G A M E
最新 最初 全 
#1 [
]
:07/12/11 23:37
:F902i
:☆☆☆
#2 [
]
.
バン!!バンバン!!
バシュッ!!
町中に銃声が響く。
所々で建物や車が燃え、黒煙を上げている。
カチャッ!カチャッ!
「しまった弾切れだ!」
.
:07/12/12 00:47
:F902i
:☆☆☆
#3 [
]
.
他に武器はナイフしかない。
とにかく逃げよう。
早く逃げなければアイツ等が追ってくる。
.
:07/12/12 00:54
:F902i
:☆☆☆
#4 [
]
.
「くそっ行き止まりだ!」
逃げ道を失ってしまった。
後ろからはうめき声を漏らしながらアイツ等が追ってくる。
.
:07/12/12 00:56
:F902i
:☆☆☆
#5 [
]
.
片方の眼球は取れ、それをぶらぶらと揺らしながら歩いてくる。
顔や体の皮膚は爛(ただ)れ、首は折れたまま傾いていた。
至近距離でナイフを振り回すがなかなか致命傷を負わせられない。
.
:07/12/12 01:00
:F902i
:☆☆☆
#6 [
]
.
「もう駄目だ…」
その言葉とともに、そいつ等は歯を剥き出し涎(よだれ)を垂らしながら覆い被さってきた─…
-GAME OVER-
.
:07/12/12 01:04
:F902i
:☆☆☆
#7 [
]
.
「……チェッ」
-GAME OVER-
と書かれた画面を見て、
平井 充(ひらいみつる)は小さく舌打ちをした。
「このゲームもいい加減飽きたなぁ」
.
:07/12/12 01:08
:F902i
:☆☆☆
#8 [
]
.
そう呟きコントローラーをほっぽってベッドにダイブした。
彼、平井 充は無類のゲーム好きだが、決してオタクというわけではない。
周りから見ればルックスは中の上、
性格はノリも良く友達も多い。
.
:07/12/12 01:13
:F902i
:☆☆☆
#9 [
]
.
「暇潰しに買い物でも行くか…」
彼はベッドの上で足を浮かせその反動で起きあがるとラフな格好に着替え家を出た。
買い物と行っても特に欲しい物があるわけではない。
.
:07/12/12 01:16
:F902i
:☆☆☆
#10 [
]
.
散歩がてら買い物に行き、買うのは既にできあがっている惣菜やパンぐらいだ。
彼はいつもの散歩コースを歩き、本屋に入ろうとした。
が、その時ふと、古びた一軒のお店が目に入った。
.
:07/12/12 01:20
:F902i
:☆☆☆
#11 [
]
.
本屋の横にある細い道に入った所にその店はあった。
「本・ゲームあります…」
看板にはそう書いてあった。
こんな店あったっけ?
最近できたのか?
それにしては古びてるなぁ…
.
:07/12/12 01:23
:F902i
:☆☆☆
#12 [
]
.
疑問に思いながらも店に足を踏み込んだ。
ぼんやりと薄暗い蛍光灯が何とも妙な雰囲気を醸し出している。
何だか気味が悪くなり店を出ようとした時、
ひとつのゲームに目が止まった。
.
:07/12/12 01:27
:F902i
:☆☆☆
#13 [
]
.
「廃墟GAME…」
廃墟GAMEってどんなゲームなんだ?
裏を見てみるが説明も絵も何も書いていない。
ただ一番下に小さくゲーム会社の名前が記されていた。
.
:07/12/12 01:31
:F902i
:☆☆☆
#14 [
]
.
その会社名も、聞いたことがない。
タイトルと会社名以外は何も書かれていない。
何か気になる……。
家にあるゲームにも飽きていた所だし、買ってみるか。
.
:07/12/12 01:33
:F902i
:☆☆☆
#15 [
]
.
思わぬ収穫をした平井 充は上機嫌で家に帰った。
「よぉーし早速やってみよう。」
辺りはもう日が沈み始めていた。
.
:07/12/12 01:36
:F902i
:☆☆☆
#16 [
]
.
ゲームをセットしてスイッチを入れる。
手の届くところにお茶を置き、
あぐらをかいてコントローラーを胸の前で構える。
彼がゲームをする時はいつもこの状態だ。
.
:07/12/12 01:39
:F902i
:☆☆☆
#17 [
]
.
