校内戦争
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#61 [ふむ]
「急げ!」
階段の折り返し部分で司が叫ぶ。
その時だった。
「あっ…!」
「うおっ!?」
一人の男子が階段に躓いて転んだ。
それに躓いてまた一人転んでしまった。
また一人…合計4人が倒れた。
「何やってる!立て!!」
司が叫ぶもすでに階段の下に三年が来てしまった。
「くっ…万事休すか…!」
:08/01/01 23:08
:N900iS
:☆☆☆
#62 [ふむ]
三年が階段を上り始めた時であった。
「うぉおぉおおぉおぉぉおぉ!!!!!!」
鼓膜が震え耳が痛くなる程大音量の声と騒がしい足音と共に猪の如く現れたのは1・2組の男子連合軍であった。
その先頭には信一の姿があった。
「行くぞオラァ!!」
「ぶっ殺すぞゴラァ!!」
「生きて帰れっと思うなよカス共がぁ!!」
「三年上等じゃボケェ!!」
口々に気合いを入れつつ進軍してくる二年に三年は完全にびびっていた。
:08/01/01 23:18
:N900iS
:☆☆☆
#63 [ふむ]
「お、おいやべぇよ」
「しまった!誘きだして一気に叩く作戦だ!」
「逃げろ!殺されるぞ!」
「ひぃい…!!」
三年は蜘蛛の子のように散っていった。
司がほっとしたのも束の間、今にも三年に飛び掛かろうとしている集団の前に立ち静止させた。
:08/01/01 23:22
:N900iS
:☆☆☆
#64 [ふむ]
不満をもらす者もいたが、追撃する必要もなく引き上げる事となった。
「信一。俺さ『三年をひびらせるために人を集めて階段の上から騒げ』って言ったと思うんだけど」
「い、いや。なんかさ…その気にさせるために『喧嘩ふっかけてきた』とかある事ない事言ったら、いつのまにか本気に…」
「ま、終わり良ければ全て良しって言うけどよ。あれが一クラスじゃなくて他の三年も出てきたら戦わざるおえなかったな」
話ながら見れば、すでに廊下に人が集まっていた。
:08/01/01 23:28
:N900iS
:☆☆☆
#65 [ふむ]
「皆、話がある!とりあえず聞いてくれ!」
クラスで話した事を再び話した。
話し終えると皆納得しているようであった。
「実は俺たちはさっきの三年との衝突で、三年側に火を付けてしまったかも知れない!」
あれほど殺意剥き出しで向かってきた二年を見た三年は「あいつらは本気だ」と思っても仕方ないだろう。
「しかし誤解を解いてる暇はない!やらなければならない事がある!」
「まずは武器の調達だ!家庭科室に一組、刃物類を頼む!理科室に二組、使えそうな薬品を頼む!保健室に四組、薬品類を頼む!俺たち三組は野球部・剣道部部室に行く!」
:08/01/01 23:40
:N900iS
:☆☆☆
#66 [AOI]
すごくリアルで
ドキドキyしながら
読んでます!
頑張ってください!
:08/01/01 23:43
:W51SA
:MKPy7ewU
#67 [ふむ]
「武器の調達が終わったら集合だが、集合場所はここじゃない!誰もいない南館だ!ここは最上階という事もあって逃げ場がない!だから南館3階に集合してくれ!」
南館の方を左手で指しながら話す。
これで実質的に一年・二年・三年が北館・本館・南館に別れた訳だ。
「無益な戦いは避けろ!無駄な血は流すな!三年には特に注意しろ!必ず集団で動け!」
一度言葉を切り深呼吸すると続けた。
「最後に言うことは一つ…『生きろ』!!」
:08/01/01 23:47
:N900iS
:☆☆☆
#68 [ふむ]
「速やかに頼んだぞ!!…以上っ!!」
言い終えるとどこからか拍手が響いた。
一つ、また一つと拍手が大きくなっていく。
最後には盛大な拍手が鳴り響いていた。
「やっぱおまえただ者じゃねぇや」
信一が肘で司の脇を突く。
「何だよ、いきなり」
ははっと笑って照れ隠しする。
「別にぃー?さぁて、と。行きますか!大将?」
司たちは笑った。
いつものように笑った。
肩を組んで並んで歩きだした…
:08/01/01 23:55
:N900iS
:☆☆☆
#69 [ふむ]
>>66さん
そう言ってもらえると嬉しいです。
誤字脱字が多いですがよろしくお願いします。
:08/01/01 23:56
:N900iS
:☆☆☆
#70 [ふむ]
東京都鬼島邸。
書斎と思わしき部屋に彰一郎は座して大きなスクリーンを眺めていた。
傍らには黒いスーツ姿の坂下がいた。
赤茶色のスーツに身を包んでいる彰一郎は頬杖をつきながら食い入るようにスクリーンを睨んでいる。
:08/01/02 00:00
:N900iS
:☆☆☆
#71 [淫乱戦隊シルバーシウダー◆DQN////7IA]
わくわくします。
頑張ってください
:08/01/02 00:02
:V803T
:./0Qp9gA
#72 [ふむ]
《最後に言うことは一つ…『生きろ』!!》
スピーカーから声が流れる。
青年の声であった。
スクリーンには紺のブレザーを着た一人の青年が、同じ制服姿の男女に囲まれて拍手を貰っているところが映し出されていた。
「ふっ…」
睨むようにスクリーンを見ていた彰一郎が笑い声を洩らした。
:08/01/02 00:04
:N900iS
:☆☆☆
#73 [ふむ]
「ふははははは!!」
突然声を上げて笑いだす。
「聞いたか?坂下!!『生きろ』だと!?ふははは!いや愉快だ!!真に愉快だ!!」
「まだ誰も傷一つ負っておりませぬが…」
坂下が大変恐縮した様子で言う。
「あぁそうだ。それにしてもこの小僧は本当に楽しませてくれる。これからどうなるのか、楽しみだ…実に楽しみだ」
:08/01/02 00:11
:N900iS
:☆☆☆
#74 [ふむ]
>>71さん
駄文ですが頑張ります!
