これだけでいいのよ!)



「和歌山さん、おはよう」

⏰:08/03/15 21:20 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#266 [トイロ]
(言えっ!言うのよ!
かわいく笑って『おはよう』って!!!)









顔がひきつって


言葉も出てこない...

⏰:08/03/15 21:21 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#267 [トイロ]
杉本はもう自分の席に座ってしまっている。


(今日もダメだった‥

杉本、きっとあたしのことあいさつも返さない嫌なやつって思ってるよね‥)


いつもだったら恥ずかしさに堪えきれなくて
トイレに逃げ込むあたしだけど‥


(何も進展しないままなんてイヤだしっ!)


あたしは震える足に渇をいれて、杉本に近づく。

⏰:08/03/15 21:25 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#268 [トイロ]
杉本は本に夢中になっているのか、
あたしが目の前に立っても全然気づく気配がない。


(ちょっと!
こんなにかわいい子が目の前に立っているのに、気付かないなんて‥
どーいう神経してるのよっ!?)


苛々して本のタイトルをみた。
『落窪』‥何て読むのかわからない。


(そんなにその本が面白いわけ!?)


あたしは本に腹をたてながら叫んだ。

⏰:08/03/15 21:29 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#269 [トイロ]
 

「す、すぎ杉本っ」


杉本はやっと気付いたらしく、本から顔をあげた。



杉本と目があう。



−どっきん!



.

⏰:08/03/15 21:30 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#270 [トイロ]
(う わ 、、、
声をかけたはいいけど‥‥どうしよう
心臓が‥‥鳴り止まないっ;)


−ドキドキドキドキ



杉本がいぶしかけな顔をする。



(言わなきゃ‥何か言わなきゃ!)


焦ればあせるほど、言葉がでてこない。

⏰:08/03/15 21:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#271 [トイロ]
 

「‥‥‥‥‥‥‥っ‥////」



杉本が目線をそらす。



(! 
は、はやく何か‥っ;


あっ本!そうよ!本のことを言おっ


『何ていう本読んでるの?あたし、その本の題名読めなくて‥えへ』


完ぺきっ!☆)

⏰:08/03/15 21:37 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#272 [トイロ]
完ぺきっ!☆)



「‥えっと‥‥」


(さあ、架奈っ言うのよ!
『なんていう本読んでるの?』
って可愛さを演出して言うのよ!)


「‥な、なな、ななんでそんな本読んでるのっ!?」



−いやああああぁぁっ!!!!((心の叫び

⏰:08/03/15 21:39 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#273 [トイロ]
(恥ずかしさのあまり、つい本音がっ;

てか『そんな本』‥‥‥


これはやばいってぇぇっ!!

絶対杉本怒っちゃったよっ;
とにかく弁解しないとっ)


「えっとえっと、だ、だって!
杉本、授業以外はずっと本ばっか読んでるし!

そんなにおもしろいわけ?」



−ぎゃああああぁぁっ!!!!((再度心の叫び

⏰:08/03/15 21:42 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#274 [トイロ]
(めっちゃ感じ悪くなっちゃったっ;
どうしよどうしよどうしよっ)



「‥‥‥面白いよ
まあ、和歌山さんにはわからないだろうけど」




‥‥‥‥‥‥‥。




「和歌山さんも雑誌ばっか読んでないで、ちゃんと本読んだ方がいいんじゃないの?」

⏰:08/03/15 21:44 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#275 [トイロ]
 



今まで杉本に思いもしない
ひどい言葉をいってしまったことは、何度もあった。




でも、こんなふうに言い返されたのは初めてだった。




「‥雑誌ばっかじゃないし!
あたしだって本読んでるわよ!」

⏰:08/03/15 21:47 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#276 [トイロ]
 


どうして‥
いつも『ごめんね』の一言が言えないの‥





「漫画とか?」


「‥マンガのどこがわるいのよ
それに携帯小説だって読んでるし」




なんで素直になれないのよ



.

⏰:08/03/15 21:50 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#277 [トイロ]
 

「悪いとは言わないけど、得るものは少ないと思うよ

まだ教科書に載ってる文章とかのほうが、得るものが多いんじゃない?」




「‥‥‥もういい」






あたしはトイレに逃げ込んだ。

⏰:08/03/15 21:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#278 [トイロ]
 

あたしはいつもこうだ。



肝心なところで素直になれなくて



真逆のことをしてしまう。




スカートの裾が湿ってきた。

⏰:08/03/15 21:52 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#279 [トイロ]
 
でも、今日ほど最悪だったことはなかった。







ひどいことをしてしまった。





優しいあの人を傷つけてしまった‥



.

⏰:08/03/15 21:55 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#280 [トイロ]
 

ごめんなさい





素直になれなくて




可愛くなれなくて




ごめんなさい


杉本‥‥。


.

⏰:08/03/15 21:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#281 [トイロ]
 


杉本‥‥。




++++++++++



−キーコンカーコン《♪HR終礼ベル



「起立、礼」


.

⏰:08/03/15 21:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#282 [トイロ]
 
学級委員は、なんとあたしの想い人である杉本。


あたしは別に声フェチってわけじゃないけど、
杉本が号令をかけるたびに
ふにゃ〜てなってしまう。


声だけであたしを惚れさせる、
ほんと恐ろしい男よね。



「五十嵐、それと林!!
今から職員室に来い」

⏰:08/03/15 22:01 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#283 [トイロ]
担任の中センに呼び止められた二人は、ちょうど帰ろうとしているところだった。



「えー今帰ろうとしてたのに〜」

がっくり肩を落としているのが、あたしのダチ、林 秋子。



「うへ、やっぱ捕まったか↓」

ぺろっと舌をだしてるキザなやつは、五十嵐 幸。


.

⏰:08/03/15 22:03 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#284 [トイロ]
本人たちはしぶとくて、なかなか認めないけど、
あたしは絶対このふたりは付き合ってるんだと思う。


男女の友情なんて信じられないし。




「杉!悪いけど俺が戻るまでミケ頼むわ!」



(えっ)


.

⏰:08/03/15 22:05 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#285 [トイロ]
あたしは帰る準備をしていた手をとめ、顔をあげた。



杉本はミケくんと話している。


どうやら承諾したらしい。



今、教室に残ってるのは、あたしと杉本とミケくんだけ。



(チャンス到来!!☆)


.

⏰:08/03/15 22:07 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#286 [トイロ]
 
「よいしょ」



ん?  ‥!!!




す、杉本がミケくんをひざのうえに座らせてるーっ!

ずるーーーーーいっ!!!!




しかも二人、向き合ってるしっ!

.

⏰:08/03/15 22:08 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#287 [トイロ]
 
ミケくんがなにか叫んで、ほっぺたをぷーっと膨らませてる。


その姿には、このあたしでも萌えた‥


(や、やばい‥あたし負けてるかも)



するとすぐに、杉本が心地よい声をあげた。



(杉本が笑ってる‥‥)


.

⏰:08/03/15 22:10 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#288 [トイロ]
ミケくんは杉本に反発しているようだった。

でも愛くるしさが増すだけでちっとも怖くない(笑)



(ミケくん、可愛すぎだよ

男に負けるなんてかなり屈辱的‥


はっ!!!
だから、杉本はあたしにふりむいてくれないの!?

.

⏰:08/03/15 22:13 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#289 [トイロ]
よく杉本とミケくん、一緒にいるし‥


てか、ふつう男はいろんな男友達といるものだよね


なんかこういうシチュエーションどこかで‥


女の子よりも可愛い男の子と一般の男が一緒にいる理由は‥‥‥




!!!!

.

⏰:08/03/15 22:23 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#290 [トイロ]
 

こ、このシチュエーション‥‥









昨日、一晩かけて携帯で読んだBL小説に‥


そっくりりりぃっ!!!


.

⏰:08/03/15 22:28 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#291 [トイロ]
 

‥も、もしかして、、、

杉本は女の子よりも男に興味が‥



いやあああぁっ!!!!!


だとしたら、あたし全然望みないじゃない!!;)



ふと視線をもどすと、
杉本がミケくんの頭を優しくなでていた。

⏰:08/03/15 22:30 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#292 [トイロ]
 

(ガーーーーーン、、、)



あたしの推測が、ますます確信に近いものになっていく。



(どうしよう

杉本がホモだったら、
あたしがどんなに可愛くったって相手にされないよおっ

あっ、でもバイだったらまだ希望はある!

.

⏰:08/03/15 22:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#293 [トイロ]
‥‥ダメだ
それでもミケくんのフェロモンには敵わない‥;)




−がばっ



(なんの音?)





「大大大好きだよ〜〜っ!!」

⏰:08/03/15 22:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#294 [トイロ]
 

(ミケくんの声?

‥‥てかその意味深なセリフはなんですかっ!!!?)





あたしが目線を再び二人に戻すと‥‥




杉本の腰にミケくんの腕が巻きついていた。


.

⏰:08/03/15 22:38 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#295 [トイロ]
 



まっしろになった。








意識がおぼろげのなか、





杉本の低い声がきこえた。


.

⏰:08/03/15 22:42 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#296 [トイロ]
 

「嬉しいよ

有り難う」







和歌山 架奈、17歳。


失恋確定‥‥?


.

⏰:08/03/15 22:43 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#297 [トイロ]
 

いままでの努力が全て水の泡に‥‥







(そんなのいやーーーーーっ!!!)



あたしはふたりの間に割りこみ、無理やり引きはがした。

.

⏰:08/03/15 22:47 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#298 [トイロ]
 

「男同士がなに抱き合ってんのよ!
まじキモイ!
まじありえない!」





しばらくの沈黙。




‥チン‥チン‥チン‥‥チン☆



(な、なんなのよ
この空気の重さはっ;)

⏰:08/03/15 22:50 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#299 [トイロ]
この空気の重さはっ;)




「‥‥なんでそう思い込みが激しいわけ?」



(え?)



「こんなのただのスキンシップでしょ
よく女の子同士でも抱き合ったりしてるじゃない」

⏰:08/03/15 22:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#300 [トイロ]
「お、女の子はいいのよ!
でも男はキモイからダメ!」


(特にミケくんとか、あたしよりも可愛い子はぜーったいダメ!)




「‥‥そういうのを偏見っていうんだよ
わかりやすく言えば、まあ、自己中心的?」

.

⏰:08/03/15 22:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#301 [トイロ]
 

「‥‥‥‥」




(また、



怒らせちゃった‥‥?



もーいや‥‥)

.

⏰:08/03/16 15:17 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#302 [トイロ]
すると助け船かのように、2-1のドアが勢いよく開いた。



「「づかれだ〜」」


教室に入って来たのは、先ほど中センに呼び出されていたふたり、幸とアキコ。



あたしは杉本に背を向けてふたりに近づいた。


「アキコ、おそ-い」

.

⏰:08/03/16 15:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#303 [トイロ]
 
アキコがあたしをみて、驚いた顔をする。

「えっ架奈待っててくれてたの!?
先に帰るって言ってたからもういないと思ってたよ」



「いろいろあるのよ;」


(アキコだっていろいろあるくせに‥)

軽蔑するように、二人をみた。

⏰:08/03/16 15:25 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#304 [トイロ]
 
「てかさぁ
やっぱ二人って付き合ってるんじゃん」


(ふたりで学校サボるなんて、もう確信犯じゃん!)



「「‥はッ!??」」



(またそ〜やって、しらばっくれる)

⏰:08/03/16 15:30 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#305 [トイロ]
「昨日サボってたのもさぁ、ラブホ街にでも行ってたんでしょ

平日は安いもんね」


(幸、慣れてそうだし)




「架奈ッ!ちがうちがう;;
ラブホとか行ってないよ!

てか、そもそも付き合ってもないし!!

いつも言ってるじゃん
幸はあたしの親友なんだって!」



(男女の友情なんて信じられるかっ

要するにそれってさ〜)

⏰:08/03/16 15:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#306 [トイロ]
 

(男女の友情なんて信じられるかっ

要するにそれってさ〜)


「だから親友=イコール=彼氏なんでしょ」




「ちが−うッ!!!」

アキコは必死に訂正する。

⏰:08/03/16 15:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#307 [トイロ]
 
(もうさっさと認めなよ)



さらに、横で聞いていた幸も加わる。

「そうそう!俺らは永久不滅のマブダチだって常に言ってるだろ

それによく考えてみろよ、和歌山
俺にこんな幼児体型あつかえると思うか‥ぐあ゙ッ!!」



一瞬なにが起こったのかわからなかったが、よくみると

.

⏰:08/03/16 15:39 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#308 [トイロ]
幸の股間におもいっきりアキコのキックがはいっていた。



「おまっ、俺の大事な息子を‥‥ッ」


幸は涙目でアキコを訴える。



だが張本人のアキコは反省するそぶりもなく、
むしろ無邪気に笑っている。

⏰:08/03/16 15:42 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#309 [トイロ]
 
「ありゃ、そんなに痛かった?
あたし女だから、ち●こを蹴られる痛みがわかんないの
ごめんね☆」


(ひど‥(笑))



それまで黙っていた杉本が、ついに口を開いた。


「幸、俺もう帰るよ
はい、預かってた躬稀くん」

⏰:08/03/16 15:44 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#310 [トイロ]
杉本は椅子から立ち上がると、ひざに座らせていたミケくんを幸に渡した。


「お-、いつもありがとな
じゃ-杉、また明日」



「杉、ばいば-い☆」

ミケくんが大きく手を振る。

(だから‥可愛すぎるって!!!)

⏰:08/03/16 15:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#311 [トイロ]
慌てて杉本をみると、
杉本は軽く手を振っている。


そして、ドアをくぐって
オレンジ色に染まっている廊下のなかを歩いていく。



杉本の背中をみつめていると、

何故か涙が出てきそうになった。




目線を外せばいいのに



できなかった。

⏰:08/03/16 15:50 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#312 [トイロ]
 

できなかった。





人目があるから



涙がこぼれないように


必死にこらえた。




.

⏰:08/03/16 15:52 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#313 [トイロ]
 
(素直になれなくて


不器用で


ごめんなさい)





あたしは心のなかで


杉本の背中にいっぱい、あやまった。

⏰:08/03/16 19:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#314 [トイロ]
ほんとはちゃんと口にして言わなくちゃいけないんだろうけど


今はこれで許してください。



いつか‥

いつかきっと


あたしの言葉で

.

⏰:08/03/16 19:53 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#315 [トイロ]
 

す、杉本に告るからっ!











(や、ややややっぱり無理かもっ;)

⏰:08/03/16 19:55 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#316 [トイロ]
++++++++++


#05.2話#

架奈×壱:{美少女の恋


-END-


++++++++++

⏰:08/03/16 20:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#317 [トイロ]
★アンカー


¶番外編:{おまけ

#03.1話#
>>195-216香介×太郎

#05.1話#
>>217-254壱×架奈

#05.2話#
>>255-316架奈×壱


⏰:08/03/16 20:18 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#318 [トイロ]
★アンカー


#01話#
>>5ー44幸×紅

#02話#
>>45ー57幸×紅

#03話#
>>58ー81幸×紅


⏰:08/03/17 01:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#319 [トイロ]
★アンカー

¶本編

#01話#
>>5-44幸×紅

#02話#
>>45-57幸×紅

#03話#
>>58-81幸×紅


⏰:08/03/17 01:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#320 [トイロ]
★アンカー

¶本編

#04話#
>>82-90紅×祐

#05話#
>>91-133幸×秋子

#06話#
>>136-194幸×紅


⏰:08/03/17 01:54 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#321 [トイロ]
#07話#



あたしの気のせいでしょうか。





最近、あたしの親友が変だと感じるのは。



.

⏰:08/03/17 23:01 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#322 [トイロ]
「なあ、幸
今日バイトないんだろ
ゲーセン行かね?」

「わりぃ、用事あるんだわ」


「五十嵐〜
グラウンドでサッカーしようぜ」

「ごめん、俺パス」


「さちぃ
合コンの企画たててよぉ〜
カラオケとかでいいからさぁ」

「また今度な」


「ミケくん貸してくれぇ〜〜」

「貸出禁止」

⏰:08/03/17 23:03 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#323 [トイロ]
「ミケくん貸してくれぇ〜〜」

「貸出禁止」






ダチの誘いを全部断ってるなんて!!

(なかには当然なのもあるけど;)

⏰:08/03/17 23:04 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#324 [トイロ]
「ブスな顔してどうしたの」

話しかけてきたのは、男子に人気の架奈。



「架奈〜、、、ブスはないでしょ!ブスは!」


「だってほんとにブサイクな顔してたよ、アキコ」


「‥‥はっきり言うねぇ」

⏰:08/03/18 19:15 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#325 [トイロ]
 
ほんとにこの子は‥;


「いや、幸が最近変なんだよね
人付き合いいいのにさ」



「あー、たしかに幸っていつも誰かと必ずいるよね
彼女のアキコをほったらかして」


−ガタタッ

⏰:08/03/18 19:17 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#326 [トイロ]
あたしは思わず、いすから落ちそうになった。


「だーかーらーっ、あたしと幸は付き合ってないってば!!
何回言わせるの!」



「はいはい
そういえば、この前の日曜日とか‥」


**** 回想 ****

⏰:08/03/18 19:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#327 [トイロ]
 
「「来ない!?」」


「なんか急用がはいったらしくて

それで幸に
『チケットもったいないから杉にやる☆』
って言われて、強制的に俺が行くことになって‥

でも幸が、林さんと和歌山さんと待ち合わせしてたなんて知らなかったからさ

俺はただ幸に言われた通りに来ただけだし;」

⏰:08/03/18 20:46 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#328 [トイロ]
「うそっ!
もったいないどころか、今日のライブは特別なんだよ!
サインもらえるかもしれないのに」


「さあ?俺に言われても;」


*** 回想終了 ****


「−だったよね」

.

⏰:08/03/18 20:49 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#329 [トイロ]
「うん、あれはすんごい変!!
あの幸がMICHIのライブに来ないなんて‥
競争率高かったのにさあ」

手にあごをのせてつぶやいた。



すると、架奈がいきなりあたしを指した。


「これはきっと女よ!!」

.