「始まったぞー」
わくわくしながら画面を見つめる。
最初の画面で、ゲームで使用するキャラクターを設定する仕組みになっているようだ。
.
:07/12/12 01:42
:F902i
:☆☆☆
#18 [
]
.
「ったく説明書すらないんだもんなー」
ぶつくさとグチをこぼしながらキャラクターを選択する。
「ん?」
彼の手は一人のキャラクターの所でとまった。
.
:07/12/12 01:45
:F902i
:☆☆☆
#19 [
]
.
「何かこいつ俺に似てる?」
画面の中にいるキャラが自分に似ていることに気づいた。
髪型や、服装。
いや、偶然か……
「まっいいや。こいつにしよう。」
.
:07/12/12 01:47
:F902i
:☆☆☆
#20 [
]
.
自分に似たキャラを選択し、スタートボタンを押した。
死にたくなければ、
生き残れ。
廃墟GAME─
-START-
.
:07/12/12 01:54
:F902i
:☆☆☆
#21 [
]
.
『生け贄を差し出し給え
その聖なる血で不死の命を我が魂に
永久の美貌を我が亡骸に
悪霊よ降り立ち給え
世に暗雲が立ちこめるように
世界が私の手の内に落ちるように
.
:07/12/12 02:21
:F902i
:☆☆☆
#22 [
]
.
「何だこれ?生け贄を差し出したまえ……」
一通りその文章を読み終えると画面が変わった。
周りに草が生い茂っている中に「俺」は立っていた。
.
:07/12/12 02:25
:F902i
:☆☆☆
#23 [
]
.
とりあえずどのボタンを押せばどう動くのかを把握しておかないとな。
適当にボタンを押す。
規則的な音を立てながら走ったり、武器を振り回したり…
俺が持ってるゲームと似てるな。
.
:07/12/12 02:28
:F902i
:☆☆☆
#24 [
]
.
もうゾンビ系はやり尽くしたぞ。
どうせこれも、敵を倒してボスを倒して終わりだろうな。
まぁせっかく買ったのだから、やってみるか。
彼は画面の中の自分に似たキャラを操作し始めた。
.
:07/12/12 02:31
:F902i
:☆☆☆
#25 [
]
.
「廃墟GAMEなんだから廃墟があるはず…」
適当に草むらを進んでいくと、一本の大きな通りに出た。
右へ、左へと操作すると、大きな屋敷があった。
こんな簡単に見つかるのか。
.
:07/12/12 02:35
:F902i
:☆☆☆
#26 [
]
.
彼は興ざめした。
これじゃあ数時間でクリアしてしまいそうだ。
今の所敵もゼロだ。
今日の収穫は失敗か…。
.
:07/12/12 02:37
:F902i
:☆☆☆
#27 [
]
.
難なく屋敷の前までくると、ズルズルと音が聞こえた。
左へ操作。画面も、キャラクターの視線を辿り左へとぶれた。
コンクリートを這いつくばるように、顔を青白くした女の子がこちらに向かってくる。
.
:07/12/12 02:41
:F902i
:☆☆☆
#28 [
]
.
バシュ!バシュッ!
女の子に向かって弾を撃つ。
コンクリートにじわりと血が広がり、女の子は消えた。
「チョロいチョロい」
右へ操作し、屋敷のドアを開く。
.
:07/12/12 02:43
:F902i
:☆☆☆
#29 [
]
.
ギイイィ──バタン!
鉄の音をさせながら屋敷の中に入るとドアが閉まった。
屋敷の中も、古びた感じだ。蜘蛛の巣が張っている。
.
:07/12/12 02:46
:F902i
:☆☆☆
#30 [
]
.
中に入ったにも関わらず敵の気配はない。
何も操作せず突っ立ったままで一眠りできるんじゃないかと思うくらい物静かだ。
いきなりバッと出てくるのか?
そっちの方がスリルがあっていいが。
.
:07/12/12 02:49
:F902i
:☆☆☆
#31 [
]
.
とりあえず、動くか。
階段をあがり、適当に部屋に入る。
ここは…寝室か。
でかい屋敷の割にこじんまりとした寝室だな。
じっと画面を見ているとあることに気づいた。
.
:07/12/12 02:52
:F902i
:☆☆☆
#32 [
]
.
画面を見る。
部屋を見回す。
という行為を二度三度繰り返す。
……似ている。
ゲームの中の寝室と、今、自分のいる部屋が。
.
