校内戦争
最新 最初 全 
#105 [ふむ]
二人の目線を追うと、その正体が明らかになった。
―――――敵だ。
「ちぃっ…!」
恐らく一年であろう。
男子だけのようだ。
手には武器を持っていた。
特に目立つ武器は竹刀。
司は剣道場の荒れ様を思い出していた。
「女子は後ろへ下がれ!」
直ぐ様指示を出した。
ザッ…、と男子が前へ出る。
:08/01/02 21:38
:N900iS
:☆☆☆
#106 [ふむ]
「大変だなァ?ま、せいぜい頑張ってくれや」
後ろから短髪の声がする。
他の男子はすでに構えて司の指示を待っていた。
「頼む、手を貸してくれ」
敵に視線を送ったまま司が言った。
正直、このメンバーだけでも負ける気はしない。
ただ怪我を最低限減らすためにも数は多いに越したことはない。
「はっ、知るかよ」
嘲笑うかのように歩きだす音が耳に届いた。
「馬鹿め…」
呟くように低く言う。
言った時には、すでに足音は聞こえなかった。
:08/01/02 21:46
:N900iS
:☆☆☆
#107 [ふむ]
両軍は完全に対峙した。
どちらも動く気配はない。
最悪のタイミングに現われた敵に司は頭にきていた。
「どうする?」
同じく視線を敵に送りながら信一が訊いた。
「…逃げ場はない。さっきの四人が通った道は狭すぎて全員が逃げる前に叩かれちまう」
それを聞いた信一は深く溜め息をついた。
「やるしかないって訳ですか…」
「向こうが諦めてくれりゃいいんだが……どうやら、その気は無いらしい」
司の言葉が終わる頃には、敵はこちらに歩きだしていた。
:08/01/02 21:54
:N900iS
:☆☆☆
#108 [ふむ]
「いいか!負けた奴の骨は拾わねぇからな!!」
司は勢い良く言い放った。
士気を高めるためか、内容は変わったものだった。
「だが安心しろ!線香くらいは上げてやる!!やらなきゃやられる!!肝に命じとけ!!!」
信一と目があった。
笑っていた。
喧嘩の時が頭に巡る。
二人は頷き合った。
「テメェの血路はテメェで切り開け!!!」
ぴったり信一の声と重なった。
途端に辺りは気合いに満ち溢れた。
:08/01/02 22:03
:N900iS
:☆☆☆
#109 [ふむ]
両軍は中央で衝突した。
第一撃で負傷者が出た。
しかし片手であれば殴り倒し、武器があれば振り回し、両手をやられれば蹴り倒し…凄まじいものであった。
「くっ…そがぁぁあ!!!」
司の勢い良く振り下ろした金属バットが敵の後頭部に当たり、重い音とともに力なく地面に倒れた。
「はぁ…っ…はぁ…!っ…うらぁぁあ!!」
信一も負けじと金属バットを振り回す。
思い切り突きを繰り出して鳩尾(ミゾオチ)に当てると、よろめいた敵の顔に横薙の一撃を叩きこんで、一人倒した。
土煙が舞う乱闘の中で、勝機は三組に向きつつあった。
優勢になり始めたのだ。
:08/01/02 22:15
:N900iS
:☆☆☆
#110 [ふむ]
「ぐぅっ…!」
「がっ!」
「がはっ!」
ガスッ!ガスッ!ガスッ!という三つの低い音と立て続けに悲鳴が聞こえた。
三組の中でも司と信一は喧嘩が強い方だが、それを凌ぐ強者が現われたのだ。
「ぎゃあっ!」
どさり、とまた一人倒す。
無造作に転がった六人の屍の上に立ち尽くす修羅の如く一人の男。
―――神田であった。
ギロリ、と睨みを効かせると一年はびくりと怯んだ。
「ひぃ…っ!!」
「ひ、退け!退けぇ!!」
一年は散り散りになりながらも北館に引き返していった。
:08/01/02 22:23
:N900iS
:☆☆☆
#111 [ふむ]
「深追いするな!」
司の声に追撃は中止された。
「司…」
信一の言いたい事はわかっていた。
倒れている敵をどうするか、である。
「息のある奴も…放っておけ」
司の言葉に安心した表情を浮かべた。
「そのうち一年が引き返して助けに来るだろう」
:08/01/02 22:28
:N900iS
:☆☆☆
#112 [ふむ]
「怪我人は?」
信一に尋ねた。
「七人、傷だけだ」
信一の言葉にほっと胸を撫で下ろした。
骨折ならまだしも、傷だけなら軽いからだ。
「…死者は?」
司は真剣な表情で恐る恐る訊いた。
「いない」
司と目が合うとにいっ、と笑い信一は言葉を続ける。
「大勝利だな、大将!」
肩を叩きながら言った。
:08/01/02 22:34
:N900iS
:☆☆☆
#113 [ふむ]
「あぁ…」
司は複雑な表情を浮かべる。
「どうした?元気ねぇな?」
「まぁな…」
視線を倒れている一年に向ける。
「あぁ…」
その意味を察したのか、信一も表情を歪めた。
「理由はどうあれ、仕方ないにしても…俺たちは人を殺してしまった…」
:08/01/02 22:38
:N900iS
:☆☆☆
#114 [ふむ]
一人の一年に駆け寄って脈をとる。
腹部には刺し傷のようなものから流れ出ている鮮血がブレザーの下の白のワイシャツを紅に染めていた。
「脈は…?」
信一の問い掛けに司は首を振った。
「んな暗い顔すんなって!するなってのが無理かも知れねぇが…皆…同じ気持ちだ…。だから!リーダーの司が明るくしてくれねぇと俺たちもやりきれねぇよ!」
信一は肩に手を置いて精一杯笑顔を作った。
「ありがとよ…信一」
「よせよ水臭ぇ。友達だろ?」
:08/01/02 22:48
:N900iS
:☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194