⏰:08/03/18 20:52 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#330 [トイロ]
 




−‥チッ‥チッ‥チッ‥チン☆






「ふぁい?」

へんな声が出てしまった。
.

⏰:08/03/18 20:55 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#331 [トイロ]
「だってアキコ、幸の彼女じゃないんでしょ?
じゃあもう、わかりきってるんじゃん」


「ち、ちょっと待って
それはつまり‥幸に彼女ができたってこと?」


「そうよ」




あの幸に


.

⏰:08/03/19 17:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#332 [トイロ]
 

彼女ができた?‥


「ぷっ」


−あははははっ


気のままに机をバンバンたたく。



架奈の眉間にしわがよったのをみて、なんとか笑いを抑えた。

⏰:08/03/19 17:02 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#333 [トイロ]
「ごめんごめん

でも‥
あの幸に彼女?

あのニブチン君が?

あははっ
ありえないって!」


あたしが真っ向から否定するので、架奈はしゃくにさわったようだ。


「言ってれば?

男は友達より女をとるんだからね
女もだけど」

⏰:08/03/21 20:35 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#334 [トイロ]
 
「ははは‥‥‥」





++++++++++


幸の家は高層マンション。

そして、そこから少し離れた電柱の後ろにひとりの影。


.

⏰:08/03/22 17:02 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#335 [トイロ]
 
−ひょこ


電柱から顔を覗かせたのは、あの林 秋子。


「も〜架奈があんなこと言うから気になるじゃんかー、ん?」


秋子がマンションに入っていく人影をとらえた。


「あ、帰ってきた」

⏰:08/03/22 17:04 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#336 [トイロ]
 
幸がエレベーターで上がるのを見届けてから、秋子は電柱から離れた。


「さて、と」


辺りを見渡してから、スパッツをはきなおす。


「行きますか!」


秋子はフェンスをよじ登ると、円を描くようにベランダに跳び移った。

その身のこなしは、まるで猿そのもの(笑)。

⏰:08/03/22 17:12 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#337 [トイロ]
++++++++++


「ただいまー」


幸は無造作に靴をぬいで、家にあがる。



−ガチャ


「‥おかえり」


幸の部屋には銀髪の青年、紅がいた。

.

⏰:08/03/23 22:49 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#338 [トイロ]
「ったく、なに怒ってんだよ
しょーがねぇだろ
俺は学校があるんだから
はやく帰ってきたくても、できねぇんだよ」


そう言うと、
幸はかばんをほうり投げ、ベットに腰をおとした。



「別に怒ってないよ

ただ幸がまずい血しかくれないから不快なだけ
手首ばっかで、首からくれないし」

⏰:08/03/23 22:52 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#339 [トイロ]
 
「‥おまえねぇ〜

それが血を提供してもらってる人の態度かよ!?」



「わかってるよ
幸には仕事があるものね

でもまさか、あのキャットが幸とはね〜」



「‥ずっと気になってたんだけどさ
『キャット』ってなに?」

⏰:08/03/23 22:55 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#340 [トイロ]
「はあ?自分が裏でなんて呼ばれてるか知らないの?」


「んなの知るかよ
そもそも、裏で働いてる俺に名前があるなんてことも知らなかったし

だいたい‥なんで『猫』なわけ?」



「黒猫が通ったら気をつけろ」


「は?」

⏰:08/03/26 23:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#341 [トイロ]
「って言い伝えがあるでしょ

裏での幸、キャットは全体を黒でまとってるし

『キャットが現れたら必ず失敗する』
ていう噂だしね

それに‥どんなに探っても、キャットに関する情報は得られないんだよ
必ずどこかできれるんだ

‥一体どうやって妨げてるの?」



「バーカ
教えるかよ」

⏰:08/03/27 00:01 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#342 [トイロ]
 
(そんなの俺が聞きたいわ!;)


実際のところ、情報操作をしているのは香介なので、幸も全く知らないのだ。



そんな事実をとうてい紅が知るよしもなく、淡々と返す。

「ま、そうだよね
僕に教えたら大変なことになるしね」


「そうそぅ‥ってお前はなにベットに上がってきてんだよ!?;
近いっ離れろっ!;」

⏰:08/03/27 00:08 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#343 [トイロ]
「ひどいな〜
それが泣き虫な僕に対する態度?
昔みたいに優しくしてよ(笑)」


「なにパクってんだよ
つか、お前もう泣いてないだろ!
あーあ、ガキん頃の紅は可愛かったよな〜
なのに、こんなひねくれちゃって‥↓↓」


「ぷっ
この年齢で泣いてたらキモいでしょ」

⏰:08/03/29 13:54 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#344 [トイロ]
 

「‥‥‥」


幸が紅の顔をじっと見つめる。



紅は昔からこの鋭く深い瞳が苦手だった。

「‥‥なに」


「いや‥あまりにも変わったからさ
俺の知らないところで、いろいろあったのかな〜って」

⏰:08/03/29 13:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#345 [トイロ]
 

−幸の言葉は

 いつも僕の心に

 まっすぐ

 すとんと落ちてくる



「ほんとに幸は‥‥」


「あ゙?」

.

⏰:08/03/29 14:01 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#346 [トイロ]
 
「‥‥‥

‥首から吸ってもいいよね?
今夜は仕事ないし♪」


「な、なんで紅がそんなこと知ってんだよ;」


「とある所からね♪」


「はぐらかすなっ
‥て何乗っかってんだ!!
重いっ;降りろっ」

⏰:08/03/30 01:49 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#347 [トイロ]
 
「痛くさせたくないのに、そんな暴れたら保証できないよ?」


「痛くするもなにも‥
俺は首からいいとは言ってねぇ!!
とにかく、ひざから降りろっ;」


「‥実力行使」


「は?‥‥んぐっ」


幸はまぬけに開いた口を塞がれた。

⏰:08/03/31 11:29 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#348 [トイロ]
 
紅の甘い唾液がながれこんでくる。


「ん!‥‥ぐっ‥」

(ま、‥まただ
頭がくらくらする
まるで‥麻薬みたいに
朦朧とする)



幸の意識がとぶ寸前で、紅は結んでた口を離した。


「ど?気持ちいいでしょ
なんか僕の唾液は、人間にとっては麻薬になるみたいで♪
ま、かくいう僕はなんともないんだけどねー
こうやって唾液を舐めさせることで、男女関係なく虜にしちゃうってわけ」

⏰:08/03/31 11:33 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#349 [トイロ]
 
紅は声をあげて笑った。

でもその声は、少し震えているように聞こえた。

まるで自嘲のように。




「‥く‥れ‥ない」


媚薬がまだ残っているのか、幸の両目は焦点があっていない。


幸の手に力がこもる。

.

⏰:08/03/31 23:07 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#350 [トイロ]
 
「‥笑う‥ってのは‥‥

嬉し‥い‥‥時にす‥る

‥もので‥無理に‥‥する

も‥のじゃ‥ないん‥だぞっ」


幸は意識を麻痺させる快楽との、葛藤のなか、途切れとぎれに言葉をこぼす。


「お‥れは‥‥んん゙っ!!?」

幸は再び自由を奪われた。


あの媚薬のような恐ろしく甘い唾液が幸の理性を脅かす。

⏰:08/03/31 23:13 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#351 [トイロ]
 













.

⏰:08/04/02 23:17 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#352 [トイロ]
 




(長いわ!!このシルバー男っ)買{カッ


「痛ッ!!!」

紅は反射的に幸を突きとばし、げんこつをくらった頭をさする。


「いたあぁ‥‥っ
何すんだよ幸!」

⏰:08/04/02 23:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#353 [トイロ]
「それはこっちの台詞だっ!!
俺がマジメに話してんのに、口を塞ぐとか前代未聞だろ!
つか、しゃべれねえだろーがっ!!!」



「‥まあ単なる嫌がらせ?」


−カチン

「くれなぃーーっ!!!」

幸が紅に飛びかかる。


「わあっ!!
ちょっタンマっ!;」

⏰:08/04/02 23:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#354 [トイロ]
 

−嘘だよ


 『嫌がらせ』なんて‥

 まっ赤な嘘だよ



 聞きたくなかったんだ


 聞きたかったけど

 聞きたくなかった



 だって


 わかってたから


.

⏰:08/04/02 23:25 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#355 [トイロ]
 

だって


わかってたから



"あの続き"を

幸がなんて言おうとしていたのかぐらい



"あの続き"を聞いたら

僕がどうなるかってことぐらい



もうわかってたから

.

⏰:08/04/02 23:27 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#356 [トイロ]
 
 もうわかってたから




 幸、


 もう僕は

 いつも泣いていたあの頃の僕じゃないんだよ


 もう僕は

 いつも泣いていたあの頃の僕とは違うんだよ


.

⏰:08/04/02 23:30 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#357 [トイロ]
 

 もう僕は、


 今の僕は



 泣かないんだ









 泣いてはいけないんだ


.

⏰:08/04/02 23:32 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#358 [トイロ]
 



「はあ‥はあ‥‥けほっ」
幸は仰向けでむせた。


その横には、壁にもたれかかっている紅がいた。

「もう‥無駄な体力使ったじゃないか〜‥コホッ

てか、なんでそんなに動けるのさ‥
けっこう唾液、飲ませたつもりだったのに」


「んなもん、ムカつきで吹き飛ばしたわ!!ゴホッ」

⏰:08/04/05 00:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#359 [トイロ]
 
「‥‥‥」

(僕の麻薬がそんなもので効果をなくすわけないでしょ
‥それじゃ、もしかしてコレも?)


「ねえ、幸
僕のこと好き?
僕に生き血を捧げたくならない?」


−ぞわぁぁっ

「何言ってんの?紅
‥すげ気色わりぃんだけど
うわっ!鳥肌めちゃたってる;」


自分の腕にどん引きな幸。



(暗示にもかかってない!!?
なんで!?)

⏰:08/04/05 20:56 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#360 [トイロ]
(暗示にもかかってない!!?
なんで!?)


前例のないことに、紅がパニック状態に陥り黙っていると、
ふいに幸が自分の襟を掴んだ。

「ほら飲めよ」


「え?」


「あのな、言っとくけど
俺はあんな媚薬飲まされなくても、ちゃんと献血してやるっつーの
少しは俺を信用しろよ」

⏰:08/04/06 16:43 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#361 [トイロ]
 
−‥そうか

 わかった


 なぜ幸には僕の麻薬が

 効かなかったのか



 必要ないんだ


 僕がなにもしなくても


 幸は無条件に


 僕に生き血をくれるから
.

⏰:08/04/06 16:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#362 [トイロ]
 幸は僕に生き血をくれるから



ここ数日間、幸が仕事に駆り出されていたせいで、紅にとっては3日ぶりの食事になる。


白いシャツから、定期的に脈を打つ首筋がのぞいていた。


もう抑制の限界だった。


紅は幸の首筋に舌を這わせ、間もなく噛りついた。


.

⏰:08/04/07 08:02 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#363 [トイロ]
>>362 訂正

×幸は僕に生き血をくれるから

○僕に生き血をくれるから

⏰:08/04/07 08:05 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#364 [トイロ]
 
「‥うっ」

幸が鈍い痛みに声を漏らす。


紅はそんなことおかまいなしに、無我夢中で幸の温い生き血を貪る。



曖昧な意識のなか、幸はあの言葉が響いていた。


「ど?気持ちいいでしょ
なんか僕の唾液は、人間にとっては麻薬になるみたいで♪

.

⏰:08/04/07 18:47 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#365 [トイロ]
 
ま、かくいう僕はなんともないんだけどねー
こうやって唾液を舐めさせることで、男女関係なく虜にしちゃうってわけ」



−こう言った紅の声は

 震えていたんだ


 こう言った紅の笑顔は

 本物じゃなかった



 作り物だった


.

⏰:08/04/07 18:50 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#366 [トイロ]
 
 なのに、あいつ

 俺があの言葉を

 伝えること


 許さなかった



 なあ、紅


 何をそんなに恐れてるんだ


.

⏰:08/04/07 18:52 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#367 [トイロ]
 
 俺、ガキん頃から言ってるよな?


“紅がどんな奴だろうと

紅がどんな奴に変わろうと


目の前にいる奴が紅なら

俺は何度でも好きになるよ

俺は何度でも守るよ”

.

⏰:08/04/07 18:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#368 [トイロ]
 

 大人に近づくにつれ


 紅は


 忘れちまったのか




 俺は


 また紅に会った


.

⏰:08/04/07 19:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#369 [トイロ]
 
 紅は泣き虫じゃなくなっていた

 紅は生き血しか受けつけない身体になっていた

 紅は人に傷みを与えるようになっていた



 また会えた紅は

 一緒にいたあの頃から

 変わっていた


.

⏰:08/04/08 00:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#370 [トイロ]
 



 変わってなかった


 どんなに

 変わってしまったかのように見えても

 結局変わっていなかったんだ



 やっぱり紅は

 泣き虫で臆病な優しい奴だった

⏰:08/04/08 00:47 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#371 [トイロ]
 
 やっぱり紅は

 あの頃と変わらず


 俺の大事な"男の友情"ってやつだった





 紅はあの頃よりも

 強くなったのかもしれない

.

⏰:08/04/08 00:49 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#372 [トイロ]
 
 それでも、

 いま

 俺の目の前にいる奴が

 いつも一人で泣いていた

 あの紅だというのなら


 あの頃と変わらず

 俺は君を守るよ


.

⏰:08/04/08 00:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#373 [トイロ]
++++++++++

時間は少し前に戻って、



秋子はベランダを器用に跳び移りながら、幸の住む階へと上っていった。


−スタッ

秋子はあるベランダに着陸すると、そこから身をのりだして下から階を数えた。

⏰:08/04/08 13:44 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#374 [トイロ]
 
「よし、この階だ
えーっと幸の部屋は‥」


ベランダの端を平均台のように歩いていく。


もしも下から道行く人がこの様子を見ていたとしたら
ただちに悲鳴をあげて110番するだろう。


幸い下には誰もおらず、道行くのは見向きもしない野良ねこ一匹だった。

⏰:08/04/08 13:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#375 [トイロ]
 
「ここだ!

幸、自分の部屋にいるかな

リビングでごはん作ってたら、怪しまれないように玄関から入って、夕飯恵んでもらお♪」


当初の目的を忘れているように思われる発言をしながら、ガラス戸から覗きこんだときだった。




.

⏰:08/04/08 13:56 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#376 [トイロ]
 









幸がキスしていた。


.

⏰:08/04/08 13:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#377 [トイロ]
 
相手の人は、薄暗くてよく見えない。


けれど、知らない背姿だった。


おそらく背格好からみると女だろう。


細身で、マシュマロのような白い肌をしていたから。

⏰:08/04/08 14:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#378 [トイロ]
 
秋子は素早く、ガラスがはられていない壁へと身を引っ込めた。


「え‥っと、‥‥

あ-そうか

新しい『彼女』さんか‥架奈あたってるし(笑)」



秋子の視線の先では、夕日がビルの後ろから一日の終わりを告げている。


.

⏰:08/04/11 23:15 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#379 [トイロ]
 
「もうひどいな〜幸
彼女できたら、ちゃんと報告するって言ってたのに

ほ んと に‥」



スカートに一点の染みがつく。






「幸の嘘つき‥‥」


.

⏰:08/04/11 23:18 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#380 [トイロ]
 
無数の点跡がスカートに落ちていく。



「狽れっ

やだなーなに泣いてんだ、あたし(笑)」


慌てて制服の袖で拭った。

⏰:08/04/12 11:49 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#381 [トイロ]
 
−ほんとに‥なんで
 涙が出てきたんだろう



 幸があたしに
 隠し事してたから?



 それとも−‥いや、


 その可能性はないか


.

⏰:08/04/12 15:01 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#382 [トイロ]
 
 だって、あの感情は
 とっくの昔に
 捨てたんだから


 そう、幸を想う
 あの感情は、あの時
 あたしのなかで
 消えたのだから−‥



またひとつ染みが落ち、跡をのこした。


.

⏰:08/04/12 15:05 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#383 [トイロ]
 
秋子の黒い瞳には、朱色の夕焼けが写っている。



「小さい頃から見馴れているはずなのに

なんで今日の夕焼けは、こんなにも美しいのかなあ

おかげで涙出ちゃいそうだよ
いつも見飽きてるのに(笑)」


.

⏰:08/04/12 15:31 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#384 [トイロ]
 
秋子はこれ以上、目から溢れるものをこぼさないように、まぶたをゆっくりおろした。


閉じたまぶたにやわらかな温もりを感じる。



幸のあざやかなオレンジ髪のような、夕日が秋子を包んでいるのだろう。


.

⏰:08/04/12 15:33 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#385 [トイロ]
+++++++++++


−ぶるっ



「ん゙あ?
‥‥‥‥‥ココどこ?

ああ、そうだ
幸のマンションに来たんだっけ

そのまま寝ちゃってたのか‥うゔ寒っ!」


.

⏰:08/04/13 18:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#386 [トイロ]
 
春とはいえ、日が暮れればけっこう冷える。


秋子は幸の部屋をのぞいてみた。

「ありゃ、幸いないや」


風が強くなってくる。


「ゔーーーー寒いっ!!
もう入っちゃえ」

⏰:08/04/13 18:37 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#387 [トイロ]
 
鍵はかかってなかったので、たやすく開いた。


「はあ〜温まる‥‥ん?」


−すぅー‥すぅ



ベットから静かな寝息がする。

.

⏰:08/04/13 18:39 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#388 [トイロ]
 
(はっは〜ん

幸ったら、彼女さんとイチャイチャしすぎて疲れちゃったんだな〜《笑》

驚かしてやろっ
いひひ♪)



奇怪な笑みを浮かべながら、秋子は忍び足でベットに近づく。

.