:07/12/12 02:55
:F902i
:☆☆☆
#33 [
]
.
キャラクターといい、部屋といい、本当に偶然なのか?
まるで自分がゲームの中に入ったような錯覚に陥る。
そこに恐怖は感じなかった。
.
:07/12/12 02:56
:F902i
:☆☆☆
#34 [
]
.
むしろ「おもしろい」と興奮を覚えた。
「そうだ、良平にも教えてやろう」
彼は携帯を手にとり興奮気味に電話をかけた。
.
:07/12/12 03:00
:F902i
:☆☆☆
#35 [
]
.
「もしもし良平?」
『おー、どした?』
「あのさ、今日おもしろいゲーム買ったんだ」
『ゲーム?どうせバイオハザードとかそっち系だろ〜?』
.
:07/12/12 03:03
:F902i
:☆☆☆
#36 [
]
.
いつものこと、と良平は言った。
「そうなんだけどさ、何か違うんだよな」
『違うって何が?』
「やればわかるよ。今から俺ん家来て一緒にやらねぇ?」
『あー今は無理だわ。美菜といるし…』
.
:07/12/12 03:07
:F902i
:☆☆☆
#37 [
]
.
「彼女か。それじゃ無理だな。」
『わりぃな。っつかお前いい大学行かせてもらってる上、一人暮らしさせてもらってんだからゲームばっかしてないで勉強しろよー』
良平は軽く呆れたように笑った。
.
:07/12/12 03:10
:F902i
:☆☆☆
#38 [
]
.
「ははっ、わかってるって。てかさ、本屋の横の細い道んとこに本とゲーム売ってる店あんの知ってた?」
『さぁ?本屋はよく行くけどそんな店あったっけ?』
良平も知らなかったのか。
.
:07/12/12 03:13
:F902i
:☆☆☆
#39 [
]
.
「そうか、知らないならいいんだ。じゃあまた誘うわ。」
『おう、じゃあなー』
電話を切り、一時停止していたゲームを再開させる。
.
:07/12/12 03:16
:F902i
:☆☆☆
#40 [
]
.
それにしても本当に似ている。
ベッドの配置まで…
いや、でも同じなはずがない。
だってこれはゲームだ。
ただのホラーゲーム。
.
:07/12/12 03:21
:F902i
:☆☆☆
#41 [
]
.
が、しかし
彼の考えはこの後一瞬で覆(くつがえ)される─…
ベッドのすぐ近くにある三段だけの小さな箪笥(たんす)。
これさえも似ている。
.
:07/12/12 03:25
:F902i
:☆☆☆
#42 [
]
.
「ちょっと待てよ……」
ゲームの画面を目を凝らしてみると、箪笥の上にある物を見つけた。
木で作られた写真立てだ。
「おいおい……嘘だろ…」
.
:07/12/12 03:28
:F902i
:☆☆☆
#43 [
]
.
ありえない。
木で作られた写真立てが、画面の中にあるなんてありえないんだ。
何故ならこれは、高校の時美術の時間に自分で作った、世界にたった一つの写真立てなのだから。
現実にある写真立てを手に取りまじまじと見つめる。
.
:07/12/12 03:32
:F902i
:☆☆☆
#44 [
]
.
何故こんなものまでゲームに存在するんだ。
手に汗を握る。
現実がゲームで、ゲームが現実?
何が何だかわからない…
.
:07/12/12 03:33
:F902i
:☆☆☆
#45 [
]
.
写真立てを見つめていると呻き声が聞こえた。
はっとなり視線を写真立てから画面へ移す。
しかしその時にはもう既に遅かった。
現実に気を取られている隙に襲われていたのだ。
.
:07/12/12 03:37
:F902i
:☆☆☆
#46 [
]
.
慌ててコントローラーを手に取り上半身や足にしがみついているそいつ等を振り払う。
「くそっ!離れろっ」
焦って武器がうまく使えない。
どんどんライフが減っていく。
.
:07/12/12 03:39
:F902i
:☆☆☆
#47 [
]
.
「クソッ!死んじまう!」
カチャカチャとコントローラーを操作するも、ライフは緑から黄色へ、黄色から赤へと変わり、ついにゼロになった。
一瞬画面が真っ黒になった。
.
