ダイスキ。

―‥その時‥―

いきなり拓海が茜を抱きしめて

「ちょースキ///」

と言って屋上から出て行った。

!!??

ほんの数秒のことだったので

頭の中は驚きでいっぱい。

しばらくして、ふと思った。

(拓海は言い逃げばっかだなぁ‥；)

一人で屋上にいるのは虚しいし、
教室でまた拓海に会うのも照れ臭い。

(帰ろー)

とりあえず帰ることにした。

(文化祭準備に入ってからマジいろんな事起こりすぎだよ‥；)

家に着くと、疲れていたのか‥

茜はすぐに寝てしまった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「はぁ‥謝るタイミングが‥」

帰りのホームルームの最中にぶつぶつ言っているのは和紀。

(せっかく昨日謝ろうって決心してたのに

朝はなんか走ってっちゃったし‥

謝るタイミングねー!!!)

心の中で考えていたはずが声に出ていたらしい

前田が後ろから突いてきた。

「どーした??お前マジきもい‥笑」

「ぇ!?あ;声に出てた??」

「自覚無しとかいよいよボケが」
「始まってねえよ笑」

「んで、本当にどした??」
「んーちょい茜と喧嘩(?)したんよ;」

「あぁ、あの茜ちゃん??」
「そうそうその茜。(他にどの茜がいんだよ;)

でさー‥ッッイテッ」

完璧に後ろを向いている俺の頭が何かに叩かれた。

ふりむくと担任の笹本が手に出席名簿をもってたっている。

多分その名簿で叩かれたな。

「お前らホームルーム中くらい聞けって；」

笹本が苦笑いを浮かべながら言った。

「へーい；すんませーん」
適当にあしらうと、笹本は諦めたのか、教壇へ戻った。

結局ボソボソと前田と喋ってるとホームルームは終わった。

「カズッ!!なんか面白い話??」

授業が終わり、文化祭準備のため女子がクラスに入ってくる。

皆がガヤガヤ騒いでる時、前田と和紀の元に仲倉刹(ﾅｶｸﾗｾﾂ)が走って来た。

前田「刹～聞いてやって??
和紀のチキンっぷり笑」

和紀「前田クンどーゆー意味かなぁ‥??」

刹「ははっ笑

まーとにかく話してみ??」
和紀は昨日の事、そして今日謝りたいということをほとんど話した。

普通に考えたらこんな事で相談とかありえないし

恥ずいけどこの時俺は必死。