⏰:08/04/13 18:41 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#389 [トイロ]
 
そして−‥







「わッ!!!?‥ぅんぐっ!;」

秋子は開きかかった口を押さえて、どっきりをくらったかのような表情をしている。

⏰:08/04/13 18:43 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#390 [トイロ]
 
(え!?‥ええっ!!!?

‥‥ど、どちらさまデスカッ!????

も、もしかしなくても、、、、
まさかまさか幸の彼女!!?)



ベットの上ではオレンジ色の髪をした幸ではなく、
銀髪のきれいな人が横になっていた。

.

⏰:08/04/13 18:49 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#391 [トイロ]
 
ガラス越しでみたときも、白い肌だなとは思ったが
近くでみると、ほんとに透きとおるほどまっしろい、雪のような人だった。



秋子は呼吸をするのも忘れて、寝息を静かにたてながら眠っている美しい人に、ただじっと見とれていた。
.

⏰:08/04/14 16:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#392 [トイロ]
 
(はあ〜‥幸には勿体ないくらい、キレイな人だなあ
女のあたしでも、うっとりしちゃうよ


ほんとにこの人があの恋愛に疎い幸の彼女???

確かに、幸の好みは美人なお姉さまタイプだけど

あ、あとバストがCカップ以上‥‥あれ?)


秋子はさらに近寄った。

.

⏰:08/04/14 17:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#393 [トイロ]
 

(これは貧乳っていうより‥‥‥


胸自体がないんじゃ‥‥)



その人に触れるぐらいの距離まで、秋子はおそるおそる自分の手を伸ばす。


.

⏰:08/04/14 17:02 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#394 [トイロ]
 
あと1pほどになったとき


−ぱちっ




きれいな、黄金の瞳があらわれた。



秋子は不意なことにおどろいて、退いたが
その人にいきなり腕を掴まれてベットに押し倒された。

⏰:08/04/14 17:03 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#395 [トイロ]
 
「いたたた‥」

秋子はお尻を痛めたらしく、うしろをさすっている。



きれいな人、いわゆる、紅が秋子に詰めよった。


「「‥‥‥‥‥」」


二人のあいだに沈黙がながれる。

.

⏰:08/04/14 17:06 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#396 [トイロ]
 
紅はまだ完全に頭が冴えていない虚ろげな目で、今さっき押し倒した女の子を見た。

(‥だれ?幸の彼女?
それとも香介さんの?)



一方、秋子は見知らぬ人に押し倒されているにもかかわらず、のんきに紅の黄金の瞳に見とれていた。

.

⏰:08/04/14 17:09 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#397 [トイロ]
 
そのとき、部屋のドアがいきおいよく開いた。



−バン



「紅ッ!てめー!!!今度おなじことしたら、まじで許さねー‥‥‥」


幸の動きが停止する。


.

⏰:08/04/14 17:11 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#398 [トイロ]
 

「??‥‥‥‥‥狽ヘっ」



(あたし、ベットに押し倒されてるんだった!!

いくら女同士とはいえ、この体勢は‥‥やばいっ!!!)

変な汗がダラダラとながれる。

.

⏰:08/04/14 17:15 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#399 [トイロ]
 
幸の口がゆっくりと開く。



(ちちちちょっと、待って!!
決してレズではーーっっ;!!!》)





.

⏰:08/04/14 17:18 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#400 [トイロ]
 







ドキドキハラハラな展開のまま、08話に続く....♪笑


(えっ!?えええ!??
弁解もできずに次回に続くの‥‥なんてイヤだあぁぁぁ!!《泣叫》)

.

⏰:08/04/14 17:21 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#401 [トイロ]
++++++++++


#07話#

秋子×紅:{Who?


-END-


++++++++++

⏰:08/04/14 18:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#402 [トイロ]


★お知らせ【重要】


更新を一時停止させてもらうことになりました。


実は私、高3なので
大学受験という最大イベントを控えていまして´;д;)

⏰:08/04/14 19:01 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#403 [トイロ]

私が目指している国立大学は、けっこう倍率が厳しいということが遅くもわかりまして


本当に本気で勉強しないといけないと思って
パケほ-だいを外すことにしました。


こんな区切りの悪い所で、更新を停止させてしまって
ほんとに申し訳ないです。

⏰:08/04/14 19:07 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#404 [トイロ]


パケほ-だいを再びつけるのは、大学に合格してからになるので
更新できるのは、来年の春頃になってしまうと思います。


自己中な奴でごめんなさい


でも[ストリート×チルドレン]は私の中でずっと温めてきた話なので、必ず完結させます!!!


⏰:08/04/14 19:14 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#405 [トイロ]


これだけは約束します!!!


もしかしたら来年には携帯小説ブームがすでに終わっている後かも知れませんが
でも必ず完結させます。


C-boxの存在が失くなっていたら、さすがに無理ですが…((^^;
そんなことになっていないことを祈ります。

⏰:08/04/14 19:21 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#406 [トイロ]


最後ということもあり、
つい長々と打ってしまいました。
すいませんm(__)m


今までこんな自己満な話を読んでくださった方々
本当にありがとうございました。
また来年の春、皆さまとお会いできることを
図々しくも期待しております。


⏰:08/04/14 19:27 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#407 [トイロ]

ORDERを外すか迷いましたが、このままにしておくことに決めました。

4月までは、まだ此処に来れるので、何かありましたら下記の感想板にお願いします
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3096/


ではまた
お会いできる日まで...


トイロ

⏰:08/04/14 19:38 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#408 [トイロ]


スレをあげてくれる
と言ってくださったいう方々が
いらっしゃいましたので

ORDER解除しました!


皆さま、お手数かけますが
ど-ぞ
よろしくお願いします

⏰:08/04/20 08:08 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#409 [とあ]
定期あげ(*・∀・*)

⏰:08/04/23 12:16 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#410 [とあ]
定期あげ(・ω・)

⏰:08/04/29 09:30 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#411 [ゅき]
あげます

⏰:08/04/30 01:13 📱:P902i 🆔:☆☆☆


#412 [とあ]
定期あげ

⏰:08/05/03 02:36 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#413 [とあ]
定期あげ(・∀・)

⏰:08/05/05 18:33 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#414 [ゅき]
久あげ

⏰:08/05/06 01:22 📱:P902i 🆔:☆☆☆


#415 [とあ]
定期あげ(^∀^)

⏰:08/05/07 01:06 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#416 [とあ]
定期あげ(*^-')b

⏰:08/05/09 17:23 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#417 [とあ]
定期あげ(・u・*)

⏰:08/05/12 19:49 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#418 [ゅき]
あげる

⏰:08/05/15 23:49 📱:P902i 🆔:☆☆☆


#419 [ゅき]
あげる

⏰:08/05/18 00:21 📱:P902i 🆔:☆☆☆


#420 [とあ]
定期あげ(*^-')b

⏰:08/05/21 14:40 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#421 [我輩は匿名である]
あげまーす。

⏰:08/05/25 10:48 📱:PC 🆔:☆☆☆


#422 [とあ]
定期あげ(^∀^)

⏰:08/05/28 19:46 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#423 [とあ]
定期あげ(∀)

⏰:08/06/01 23:26 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#424 [とあ]
あげ(*●^艸^)

⏰:08/06/06 22:27 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#425 [我輩は匿名である]
あげよう☆

⏰:08/06/09 00:30 📱:PC 🆔:☆☆☆


#426 [とあ]
あげっ

⏰:08/06/13 22:36 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#427 [我輩は匿名である]
あげまぷ

⏰:08/06/16 11:01 📱:PC 🆔:☆☆☆


#428 [とあ]
あげっ└|∵|┐

⏰:08/06/23 23:29 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#429 [あずさ]
あげあげあげりんぐ←

⏰:08/06/23 23:44 📱:P905i 🆔:☆☆☆


#430 [青]
あげ(・∀・)

⏰:08/06/30 16:02 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#431 [青]
↑青は元とあです;
ハンネ変えました
あげます!

⏰:08/07/05 22:11 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#432 [つー]
みんなにも読んでほしいのであげます!!!^u^

トイロさん待ってまぁーす♪

⏰:08/07/07 19:55 📱:PC 🆔:☆☆☆


#433 [青]
あげますo(≧∀≦)o

⏰:08/07/09 22:20 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#434 [我輩は匿名である]
頑張って

⏰:08/07/17 17:36 📱:PC 🆔:☆☆☆


#435 [青]
あげo(≧∀≦)o

⏰:08/07/20 02:40 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#436 [スハチス]
アゲ゙

⏰:08/07/30 11:40 📱:W52SA 🆔:☆☆☆


#437 [我輩は匿名である]
あげます

⏰:08/08/02 09:17 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#438 [青]
あげます!

⏰:08/08/28 22:34 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#439 [青]
あげっ

⏰:08/09/08 10:44 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#440 [青]
あげます

⏰:08/09/27 21:38 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#441 [我輩は匿名である]
>>310-500

⏰:08/10/09 09:58 📱:P903i 🆔:☆☆☆


#442 [[ハチ[]
アゲx

⏰:08/10/24 08:13 📱:W52SA 🆔:☆☆☆


#443 [青]
定期あげ

⏰:08/11/24 21:09 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#444 [トイロ]
皆さま、お久しぶりです、トイロです^^

国立に受かったので訪問してみたのですが…
長々とスレをあげていただき申し訳ないです。
ありがとうございました´人`

⏰:08/12/15 18:35 📱:PC 🆔:☆☆☆


#445 [トイロ]
さて、本編の続きなのですが…
読みたい方、いらっしゃいます?^^;

今、改めて読み直していたのですが
あまりにもひどい文面ですね・・・赤っ恥です///

あと受験期だったので携帯から更新できないんです。
(→請求書がコワイ´д;)
慣れないパソコンですることになるので
亀更新になってしまうかもです・・・

⏰:08/12/15 18:46 📱:PC 🆔:☆☆☆


#446 [トイロ]
とりあえず、私は、こんなつたない話を
読みたい、と言って下さる方が一人でも
いらっしゃいましたら、書くつもりです´∪`
もちろん、完結できるように努めます!
(→できるのかオレ・・・ ((;・・)

⏰:08/12/15 18:56 📱:PC 🆔:☆☆☆


#447 [トイロ]
おそらく三月末あたりまで
更新できると思います。

期間短くてすいません。

⏰:08/12/19 20:17 📱:PC 🆔:☆☆☆


#448 [なす]
頑張ってください

⏰:08/12/20 17:17 📱:N904i 🆔:☆☆☆


#449 [青]
読みたいです!
頑張ってください★

⏰:08/12/20 22:45 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#450 [トイロ]
>>448
>>449
なすさん、青さん
返事が遅れてごめんなさい。
わぁ〜もう、なんてお優しい言葉!
ありがとうございます。
ご期待にどれほど応えられるか
分かりませんが、未熟者なりに
頑張りたいと思います!(`・ω・´)

ではまた日を改めて更新にきます。

⏰:08/12/26 18:10 📱:PC 🆔:☆☆☆


#451 [トイロ]
#08話#

今の状況を説明しておこう。

オレンジの鮮やかな髪をした男子高校生は、ドアの側に。
銀髪の美青年はベットに。
ボーイッシュな女の子はその青年に押し倒されている状態である。

オレンジ髪をした男、幸が口を開いた。

「‥紅、」

⏰:08/12/28 23:46 📱:PC 🆔:☆☆☆


#452 [トイロ]
(『くれない』?
珍しい名前だな〜)

さすが秋子らしい思考回路。


「おまえ‥




Aカップが好みなのか?
そいつ65だぞ、正気か」

⏰:08/12/28 23:47 📱:PC 🆔:☆☆☆


#453 [トイロ]
「勝手に人のサイズをバラすな!!!」

−買oギッ


幸はきれいな弧をえがいて、宙を舞った。


++++++++++

⏰:08/12/28 23:48 📱:PC 🆔:☆☆☆


#454 [トイロ]
「先ほどはお恥ずかしいところを‥
女性の方だと勘違いして、すみませんでした!」


「いや、僕の方こそ女の子を押し倒しちゃったし
だから顔あげて?」


そう言われて、秋子は安心したようだ。
90度に曲げた背筋を伸ばす。


「でも、あたし
こんなにキレイな吸血鬼初めてですっ☆」

⏰:08/12/28 23:49 📱:PC 🆔:☆☆☆


#455 [トイロ]
「‥は?
だーかーらー紅は吸血鬼じゃねえって
さっきから何度も言ってるだろ」


「えーだって
血を吸うならヴァンパイヤでしょ☆」


「ちげぇ!紅は人間だ!
だいたい日光、ニンニクを恐れない吸血鬼がどこにいるんだよ
紅はどれも平気だぞ」


「う゛っ
でもでもっ、そういう吸血鬼もいるかもしれないじゃん!」

⏰:08/12/28 23:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#456 [トイロ]
その時、黄金の瞳が大きく、まるくなった。

紅の動きが静止する。




"そういう人もいるかもしれねーだろ!"




「ぷっ」

⏰:08/12/28 23:51 📱:PC 🆔:☆☆☆


#457 [トイロ]
「「ぷ?」」

秋子と幸が同時に反応する。


「あははははっ」

紅が腹をかかえて笑っていた。
うっすら涙をうかべながら。

⏰:08/12/28 23:52 📱:PC 🆔:☆☆☆


#458 [トイロ]
−トクン

(ん?なに、この感じ‥)

秋子が自分の胸に手をおいてみる。
鼓動がいつもよりも増しているような気がする。


その様子をみた幸が、静かに微笑む。


少し落ち着いてきた紅は、幸と秋子をみて何かに気付いたかのように、さっきとは違う笑みを浮かべた。

⏰:08/12/28 23:53 📱:PC 🆔:☆☆☆


#459 [トイロ]
「で?紅
何をそんなに笑ったんだ?」


「んー、二人はとても似てるなあって」


−世間の目をくつがえす人たち



「そうかぁ?
つか、それってそんなに笑うことか;?」

⏰:08/12/28 23:54 📱:PC 🆔:☆☆☆


#460 [トイロ]
「うん
非常識なとことか♪」


−僕にはとうてい真似できないだろう





「‥それって、けなしてんの?ほめてんの?」



幸の後ろでは、喜ぶべきなのか自問している秋子の姿があった。

⏰:08/12/28 23:55 📱:PC 🆔:☆☆☆


#461 [トイロ]
++++++++++


#08話#

幸×秋子:{TWO


-END-

++++++++++

⏰:08/12/28 23:57 📱:PC 🆔:☆☆☆


#462 [トイロ]
#09話#

ベランダからみえる夕焼け。

ひそかに流れる空気。

部屋をつつむ微かな匂い。


あの頃と、変わらない。

⏰:08/12/31 00:43 📱:PC 🆔:☆☆☆


#463 [トイロ]
あの頃と違うのは



幸が僕に血を与えていることぐらいだ。


++++++++++

⏰:08/12/31 00:44 📱:PC 🆔:☆☆☆


#464 [トイロ]
「‥‥ん‥‥‥ッく‥‥」



薄暗い部屋のなか

今日も二つの影が重なる。



「‥っはあ‥‥‥ん‥‥ッ」

⏰:08/12/31 00:46 📱:PC 🆔:☆☆☆


#465 [トイロ]
「‥‥んんっ‥‥‥‥ぃい加減にしろっ!!!!」


−買{ガッ

「いって!」

銀髪の青年がタンコブ頭をかかえる。

先程まで首筋を舐め啜っていた、鮮やかなオレンジ髪の高校生をにらんだ。

⏰:08/12/31 00:47 📱:PC 🆔:☆☆☆


#466 [トイロ]
「さ〜ちぃ〜
グーはないでしょ!グーは!!!」


幸と呼ばれた高校生は、襟に血のしみがついたシャツを脱ぎながら、にらみかえす。

「おまえがいつまでも止めないからだろ、紅!」


「だってーここんとこ幸、仕事ばっかで、ずっと断食だったし」

⏰:08/12/31 00:48 📱:PC 🆔:☆☆☆


#467 [トイロ]
「お、『他のやつの血は飲まない』って約束ちゃんと守ってんだな
うんうん、上出来♪」


「破ったら絶交でしょ?
阿呆らしくて破れないよ」

そう言って、紅は噛み痕から溢れ落ちる幸の血を舐めた。


「‥にしても、不思議だよなぁ
紅が唾液で止血するまで、ずっと血が止まらないなんてな」

⏰:08/12/31 00:49 📱:PC 🆔:☆☆☆


#468 [トイロ]
「‥‥‥」


血が固まってきた。



「それに紅に噛まれても、そんなに痛くないし
やっぱ、紅っておもしれーよな♪
どんな仕組みになってんだ!?」

⏰:08/12/31 00:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#469 [トイロ]
紅は静かに身体を離して、幸の瞳を見つめた。


そして、笑顔で一言。



「変人。」

⏰:08/12/31 00:51 📱:PC 🆔:☆☆☆


#470 [トイロ]
−バン

幸の部屋のドアが開いて、威勢のいい声がはいってきた。

「さちー!苺大福、買ってきたょ‥て、なに紅くん押し倒してんの!!」


秋子がみたものは、だれが見てもBLとしか思えない体勢の幸と紅だった。

⏰:08/12/31 18:47 📱:PC 🆔:☆☆☆


#471 [トイロ]
「しつけてんだよ!」

幸は乗っかったまま、言い放つ。


その下で、紅が反抗の言葉を漏らす。

「幸こそ、その単細胞、治してもらったほうがいいんじゃないの?」


「あ゛?」

⏰:08/12/31 18:49 📱:PC 🆔:☆☆☆


#472 [トイロ]
あきらかに不機嫌な声を出す。


そんな中、秋子があわてて間に入る。

「もう!どうせ今回も幸が悪いんでしょ
ほら、幸の大好物な苺大福たべて落ち着きなよ」


さしだされた苺大福をみて、幸は渋々同意する。

⏰:08/12/31 18:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#473 [トイロ]
「紅くんはこれね」

