-Castaway-
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#36 [主◆vzApYZDoz6]
京介「いってぇ…」
藍「ちょっと京ちゃんどうしたの?行ったと思ったらすぐ帰ってきて」
京介「いや、逃げるぞって言われて…」
言いかけたところで、地面の異変に気がついた。
自分と藍がいる場所を囲むように、ピンク色の光の筋が、円を描いている。
光の筋が京介達の周囲を360度回りきると、円の中の地面もピンク色に光りだし、京介達が全身光に包まれる。
光が消えると、京介達の姿は無くなった。
:07/12/16 15:44 :P903i :jBKYDY9A
#37 [主◆vzApYZDoz6]
内藤「よし成功」
アリサ「『ゲートキャバ』ねぇ…♪スキルを持ってないフリをするなんてセコいわね♪」
内藤「お前が持ってないと思い込んでいただけだろう」
内藤は京介達が消えたのを横目で確認し、向き合う。中指はピンク色の光を発している。
アリサ「結局計画は失敗ね…でもまぁ逃げた先はあなたの親元でしょう?♪」
内藤「さあな。…さてと、俺ものんびりしてられないから帰らせてもらうわ」
内藤は後ろへ跳んだ。
着地点は、京介達が消えた場所。
内藤が着地と同時に中指を地面に擦ると、地面が再び輝きだした。
同じように内藤を光が包む。
内藤「まぁ、次があればお互い本気でやろうじゃないか」
言い終わるか分からないうちに、内藤も消え去った。
:07/12/16 16:06 :P903i :jBKYDY9A
#38 [主◆vzApYZDoz6]
アリサ「ふふっ、行っちゃった♪」
アリサは手に持った携帯電話に右手をかざす。
右手をスライドさせると、光の剣が消えていった。
。
アリサが携帯電話をしまっていると、どこからともなく男が現れた。
アリサ「あら、今頃どうしたのよガリアス♪」
ガリアス、と呼ばれたその男が後頭部を掻いた。
外観は若い。下はジャージをはいて、上は丈の長いTシャツという、良く言えばラフな、悪く言えばやる気のない格好だ。
ガリアス「いや、モルディブで張ってたんだけどよ…まさかこんなところに現れるとは思わねぇしさ」
アリサ「そうねぇ♪…アサカ・アイだっけ?♪」
ガリアス「うーん、先に手をうつべきかな」
アリサ「あら、今日は随分やる気じゃない♪」
ガリアス「色々あったんだよ。俺はアサカの方をやるけど、お前はどうする?」
アリサ「騒動は多い方がいいんじゃない?♪」
ガリアス「お前は何だかんだでえげつねぇな…まぁ俺はもう行くわ。早いに越した事はないし、奴等の行き先なら見当がつく」
ガリアスは踵を返し、そのままレンガ道の先の闇へ消えていった。
アリサ「自分でやる気かしら?♪まぁいっか…帰りましょ♪」
アリサが再び携帯電話を取り出しボタンを操作すると、忽然と消え去った。
:07/12/17 01:12 :P903i :m2d30OU2
#39 [主◆vzApYZDoz6]
京介「今度はどこだよ…」
京介と藍は、またしても見知らぬ場所に出てウンザリしていた。
そこは荒野のようで、京介達はそこを縦断する道路の真ん中に立っていた。
例によってまわりに人影はない。が、道路の端に一台の車が停まっていた
藍「あそこに車があるけど」京介「いやっ、怪しさ満点だぜ」
と、急に京介のそばの地面が光りだす。
現れたのは内藤だった。
内藤「2人とも無事だな。今から俺んち行くぞ」
京介「内藤んちとか別に興味ねぇんだけど」
内藤「いいからついてこい」
内藤は車のドアを開け、エンジンキーを回す。
京介と藍が後部座席に乗り込んだのを確認し、発進させた。
:07/12/17 01:23 :P903i :m2d30OU2
#40 [主◆vzApYZDoz6]
道はずっと直線で、たまに勾配がついていた。
1時間ほど車を走らせていると、1軒の建造物が見えてきた。
内藤が家の前で車を止めて降りる。京介と藍もそれに倣った。
京介「なんつうか、ちっこい家だな」
京介が呟く。
確かに、家と言うには小さく、大きめの納屋、と言った方が近いかもしれない。
内藤「ま、別荘みたいなもんだな」
内藤が言いながらドアを開けた。
内藤「なっ…シーナ!リーザ!大丈夫か!」
内藤が慌て中に入ったのを見て、京介も中を覗いた。
中は1つの部屋になっていた。さっぱりして、特に物も無い。
が、中央に人が2人、横たわっていた。
:07/12/17 01:37 :P903i :m2d30OU2
#41 [主◆vzApYZDoz6]
藍「どうしたの?」
京介「あれ!人が倒れてる!」
京介と藍も駆け寄る。
倒れている2人は双子のようで、どちらも長い金髪の髪を束ねている。
意識はあるようだ。
内藤「大丈夫か!?誰にやられた?」
リーザ「う…ん、内藤…?」
シーナ「あなたが来たってことは、まさか…」
京介「なぁ、どうしたんだ?」
京介が内藤の前に身を乗り出したのを見て、2人が声を荒げる。
リーザ「こっちへ来ちゃ駄目!」
藍「きゃっ!!」
京介が驚いて後ろを振り返ると、ジャージをはいた男が藍を肩に抱き抱えていた。
ガリアス「まったく無用心だな、誘拐のし甲斐が無い」
京介「待ちやがれてめぇ!!」