応援よろしくお願いします。
今日はそろそろ終わります。
:08/01/02 00:13
:N900iS
:☆☆☆
#75 [ふむ]
自サイトとの連携でやっているので更新が出来ない時があります
携帯小説ですらこんな駄文ですが小説家になりたいとか密かに願って頑張っています
そんな簡単な事じゃないですけど
:08/01/02 01:26
:N900iS
:☆☆☆
#76 [我輩は匿名である]
駄文なんかじゃないと思うよ
願って努力すれば立派な小説家になれるさ
:08/01/02 01:29
:P902i
:G0RlgUwY
#77 [ゆみ]
:08/01/02 08:23
:W43H
:9az/xWgk
#78 [ゆみ]
:08/01/02 08:25
:W43H
:9az/xWgk
#79 [ふむ]
>>76さん
やる気が芽生えてきました!ありがとうございます。
>>78さん
安価ありがとうです。
:08/01/02 11:51
:N900iS
:☆☆☆
#80 [ふむ]
「っしゃ!出来た!」
司たちは一度教室に戻り、出来る限りの武器を作り出した。
1・2・4組はすでに出かけたが、3組は別だった。
司たちは校舎内ではなく、外に出るからだ。
外に出れば目立つ、下手すれば襲われかねない。
それに今回は男子の留守中に女子がやられる、という最悪な状況にならないために女子も連れていく事になっているから、なおさらだ。
「よっ…と。こんなもんか」
箒を折って先端にハサミをガムテープで付けたり、
モップの布の部分を取って金属を剥き出しにしたり、さらにはガムテープに画鋲をいくつも付けてナックルのような物を作っている奴もいた。
:08/01/02 12:02
:N900iS
:☆☆☆
#81 [ふむ]
「司、これどうしたらいいかな?」
司の所にある男子生徒が駆け寄ってきた。
手にはカッターが握られていた、
「あー…カッターはな、刃が折れやすいから駄目だ。普通にナイフみたいに使うしかないと思うぜ?」
「おぉ、わかった」
「さて、そろそろ行くか」
時計を見れば、すでに午後3時30分を指していた。
あまり時間をかけるとまずい事になる。
他学年に心の準備、という猶予を与えてしまうからだ。
:08/01/02 12:08
:N900iS
:☆☆☆
#82 [ふむ]
「皆!必ずキャップを取ったボールペンをポケットに入れとけよ!」
そう注意を促すと、金属バットを片手に持ち扉を開けた。
「行くぞ!」
司の声に皆、気を引き締めた。
司たちは教室を出た。
辺りを警戒しながら3階へ下り、渡り廊下を渡って南館へ移動した。
そこから下へ下りて外に出るのだ。
遠回りになるが、一番安全なルートであった。
:08/01/02 12:15
:N900iS
:☆☆☆
#83 [ふむ]
「まず近い剣道場から行く」
外に出た3組一同は、目立たないよう日陰に身を潜めながら剣道場を目指した。
話をする者はおらず、多少強ばってはいるものの、皆真剣な表情であった。
「見えたぞ」
傍らにいる信一に呟いた。
:08/01/02 12:20
:N900iS
:☆☆☆
#84 [ふむ]
「まず俺と信一で様子見に行く。皆は待機だ」
振り返って普通の声で指示をだした。
「神田。おまえ確か剣道部部長だよな?鍵をくれ」
神田と呼ばれた体格の良い男子生徒が他の生徒を割って前に出る。
「気を付けて」
「わかってる」
「…待て。やっぱり俺も行こう」
「……」
「中に詳しい奴を連れていくんだ。…いいだろ?」
「…あぁ」
鍵を受け取ると三人は忍び足で剣道場に近づいていった。
:08/01/02 12:27
:N900iS
:☆☆☆
#85 [ふむ]
ガチャリ…、と低い金属音が響くと扉が開いた。
顔一つ分だけ開けて中の様子を確認する。
フローリングの床に太陽の光が当たっている。
中は物静かで、誰一人いなかった。
「…まぁ、普通は中を物色して丁寧に鍵までかけてく奴なんかいないよな」
ふぅ、と息を吐くと振り返って物陰で待機している仲間に合図を送った。
:08/01/02 12:33
:N900iS
:☆☆☆
#86 [ふむ]
全員を中に入れると鍵をかけた。