袋から缶ジュースを出した。

「苺のジュースで、甘酸っぱくておいしいんだって♪」


紅は礼を言って、それを受け取った。

⏰:09/01/05 13:59 📱:PC 🆔:☆☆☆


#474 [トイロ]
「今日も紅くんに血あげてたの?」

赤く滲んでいる首をみて、幸にきく。


「まあな
今月は仕事が忙しくて、ちゃんと定期的に献血してやれなかったし」

幸の苺大福が三個目にはいった。

⏰:09/01/05 14:00 📱:PC 🆔:☆☆☆


#475 [トイロ]
「それなら、あたしの血を飲めば?」


幸と紅の手が静止する。


(‥て、何言ってんの!!あたし;)


「う〜ん
秋子ちゃんのほうが可愛いし、すっごく美味しそうだけど
幸がうるさいからやめとくよ」

⏰:09/01/05 14:02 📱:PC 🆔:☆☆☆


#476 [トイロ]
「まずくて悪かったな!
ま、でも紅は大丈夫だから
秋子はなにも心配すんな」


秋子はなんともいえない表情でうなずく。



−ガチャ

部屋の向こう、玄関のドアが開いた音がした。

⏰:09/01/05 14:02 📱:PC 🆔:☆☆☆


#477 [トイロ]
そしてこの家の長、五十嵐 香介の声がきこえてきた。

「幸〜、帰ったぞ
夕飯くわせろ」


ビクッと幸が身震いをする。


「紅!ベランダから逃げろ!
捕まる!!!;」

⏰:09/01/05 14:03 📱:PC 🆔:☆☆☆


#478 [トイロ]
紅をベランダへと押しやる。


「秋子!香介さんを足止めしててくれ」


「ええっ!!むりむり!!!」


秋子は必至に抵抗したが、
もう幸はベランダへ出ていってしまった。

⏰:09/01/05 14:04 📱:PC 🆔:☆☆☆


#479 [トイロ]
「も〜無理だって言ってんのに」

秋子が扉を開けたとたん、


「お、秋子ちゃん来てたのか」


ちょうど香介がドアノブに手をかけたところだった。

⏰:09/01/05 14:05 📱:PC 🆔:☆☆☆


#480 [トイロ]
(ああああっぶな〜い;;)

「はい、お邪魔してます、香介さん」


秋子は後ろに手をまわして、さりげなく閉めた。


「こんにちは、秋子ちゃん
ところで幸は中かな?」

⏰:09/01/05 14:06 📱:PC 🆔:☆☆☆


#481 [トイロ]
(キター!!;)

「えっと幸は‥ちょっと取り組んでいるというか、
出られないというか〜‥‥;」


「‥はっは〜ん」

香介が秋子に耳打ちする。

「さては秋子ちゃん、幸とイケナイことしてたな?」

⏰:09/01/05 14:06 📱:PC 🆔:☆☆☆


#482 [トイロ]
「えっ」

秋子の顔が赤くなる。


「ななななに言ってるんですか!!!」


「はは、冗談だよ♪」


「んも〜」

⏰:09/01/05 14:08 📱:PC 🆔:☆☆☆


#483 [トイロ]
秋子がほっぺを膨らます。


秋子の反応を面白がってた香介の顔が、不意に真剣になった。


「?、香介さん?」


「秋子ちゃん、もしかして‥好きな人できた?」


「えっ」

⏰:09/01/05 14:08 📱:PC 🆔:☆☆☆


#484 [トイロ]
先程とは比にならないくらい、秋子の顔に火がついた。


(な、なんであたし赤くなってんの!??)


香介は目を丸くしていたが、ふっと微笑して、
いつもの、女なら百戦練磨の香介に戻った。


「タイムリセットか‥」

⏰:09/01/05 14:10 📱:PC 🆔:☆☆☆


#485 [トイロ]
「え?」

秋子が上を見あげる。


すると、ごつごつした香介の手が
秋子の頭をぽんぽんとなでた。


(わわっ、なんか照れる///)

⏰:09/01/05 14:10 📱:PC 🆔:☆☆☆


#486 [トイロ]
「よかったな
幸のこともあったから心配してたんだぞ」


「あ‥‥」



"香介さん、あたしじゃ‥ダメなの?"


"秋子ちゃんのせいじゃない

⏰:09/01/05 14:11 📱:PC 🆔:☆☆☆


#487 [トイロ]
‥幸のせいなんだ"



「あ゛〜‥あの時はほんとにすみませんでした///」


「フラれて泣いちゃうなんて乙女だねぇ♪
ちょっと一服」


香介は煙草に火をつけて、けむりを吐く。

⏰:09/01/05 14:12 📱:PC 🆔:☆☆☆


#488 [トイロ]
秋子はもう穴があったら入りたいという心境だ。


「にしても、幸もひどいやつだね〜
こんな可愛い子を振るなんてさ」


空気が変わる。


「‥いえ、幸は悪くないです

⏰:09/01/05 14:12 📱:PC 🆔:☆☆☆


#489 [トイロ]
あたしが‥、あたしが悪かったんです
幸にとっては、何気ない言葉だったのに、
‥変に意識しちゃって」

−ぶにっ

(!?)


いきなり香介が、秋子の頬をつまんだ。

⏰:09/01/05 14:13 📱:PC 🆔:☆☆☆


#490 [トイロ]
「好きなやつ見つけたんだろ
そんな顔、秋子ちゃんには似合わないぜ♪」


「‥ぷっ」

秋子から笑いがもれる。


「ありがと、香介さん」



++++++++++

⏰:09/01/05 14:15 📱:PC 🆔:☆☆☆


#491 [トイロ]
リビングルームの黒いソファに、一つの人影。


一点の赤い光が際立つ。


「ホント‥」


香介は薄暗い部屋のなか、
何も映ってないテレビへ、けむりを吐く。

⏰:09/01/05 14:16 📱:PC 🆔:☆☆☆


#492 [トイロ]
「バカなオトコ」



街は今日もきらびやかで、どこかさびしい夜をおびている。


.

⏰:09/01/05 14:18 📱:PC 🆔:☆☆☆


#493 [トイロ]
++++++++++


#09話#

秋子×香介:{TIMERESET


ーENDー


++++++++++

⏰:09/01/05 14:19 📱:PC 🆔:☆☆☆


#494 [トイロ]
※訂正

09話での会話文にて。
×秋子⇒○アキコ

呼び方の違いなので、まあ大差ないのですが‥
いちおう訂正しときます。

⏰:09/01/13 17:33 📱:PC 🆔:☆☆☆


#495 [トイロ]
#10話#

あたしには忘れられないモノがある。


それはあの日の幸の横顔と、
あの言葉だ。


−オレには人を愛する資格なんてないんだ

⏰:09/01/13 17:35 📱:PC 🆔:☆☆☆


#496 [トイロ]
言葉の意味は、よく分からなかったけど
どこか淋しそうな幸の横顔をみていたら
いつの間にか叫んでいた。


−あたしは、幸がすきだよ


幸は驚いた顔をしていたけど
すぐにいつもの笑顔をみせて言った。

⏰:09/01/13 17:37 📱:PC 🆔:☆☆☆


#497 [トイロ]
`



−ありがとう、アキコ



++++++++++

⏰:09/01/13 17:38 📱:PC 🆔:☆☆☆


#498 [トイロ]
「アキコー!」


銀高を代表する美女、和歌山 架奈が跳びついてきた。


「杉本がね!今日ね!
『おはよう』て言ってくれたの!!
マジうれしー!!!
もうどーしよー!」


架奈は同じクラスの杉本 壱くんに恋してる。

⏰:09/01/13 17:40 📱:PC 🆔:☆☆☆


#499 [トイロ]
以前、架奈の恋愛下手のせいで、杉本くんを怒らせてしまって
気まずい雰囲気だったけど、最近少しずつ戻ってきてるみたい。


「んでね!
幸の代わりに杉本がMICHIのライブに来たときあったじゃん!?
そん時の曲で好きな歌が杉本と同じだったの!!
あのほら『クラスメート』ていう曲!」


「へぇ〜
杉本くんが好きなのは、なんとなく納得できるけど
架奈は意外だったな〜
あの曲、架奈にはちょっと重くない?」

⏰:09/01/13 17:42 📱:PC 🆔:☆☆☆


#500 [トイロ]
「うん、前はそういう暗いの嫌いだったんだけど
なんでかな〜
杉本が好きな本を読むようになってからは、
重いのでもわりと平気になったんだよね
あ、いま読んでるのは太宰治なんだ♪」


「太宰治!?
はぁ〜あの架奈が‥‥すごいなあ
『恋は人を変える』て本当なんだね」


−ザワザワ

⏰:09/01/13 17:45 📱:PC 🆔:☆☆☆


#501 [トイロ]
クラスの空気が騒ぎだした。


「ん?なに?」


人ごみの中央に目を細めてみると、
子犬みたいにちっちゃい男の子の姿がはいった。


「うわぁーん!幸の嘘つきぃー!!」

⏰:09/01/13 17:45 📱:PC 🆔:☆☆☆


#502 [トイロ]
泣き叫んでる男の子は、光国 躬稀くん。
幸と同じく、同じ中学仲間。


「今日は一緒に銀河街に行くって約束してたじゃん!」


どうやら幸がドタキャンしたみたいだ。


「マジごめん!
今度絶対埋め合わせするから、な?
だから泣くのやめろよ、ミケ」

⏰:09/01/13 17:48 📱:PC 🆔:☆☆☆


#503 [トイロ]
「ひっく、幸の鼻なんか‥のびちゃえ!
う゛わあーん!」


周囲の冷たい視線が、幸に突き刺さる。


ミケくんは一向に泣き止まない。


すると、幸はミケくんに近づき、

⏰:09/01/13 17:49 📱:PC 🆔:☆☆☆


#504 [トイロ]
−ペロッ


ミケくんの涙を舐めて拭きとった。


ミケくんは泣きわめくのも忘れて、目をぱちくりさせてる。

(萌えキュンだ〔笑〕)

⏰:09/01/13 17:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#505 [トイロ]
「ほんとにごめんな
ミケのほうが先約だったのに」


ミケくんは満面の笑顔で答える。

「ううん、大事な用事なんでしょ?
それならしょうがないよ♪」



その様子を乾いた目でみていた架奈がぼやいた。

⏰:09/01/13 17:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#506 [トイロ]
「たまに思うけど、幸って‥ホストっぽいよね」


「ん〜言われてみれば‥そうかなぁ?
ま、幸のお兄さんが元ホストだから、その影響もあるのかもね」


香介さんと幸に血のつながりはない。
けれど表では『兄』となっている。


たぶん、裏の仕事とかが関係してるんだと思う。

⏰:09/01/13 17:53 📱:PC 🆔:☆☆☆


#507 [トイロ]
架奈は納得したようにうなずいている。

「なら、幸って前からあんなだったわけ?
初めて会ったときとか」



「幸と初めて会った‥‥‥」




++++++++++

⏰:09/01/13 17:53 📱:PC 🆔:☆☆☆


#508 [トイロ]
季節外れの転校生。


担任の馴れ親しんだ声が響く。

「今日から2年1組の仲間になる、いがらし さちくんです
みんな仲よくしてあげてね」


「はーい!」

⏰:09/01/13 17:54 📱:PC 🆔:☆☆☆


#509 [トイロ]
あたしたちの元気な返事に、担任は満足顔でうなずく。


「じゃあ、さちくん
あなたの席は‥あきこちゃんの隣ね
窓際の、後ろから2番目よ」



転校生がとなりに座っても、
あたしは目を離すことができなかった。

⏰:09/01/13 17:56 📱:PC 🆔:☆☆☆


#510 [トイロ]
`


夕焼けのようなオレンジ色の髪に見惚れて‥。



これがあたしと幸の出会いだった。


.

⏰:09/01/13 17:57 📱:PC 🆔:☆☆☆


#511 [トイロ]
++++++++++


#10話#

幸×秋子:{小学2年生


ーENDー


++++++++++

⏰:09/01/13 18:00 📱:PC 🆔:☆☆☆


#512 [トイロ]
#11話#

あたしは林 秋子、中学2年生。

そしてあたしには7年間、クラスが離れたことがないヤツがいる。


「アキコ、サボテンのCD持ってきてやったぞ」

それがこの声主、五十嵐 幸。

⏰:09/01/23 15:26 📱:PC 🆔:☆☆☆


#513 [トイロ]
「あ、サンキュ〜
来週には返すから」


「おう
んじゃ、俺はサッカーしに行くわ
アキコもくる?」


「ん〜‥やめとく
今日はスパッツはいてないし、ジャージも持ってきてないしね」

⏰:09/01/23 15:26 📱:PC 🆔:☆☆☆


#514 [トイロ]
わかったと言って、幸は教室からとび出していった。



「で?そこの二人はなに笑ってんのさ」

あたしは教室の隅っこでこっちをみながら、
にやにや笑ってる二人組に言った。


「いや〜
ほほえましいなぁ、てね♪」

⏰:09/01/23 15:27 📱:PC 🆔:☆☆☆


#515 [トイロ]
歯並びのいい、白い歯をみせてさわやかに笑っているのが、並木 桜(なみき さくら)。

桜は女の子なんだけど、幸にも負けないぐらい、女子にモテる。
理由は簡単。
そこらへんのイケメン男子よりも断然かっこいいから。

ツンツン頭の黒髪に、ほどよく日焼けした肌。
そしてなによりレディファースト!(笑)

⏰:09/01/23 15:28 📱:PC 🆔:☆☆☆


#516 [トイロ]
「五十嵐くんも回りくどいですわね
いつまでも"親友"とかごまかしてないで、
はっきり"好き"だとおっしゃえばよいですのに」

品のよい笑顔をうかべているのが、倉持 小百合(くらもち さゆり)。

この子は言葉遣いでわかると思うけど、正真正銘のお嬢さま!

⏰:09/01/23 15:29 📱:PC 🆔:☆☆☆


#517 [トイロ]
育ちのせいか、ちょっと自己中なときもあるけど、基本的には優しくていい子なんだよ。


「でも、さゆりちゃん
"親友"ていうのは、ホントに‥その〜‥"好き"ていうことなのかなぁ///」


「当たり前ですわ!
男と女の友情は、曖昧で不安定なものですのよ」

⏰:09/01/23 15:31 📱:PC 🆔:☆☆☆


#518 [トイロ]
桜が腕を組んで、うなる。


「う゛〜ん?
てかさ〜、アキコはこのあいだ、幸に『好きだ』て伝えたんだろ?
なんかいつもと変わりなくね?」


「あ゛〜それはたぶん幸‥友達としての『好き』だと思ってる」

⏰:09/01/23 15:31 📱:PC 🆔:☆☆☆


#519 [トイロ]
二人の口がぽかんとあいている。


「‥相当の鈍感だな」


「ええ、‥救いようがありませんわね」


「ちょっと、ふたりとも;」

⏰:09/01/23 15:32 📱:PC 🆔:☆☆☆


#520 [トイロ]
「でもアキコが好きなんだから、どーしようもないよな」




『あたしは、幸がすきだよ』


−ボッ

⏰:09/01/23 15:32 📱:PC 🆔:☆☆☆


#521 [トイロ]
あたしは、あのときの自分の言葉を思い出してしまった。

顔が熱い。


「‥本当に、アキコちゃんは恋愛のことになると
いつも以上に可愛らしいですわね」


「だなァ〜♪」

⏰:09/01/23 15:33 📱:PC 🆔:☆☆☆


#522 [トイロ]
「ッ〜〜〜んもう!///
ふたりともだまらっしゃい!」





そう、あたしは一昨日、幸に好きだということを伝えた。

⏰:09/01/23 15:34 📱:PC 🆔:☆☆☆


#523 [トイロ]
でも、あれは告白とか、
そういうものじゃなかったと思う。


なぜか‥‥なぜか幸に
好きだと伝えなきゃいけないような気がした。


ただ、それだけだよ。

⏰:09/01/23 15:35 📱:PC 🆔:☆☆☆


#524 [トイロ]
++++++++++

おとといの放課後、あたしと幸は窓ガラスを割った罰として、
居残り掃除をさせられていた。


「さっむーい!
なんでこんな季節に外で落ち葉集めなのさ!
せめて教室でしょ」


「そりゃバツ掃除だからな
さっさとゴミ袋、満タンにして帰ろうぜ」

⏰:09/01/24 18:29 📱:PC 🆔:☆☆☆


#525 [トイロ]
「う゛っ」

気まずい声をもらす。


「‥幸、ホントによかったの?」


なにが?ていう顔を向けてくる。

⏰:09/01/24 18:30 📱:PC 🆔:☆☆☆


#526 [トイロ]
「だって、窓ガラス割ったのって‥ほとんどあたしのせいだし
幸はバツ受ける必要ないじゃん」


「いーんだよ
いつも言ってんだろ
アキコは俺の大事な"親友"だって
だからそんなの関係ねぇーの」


「うん、わかった
ありがとうね、幸」

⏰:09/01/24 18:31 📱:PC 🆔:☆☆☆


#527 [トイロ]
−五十嵐くんがおっしゃってる"親友"という言葉は、
女として1番大切な人、つまり"好き"という意味だと思いますわ


あたしはふっと、以前さゆりちゃんに言われたことを思い出した。


(幸があたしのことを好きだなんて思えないけど‥ちょっと確かめてみるか!)

⏰:09/01/24 18:32 📱:PC 🆔:☆☆☆


#528 [トイロ]
「ね、幸」


「ん、落ち葉がたまってるとこ見つけたか?」


「ううん、そうじゃなくてね
その〜‥幸は〜‥///」


いざ本人にきくとなると口ごもってしまう。

⏰:09/01/24 18:33 📱:PC 🆔:☆☆☆


#529 [トイロ]
「なんだよ」


こっちの気も知らずに、幸は急かせる。


「えっと‥その〜幸は好きな人とか、いるのかなぁ〜‥なんて」


幸の表情が固まる。

⏰:09/01/24 18:33 📱:PC 🆔:☆☆☆


#530 [トイロ]
「えっ‥幸?」

予想外の幸の反応にびっくりした。


「あっ、いや‥」


幸はあたしから目を反らした。

⏰:09/01/24 18:35 📱:PC 🆔:☆☆☆


#531 [トイロ]
「どしたの?
もしかして‥怒らせちゃった?」


「いや!それは違う、んだけど‥」


あたしは幸の言葉を待つ。

⏰:09/01/24 18:36 📱:PC 🆔:☆☆☆


#532 [トイロ]
「オレには人を愛する資格なんてないんだ」




(‥‥‥え?)