ガリアスが素早く家から出ていった後を、京介が追う。
しかし、京介が家の外に出ても回りに誰もいなかった。
京介「あれ!?どこ行った?」ガリアス「ここだよー、カワカミ君」
辺りを見回していた京介の頭上から声がした。
京介が見上げると、そこにいたのはドラゴンに乗るガリアスだった。
ドラゴンの背中にはもう1人男が乗っている。
:07/12/17 01:59 :P903i :m2d30OU2
#42 [主◆vzApYZDoz6]
京介「おい!藍をどうする気だ!降りてこい!」
ガリアス「別にどうもしないよ、彼女が抵抗しなければね」
ガリアスの肩に抱かれている藍は暴れたりする様子もない。気絶させられたようだ。
ガリアス「まぁ、取り返したければ取り返しに来なよ」
そう言ってもう1人の男に目配せする。
男は頷き、京介を一瞥してから前を向く。
ドラゴンはそのまま空の彼方へ飛び去った。
京介が肩を落として振り返ると、ちょうど内藤がリーザとシーナに肩を貸しながら、家から出てきた。
内藤「おい、大丈夫だったか!?浅香は!?」
京介「連れていかれたよ…」
内藤「そうか…。だがそれなら行き先は見当がつく」
京介「本当か!?」
内藤「あぁ。藍が抵抗しなければ殺されたりはしないだろう。今はとりあえずこの2人を…」
突然、会話を遮るように、大きな電子音が乗ってきた車から鳴り響く。
内藤が車に近付いてドアを開け、無線機のような物を取り出しボタンを押した。
内藤「どうした?」
『今すぐホームへ戻ってきて!凄い数の襲撃が…!』内藤「何!?分かった、すぐに行く!!」
内藤は無線機を車に放り投げ、京介らの元へ駆け寄った。
京介「どうしたんだよ?」
内藤「説明してる暇はない、とにかく行くぞ!」
内藤が中指で地面を擦る。
京介・内藤・リーザ・シーナの4人がピンクの光に包まれた。
:07/12/17 02:20 :P903i :m2d30OU2
#43 [主◆vzApYZDoz6]
-バウンサー本部-
円筒状に縦に長い建物に、スキンヘッドの男達が無数の銃弾を浴びせている。
男達の後ろにはアリサが立っていた。
アリサ「んもぅ、鬱陶しい結界ねぇ♪みんな、どんどん撃っちゃってー♪」
アリサの声をバックに、スキンヘッドの男達が銃撃が更に激しさを増す。
「うーん、これじゃスティーブの散歩にも行けやしないな」
「何言ってんですか会長!この結界もあれだけの攻撃が続くと持ちませんし、早く手を打たないとヤバいですよ!」
その様子を中から見ている2人の男が、険しい顔で話をしていた。
(ハルキン、31歳。バウンサーのトップで、通称『会長』と呼ばれています)
(ラスダン、26歳。バウンサーの一員です)
:07/12/17 16:21 :P903i :m2d30OU2
#44 [主◆vzApYZDoz6]
ハルキン「いやまぁ分かってるんだけどねそれは」
ラスダン「ならばこちらも反撃するなりしないと…!ジェイト兄弟なら出撃準備が出来てますけど、出しますか?」
ハルキン「まぁ待て、ラスカが連絡してたから、そろそろ内藤が戻ってくるはずだ。敵はアリサの他にも何人かいるようだし、こちらの出撃も数が揃ってからだ」
ラスカ「あんたそれまで結界はってろって言うの?冗談じゃないわ、こっちだって辛いんだから!」
部屋の中央から1人の女が喋りかける。
(ラスカ、?歳。バウンサーの一員で、様々な結界を作るスキル『タレント』を持つレンサーです。)
ハルキン「ん?まぁ頑張れ」
ラスカ「まぁ、人の苦労も知らないで…!」
:07/12/17 16:26 :P903i :m2d30OU2
#45 [主◆vzApYZDoz6]
内藤「ハルキン、大丈夫か?」
ハルキン「おぉバニッシ、着いたか」
ピンクの円が光り、内藤達が現れた。
内藤「今は内藤だ。…しかし、まさかこのタイミングで仕掛けてくるとは…」
ハルキン「うーん、リーザとシーナをお前んとこで養生させたのは間違いだったか」
内藤「まぁ間に合ったし、今話していても仕方がない。敵の数は?」
ハルキン「既に『調査』はすんでいる。…ラスダン!」
OK、とラスダンが親指を立てる。
ラスダン「目ぼしい敵は、アリサ、ウィニー、ハル・レインとハル・ライン。ガリアスはいないみたいだよ。風船人形がやけに多いのが気になるけど…まぁ大丈夫じゃないかな」
内藤「4人か…風船人形がいる外じゃあやりづらいな」
ハルキン「そこはジェイトらに任せよう。出撃準備は出来てるんだろう?…そうだな、1階を使わせてやるか。ラスダン、伝えておいてくれ」
ラスダン「了解」
ラスダンが足早に部屋を出ていく。
ドアのそばにいた京介がどうしていいかあたふたしているのを見て、内藤が近付いた。
内藤「よし、身体強化スキルを渡しておくから、お前も1階へ行くんだ」
京介「あ、あぁ、分かった」
京介がラスダンの後を追って部屋を出ていった。
ハルキン「ラスカ、結界を頼むぞ。やることは分かってるな?」
ラスカ「はいはい…人使い荒いんだから」
内藤「よし、行くぞ」
ラスカが見守る中、内藤とハルキンが窓から飛び出した。
:07/12/17 17:02 :P903i :m2d30OU2
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