:07/12/12 03:42
:F902i
:☆☆☆
#48 [
]
.
そこにポツリポツリと赤い文字が浮かび上がってきた。
-GAME OVER-
そしてその下にはこんな言葉が書いてあった。
.
:07/12/12 03:48
:F902i
:☆☆☆
#49 [
]
.
「生け贄を差し出し給え
その聖なる血で
不死の命を我が魂に
永久の美貌を我が亡骸に…
契約を果たし給え─
……ってその台詞はもいいいっつーの!!」
.
:07/12/12 03:58
:F902i
:☆☆☆
#50 [
]
:07/12/12 04:02
:F902i
:☆☆☆
#51 [極]
面白いです
どっちも完結できるよーに頑張ってくださいツ
:07/12/12 08:15
:W51S
:☆☆☆
#52 [
]
>>51
コメントありがとう!!
うれしいです(・∀・`)
頑張りますね
:07/12/12 10:11
:F902i
:☆☆☆
#53 [
]
.
ブチッとゲームの電源を切る。
何だか気味が悪い。
今日はもう寝るか…
そしてそのままベッドにもぐり込んだ。
.
:07/12/12 10:14
:F902i
:☆☆☆
#54 [
]
.
─「そうか、知らないならいいんだ。じゃあまた誘うわ。」─
─『おう、じゃあなー』─
これが、平井 充と交わす最後の会話になるなんて、この時の木嶋 良平(きじま りょうへい)は知る由(よし)もなかった。
.
:07/12/12 10:19
:F902i
:☆☆☆
#55 [
]
.
───……
「何で…何でだよ…充…」
あの夜、充に何があったのか。
今では本人に聞くことすらできない。
彼は、興奮気味に「新しいゲームを買った」と電話をかけてきたその日の夜、
自ら命を絶ったのだ。
.
:07/12/12 10:26
:F902i
:☆☆☆
#56 [
]
.
充の葬式にはたくさんの友達が来ていた。
「良平…」
肩に手を置かれ振り返ると、鮎川 美菜(あゆかわ みな)が立っていた。
.
:07/12/12 10:32
:F902i
:☆☆☆
#57 [
]
.
美菜とは付き合い初めて2年になる。
栗色の長い髪が綺麗で、おっちょこちょいだが意外としっかりしている。
美菜も辛そうな顔をしてこちらを見つめていた。
.
:07/12/12 10:36
:F902i
:☆☆☆
#58 [
]
.
良平と充は仲がよかった。
それを知ってるから、辛そうにしてる良平を見るのが、
美菜には辛かったのだ。
「良平!鮎川!」
声が聞こえた方に向くと向こうから一人の男が走ってきた。
.
:07/12/12 10:51
:F902i
:☆☆☆
#59 [
]
.
「武…」
「奥山くん…」
美菜と声がかぶった。
「久しぶりだな」
奥山 武(おくやま たけし)はそう言って駆け寄ってきた。
.
:07/12/12 20:58
:F902i
:☆☆☆
#60 [
]
.
葬式が終わり、三人で近くの喫茶店に行った。
「またみんなで集まろうって言ってたのに…
こんな形で集まることになるなんて」
.
:07/12/12 21:02
:F902i
:☆☆☆
#61 [
]
.
良平、美菜、武、充は高校の同級生だった。
卒業して、良平、美菜、充は大学生になり、
武は就職をした。
それぞれバラバラの生活になり、四人で集まることはめっきり少なくなったが、近々集まろうと話をしていた。
そんな矢先、突然聞かされた充の死。
.
:07/12/12 21:09
:F902i
:☆☆☆
#62 [
]
.
「武…充から何か相談とかなかったのか?」
高校時代、四人の中でも武は一番やんちゃなタイプでいつもおちゃらけていた。少々冗談が過ぎるところもあるが、根は優しい。
充はそんな武を慕っていた。
.
:07/12/12 21:13
:F902i
:☆☆☆
#63 [
]
.
「いや、何も…」
武は首を横に振った。
悩みがあったなら、誰かに相談したはずだ。
いったい充に何があった?
.
:07/12/12 21:16
:F902i
:☆☆☆
#64 [
]
.
「良平…あんまり思い詰めないで…ね」
美菜が心配そうに顔をのぞき込んできた。
「あ…あぁ。とりあえず今度充の実家に行ってくるよ。」
そうしてその日は解散した。
.