⏰:09/01/24 18:37 📱:PC 🆔:☆☆☆


#533 [トイロ]
(えーっと‥これはどういう意味なんだろう
もしかして‥あたしに対する遠回しのおことわり?
それとも、なにか嫌なことでもあったとか?)


云々いろいろ思考回路を巡らせていると、
不意に幸の横顔が目にとまった。


どこか淋しそうな横顔だった。

⏰:09/01/24 18:38 📱:PC 🆔:☆☆☆


#534 [トイロ]
次の瞬間、おっきな声で叫んでいる自分がいた。


「あたしは、幸がすきだよ」



幸はすぐにあたしの方をみた。


その顔はさっきとは違って、目を丸くしていたけど、
すぐにいつもの笑顔をみせて言った。

⏰:09/01/24 18:39 📱:PC 🆔:☆☆☆


#535 [トイロ]
「ありがとう、アキコ」


(ああ、やっぱりあたしは"親友"としてじゃなく、
ひとりの"男"として、幸が好きなんだな)

胸の鼓動を感じながら、このとき、あたしはそう思った。


++++++++++

⏰:09/01/24 18:40 📱:PC 🆔:☆☆☆


#536 [トイロ]
部活が終わり、すっかり薄暗くなった廊下を、あたしは一人で歩いていた。


(おととい‥あたし、幸に『好き』て言ったんだよね)


下校時刻のアナウンスが校舎内にながれる。


駆け足で下駄箱を出て、校門へ向かう。

⏰:09/01/24 18:41 📱:PC 🆔:☆☆☆


#537 [トイロ]
(なんか実感わかないや
あっちも告白って思ってないし;)


一人で通る、夜の桜並木はどこか怖い印象がある。


(そもそも‥いつから好きになったんだろう)


幸と初めて会ったのは小2のときだ。

⏰:09/01/24 18:42 📱:PC 🆔:☆☆☆


#538 [トイロ]
当時のあたしは、幸のきれいなオレンジ髪をずっとみていたくて、
いつでもどんなときでも幸のとなりにいた。


桜並木をぬけて、暗闇のなかでもきらめく繁華街に、はいる。


幸を好きになったのは‥好きなのだと実感したのは、
まだ最近の話だ。

⏰:09/01/24 18:43 📱:PC 🆔:☆☆☆


#539 [トイロ]
「気づいたら、もう好きだったんだよね〜」


ネオンの光がまぶしい。


あたしは足をとめた。


そして建物とのあいだにできた暗い小路へ曲がった。

⏰:09/01/25 11:15 📱:PC 🆔:☆☆☆


#540 [トイロ]
自分でも、どうしてそこに入ったのかわからない。


けど、入らなきゃいけない気がしたの。


だって、


「幸っ!?」


幸がいるような感じがしたから。

⏰:09/01/25 11:16 📱:PC 🆔:☆☆☆


#541 [トイロ]
幸は裏仕事の姿、つまり全身を黒でまとっていた。


そして銃弾をかすめたのか、身体のあちこちが破れていて、そこから血が流れていた。


「大丈夫!?
包帯とか入ってないかな、柔道部用のとか‥」

バックのなかを必至にあさる。

⏰:09/01/25 11:17 📱:PC 🆔:☆☆☆


#542 [トイロ]
手にとったのは‥今さっき使ったタオル。


「汗くさいけど‥しょーがないよね!」


一番傷がひどい右腕をおもいっきり縛った。


すると、幸があたしの耳もとで呟いた。

⏰:09/01/25 11:18 📱:PC 🆔:☆☆☆


#543 [トイロ]
「‥アキコ」


−どくん!


「なっ、なに?///」


「今すぐ‥うっ!」

⏰:09/01/25 11:18 📱:PC 🆔:☆☆☆


#544 [トイロ]
「幸!まだ動いちゃダメだよ」


あたしはあわてて幸を支えた。


あらい呼吸のなか、幸は懸命になにかを伝えようとする。


「い、今すぐ‥ココから離れろ
‥俺は‥指名手配の奴を‥‥追ってる‥最中なん‥だ
だから‥逃げ」

⏰:09/01/25 11:19 📱:PC 🆔:☆☆☆


#545 [トイロ]
「イヤ」


「‥は?」


「だって!!
この街が闇に染まっていくほど、幸はどんどん血に染まっていって‥死んじゃうんじゃないか‥とか」


涙が溢れてくる。

⏰:09/01/25 11:21 📱:PC 🆔:☆☆☆


#546 [トイロ]
「1番大切な人がケガしたら、だれだって心を痛めるよ」


−あなたがいない世界なんて、


「だって、あたしの1番大切な人は」


−考えられない

⏰:09/01/25 11:21 📱:PC 🆔:☆☆☆


#547 [トイロ]
「幸だから」


あたしは幸の瞳をみつめた。


みつめ返してくる幸の目には、動揺がはしっているように思えた。


そして−

⏰:09/01/25 11:22 📱:PC 🆔:☆☆☆


#548 [トイロ]
「ぁ、はははッ」


幸は笑い出した。


「まったくおまえはまだガキなんだから
それは"親友"という感情を、"恋"だと勘違いしてるだけだって」


あたしは息をのんだ。

⏰:09/01/25 11:23 📱:PC 🆔:☆☆☆


#549 [トイロ]
「だからおまえ、いーかげん成長し」


−バシッ


幸の左頬を力いっぱい、ひっぱたいた。


「‥ぃて」

⏰:09/01/25 11:24 📱:PC 🆔:☆☆☆


#550 [トイロ]
幸は下を向いている。


あたしと目を合わせようとしない。


あたしは兎のような目で、幸をにらみつけ、その場から離れた。


あざやかな人工の光を発する繁華街のなか、どこをどう走ったのかわからない。

⏰:09/01/25 11:25 📱:PC 🆔:☆☆☆


#551 [トイロ]
はっきりしていたのは、頭のなかで響く、自分の声だった。


−ホントはわかってた


−もしかしたら初めて会ったときから、わかっていたのかな


−でもね

⏰:09/01/25 11:25 📱:PC 🆔:☆☆☆


#552 [トイロ]
−ずっとずっとずーっと、気づいてないフリしてた


−だって、口に出してしまったら、幸が‥‥


−幸のあの笑顔が消えちゃいそうな気がして


−すごくすごく怖かったから‥

⏰:09/01/25 11:26 📱:PC 🆔:☆☆☆


#553 [トイロ]
溢れてくる涙を抑えきれない。


−ねぇ、幸‥


−あたし、ホントは気づいているんだよ?


−あなたが時々みせる、あの寂しげな横顔と

⏰:09/01/25 11:26 📱:PC 🆔:☆☆☆


#554 [トイロ]
−独り言のように、


−自分に言い聞かせているようにつぶやく、あの言葉




"オレには人を愛する資格なんてないんだ"

⏰:09/01/25 11:27 📱:PC 🆔:☆☆☆


#555 [トイロ]
−どうしてそんなこと言うの


−どんなものを今まで背負ってきたの


−なんであんな横顔をみせるの


−なぜ‥‥‥そんなに笑っているの

⏰:09/01/25 11:27 📱:PC 🆔:☆☆☆


#556 [トイロ]
−とてもとっても重いものを背負ってきたんでしょう?




『アキコちゃん、幸が抱えているものは、とても重いんだ』


『かかえているもの、‥て?』

⏰:09/01/25 11:28 📱:PC 🆔:☆☆☆


#557 [トイロ]
『俺の口からは言えないよ
重すぎるからね』


『ふーん?』


『だから
幸が自分の口から言えるようになるまで、待っててくれるかい?』


『はい、こーすけさん』

⏰:09/01/25 11:29 📱:PC 🆔:☆☆☆


#558 [トイロ]
−ごめんなさい



横を通りすぎた人と肩がぶつかる。


フードをかぶった、髪の長い人だった。


「あ!!ごめんなさい!」

⏰:09/01/25 11:29 📱:PC 🆔:☆☆☆


#559 [トイロ]
−ごめんなさい、香介さん



「顔‥みられた」


なにかフードをかぶった人が呟いていたようだけど、あたしには聞こえなかった。

⏰:09/01/25 11:30 📱:PC 🆔:☆☆☆


#560 [トイロ]
−幸は‥‥


−最後まで言ってくれませんでした



「なっ、やめろっ!!!」


後ろから、幸の声がきこえたような気がした。

⏰:09/01/25 11:31 📱:PC 🆔:☆☆☆


#561 [トイロ]
−ねぇ、幸‥‥あたしは


「「ドン!!!」」


−ずっとずっと幸のことが、好き‥でした


あたしがみつめる先には、天空に咲く、大きな花火が輝いていた。

⏰:09/01/25 11:35 📱:PC 🆔:☆☆☆


#562 [トイロ]
++++++++++


#11話#

幸×秋子:{中学2年生


−END−


++++++++++

⏰:09/01/25 11:38 📱:PC 🆔:☆☆☆


#563 [トイロ]


#11.1話#は
>>512-562
幸sideの話です。

⏰:09/02/02 09:38 📱:PC 🆔:☆☆☆


#564 [トイロ]
#11.1話#

俺は五十嵐 幸。
竹内中学校の二年生。
志望校は銀河高校、と進路も考えている普通の中坊だが、裏の顔は違う。

香介さんの仕事、警察の仕事を手伝っている。

でも任せられるのは、どれも安全なものばかりだから、そんなにきつくはない。

⏰:09/02/02 09:40 📱:PC 🆔:☆☆☆


#565 [トイロ]
五十嵐 香介さん。
書類上、俺の兄にあたる人。
香介さんと血が繋がっていないことを知ったのは、香介さんよりも上の警視庁さんに教えてもらったからだ。

ちなみに、俺には小さい頃の記憶がない。
気付いたら、香介さんのそばにいて、五十嵐 幸という人間だった。

⏰:09/02/02 09:41 📱:PC 🆔:☆☆☆


#566 [トイロ]
だから俺は、血のつながりのない自分を育ててくれた香介さんに、なにか返したくて、警視庁さんに相談したら、この仕事だった。

そして、今夜も身を黒で纏って、いつものように仕事をこなすつもりだった。


++++++++++

⏰:09/02/02 09:43 📱:PC 🆔:☆☆☆


#567 [トイロ]
『俺の個室に今日の仕事内容とか資料があるから取っていってくれ』

香介さんからのメールを改めて確認する。

今の俺は仕事姿で、警察署のなかにある香介さんの個室に向かっているところだ。


(にしても仕事場にプライベート部屋があるって‥普通じゃないよな;)

⏰:09/02/02 09:44 📱:PC 🆔:☆☆☆


#568 [トイロ]
−ドスッ

次の角を曲がったとき、反対側からやって来た人とぶつかってしまった。

「す、すみません!」


(いてぇ〜
エライ人とかだったらどうしよう;)

⏰:09/02/02 09:45 📱:PC 🆔:☆☆☆


#569 [トイロ]
「君はもしや‥五十嵐 幸くんじゃないかい?」


(え?なんかこの声、聞き覚えがあるぞ)


おそるおそる顔をあげる俺。


「!!!
け、警視庁!こ、これは大変失礼致しました!」

⏰:09/02/02 09:46 📱:PC 🆔:☆☆☆


#570 [トイロ]
警視庁さんは初めて会った頃と変わらず、優しそうな笑顔を浮かべている。


「そんなに畏まらなくていいんだよ
大きくなったね
もしかして、五十嵐の所に向かってたのかい?」


俺は恐縮して言う。

⏰:09/02/02 09:47 📱:PC 🆔:☆☆☆


#571 [トイロ]
「はい
今夜の仕事のことがありますので」


「それはちょうどよかった
じつは急に変更になってね
君に伝えようとしていたところだったんだよ」


警視庁さんはそう言うと、ふところから二枚の紙を取りだして俺に渡した。

⏰:09/02/02 09:49 📱:PC 🆔:☆☆☆


#572 [トイロ]
それは、指名手配者の追跡逮捕だった。


「け、警視庁!
俺には無理です;」


「ああ、そうだよね
私としたことが‥
これを忘れていたよ」

⏰:09/02/02 09:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#573 [トイロ]
俺の手に置かれたのは、蛍光灯に反射してやたらきらめく拳銃。


「ちょっ‥!
困ります、俺こんなの使ったことないですし」


すると警視庁さんは意外な言葉を返した。

⏰:09/02/02 09:51 📱:PC 🆔:☆☆☆


#574 [トイロ]
「大丈夫だよ、幸くん
君はこういう類いのものを経験しているから」


「え?いや、ないですよ
香介さんも絶対に握らせてくれないし、山田さんだって‥」


「山田はしないだろうなあ
お気に入りの意向に背く行為なんて
ふっ」

⏰:09/02/02 09:57 📱:PC 🆔:☆☆☆


#575 [トイロ]
警視庁さんの笑いが漏れる。

いつもと違うようにみえるのは、俺の気のせいだろうか。


「じゃあ、よろしく頼んだよ、幸くん
そんな不安そうな顔しなくても大丈夫さ
君の身体が覚えているよ」

⏰:09/02/02 09:58 📱:PC 🆔:☆☆☆


#576 [我輩は匿名である]
かなやw

⏰:09/02/02 19:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#577 [トイロ]
>>576
(・Å・)ノ{たまや〜笑

まあ、なにはともあれ匿名さん
書き込む場合はコチラにお願いいたしますわ(∀)!
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3096/
ザ☆エンマンw

⏰:09/02/04 18:19 📱:PC 🆔:☆☆☆


#578 [トイロ]
※更新

「俺の身体‥?
あっ、ちょっと待ってください!
俺、まだ聞きたいことが‥」


俺の声は届かなかったらしく、警視庁さんはスタスタと歩き去ってしまった。


「どうしよう、これ‥」

⏰:09/02/04 18:21 📱:PC 🆔:☆☆☆


#579 [トイロ]
手にのせられた拳銃。

「でも依頼が指名手配されてる奴だもんな
しゃーねぇか」

俺は黒コートの中にしまおうと拳銃を握った。


−買hクン

⏰:09/02/04 18:22 📱:PC 🆔:☆☆☆


#580 [トイロ]
脳裏にいきなり映像が流れだす。

「な、なんだ?
うっ、頭痛が‥」

ズキンズキンと響く痛みのなか、俺は真っ赤なフィルターをみていた。

「いって‥‥‥なんなんだよ、この赤い映像」

⏰:09/02/04 18:23 📱:PC 🆔:☆☆☆


#581 [トイロ]
次第に慣れてきたのか、映像が鮮明になっていく。

よくみると、それはただの赤い画ではなかったようだ。

赤いフィルターを透して、人影が映しだされた。

しかも半端な数じゃない。

⏰:09/02/04 18:23 📱:PC 🆔:☆☆☆


#582 [トイロ]
頭痛が激しくなる。

「‥っ‥‥‥いっ‥てぇ‥
なんだ‥‥?‥‥叫んでる?」

映しだされる人影は、どれも外国人のようだ。

異国語でなにかを叫んでいる。

⏰:09/02/04 18:24 📱:PC 🆔:☆☆☆


#583 [トイロ]
『××××!』

『××!!!』

『×××、××××!』

雑音まじりでよくききとれない。


−ズキンズキンズキンズキン

⏰:09/02/05 09:38 📱:PC 🆔:☆☆☆


#584 [トイロ]
痛みが速度を増す。


薄れる意識のなか、ある人影が映し出された。


それは俺がよく知っている‥


「‥こ、香介さん?」

⏰:09/02/05 09:38 📱:PC 🆔:☆☆☆


#585 [トイロ]
若い頃だろうか、どこか幼さがまだのこっている。


−買Yキン


頭が割れるようだ。


「も‥う‥っやめてくれ!!!」

⏰:09/02/05 09:39 📱:PC 🆔:☆☆☆


#586 [トイロ]
反動で拳銃が俺の手からすべり落ちた。

すると、嘘みたいに痛みがおさまった。


俺はおそるおそる拳銃を拾い、握ってみたが、なにも起きなかった。


「なんだったんだ‥?」

⏰:09/02/05 09:40 📱:PC 🆔:☆☆☆


#587 [トイロ]
(警視庁さんの言葉の意味もよくわからないし‥
そういや、山田さんのこともなんか言ってたな
山田さんのお気に入りって‥だれだ?)


このときの俺は、まだなにも知らない幸せなガキだった。


この永い夢から覚めるのは、あともう少しのことだ。

⏰:09/02/05 09:41 📱:PC 🆔:☆☆☆


#588 [トイロ]
++++++++++

ブーブー《♪携帯電話ブザー音

警視庁は電話をつないで耳にあてる。


「ああ、君か
私からも連絡しようと思っていたんだよ

⏰:09/02/05 09:42 📱:PC 🆔:☆☆☆


#589 [トイロ]
悪いが、あの仕事はなかったことにしてくれ、
ああ、すまないな
いや、なあに、簡単な話さ
ちょっとゲームをしたくなってね」


口のはしをニヤリと歪ませた。

++++++++++

⏰:09/02/05 09:43 📱:PC 🆔:☆☆☆


#590 [トイロ]
依頼されたのは、腹長 墨夫(ふくなが すみお)。

奴はまだ一度も捕まったことがなく、指名手配されるほどだ。

特徴はフードをふかく被っており、長髪で、左手の甲に古傷がある。

そして、職業は自称「殺し屋」。

⏰:09/02/05 09:44 📱:PC 🆔:☆☆☆


#591 [トイロ]
俺は今、最悪な状況だ。

居所を捜し当てるまではよかったが、奴の襲撃に遅れをとってしまい、繁華街に逃げ込まれてしまった。


「ったく、どこにいやがんだ‥はあ」


奴に撃たれた傷が疼く。

⏰:09/02/05 09:45 📱:PC 🆔:☆☆☆


#592 [トイロ]
「やっぱ、反撃すりゃよかったな‥」

コートの中に潜んでる拳銃をみた。


「とにかく、今は奴を見つけだすことが先だ!」


繁華街の裏路を走りまわる。

⏰:09/02/05 09:46 📱:PC 🆔:☆☆☆


#593 [トイロ]
まともに弾をくらった右腕の出血がひどい。

ついに足元がふらつき、倒れこんでしまった。


「ちくしょ‥‥‥‥−」


.

