校内戦争
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#172 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
その始終を見ていた者は、皆表情が曇った。
裕也の怯え方は尋常じゃなかった。
よほどひどい目に逢ったに違いない、と。
しばらく、沈黙が続いた。
裕也の啜り泣く声のみが、辺りに響いた。

「生き残りの…確認を」

重々しく口を開いた。
司の言葉に神田を含めた数人が教室内を捜索しだした。
司は裕也と信一を横目に見る。
だいぶ落ち着いてきたようだ。
その証拠に、信一と何度か言葉を交わしている。

「…大丈夫か?」

司が声を掛けると裕也の言葉に頷いていた信一が顔を上げた。

「何とかな…落ち着いてきたみたいだ」

「すまねぇ…な」

裕也がバツが悪そうに頭を下げた。

⏰:08/01/24 20:49 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#173 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
..続き
ってのが連続で見にくい!
ミスですね…
ともあれ休憩したらまた書きます。

⏰:08/01/24 20:50 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#174 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「あっちに二人…倒れてる。まだ、生きてるはずだ…」

裕也は信一に体を預けたまま、右手を上げ先程隠れていた机を差した。

「…残りは?」

信一の問いに裕也は眉を歪めると首を横に振った。

「そうか…」

「あいつら…いきなり現われて…」

裕也は思い出すように言うと、表情が強ばった。

「その時の事…詳しく聞かせてくれ」

司はその言葉に反応すると二人の近くに片膝を付いた。

「あぁ…」

裕也は深くため息を吐き、ぽつりぽつりと話し始めた。

⏰:08/01/24 21:40 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#175 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
二十分程前の事である。
丁度、司たちが野球部の部室から移動を始めた頃であった…

一組……裕也たちは家庭科室付近の廊下に待機していた。
家庭科室からは見えない、本館と南館を繋ぐ廊下であった。
実は、十分以上も前からここにいるのだ。
何故早く中に入らないのか。
それには理由があった。
閉めきられた扉の向こうである目的地、家庭科室にあった。

⏰:08/01/24 21:48 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#176 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
どうやら、先客がいるらしいのだ。
一年か、三年かはわからない。
どちらにせよ、最悪なことには変わりはなかった。
何にしても家庭科室には確かにいるのだ。
先程から、閉めきられた扉のスモークガラスにちらちらと黒い影が映っていた。
さらには耳を澄ませば話し声すら聞こえる。
どうするか…。
不意を突いて突入するか。
または諦めるか。
その二択で悩まされていた。
小声で議論を始めてから、かれこれ十分以上経っている。

⏰:08/01/24 21:55 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#177 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
これからどうするか、話し合いを始めた。
しかしこうしている間にも相手が出てきてしまうかも知れないのだ。
ゆっくりしている暇はない。
その焦りが、皆の思考回路を狂わせているのも事実であった。
お陰で、一向に話が進まない。
自分の意見を言って、実際にその通りに行動して全滅でもしたら…と、皆口をつぐんでいた。

「…突入しよう」

皆が右往左往している時、ようやくはっきりと意志を表示する者が現われた。

⏰:08/01/24 22:05 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#178 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
しかし、言ったは良いものの、意に反する者も出てきた。

「待て、よく考えろ。家庭科に先を越されたって事は、先にやつらに刃物類を取られたって事だ」

「確かに…このまま戦ったら確実にこちらの方が被害が大きいだろうな」

「司も無益な戦いは避けろって言ってたしな」

さらさらと反論を唱える。
しかし、ならば諦めるか、と言えば、否定派は言葉を詰まらせてしまった。
やはり下手に自分の意見が間違っていたら、と思うと意見を言えないのだ。

⏰:08/01/24 22:09 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#179 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
ここで戦えば被害が出る…最悪の場合は全滅だ。
しかし、戦わなければ戻った所で仲間たちに何を言われるかわからない。
負け犬、臆病者、と罵られるのか。
あるいは司なら「よく無事で帰ってきた」と笑顔で迎えてくれるかもしれない。

⏰:08/01/24 22:19 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#180 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
どちらにしても、戦わない方が良いに決まっている。
しかし自分の「諦めよう」の一言で戦わなかったとしよう。
仲間の所に戻って臆病者扱いされた時、その矛先は誰に向くだろうか?
もちろん、「諦めよう」と言いだした自分であろう。
自分の発言で助かったくせに、一組の連中は他の組に味方するかも知れない。
そうなれば自分は学年を追い出されるだろう。
それは野獣がうろつくジャングルに裸で放り出されたようなものだ。

⏰:08/01/24 22:20 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#181 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
それを考えると、自分の意見を言えないのだ。
しかし、どんなものであろうと、行動を起こさない者に女神は頬笑まない。
焦りから冷静さを失っていた彼らには、それを見極めることは出来なかった。
そして、最悪の出来事が起こった。

⏰:08/01/24 22:23 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


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