:07/12/12 21:18
:F902i
:☆☆☆
#65 [
]
.
────……
しとしとと雨が降る中、良平は充の実家を訪ねた。
インターホンを鳴らすと、充の母が出迎えてくれた。
「お久しぶりです」
「良平君…!来てくれたのね、上がって。」
.
:07/12/12 21:28
:F902i
:☆☆☆
#66 [
]
.
充の母は憔悴(しょうすき)しきっていた。
無理もないか…。
良平は線香をあげた。
遺影の充は笑っていた。
.
:07/12/12 21:31
:F902i
:☆☆☆
#67 [
]
×しょうすき
○しょうすい
誤字ばっかすいません(._.;)
:07/12/12 21:32
:F902i
:☆☆☆
#68 [
]
.
充の笑顔を見てるとまた涙が出た。
充、俺等まだ二十歳だぞ。
これからもっともっと楽しいことあるんだ。
あの頃みたいにまた四人でバカやって笑うんだろ?
なぁ、返事しろよ。
.
:07/12/12 21:42
:F902i
:☆☆☆
#69 [
]
.
俺は怒ってんだよ…
何で何も言わなかったんだ。
何で何一つ相談しなかったんだ。
何で…
何で俺等をもっと頼らなかったんだよ…!
.
:07/12/12 21:44
:F902i
:☆☆☆
#70 [
]
.
良平は心の中で叫んだ。
「良平君…これ…」
充の母の声で我に返った良平は涙をぬぐった。
「これは…?」
.
:07/12/12 21:46
:F902i
:☆☆☆
#71 [
]
.
「充の遺留品よ…良平君に持っていて欲しいの。」
充の母から渡されたのは鞄だった。
少し重い。中にも何か入っているのだろう。
.
:07/12/12 21:48
:F902i
:☆☆☆
#72 [
]
.
「でも…」
良平はためらった。
俺が持っていてもいいのだろうか。
何もしてやれなかったのに。
と、思ったのだ。
.
:07/12/12 21:50
:F902i
:☆☆☆
#73 [
]
.
「いいのよ。充と仲良くしてくれてありがとう…」
充の母は優しい笑顔で言った。
良平は無言で頷き、鞄を大事そうに胸に抱えた。
.
:07/12/12 21:52
:F902i
:☆☆☆
#74 [
]
.
家に帰り、充の鞄を見つめる。
中には何が入ってるんだろう…
何か、充の思いがわかるものがあるかもしれない─。
良平は鞄をあけた。
.
:07/12/12 21:55
:F902i
:☆☆☆
#75 [
]
.
鞄の中は綺麗とは言えず、ノートやプリントが適当に入れられていた。
ほとんど大学で使うものか。
パラパラとノートをめくってみる。
.
:07/12/12 21:58
:F902i
:☆☆☆
#76 [
]
.
「ちゃんと勉強してんじゃん…」
充はゲームばかりしていると思っていたから少し感心してしまった。
次に鞄から出てきたものはペンケース。
.
:07/12/12 22:03
:F902i
:☆☆☆
#77 [
]
.
やっぱり何もわからないか。
最後に鞄から出てきたのはゲームだった。
「廃墟ゲーム…」
良平は充の言葉を思い出した。
.
:07/12/12 22:24
:F902i
:☆☆☆
#78 [
]
.
─おもしろいゲームを買ったんだ─
充が言っていたのはこれのことか。
充のことだ。グロテスクなゲームという予想はついた。
.
:07/12/12 22:28
:F902i
:☆☆☆
#79 [
]
.
何気なくケースの裏を見て、良平は首を傾(かし)げた。
「何だこれ?」
ゲームの説明とかちょっとしたストーリーも載ってないのか。
そんなことよりも気になる物を見つけた。
.
:07/12/12 22:32
:F902i
:☆☆☆
#80 [
]
.
一番上に、
player 01:ヒライ ミツル
と書かれていたのだ。
充が自分で書いたのか?
.
:07/12/12 22:36
:F902i
:☆☆☆
#81 [
]
.
そう思ったが、それは明らかに印字されている。
自分がゲームをした証を残したかったのか?
わざわざそこまでするだろうか…。
良平の頭に疑問が残った。
.
:07/12/12 22:38
:F902i
:☆☆☆
#82 [
]
.