⏰:09/02/05 09:47 📱:PC 🆔:☆☆☆


#594 [トイロ]
右腕に違和感をかんじて、目を開くと、そこにはなんと俺の親友、林 秋子がいた。

(なんでアキコがこんな危険なところに!?)


「‥アキコ」


「なっ、なに?///」

⏰:09/02/05 09:48 📱:PC 🆔:☆☆☆


#595 [トイロ]
「今すぐ‥うっ!」

右腕に激痛がはしる。


「幸!まだ動いちゃダメだよ」


アキコは俺を支えてくれた。

⏰:09/02/05 09:49 📱:PC 🆔:☆☆☆


#596 [トイロ]
(‥アキコ)

あらい息のなか、俺は口を動かす。


「い、今すぐ‥ココから離れろ
‥俺は‥指名手配の奴を‥‥追ってる‥最中なん‥だ
だから‥逃げ」


「イヤ」

⏰:09/02/05 09:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#597 [トイロ]
耳を疑った。

「‥は?」


「だって!!
この街が闇に染まっていくほど、幸はどんどん血に染まっていって‥」


鳴咽が聞こえた。

⏰:09/02/05 09:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#598 [トイロ]
「‥死んじゃうんじゃないかとか」

アキコの目に涙がたまっているのがわかる。


「1番大切な人がケガしたら、だれだって心を痛めるよ」


やめてくれ、アキコ

⏰:09/02/05 09:51 📱:PC 🆔:☆☆☆


#599 [トイロ]
「だって、あたしの1番大切な人は」


ああ‥時はもう迫っているのか


「幸だから」


アキコが見つめてくる瞳に映っている自分をみた。

⏰:09/02/05 09:51 📱:PC 🆔:☆☆☆


#600 [トイロ]
俺は決断しなければならない。


(もう今のままではいられないな‥)


「ぁ、はははッ」


俺は笑い出した。

⏰:09/02/05 09:52 📱:PC 🆔:☆☆☆


#601 [トイロ]
「まったくおまえはまだガキなんだから
それは"親友"という感情を、"恋"だと勘違いしてるだけだって」


アキコが目を丸くしている。


それでも‥−俺は続ける。

「だからおまえ、いーかげん成長し」

⏰:09/02/05 09:53 📱:PC 🆔:☆☆☆


#602 [トイロ]
−バシッ


左頬に突然の痛みがはしった。

すぐに把握できた。


アキコがうっすら涙を浮かべた目でにらみ、その手が赤みをおびていたから。

⏰:09/02/05 09:53 📱:PC 🆔:☆☆☆


#603 [トイロ]
「‥ぃて」

俺はアキコの真摯な瞳をみれなくて、視線をはずした。


走り去っていくアキコの足音だけがきこえていた。


静まり返った路地で独りつぶやいた。

⏰:09/02/05 09:54 📱:PC 🆔:☆☆☆


#604 [トイロ]
「ごめん、アキコ‥‥‥」


++++++++++

それからどう歩き回ったのかは覚えていない。


アキコの声がして無意識に走りだしていた。

⏰:09/02/05 09:54 📱:PC 🆔:☆☆☆


#605 [トイロ]
俺の視界に入ってきたのは、アキコと、フードをふかく被った長髪の男、腹長墨夫がいた。

そして−古傷のある左手が握る銃は、アキコの背に向けられていた。


「なっ、やめろっ!!!」

俺の手は無意識にあの部分へのびていた。

⏰:09/02/05 09:56 📱:PC 🆔:☆☆☆


#606 [トイロ]
警視庁さんから貰ったモノに。


俺は握ったそれを、奴の背中に向け、

「「ドン!!!」」

撃った。

⏰:09/02/05 09:56 📱:PC 🆔:☆☆☆


#607 [トイロ]
発砲音は打ち上げられた花火に掻き消され、アキコは気にとめる様子もなく、表通りへ走っていった。

俺の視界は真っ赤な世界へと塗りかえられた。

それは脳裏に表れた映像と、とても似ていた。

奥の深いところで眠っていた記憶が目醒める。

⏰:09/02/05 09:57 📱:PC 🆔:☆☆☆


#608 [トイロ]
時間が止まってしまったように俺は佇んだ。


そして、雲ひとつない夜空に咲き乱れる花火に向かって、呟いた。


「ずっと淡い夢のなかにいたんだな‥−」

⏰:09/02/05 09:58 📱:PC 🆔:☆☆☆


#609 [トイロ]
++++++++++

#11.1話#

幸×ZERO:{儚


-END-

++++++++++

⏰:09/02/05 09:58 📱:PC 🆔:☆☆☆


#610 [トイロ]
#12話#

あたしが気づいていたのに、なにも聞かなかったのは、香介さんに言われたからっていうのもあるけど、それだけじゃない。


怖かったから。


幸があたしのトナリから、いなくなりそうで怖かったから。

⏰:09/02/05 10:01 📱:PC 🆔:☆☆☆


#611 [トイロ]
だから、ずっと言えなかったの。


"幸はどんなものを背負ってきたの?"って−‥



++++++++++

⏰:09/02/05 10:02 📱:PC 🆔:☆☆☆


#612 [トイロ]
昨夜の花火は、『冬の花』という銀河街のイベントで打ち上げられたものだったらしい。

今朝から地方ニュースは、その話題で持ち切りだった。


「よーやるよ」

あたしはだれもいない教室で窓を全開にし、白い息をはく。

⏰:09/02/05 10:02 📱:PC 🆔:☆☆☆


#613 [トイロ]
−ガラッ


「おはよー!って、誰もいないよなぁ」

教室に入ってきたのは、あの男まさりの桜。


「もうこんな早朝から‥」

⏰:09/02/05 10:03 📱:PC 🆔:☆☆☆


#614 [トイロ]
続いて入ってきた上品なお嬢さまは、もちろん、あのさゆりちゃん。


「って‥アキコがいる!!」

桜がやっとあたしの存在に気づいた。


「おはよ、桜、さゆりちゃん」

⏰:09/02/05 10:03 📱:PC 🆔:☆☆☆


#615 [トイロ]
「アキコちゃん、どうなさったんですの?」


「明日は絶対、初雪だな〜
雪合戦できるぞー♪」


まったく、二人とも失礼な発言だ。


「あのね〜あたしだって、早く来る日ぐらいあ・り・ま・す!」

⏰:09/02/05 10:04 📱:PC 🆔:☆☆☆


#616 [トイロ]
「もしかして‥五十嵐くんがらみですの?」


−ギックン


あのわずかな間に違和感を感じとったのだろうか。

さゆりちゃんの鋭い指摘が見事に的をつく。

⏰:09/02/05 10:05 📱:PC 🆔:☆☆☆


#617 [トイロ]
それに対して、桜が興奮ぎみに言う。

「まぢでー!?
なになに、告ったとか?
もち、OKだったんだろ☆」




−やば、あたし泣きそうだ

⏰:09/02/05 10:05 📱:PC 🆔:☆☆☆


#618 [トイロ]
「あー‥‥ダメだった」



「「え?」」

二人の笑顔が硬直する。


廊下が騒がしくなってきた。

⏰:09/02/05 10:06 📱:PC 🆔:☆☆☆


#619 [トイロ]
予鈴まであと10分。

みんなが登校し始める時間だ。


「おはよ〜
あ!アキコ、今日早いじゃん
ねー数学の宿題やった?」


「うん、それなりにはやったよー」

⏰:09/02/05 10:06 📱:PC 🆔:☆☆☆


#620 [トイロ]
あたしは話題を避けるように、二人から離れた。


「さすが!みしてー」


ノートを渡しているときも、自分の背中に向けられている二人の視線を感じていた。

⏰:09/02/05 10:07 📱:PC 🆔:☆☆☆


#621 [トイロ]
朝のホームルーム。

甲高い担任の声が響く。

「今日の欠席者は、高橋さんと、‥五十嵐くんですね
他には、いませんか」


クラスのざわめきがすこし大きくなった。

⏰:09/02/05 10:07 📱:PC 🆔:☆☆☆


#622 [トイロ]
居ないことを確認してから、担任は連絡事項などを淡々と述べる。


「五十嵐が休み!?まじかよ!」

「ちょ→めずらし〜」

「なんかぁ風邪らしいよぉ」

「バカでもひくんだな」

⏰:09/02/05 10:08 📱:PC 🆔:☆☆☆


#623 [トイロ]
ひそかなおしゃべりが飛び交う。


あたしもびっくりした。

だって幸は小2からずっと休んだことなんてなかったから。


++++++++++

⏰:09/02/05 10:08 📱:PC 🆔:☆☆☆


#624 [トイロ]
「アキコちゃんは遊ばれたのですわ!」


ほのぼのとした肌寒い昼休み。

そんななか、秋子のクラスから机を叩く音が響き渡った。

なんだなんだと周囲の人々が注意を向ける。

⏰:09/02/05 10:09 📱:PC 🆔:☆☆☆


#625 [トイロ]
「しーっ!しーっ!
とにかく座って;」

桜が小声で、立ち上がった小百合をたしなめる。


「でも、幸のほうもアキコを好きだと思ったんだけどな〜」


「ですから、思わせぶりだったのですわ
所詮あの五十嵐くんも、顔だけですのね」

⏰:09/02/05 10:11 📱:PC 🆔:☆☆☆


#626 [トイロ]
「ん〜でも、あいつ、アキコをみているときが、1番優しい目をしていたぞ?」


「こうしてはいられませんわ!
直ちに仔細をお伺いしなければ!
‥て、アキコちゃんはどちらに?」


小百合がキョロキョロと教室を見回す。

⏰:09/02/05 10:12 📱:PC 🆔:☆☆☆


#627 [トイロ]
「ああ、アキコなら幸の見舞いに行くって帰ったぞ♪
やっぱり仲いいよな〜」


花を飛ばす笑顔で桜が言うと、小百合はわなわなと震え出した。

「なにを悠長に見送ってるんですの!!!」


++++++++++

⏰:09/02/05 10:13 📱:PC 🆔:☆☆☆


#628 [トイロ]
(きっと何かあったんだ)

あたしは幸の家へ、急いで向かう。

校門をくぐったとき、いきなり後ろから引っ張られた。


とっさに条件反射で、後方を蹴りあげる。

⏰:09/02/13 12:58 📱:PC 🆔:☆☆☆


#629 [トイロ]
「おっと」


「えっ、‥もしかして香介さん!?」


あたしの蹴りを左手でとめている、サングラスの男が立っていた。


あたしは慌てて足を下ろして謝った。

⏰:09/02/13 12:59 📱:PC 🆔:☆☆☆


#630 [トイロ]
「いやいや、いいんだよ
にしても、さすが柔道部だね
反応が速い♪」

「ほんとにごめんなさい‥///
あ!香介さん、幸は大丈夫なんですか?」

「おう、そのことなんだけどな
実は、めまいで倒れてしまってな
いやーまいった」

⏰:09/02/13 13:00 📱:PC 🆔:☆☆☆


#631 [トイロ]
「倒れた!?幸が!?」


香介さんは煙草をくわえて言った。

「大丈夫、今は何ともないから♪
でも念のため、しばらく入院するかもしれないけどね」


あたしは安堵の息をはいた。

⏰:09/02/13 13:01 📱:PC 🆔:☆☆☆


#632 [トイロ]
「‥にしても変なんだよね」

香介さんはけむりをはきながら、意味深につぶやく。


「いくら疲れていたからって、あの幸が倒れるはずがないんだけど
俺は精神的なものだと思うんだ」

−ビクッ

⏰:09/02/13 13:02 📱:PC 🆔:☆☆☆


#633 [トイロ]
「アキコちゃん、何か知らない?」


「‥‥‥‥」


あたしは顔を背け、うなだれた。

++++++++++

⏰:09/02/13 13:03 📱:PC 🆔:☆☆☆


#634 [トイロ]
白い壁に囲まれた病棟の一室。


そこに五十嵐 幸はベットで仰向けになっていた。


そして、両手で顔を覆い、天井に向かって呟いた。


「どうして俺なんかを好きになったんだ‥‥アキコ」

⏰:09/02/13 13:04 📱:PC 🆔:☆☆☆


#635 [トイロ]
++++++++++

#12話#

秋子×幸:{Jr.


-END-

++++++++++

⏰:09/02/13 13:05 📱:PC 🆔:☆☆☆


#636 [トイロ]
#13話#

俺には昔の記憶がない。

けれど、全く知らないわけではない。

なぜなら、警視庁さんが教えてくれたから。

香介さんと血縁関係がない事実ともうひとつの事実を。

⏰:09/02/13 13:06 📱:PC 🆔:☆☆☆


#637 [トイロ]
もうひとつの事実を知った俺は、警視庁さんにあることを尋ねた。

警視庁さんは答えてくれた。

本当のことを。

俺はその答えをきいて理解した。

"自分には人を愛する資格はない"ということを。

⏰:09/02/13 13:08 📱:PC 🆔:☆☆☆


#638 [トイロ]
++++++++++

「香介さん‥」

秋子が押し殺したような声で言う。

「あたし‥ダメでした」

ずっと下を向いたままだ。

「幸は‥、幸は‥結局言ってくれませんでした」

⏰:09/02/16 17:07 📱:PC 🆔:☆☆☆


#639 [トイロ]
香介は煙草のけむりを吐き、横目で様子を見守る。


「ごめんなさい、香介さん」

うつむいた顔から涙がこぼれた。

「あたし、香介さんとの約束守れませんでした‥」

アスファルトに広がる染み、一点一点が大きくなる。

⏰:09/02/16 17:08 📱:PC 🆔:☆☆☆


#640 [トイロ]
「幸は‥あたしじゃダメだったのかな‥‥‥」

秋子が顔をあげ、傍らにいる香介に涙目で訴えた。

「香介さん、あたしじゃ‥ダメなの?」


小さい子どもをあやすように、そっと優しく秋子を抱きしめた。

「アキコちゃんのせいじゃない」

⏰:09/02/16 17:09 📱:PC 🆔:☆☆☆


#641 [トイロ]
二人の視線が合う。


そしてどこか寂しげに呟いた。


「‥幸のせいなんだ」


++++++++++

⏰:09/02/16 17:10 📱:PC 🆔:☆☆☆


#642 [トイロ]
香介は部下の太郎に、秋子を家まで送りとどけさせ、自分は幸が入院している病院へ向かっていた。


ハンドルをにぎりながら、先ほど医者に言われたことを思い返す。


『精神的なショックによるものでしょうね』


『精神的なショックですか』

⏰:09/02/16 17:12 📱:PC 🆔:☆☆☆


#643 [トイロ]
『ええ、しかも彼の場合、相当なダメージを受けてますから‥おそらく不快なことが立て続けに発生したのではないかと考えられます』


『立て続けに‥』



香介はため息をついた。

「ひとつは、思った通り、アキコちゃんだな」

⏰:09/02/16 17:14 📱:PC 🆔:☆☆☆


#644 [トイロ]
秋子の瞳から溢れる大粒の涙が、脳裏に焼きついている。

「あんないいこ、滅多にいねぇぞ‥バカなオトコ」

ハンドルを右にきる。

「もうひとつは‥」


さっき秋子をあずけたときに、太郎がこっそり耳打ちしてきた。

⏰:09/02/16 17:16 📱:PC 🆔:☆☆☆


#645 [トイロ]
『キング、幸くんは警視庁と会ったみたいです』

『なに』

『警視庁は幸くんに誤報し、拳銃を渡してます』


「‥クソッ!」

サイドガラスを叩く。

⏰:09/02/16 17:18 📱:PC 🆔:☆☆☆


#646 [トイロ]
「拳銃は何があっても、触らせねぇようにしてきたのに‥すべて水の泡だ」

前方をにらむ。

「幸の内に眠っていた記憶が本当に甦ったというなら、最悪なパターンだ」

++++++++++

⏰:09/02/16 17:20 📱:PC 🆔:☆☆☆


#647 [トイロ]
香介が戸を開けると、そこは白い部屋ではなく、傾いた陽射しが入り込み、幸の髪色と同じオレンジに染まっていた。

窓のすき間から凪がれてくる、ゆるやかな風に幸のオレンジ髪がなびく。

ベットの上に座っている幸は、窓から見える町並みから、戸のほうへ目を移した。

「お帰り、香介さん」

⏰:09/02/16 17:23 📱:PC 🆔:☆☆☆


#648 [トイロ]
「ああ」


「遅かったね、何処に行ってたの?」


部屋の隅にある魔法瓶を持ちあげ、コップに水を注ぎながら、香介は答えた。

「ちょっとタローにな
調子はどうだ?」

⏰:09/02/16 17:23 📱:PC 🆔:☆☆☆


#649 [トイロ]
「うん、だいぶ楽になったよ」


水が注がれる音だけが響く。


「俺、全部思い出したよ」


香介の手がとまる。

⏰:09/02/16 17:25 📱:PC 🆔:☆☆☆


#650 [トイロ]
「それで、俺‥決めたことがあるんだ
だから‥−」


−バシャ


「つめてぇッ!!!なにしやがんだ!この俺様野郎!!」


「うっせぇ!!!」

⏰:09/02/16 17:26 📱:PC 🆔:☆☆☆


#651 [トイロ]
意外な怒鳴り声に、さすがの幸も怯む。


香介は空になったコップを投げ捨てた。

「ガキが背伸びしてる姿なんてなぁ゛ーただ気色わりィだけなんだよ!」

魔法瓶をつかみ、幸の頭上でくるっとひっくり返した。

中に入ってた大量の水が、幸に降りかかる。

⏰:09/02/16 17:27 📱:PC 🆔:☆☆☆


#652 [トイロ]
「ガキはガキらしく振る舞ってろ」

軽くなった魔法瓶をベットの上に放り投げ、戸口へ戻る。


部屋を出る間際に香介は呟いた。

「誰がなんと言おうと、おめぇは゛幸゛なんだよ
そのこと、一生忘れんじゃねーぞ」

⏰:09/02/16 17:28 📱:PC 🆔:☆☆☆


#653 [トイロ]
−ピシャ


足音が遠ざかる。


一人に残された幸は、オレンジ髪から滴れる水を見ながら、目からこぼれる酸っぱい水を感じていた。


「まったくもう‥‥‥‥いじっぱり」

⏰:09/02/16 17:29 📱:PC 🆔:☆☆☆


#654 [トイロ]
ベットの上で体操座りになり、腕のなかに顔をうずめた。


部屋の外に出た香介は、廊下の壁に拳をぶっつけていた。

「あんのタヌキジジイ‥‥」


(あいつは俺が守るって決めたんだ
やさしい心をもつ幸‥ZEROを‥‥)

⏰:09/02/16 17:30 📱:PC 🆔:☆☆☆


#655 [トイロ]
++++++++++

#13話#

香介×幸:{memory


-END-

++++++++++

⏰:09/02/25 16:01 📱:PC 🆔:☆☆☆


#656 [トイロ]
※状況報告(?)

