校内戦争
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#188 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「逃げろ!」
誰もが硬直状態にある時、不意に、誰かが叫んだ。
その言葉に、飛んでいた意識が戻ってくる。
同時に、底知れぬ恐怖心が駆り立てられた。
皆がわらわらと、蜘蛛の子の散ったように走りだした。
我先にと廊下を駆ける。
死にたくない、そう恐怖していた。
止まれば殺される。
今にも後ろから手が伸びてきて肩を掴まれるような、そんな感覚に陥っていた。
周りを見れば戦おうとする者はおらず、それが戦意を失わせ恐怖心を更に深くしていった。
:08/01/27 22:35
:N900iS
:☆☆☆
#189 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
戦意を喪失した者に残っているのは、逃げることであった。
仲間などに気を配っている暇はなかった。
とにかく逃げなければと、後ろから怒濤の如く押し寄せる足音から逃げるのに必死だった。
守らねばならぬ存在である女子でさえ、邪魔だと感じた。
一人追い越せば、そいつの死と引き換えに自分は死から遠退き助かる。
しかし一人追い越されれば死に近付き恐怖する。
『生』を巡って全力で駆けていた。
:08/01/27 22:44
:N900iS
:☆☆☆
#190 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
多数の足音と悲鳴が混沌する中を、裕也は走っていた。
不意に、前方を走っていた女子が転んだ。
巻き込まれるように二、三人が横倒しになる。
それを横目に見ながら、裕也はほくそ笑んだ。
俺のために死んでくれ。
無意識にそう思っていた。
生への執着心が生み出したその思考に、誰よりも裕也自身が驚いていた。
自分はこんな汚い人間だったのかと、葛藤した。
後方から響く足音に、はっと我に返る。
思考を吹き飛ばすように頭を振った。
裕也は倒れている集団の横を全力で駆けていった。
:08/01/27 22:55
:N900iS
:☆☆☆
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