-Castaway-
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#283 [◆vzApYZDoz6]
バニッシがハルキンに向き直る。

バニッシ「俺を…連れていってくれ」

ジェイト兄弟がにんまりと顔を見合わせる。
ハルキンが唇の端を持ち上げ、目を細めた。

ハルキン「乗った船からは降りられないぞ」
バニッシ「上等だ」
ハルキン「その意気、忘れるな。…お前は今日から俺達の仲間だ」

ハルキンが手を差し出す。
バニッシはほくそ笑んで、がっちりと握手を交わした。
その様子を見ていたバンは嬉しそうに笑い、咳払いをする。

バン「俺はここに残るよ」

バニッシが、バンに近付いた。

⏰:08/01/16 23:18 📱:P903i 🆔:QnaipzGw


#284 [◆vzApYZDoz6]
バニッシ「…そうだな、お前はやっぱりまだ小さい。父さん達にはよろしく言っておいてくれ」
バン「分かった。それから…」

バンが、1年前と同じように拳を突き出す。

バン「絶対にアリサ姉ちゃんを助けること!」

バニッシが拳を見つめて、小さく溜め息をついた。

バニッシ「お前に言われなくてもな…そのために出るんだよ。…約束だ」

バニッシが1年前と同じように拳をぶつけ、踵を返した。ハルキンが満足そうに笑う。

ハルキン「それじゃあ、行くとするか」
バニッシ「ああ…行こう」

見送るバンを尻目にバニッシが仲間と共に山を下りていく。
アリサとの誓いを胸に立てて―――

⏰:08/01/16 23:31 📱:P903i 🆔:QnaipzGw


#285 [◆vzApYZDoz6]


――――……

ウォルサー本拠、兵隊居住区3階の最奥の部屋。

内藤はゆっくりと煙草を吹かしながら、目を瞑って物思いに耽っていた。
アリサは暫く黙って見ていたが、少し遠慮がちに話を再開した。

アリサ「…母さんは、もうすぐ用済って事で殺されるわ♪多分、クルサちゃんも…♪」
内藤「……グラシアが、京介のスキルを支配したら…か」

内藤が、既に許容範囲を超えて吸殻が詰め込まれている携帯灰皿に、今しがた吸い終えた4本目の煙草を押し付ける。
携帯灰皿をしまい、座ったまま軽く前屈みになって、アリサを見上げるように視線を上げた。

⏰:08/01/16 23:47 📱:P903i 🆔:QnaipzGw


#286 [◆vzApYZDoz6]
内藤「…リッキーは、既に京介を『写した』んだな?」

内藤が顎に手を当てながら訊いた。

アリサ「そうよ♪…だから、早くしないと…」
内藤「その前にお前だ―――」

内藤がアリサの言葉を遮り、おもむろに立ち上がった。そのままアリサに近付いて、手足に縛られていた縄をほどいた。

内藤「―――待たせたな、アリサ」

4年越しの約束が、果たされる。
アリサは恥ずかしそうに、内藤の胸に顔を埋めた。

アリサ「…遅いんだから」
内藤「悪いな」

内藤が照れ臭そうに、アリサの頭を撫でつづけた。

⏰:08/01/18 11:40 📱:P903i 🆔:c7QlUVWo


#287 [我輩は匿名である]
あげます

⏰:08/01/18 14:38 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#288 [◆vzApYZDoz6]
>>287
あげどうもです
今から更新します^^

⏰:08/01/18 22:16 📱:P903i 🆔:c7QlUVWo


#289 [◆vzApYZDoz6]
>>286
内藤「…さてと、残りのパンデモの人間も助けないとな」

少しの沈黙のあと、自分の胸に顔を埋めるアリサの肩を掴んで引き離す。
2人ともベットに座ったまま向き合った。

アリサ「母さんはどこに捕まってるか分からないわ…♪でもクルサちゃんなら、グラシアの側にいるはずよ♪」内藤「そうか…」

内藤が少し思案する。
2階で見た地図には、牢屋等の類は中央要塞には見当たらなかった。
管制コントロール室に行けば監視カメラを使って分かるかもしれないが、位置的に遠い。

内藤「…先にクルサかな。お前はどうする?」
アリサ「あら、そんなの決まってるじゃない♪」

⏰:08/01/18 22:36 📱:P903i 🆔:c7QlUVWo


#290 [◆vzApYZDoz6]
アリサを勢いよく立ち上がり、拳を内藤に突き付けた。

アリサ「あたしをこんな話し方にしたグラシアを、ぶっ飛ばすのよ!♪」

自信満々に言うアリサを見て、内藤がニカッと歯を見せて立ち上がった。

内藤「よーし、なら行くか。多分浅香も一緒にいるはずだ」

2人が顔を見合せ、肩を並べて部屋を出、中央要塞の入口へ。
行き先は1つ。グラシアの待つ、敵陣の一番奥へ。

内藤「いざ、司令室―――4年前の借りを返しにな!」
アリサ「見てなさいよ、グラシア!♪」

パンデモの絆を取り戻すために、扉を開けて駆け出した。

⏰:08/01/18 22:49 📱:P903i 🆔:c7QlUVWo


#291 [◆vzApYZDoz6]
-ウォルサー基地外部・トンネル付近-

京介とラスダン、ハルキンとラスカ、内藤とアリサ、シーナとリーザに代わりハル兄弟。それぞれが中央要塞に突入した頃。

京介達が乗ってきた車の側で、ジェイト兄弟がバイクに跨がり要塞の様子を見ていた。
中央に聳え立つ要塞の前には、5機の2足歩行戦車が機能を停止して蹲っている。
対戦車隊の殿戦闘は、少し前に終わっていた。ジェイト兄弟は、次にどう動くかを思案していた。

弟「やっぱ行った方がいいんじゃない?」
兄「でもなぁ、行ったところで銃器は弾切れ、合体無しのソードはそんな強くないしな…」

⏰:08/01/18 23:06 📱:P903i 🆔:c7QlUVWo


#292 [◆vzApYZDoz6]
問題は武器。
ジェイト兄弟の武器は、殆んどが弟ジェイト・フラットが駆るジェイトドットに搭載されている。
搭載されている武器の内、銃器は対戦車バルカン、対歩兵マシンガン、ランチャーグレネード。その全ては弾薬がもう残っていない。
両刃剣ジェイトソードは、合体しなければバイクに乗って剣を振るのとたいして変わらないだろう。
そんな状態で援護に行ったところで役に立たないのは明白だったが、かといってこのまま何もせずにいる訳にもいかなかった。

兄「どうするかなー……あれ?」

項垂れる兄の視界が、遠くにいる人影を見つけた。

⏰:08/01/19 05:44 📱:P903i 🆔:YFlO93FE


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