完結できるように、フルスピードで話を展開させていくので、表現とか変なとこ、多く出現してくると思いますが‥‥皆さまの想像力頼りにしてます♪←おい!煤R(゜ε゜;

非力な奴ですが、頑張らせていただきます-ヾ(´∀`)ノ゛{AHAHA

⏰:09/02/25 16:02 📱:PC 🆔:☆☆☆


#657 [トイロ]
#14話#

「やべ、まじ遅刻する」

退院してからの初日に遅刻はやばいだろう。

俺はシャツのボタンもとめずに、学ランをはおった。

眠っていた記憶が戻って、一週間になる。

制服を着終わると、鏡に映っている自分をみた。

⏰:09/02/25 16:03 📱:PC 🆔:☆☆☆


#658 [トイロ]
「‥あいかわらず、この髪はオレンジ色なんだな」

寝癖でハネてる毛先をつまむ。

「あいかわらず、変な色」


『なんで?』

幼い少女の声。

⏰:09/02/25 16:03 📱:PC 🆔:☆☆☆


#659 [トイロ]
「あーそうだ、例外がいたんだっけ‥」


『なんで?転校してきた子の髪、すんごくキレイぢゃん』

あれはアキコと会って、間もない頃の放課後。

『まるで夕焼けの空みたいだし』

俺の噂話で盛り上がってた女子たちに、喜々話しかけるアキコ。

⏰:09/02/25 16:05 📱:PC 🆔:☆☆☆


#660 [トイロ]
『あたしはすきだよ
さちくんのオレンジ髪』


この時、初めて知る、感情が自分の内から沸きたってきた。

今思えば‥‥永遠に知らなければよかったのに。

鏡に腕をついて目を伏せた。

⏰:09/02/25 16:06 📱:PC 🆔:☆☆☆


#661 [トイロ]
「アキコ‥‥」


ゆっくり顔をあげ、鏡に映るもうひとりの自分と向き合った。


「もう‥ながい夢物語は終わってしまったんだよ、五十嵐 幸」


見つめる瞳は悲しみをおびている。

⏰:09/02/25 16:07 📱:PC 🆔:☆☆☆


#662 [トイロ]
息を吐き、表へ出た。

「さあ、いこうか」


++++++++++

陽が昇りはじめる早朝。

教室の窓から、空を見上げる女子生徒がひとり。

「夕焼けとは、またちがうオレンジ色なんだなぁ」

⏰:09/02/25 16:09 📱:PC 🆔:☆☆☆


#663 [トイロ]
−ガラッ

「幸!?」

秋子はドアのほうへ振り返った。


「あー、っと‥ごめん;
えと、おはよ‥デス」

⏰:09/02/25 16:10 📱:PC 🆔:☆☆☆


#664 [トイロ]
そこに立っていたのは気まずそうに頭を掻いている桜と、後ろには小百合がいた。


「あ、桜か、ごめん
おはよー」


「幸を待ってんのか?」


「うん、でも桜、幸に似てるから間違えちゃった」

⏰:09/02/25 16:10 📱:PC 🆔:☆☆☆


#665 [トイロ]
仏頂面で聞いていた小百合が口を開いた。

「アキコちゃん、五十嵐くんと何かあったのですか?」


「えっ」


「だって、最近のアキコちゃん、ご様子が変ですわ!」


じっと秋子の顔をみて、続ける。

⏰:09/02/25 16:11 📱:PC 🆔:☆☆☆


#666 [トイロ]
「私はアキコちゃんの為でしたら、どんなことでもしてみせますわ
ですから、全て話して下さいな」


秋子も小百合の目をみる。

「‥ありがとう、さゆりちゃん」


小百合の顔に、ぱあっと笑顔がひらいた。


「でも、何も言えないの‥‥‥ごめんね」

⏰:09/02/25 16:13 📱:PC 🆔:☆☆☆


#667 [トイロ]
秋子がそう言った途端、小百合は凍りついたように固まった。


++++++++++

「なにあれ〜泣いてんの?」

「痴話ゲンカ?」

「カップルかな?」

⏰:09/02/25 16:14 📱:PC 🆔:☆☆☆


#668 [トイロ]
「馬鹿、よくみろよ」

「どっちも女の子じゃあん」

「みえねー」


泣き声が、廊下を歩く足音に混じって聞こえてくる。


「さゆり、‥そろそろ離れてくれない?」

⏰:09/02/25 16:15 📱:PC 🆔:☆☆☆


#669 [トイロ]
「いやですわ!」

小百合はさらに、桜の背中からぎゅっと抱きつく。

「レディが泣いているというのに、なんですの!その態度は!?」


「いや、あの、人目がね;」


「ねえ、桜ちゃん
私って自己中だと思います?」

⏰:09/02/25 16:16 📱:PC 🆔:☆☆☆


#670 [トイロ]
桜の言い分を無視して、小百合は尋ねる。


「そーだね、何言ってんの?
‥てか今がまさにそうだろ!
超イマサラじゃんか☆」


桜の直球すぎる言葉に、大きなダメージを受けた小百合は絶句。

⏰:09/02/25 16:17 📱:PC 🆔:☆☆☆


#671 [トイロ]
桜は気付いてないのか、笑ってそのまま続ける。

「でも、あたしはスキだよ
さゆりの自己中には優しさがこもっているからなー♪」


小百合の顔がみるみる赤くなった。

桜は立ち上がって、小百合に手を差しのべる。

「ほら、教室もどるぞ?」

⏰:09/02/25 16:18 📱:PC 🆔:☆☆☆


#672 [トイロ]
ゆでだこみたいな顔を桜に気付かせまいとうつむき、小声で呟いた。

「‥‥‥ムカつきますわ‥‥‥‥‥」


「は!?」

しかし、桜にははっきりと聞かれていた。


++++++++++

⏰:09/02/25 16:19 📱:PC 🆔:☆☆☆


#673 [トイロ]
一方、教室では

「うーん、やっぱりさゆりちゃんに、あんな言い方したのは、まずかったかな〜;」

だらだらと冷汗をかいている秋子の姿があった。


「でも、あの日のこと話すなら、幸の裏仕事も話さなきゃいけないし‥でも、香介さんに厳密!!!て念押しされてるし‥‥はあー」

⏰:09/02/25 16:20 📱:PC 🆔:☆☆☆


#674 [トイロ]
−ガラッ

「あ、桜来てたんだぁ
おはよー」


「おう♪おはよ」

桜がクラスメートと挨拶を交わしているあいだ、秋子と小百合の目が合った。

⏰:09/02/25 16:21 📱:PC 🆔:☆☆☆


#675 [トイロ]
秋子はドキドキしながら目を合わせたままだったが、小百合はぷいと顔を背けてしまった。


そんな小百合の対応にショックを受けていると、桜が秋子に口パクで伝えてきた。

「さゆりのことは任せとけ☆」


秋子は、はにかんで「ありがと」と、桜と同じように、口パクで返した。

⏰:09/02/25 16:22 📱:PC 🆔:☆☆☆


#676 [トイロ]
−ガラッ

「五十嵐!」

ドアの近くにいたクラスの男子が叫んだ。


(‥‥‥えっ)

秋子が戸の方へ身体を向けると、そこには幸が立っていた。

⏰:09/02/25 16:23 📱:PC 🆔:☆☆☆


#677 [トイロ]
「幸!」

パタパタと幸に駆け寄る。


「おはよッ、幸
もー心配したんだよ
みんなもねー幸って休んだことないから、びっくりしちゃってさあ‥」


「おはよう、林さん」

⏰:09/02/25 16:24 📱:PC 🆔:☆☆☆


#678 [トイロ]
秋子の話を遮って、幸はそう言った。


教室がざわめく。

「今『林さん』て呼んだ?」

「めずらしー」

「ケンカでもしたとか?」

⏰:09/02/25 16:25 📱:PC 🆔:☆☆☆


#679 [トイロ]
「いつも『アキコ』て呼ぶのに」

「びっくりしたぁ」


幸は先ほどと変わらず、笑顔のままだ。


秋子の瞳には動揺がはしっていた。

「‥‥え‥?」

⏰:09/02/25 16:25 📱:PC 🆔:☆☆☆


#680 [トイロ]
『アキコちゃん!
おれ、ホラ吹きじいさんに、すげぇこと聞いてきたんだ』


『また〜?もうさちくん、どうせウソにきまってるよ』


『いや、今度こそマジだぜ
じいさんが言うにはな、すっげえー大事なヤツは下の名前で、しかもよびすてにするんだって!』

⏰:09/02/25 16:26 📱:PC 🆔:☆☆☆


#681 [トイロ]
『へえ〜そうなんだ』


『だから、おれは今日から「アキコ」て呼ぶぞ!
アキコちゃんもおれのこと「さち」て呼べよ!』


『うん、わかった、さち』

⏰:09/02/25 16:27 📱:PC 🆔:☆☆☆


#682 [トイロ]
『おう、アキコ』





「な‥、なんで‥‥」

秋子の瞳から涙が零れた。

⏰:09/02/25 16:28 📱:PC 🆔:☆☆☆


#683 [トイロ]
ぐいっと幸の身体が斜めに引っ張られた。


腕を掴んでいる、小百合が上目使いで幸を睨んでいる。

「すみませんが、お付き合い願えます?」

口調は丁寧だが、顔はまったく笑っていない。

⏰:09/03/09 17:23 📱:PC 🆔:☆☆☆


#684 [トイロ]
「ちょっ、‥さゆり!?」

桜の止めにも応じることなく、小百合は幸の腕を掴んだまま、教室を出ていってしまった。


虚空をみつめていた秋子は、支えきれなくなったのか、がくんと体制を崩し、その場で倒れた。


「アキコ!?」

桜が慌てて駆けより、秋子を起こした。

⏰:09/03/09 17:24 📱:PC 🆔:☆☆☆


#685 [トイロ]
(幸‥‥それが幸の答えなの?)

薄れる意識のなか、幸の自分に対する呼びかけばかりが、秋子の頭の中で反芻していた。


「さゆりが何かしでかす前に、早く追いかけないと;
でもアキコをこのままにしておく訳にも‥‥あー!どうしたらいいんだ‥」

⏰:09/03/09 17:25 📱:PC 🆔:☆☆☆


#686 [トイロ]
今日は月の初日で、体育館より全校朝礼がある。

その為、マイペースな輩が集まってる、このクラスにはもうほとんど人が残っていなかった。


「あいつら〜いつもダラダラ行くクセに、なぜ今日に限って‥」


「桜?何してんの」

⏰:09/03/09 17:26 📱:PC 🆔:☆☆☆


#687 [トイロ]
「げっ、色!」


教室を覗きこんでいる男子生徒は、桜の家の隣りに住んでる、花緒 色(ハナオ シキ)。


「いつもいつも失礼な女だね、桜は」


桜は全く聞く耳をもたず、言った。

⏰:09/03/09 17:27 📱:PC 🆔:☆☆☆


#688 [トイロ]
「この際、仕方ない!
色!アキコを保健室まで運んでくれないか
オマエなら朝礼に遅刻しても怒られないだろ」


「ま〜大事な幼なじみの頼み事なら、断るわけにもいかないなぁ
帰り、マック奢ってね」


「なにが"大事"な幼なじみだ‥‥」

⏰:09/03/09 17:27 📱:PC 🆔:☆☆☆


#689 [トイロ]
色がニヤリと笑う。

「なにか言った?」


「何でもねーよ!
お望みどーり奢ってやらぁ!
じゃ、あたしはさゆりを追いかけっからな」


「ちょっと待った!
運んでほしいなら、後ろに乗っけてよ」

⏰:09/03/09 17:28 📱:PC 🆔:☆☆☆


#690 [トイロ]
「はあ?別におんぶじゃなくてもいいだろ
抱えて行けよ」


「それだけは譲れないな」


桜が言い返そうとしたが、色の真剣な眼差しにやたら圧倒するものを感じ、渋々承諾した。

⏰:09/03/09 17:29 📱:PC 🆔:☆☆☆


#691 [トイロ]
「ったく、めんどくせーヤツだな!」


「悪いね♪」


桜はアキコを抱えると、色の背中に乗せた。


「ほら、これでいいだろ
ちゃんと優しく運べよ!」

⏰:09/03/09 17:30 📱:PC 🆔:☆☆☆


#692 [トイロ]
そう走言い残して走り去る桜の後ろ姿をみて、色が静かに呟いた。


「オレがお姫さま抱っこするのは、桜だけって決めてるんだよ
‥ってまあ、君は知らないだろうけど」


色は少しだけ笑って、保健室に向かった。


++++++++++

⏰:09/03/09 17:30 📱:PC 🆔:☆☆☆


#693 [トイロ]
※訂正

×そう走言い残して

○そう言い残して

ごめんなさい(∵)

⏰:09/03/09 17:33 📱:PC 🆔:☆☆☆


#694 [トイロ]
小百合と幸は屋上に出ていた。


「‥なんだよ」


「それはこっちのセリフですわ!
なんですの、先刻の、アキコちゃんに対する態度は!?」


「別にあいつをなんと呼ぼうが、俺の勝手だろ」

⏰:09/03/09 17:34 📱:PC 🆔:☆☆☆


#695 [トイロ]
「それだけではありませんわ!
アキコちゃんを散々弄んで!
どこまで振り回せば、気が済みますの!?」


「ああ゛?何言ってんだ」


「アキコちゃんに好意を持っているような素振りを見せて‥乙女心をなんだとお思いになっていらっしゃるのかと伺ってるんです!」


「‥お前か、アキコにそんな愚弄を吹きこんだのは‥」

⏰:09/03/09 17:35 📱:PC 🆔:☆☆☆


#696 [トイロ]
「ぐ、愚弄!?
失言もいいところですわ!
私はただ貴方が親友と言うのは、好きということだ、と助言したまで‥」


幸の内でなにかがはち切れたように、怒鳴った。

「余計なことしやがって!
お前のせいで、俺は大事な奴を失ってしまったじゃねぇかっ!」

⏰:09/03/09 17:36 📱:PC 🆔:☆☆☆


#697 [トイロ]
「えっ、てことは‥貴方もアキコちゃんを好きでいらっしゃったってことですか!?
でしたら、どうしてアキコちゃんの想いに応えてあげなかったんですの!!?」


「黙れっ!!
お嬢様育ちの世間知らずなお前に、俺の何が分かるってんだ
さっきからキレイごとばっか、ほざきやがって」


「‥っ‥‥‥‥」

⏰:09/03/09 17:37 📱:PC 🆔:☆☆☆


#698 [トイロ]
「お前が"きっかけ"をつくらなければ‥‥‥‥お前さえいなければっ!!!」


−バキッ


幸は突然左頬に走った激痛に声を漏らす。

そして向こう側のフェンスまで弾き飛ばされた。

⏰:09/03/09 17:38 📱:PC 🆔:☆☆☆


#699 [トイロ]
「それ以上言ってみろ!
もう一発おみまいしてやるぞ!」

息を切らした桜が、赤くなってる拳を幸に突き出す。


後ろにいる小百合に声をかけた。

「さゆり、大丈夫か?
てコラっ!どこ行くんだ、おいっ!」


小百合が階段を慌ただしく降りる音がきこえる。

⏰:09/03/09 17:39 📱:PC 🆔:☆☆☆


#700 [トイロ]
屋上にいるのは、勇ましいポーズの桜と、左頬がいやな色に腫れ、口から少し出血している幸だけとなった。


「ったく、なんだよこれ
はたから見たら、二股男に喝をいれる女じゃんか」


そう悪態をつくと、幸がぷっと笑いをこぼした。


桜がむっとしていると、幸はその視線に気付き、きまり悪そうに下を向いてしまった。

⏰:09/03/09 17:40 📱:PC 🆔:☆☆☆


#701 [トイロ]
すると今度は、桜が噴き出す羽目となった。

「あはは、冗談だ
ウケてくれてどーもな☆
あ、でも殴ったのはジョークじゃないぞ」


「ああ、わかってるよ(笑)
俺も言いすぎた
遅かれ早かれ、結局はこうなってたのに‥‥倉持さんには八つ当たりしちまったな」

⏰:09/03/09 17:41 📱:PC 🆔:☆☆☆


#702 [トイロ]
どこか寂しげな幸の横顔をみながら、桜は尋ねてみた。

「‥なあ、さゆりも言ってたけど、アキコと付き合うのは無理なのか?」


幸の身体がびくっとたじろく。

「‥‥‥‥‥ぁぁ」


「そっか」

⏰:09/03/09 17:43 📱:PC 🆔:☆☆☆


#703 [トイロ]
長い沈黙のあと、幸が口を開いた。

「‥きかねぇのかよ?」


「ん、きいてほしいのか?」


「‥‥いや‥」

⏰:09/03/09 17:43 📱:PC 🆔:☆☆☆


#704 [トイロ]
「ぷっ、なんだ、なら聞くなよ
あたしはさゆりみたいに、聞き出したりしないぞ★(笑)」


「ははっ
そうだな、どっちかっていうと、桜は相手のペースに合わせてくれるよな」


「そ、そうなのか?」

⏰:09/03/09 17:44 📱:PC 🆔:☆☆☆


#705 [トイロ]
「無自覚かよ」

幸が心地よい笑い声をあげる。


「‥‥てかさぁ幸、ほんとは気付いてただろ」


「‥‥ああ!さっき俺、デケェ声出してたもんな
桜も聞いてたか‥
そうだよ、アキコが俺のことを好きなのは、薄々感づいてた」

⏰:09/03/09 17:45 📱:PC 🆔:☆☆☆


#706 [トイロ]
「うん、まぁそれもあるんだけど、‥さゆりが幸のこと、好きってことも気付いてただろ」


「‥‥‥お前ってホント、変なとこで鋭いよな
自分たちのことになると疎いくせに‥さすがの生徒会長もこれじゃ苦戦するわな、こりゃ(笑)」


「は、『生徒会長』?
なんで色が苦戦するんだ
つか、幸、話をそらすなよ

⏰:09/03/09 17:47 📱:PC 🆔:☆☆☆


#707 [トイロ]
だから、さゆりとしてはさ、幸が好きだけど、アキコも大好きだから、二人ならいいって思ったんだろうな」


「‥ああ」


「ただ、ここでさゆりの自己中が裏目にでて、なんとか二人を絶対くっつけなきゃ!ていうなんか、義務みたいになっちゃったんだな」


桜と幸は同時に微笑した。

⏰:09/03/09 17:48 📱:PC 🆔:☆☆☆


#708 [トイロ]
「ということでさ、幸、さゆりのこと、許してやってくれないか?
さゆりも悪気があった訳じゃないんだ!
‥まあ、悪気がなければいいのかっていうと、それはまた微妙なんだけど‥」