ある日
良平と美菜は武の家に来ていた。
武は高校二年になる妹と二人で暮らしている。
「これなんだけど…」
良平は早速美菜と武にゲームを見せてみた。
.
:07/12/12 22:42
:F902i
:☆☆☆
#83 [
]
.
「何それ?ゲーム?」
美菜と武の視線がゲームに向けられた。
「あぁ、充が最後にしてたゲームだ。」
良平はケースの裏を二人に見せた。
.
:07/12/13 02:48
:F902i
:☆☆☆
#84 [
]
.
「充がここまですると思えないんだ。」
「じゃあ…誰かが?」
美菜は顔を不安げにしかめた。
「充は殺されたっていうのか?」
武も眉間にしわを寄せて険しい表情をしている。
.
:07/12/13 02:55
:F902i
:☆☆☆
#85 [
]
.
「でもゲームと充の死は関係ないだろ。」
武はそう続けた。
「あ…あぁ。」
何なんだ、この言いしれぬ不安は。
「そのゲームやってみりゃわかるんじゃねぇの?」
.
:07/12/13 02:59
:F902i
:☆☆☆
#86 [
]
.
武は良平の手からひょいっとゲームを取るとセットし始めた。
「おいっ…」
良平に止める隙を与えず電源を入れる。
その時、ガチャッとドアの開く音がした。
.
:07/12/14 00:51
:F902i
:☆☆☆
#87 [
]
.
「ただいまー」
武の妹、奥山 幸(おくやま さち)が帰ってきた。
「あっ、友達来てたの?こんにちは〜」
幸はぺこりと頭を下げた。
.
:07/12/14 01:02
:F902i
:☆☆☆
#88 [
]
.
良平と美菜も軽く頭を下げる。
「今から大事なことするから部屋戻れよー」
武が幸をあしらう。
「大事なことってゲーム〜?」
幸はそう笑いながら部屋に戻っていった。
.
:07/12/15 17:47
:F902i
:☆☆☆
#89 [
]
.
「さ、やるか」
武はテレビに向き合う。
「本当にやるのか?」
「何だよびびってんのか?ただのゲームだろ。やらないんなら俺一人でやるぜ」
武の言葉に良平と美菜は渋々コントローラーを手に取った。
.
:07/12/15 17:50
:F902i
:☆☆☆
#90 [
]
:07/12/15 17:54
:F902i
:☆☆☆
#91 [
]
.
そして画面にはあの文章が─
『生け贄を差し出し給え
その聖なる血で不死の命を我が魂に
永久の美貌を我が亡骸に
悪霊よ降り立ち給え
世に暗雲が立ちこめるように
世界が私の手の内に落ちるように』
.
:07/12/15 18:04
:F902i
:☆☆☆
#92 [
]
.
「何かの呪文か?」
首を傾げる武。
「なんか怖いね…」
美菜が良平の傍に体を寄せる。
ぱっと画面が変わり、キャラクターを選択するのかと思いきや…
.
:07/12/15 18:10
:F902i
:☆☆☆
#93 [
]
.
キャラは既に決定されていた。
決定されたキャラは三人…
それも、三人とも今まさにゲームをプレイしている良平、美菜、武に似ていた。
.
:07/12/15 18:13
:F902i
:☆☆☆
#94 [
]
.
「あっ?このキャラ俺等に似てねぇ?」
「やだっやめてよ!」
美菜は武を睨んだ。
そして画面はすぐに切り替わった。
.
:07/12/15 18:23
:F902i
:☆☆☆
#95 [м
]
おもしろL1

がンばッてくださL1

:07/12/15 19:09
:F704i
:☆☆☆
#96 [
]
:07/12/15 19:53
:SH903i
:tfRmNL6w
#97 [水色
]
:07/12/15 20:17
:D903iTV
:wlat6F0k
#98 [
]
:07/12/15 21:34
:F902i
:☆☆☆
#99 [
]
.
薄暗い部屋の中に三人のプレイヤーはいた。
「誰かいる」
武が画面の中に人を見つけた。
コントローラーで動作を確認しながら近づいていく。
.
:07/12/15 21:41
:F902i
:☆☆☆
#100 [
]
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「なんだ死んでるのか」
武の見つけた「人」は首から血を流して死んでいた。
良平はじっとその画面を見つめて何かを思い出したかのようにはっと目を見開いた。
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:07/12/15 21:43
:F902i
:☆☆☆
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