校内戦争
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#148 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
見た限りでは、息のある者は見受けられなかった。

「司…こいつ、真吾だ…」

一人の遺体に近寄って、信一が悲痛な声をあげた。
見れば、一組の生徒であった。
無造作に横たわる変わり果てた友の姿に、一同は言葉を失った。

「相手は…三年か」

司は傍に朽ち果てている男の緑のラインが入った上履きを見て、判断した。
月城高校は学年別に上履きの色が違うのだ。
黙り込んで司たちが表情を歪めていると、男子集団の中から声が漏れた。

⏰:08/01/14 14:13 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#149 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「こいつ…一年だ…」

何処からか、呟くように聞こえてきた。
静まり返った空間の中では、その呟きは十分すぎるくらい辺りに響いた。
その言葉に、眉を歪めていた司の表情が一変した。

「そんな馬鹿な…!」

ありえない、といった様子で、ある一つの遺体に近寄る。

「こんな…馬鹿な事が…」
司の降ろす視線の先には、無惨にも首を掻き切られた男子生徒が横たわっていた。
すでに息はないその屍の足には、赤色のラインの入った上履きが履かれていた。
確かにそれは一年の物であった。

⏰:08/01/14 14:22 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#150 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「嘘だろ…まさか…」

「一体どうしたって言うんだ?司…」

愕然とする司に神田が近づく。
しばらく黙っていた司が、重々しく口を開いた。

「…最初に衝突し、三年を本気にさせたのは…何処の学年だ?」

「俺たち…二年だ」

「じゃあ…初めて死傷者を出したのは?」

「二年が一年を…」

「そうだ…つまり、一年と三年は二年に恨みがある。…俺たちは危険視されているんだ」

「そうか…三年は二年が自分たちに襲ってきた直後に、一年と二年が戦って一年に死者が出た情報が来た…二年を危険視するのも無理はない」

「一年は一年で二年に仲間が殺されたんだ…俺たちは要注意学年だろう…」

「それが…今後どう影響するんだ?」

「最悪の場合……俺たちは一・三年連合軍をまとめて相手をしなければならなくなる…」

⏰:08/01/14 14:47 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#151 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
二人の会話に、皆が黙り込んだ。
皆、理解し始めたのだ。
一ヶ所に三学年全てが集まるのは、皆無に等しい。
例えば、ここに仲の悪い三つの国があるとする。
そこで、二つの国が戦争を始めた。
すると残った一つの国は何をするだろうか?
もちろん、戦争を見ているのだ。
両国が潰し合って、弱った所を一気に叩く…そういう作戦をとるだろう。
しかし司たちのこの場には、三つの学年が集っている。
わざわざ『第三の国』が、両国の戦争に『自ら』参加したのだ。
考えられるのは一つ…
―――同盟であった。

⏰:08/01/14 14:56 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#152 [我輩は匿名である]
おもしろすぎ

⏰:08/01/16 02:53 📱:SH904i 🆔:WAFXAw6g


#153 [ちぃ]
ホンマおもろぃ
楽しみにしてるんで、頑張って下さい

⏰:08/01/16 15:49 📱:SH901iS 🆔:FLPyz/gE


#154 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
しばらく黙り込っていた司が、ふと我に返る。
死体を目前にして、嘔吐感が込み上げてきたのだ。
慌てた口調で指示を出した。

「い、生き残りの確認を!まだ中にいるかもしれない!慎重に入るぞ!」

呆然としていた一同も、司の一言ですぐに意識が戻った。
各自、武器を持ち直して家庭科室への扉に近寄った。
屍が嫌でも目に入る道を慎重な足取りで歩を進める。
一つ、二つと死体を乗り越え、扉に近づく。
かなり多数の者が、放心状態になっていた。
先程すでに死体を見た三組と違って、二組の人たちは初めての体験に現実が飲み込めていないのだ。
明らかに動揺していた。
司の言葉がなければ、いつまでも動いてはいなかっただろう。
今でさえ、ただ司の指示に従っているだけなのだ。
今ここで、『走れ』と言えば走るだろうし『帰るぞ』と言えば素直に帰るであろう。
自分の思考を持たない状況であった。

⏰:08/01/17 20:19 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#155 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
後方から、何人かの呻き声が聞こえる。
おそらく司と同じくして、激しい嘔吐感に襲われたのだろう。
昨日までは平凡な高校生だったのだから、無理はない。
現に司は今も視界が霞んで見えた。
一度見たからといって慣れるものではない。
再び司に激しい嘔吐感が込み上げてきた。

⏰:08/01/17 20:23 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#156 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「司…大丈夫か?顔色、悪いぞ」

司の蒼白の顔を見て、心配そうに覗き込む。

「…あぁ」

「そうなるのも…無理はないだろうけど」

「おまえは…」

ふらつく足を進めながら、司は腹から声を出して言葉を切る。

「…ん?」

「…おまえは平気そうだな」

⏰:08/01/17 20:27 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#157 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
それを聞いた信一はふっと鼻で笑った。

「平気な訳あるかよ…痩せ我慢だっての。…実際はぶっ倒れそうだ」

「そうか…痩せ我慢が出来るだけ、すごい」

「ぶっ倒れていいなら今すぐ、遠慮なく倒れるけどな」

にやりと歯を見せる信一に、司が静かに笑う。
足を止めれば、開いた家庭科室の扉があった。

⏰:08/01/17 20:31 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


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