桜に向ける、幸の表情が柔らかくなった。

「わかってるよ、桜
それに倉持さんについては、全然怒ってねぇし、むしろ悪いことしちゃったな、て思ってる
今度、ちゃんと誤りに行くさ
そん時は桜、ついてきてくれよな」

⏰:09/03/09 17:49 📱:PC 🆔:☆☆☆


#709 [トイロ]
「おう、いいぞ♪
‥‥いやっダメだ!
オマエはまず、アキコだ」


幸の表情が硬直する。


「今アキコ保健室いるから、行くぞ
そんで『林さん』て呼んだこと、早く謝れ」


「アキコが保健室にいんのか!?」

⏰:09/03/09 17:49 📱:PC 🆔:☆☆☆


#710 [トイロ]
「おっ、おお‥別にたいしたことはないから、と、とりあえず落ち着け;」


幸が安堵したため息をつく。

「そうか、なら いい」


「‥やっぱオマエはよくわからんヤツだな
アキコに対して冷たい態度をとったかと思えば、またこうやって過度に心配するし、アキコのこと好きなくせに付き合うのは無理とかいうし‥オマエって色よりメンドクセーヤツかもな」

⏰:09/03/09 17:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#711 [トイロ]
幸が桜と目を合わせる。

「わからなくていーんだよ
でも俺はアイツが大事だから、こうしてるんだ」


「‥アキコを『林さん』て呼んだのもか?」


「ああ」

⏰:09/03/09 17:51 📱:PC 🆔:☆☆☆


#712 [トイロ]
「‥‥じゃあ、アキコが朝早くから幸を待ってんのも、アキコが幸の欠席を気にすんのも、アキコが幸の見舞いに学校抜け出すのも、アキコが幸からの呼び方にショックを受けて倒れるのも、オマエがアキコを大事にする故で起こるってことか?ふざけんな!!!」


「‥‥‥」


「そりゃオマエがどんな事情をかかえてんのか、あたしにはわからないけどな、それでもひとつだけ分かることがあるぞ

⏰:09/03/09 17:51 📱:PC 🆔:☆☆☆


#713 [トイロ]
大事にするっていうのは、突き放すことなのか?ちがうだろ
幸だって、大事な人にはいつでも笑っていてほしいはずだ♪
そうだろう?」


桜の笑った顔が映る幸の瞳から涙が溢れ出してきた。

「はは、男が泣くなんてかっこわりィーな‥」


「そうか?
あたしはカッコイイと思うぞ♪」

⏰:09/03/09 17:52 📱:PC 🆔:☆☆☆


#714 [トイロ]
「‥もしこの場に生徒会長がいたら殺されてたな」


「は?なんだそりゃ
色のネタでも流行ってんのか?
さっきからしつこいぞ」


「‥‥‥ご愁傷様」

⏰:09/03/09 17:53 📱:PC 🆔:☆☆☆


#715 [トイロ]
頭上にはてなマークを浮かべてる桜に、どこかスッキリした顔を向けて手をさしのべた。

「じゃあ、桜
保健室までついてきてくれよ」


桜の表情がぱっと明るくなった。

「おう♪」

++++++++++

⏰:09/03/09 17:53 📱:PC 🆔:☆☆☆


#716 [トイロ]
※わび(?)

【続き】になってたらごめんね(∵)
PCじゃわからないもので・・・

⏰:09/03/09 17:56 📱:PC 🆔:☆☆☆


#717 [トイロ]
一方その保健室では、ベットですやすや眠っている秋子と、傍らで椅子に座っている色の姿があった。

(桜、遅いなー
これじゃ遅刻どころか、サボりだよ
まあ生徒会長の役目は、副あたりがなんとかするだろうし、別にいいか)

生徒会長とは思えないアバウト思考。

⏰:09/03/11 10:58 📱:PC 🆔:☆☆☆


#718 [トイロ]
「ん‥」

秋子が寝返りをする。


「おや、大丈夫かな‥」

顔色をうかがおうと、秋子に近づいたとき。


「てめぇーは何やってんだっセクハラ野郎!!!」

⏰:09/03/11 10:59 📱:PC 🆔:☆☆☆


#719 [トイロ]
−買{カッ

桜の天誅がみごと色に命中。


「だっ‥だれが‥セクハラ‥だっ」

色が痛みに耐えながら頭をあげて、みた光景は‥

⏰:09/03/11 11:01 📱:PC 🆔:☆☆☆


#720 [トイロ]
「なんなんだよ桜、いきなり走りやがって
マジ腕がちぎれるかと思ったぜ‥‥‥って、せ、生徒会長!!?」

わなわなと震え、真っ青になった幸は、手を繋いでいる現状に気付き、あわてて桜を押し離した。


「いてっ!なんで幸そんな離れてんだ‥‥おい、大丈夫か?
ってコラ、なんだこの腕は
あたしにまとわりつくな!」

⏰:09/03/11 11:02 📱:PC 🆔:☆☆☆


#721 [トイロ]
色は桜をがっちり腕でガードしながら、キレイな笑顔を幸に向ける。

「五十嵐幸くん、自覚しているようだから今回は見逃してあげるけど‥」


幸にだけ見せるようにして、小声で凄む。

天使スマイル、魔王降臨。

⏰:09/03/11 11:03 📱:PC 🆔:☆☆☆


#722 [トイロ]
「二度目はないと思え、このタラシ野郎」


五十嵐幸、石化す。


「じゃあごゆっくり〜♪」

元のCuteな花緒色に戻っている。

⏰:09/03/11 11:04 📱:PC 🆔:☆☆☆


#723 [トイロ]
「は!?なんであたしまで‥フゴフゴ」


桜の口をおさえながら、保健室を出ていき、ある程度離れた所で解放してやった。


「ぷはあ!
なんであたしまで連れ出すんだ!!」


「桜がいたらまとまるものも、まとまらないでしょ」

⏰:09/03/11 11:05 📱:PC 🆔:☆☆☆


#724 [トイロ]
「う゛っ‥‥そ、そうかもしれないが‥」


「それにだれがあの野郎と一緒に居させるってんだ」


「ん、今なんか言ったか?」


「桜、今日は久々に手を繋いで帰ろっか☆」

⏰:09/03/11 11:06 📱:PC 🆔:☆☆☆


#725 [トイロ]
「なっ何言ってんだ!
いつの時代の話だソレは;
だいたい今日はマック奢るんだからいいだろ!」


「全校朝礼ってさー校長だけじゃなくて、生徒会長の話もあるんだよね」


「あっ!」

桜の額にダラダラと汗がながれる。

⏰:09/03/11 11:07 📱:PC 🆔:☆☆☆


#726 [トイロ]
色は横目で桜の反応を確認し、さらに追いつめる。

「オレ、徹夜して話すこと考えてきたのに、無駄骨に終わったなー」

悪びれた様子もなく嘘八百をならべる男。


「そっ、そうだったのか!?‥‥うう゛‥‥でっでもな!手とか握ったら汗びっしょりになって、きっと気持ち悪いぞ?」

⏰:09/03/11 11:08 📱:PC 🆔:☆☆☆


#727 [トイロ]
「‥今は初冬だよ
むしろ手をつなぐ季節だよ」


「う゛!で、でもなっ‥えー‥っと‥」


桜のあくまで拒否し続ける態度に、ついに色はキレた。

「‥今日はオレの母親がヨーロッパから帰ってくるんだ
当然の如く、新作は勿論のこと、試作もついてくる」

⏰:09/03/11 11:10 📱:PC 🆔:☆☆☆


#728 [トイロ]
桜の耳がダンボする。

「おばちゃ‥じゃなくて、ホシちゃんが!?
新作、試作‥って、あのHimeブランドの服だよな!?」


「そう
あの若作り女がデザインした悪趣味な乙女モード全開のフリフリ、ヒラヒラのプライベート用衣装だ‥」

⏰:09/03/11 11:11 📱:PC 🆔:☆☆☆


#729 [トイロ]
「ま、まさか‥それをっ‥‥」


「オレが着てやる」


瞳がダイヤモンドように光輝き、桜の顔つきが変わった。

「いよっしゃあぁ!!!
色の女装見れるなんて何年ぶりだ!?

⏰:09/03/11 11:12 📱:PC 🆔:☆☆☆


#730 [トイロ]
オマエってほんと、顔は文句のつけようがないぐらい、めっちゃかわいいのに、性格は憎たらしいヤツだよな
あ!ケータイのデータ保存空きっ;」

説明しよう。
そこらへんのイケメン男子よりもはるかにカッコイイ桜が、大好きなもの‥それは、かわいい女の子なのだ!

そして、たとえ天敵といえども、そこらへんのアイドル女子よりもはるかにかわいい美貌をもつ色の女装など、まさに桜のハートを射抜く存在であった。

⏰:09/03/11 11:20 📱:PC 🆔:☆☆☆


#731 [トイロ]
むしろ、マニア心‥?


(なんか‥すんげえ面白くねぇな‥‥)

色がこの交渉をなかったことにしようかと思い始めたとき。


「よし!今日は手をつなぐどころか、なんでもしてやるぞ!
いわばオマエ専用のメイドだな!
ご主人様なんでも申してクダサイマセ☆」

⏰:09/03/11 11:21 📱:PC 🆔:☆☆☆


#732 [トイロ]
桜は浮かれすぎたあまり、多少コワレているもよう。

特に最後の一言あたり。


色の方は、花がとぶほどの桜の笑顔に、性的欲求が頂点まで急上昇し、‥あとは皆様のご想像にお任せあれ♪←

あっ、でもココ一応学校だから‥‥。

⏰:09/03/11 11:23 📱:PC 🆔:☆☆☆


#733 [トイロ]
++++++++++

「ごめんアキコ!」

桜と色がやばいムードをかもだしている一方、こちらでは目を覚ました秋子の前に、土下座している幸。


「‥ちゃんと話して
幸があーいう行動に出たってことは、何か訳があるんでしょ?」

⏰:09/03/11 11:25 📱:PC 🆔:☆☆☆


#734 [トイロ]
幸は驚いていたが、すぐ、元に戻って頷いた。

「俺に過去の記憶がないことは知ってるよな」


「うん、気付いたら五十嵐 幸っていう男で、香介さんの弟ってことになってたんだよね
ほんとは嘘だけど」


「香介さんは縁もゆかりもない俺を育ててくれた
あーみえてあの人、俺に甘いんだ(笑)

⏰:09/03/11 11:26 📱:PC 🆔:☆☆☆


#735 [トイロ]
だけどそんな香介さんも、絶対に過去のことは教えてくれなかったし、拳銃の類いもぜってー触らせてくれなかった」


「ねぇ、ずっと気になってたんだけど、警察の仕事をさせたのって香介さんじゃないよね
香介さんがそんな危ないこと幸にすすめる訳ないもん」


「警察の仕事っていっても、ほとんど簡単なやつだったけど‥まあ、それも今思えば香介さんが裏でそうなるように動いてくれてたんだろうな
警察の仕事は俺が自主的に引き受けたことだけど、きっかけをつくってくれたのは警視庁さんだ」

⏰:09/03/11 11:28 📱:PC 🆔:☆☆☆


#736 [トイロ]
「警視庁って‥香介さんより上じゃん!!」


「警視庁さんに初めて会ったのは小学六年生のときだ
警視庁さんは香介さんと俺が本当の兄弟じゃないことを教えてくれた
それと‥‥」



『俺がなぜか「兄ちゃん」ではなく「香介さん」と呼んでしまうのはその為だったんですね‥』

⏰:09/03/11 11:31 📱:PC 🆔:☆☆☆


#737 [トイロ]
『教えないほうがよかったかな?』


『いいえ!よかったです
俺、六年生だし、もうガキじゃありませんから』


『そうか、そうだよね
‥じゃあこのことも教えたほうがいいのかな?』


『えっまだあるんですか!?』

⏰:09/03/11 11:32 📱:PC 🆔:☆☆☆


#738 [トイロ]
『いや、やはり止めておこう
これ以上教えるのはあまりにも酷だからね‥』


『‥‥ぃいえっ教えてください!
か、覚悟はできています!!』


『ふふ、そうか、さすが五十嵐が育てただけあるな
幸くんはテロル・テロリズムという言葉を知っているかい?』

⏰:09/03/11 11:33 📱:PC 🆔:☆☆☆


#739 [トイロ]
『それは‥‥いわゆるテロと呼ばれているやつですね?』


『ご名答、では意味はわかるかな?』


『はい、テロルは恐怖の意
あらゆる暴力手段に訴えて政治的敵対者を威嚇することで、
テロリズムは、政治目的のために、暴力あるいはその脅威に訴える傾向
また、その行為、暴力主義‥と広辞苑には記されていましたが』

⏰:09/03/11 11:35 📱:PC 🆔:☆☆☆


#740 [トイロ]
『ほう、すばらしい暗記力だ』


『そんな、ただの引用です』


『いやいや語彙力は必要だよ、いろいろとね…
いや〜むかしから人よりずば抜けていたことは知っていたが、ここまでとは‥』

⏰:09/03/11 11:38 📱:PC 🆔:☆☆☆


#741 [トイロ]
『え‥「むかしから」?』


警視庁の口元が歪んだように感じたのは気のせいだろうか。




『君はかつて、テロの一味だったんだよ』

⏰:09/03/11 11:39 📱:PC 🆔:☆☆☆


#742 [トイロ]
『‥‥‥‥え‥‥』


『まだ幼いということで、牢には入れられなくてね〜
ほら、人権問題とかいろいろ(面倒なものが)あるからさ
で、結局五十嵐が君を引き取ったんだよ』


『‥警視庁さん、ひとつ聞いてもいいですか?』


『いいとも』

⏰:09/03/11 11:41 📱:PC 🆔:☆☆☆


#743 [トイロ]
『俺は人を殺しましたか?』


『うーん、否定はできないだろうね』


『そうですか‥‥‥
俺には人を愛する資格なんて‥なかったんですね‥‥』

⏰:09/03/11 11:42 📱:PC 🆔:☆☆☆


#744 [トイロ]
「‥‥さ‥‥さち‥‥幸っ!」


「うわっ、な、何?」


「それはこっちのセリフ!『それと‥』なに!?」


「ああ、それと‥香介さんになにか恩返ししたいということで、警察の仕事を手伝わせてくれることになったんだ」

⏰:09/03/11 11:43 📱:PC 🆔:☆☆☆


#745 [トイロ]
「そういえば、中学にあがってからだったよね
でも簡単な仕事ばっかりじゃなかったよ‥湿布やガーゼ、包帯とかして学校来ることも多かったよ」


「多少、怪我ぐらいするさ」


「でもこの前みたいなのは危険すぎるよ!
指名手配とか‥中学生に任せる仕事じゃないよ!」

⏰:09/03/11 11:45 📱:PC 🆔:☆☆☆


#746 [トイロ]
「‥あのとき俺、拳銃持ってたんだ」


秋子が息をのんだ。


「なぜ香介さんや山田さんが拳銃を絶対に触らせてくれなかったのか、やっとわかったよ
俺に記憶を戻させないためだ」

⏰:09/03/11 11:46 📱:PC 🆔:☆☆☆


#747 [トイロ]
「えっ‥てことは思い出したの!?」


「ああ‥永いあいだ、俺の奥で眠っていた記憶がな」


「ふーん、だから急にあたしを遠ざけたんだね
戻った記憶の中に、幸が想像したいた以上の"なにか"を思い出したから」


幸の肩がわずかに動いた。

⏰:09/03/28 14:25 📱:PC 🆔:☆☆☆


#748 []
あげ

⏰:09/09/10 15:04 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#749 []
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500

⏰:09/09/10 15:05 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#750 [ん◇◇]
(´∀`∩)↑age↑

⏰:22/10/27 04:56 📱:Android 🆔:☆☆☆


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