「よし、皆!中から手当たり次第使えそうな物を探してくれ!」
各自、行動に移った。
司は神田についていき部室に向かった。
「これは一体…!?」
部室のドアノブに手を掛けた時、神田の表情が凍った。
司が不審に思い覗き込む。
「どうした?これは…っまさか!!」
神田の出した手の先にドアノブは存在していなかった。
あるのは無数の傷跡。
嫌な予感がして勢い良く扉を開いた。
:08/01/02 12:42
:N900iS
:☆☆☆
#87 [ふむ]
開いた扉に当たり何かが勢い良く転がった。
―――ドアノブであった。
無残に破壊されたドアノブが地面に擦れ微かな金属音を出した。
しかし司たちはドアノブなどは見ていなかった。
「ち…っくしょ!」
司は眉を細め悲痛な声を上げた。
「おい、どうしたんだよ?」
様子がおかしい二人の元へ心配した信一が来た。
信一は二人の視線に促され、中を見るなり青ざめた。
「何だよ…これは…っ!?」
部室はひどく荒らされていた。
椅子が、置物が引っ繰り返され、衣類さえ引っ張り出されていた。
:08/01/02 12:53
:N900iS
:☆☆☆
#88 [ふむ]
恐らく竹刀が何本か立て掛けてあったであろう場所は跡形もなく消え去っていた。
「ちくしょう!!やられた!!!」
司は扉を拳で殴って怒りを顕にした。
その時、別の方向から声が響いた。
「司!裏口が壊されてる!」
それを聞いた司は自嘲気味に笑った。
「はっ…鍵をかける必要がない訳だ…まんまとしてやられた…先を越されちまった…」
:08/01/02 13:04
:N900iS
:☆☆☆
#89 [ふむ]
振り返って「引き上げだ!」と指示を出そうとした時、またもや別の声に遮られた。
見ると、別の部屋から出てきた男子の手に棒のような物が握られている。
「司ぁ!木刀があったぜ!」
朗報を耳にした司は驚いたように目を丸くした。
「ははっ…!あいつらめ…一番良い武器を忘れていきやがった」
男子生徒から木刀を受け取ると司は黙って神田に投げた。
「…司?」
「おまえのだ。下手な奴が持つより、経験者が持った方が良いだろ」
神田が何か言おうとしたが司がそれを遮った。
「引き上げだ!!」
:08/01/02 13:09
:N900iS
:☆☆☆
#90 [ふむ]
ぞろぞろと剣道場を後にしていく。
不意に神田が口を開いた。
「ありがとな」
「馬ー鹿。生き残るためだ。それより、期待してるぜ?」
神田は黙って鼻で笑った。
「おぉ、期待に答えられるよう頑張らさせていただきます」
調子良く言う神田に、はっ、と笑う。
「…馬ー鹿」
:08/01/02 13:17
:N900iS
:☆☆☆
#91 [ふむ]
皆が次々と日陰に入っていく。
歩きながら信一が口を開いた。
「どこの学年かな…剣道場を荒らしたのは」
目だけを信一に送り司が言う。
「さぁな…今は俺たちの影響で三年の方が行動が早そうだが、一年は館も違うから全く状況が掴めない状態だしな」
「…この木刀はな、先生のなんだ。だから違う部屋にあったんだよ」
それを聞くと二人はなるほど、と頷く。
日陰に入れば、すでに皆が待機していた。
:08/01/02 13:30
:N900iS
:☆☆☆
#92 [ふむ]
しゃがんでいる皆を一瞥して口を開く。
「次は野球部の部室に向かう。皆、さっきより気を引き締めろよ。見たと思うが、剣道場はすでに先を越されていた…つまり、奴らはまだこの辺にいる可能性があるんだ」
ぴくり、と皆の動きが止まった。
どうやら状況を理解してくれたようだ。
真剣な眼差しを司に向けている。
「よし…行くぞ」
司を始めとする3組は目立たないように最短ルートで向かった。
:08/01/02 14:23
:N900iS
:☆☆☆
#93 [淫乱戦隊シルバーシウダー◆DQN////7IA]
熱く続き希望
:08/01/02 16:21
:V803T
:./0Qp9gA
#94 [ハムたろ◆Ribon8P572]
すごいおもしろいですね
続き気になります
頑張ってくださいね
:08/01/02 17:11
:N902i
:☆☆☆
#95 [神様モドキ]
頑張って下さい。
:08/01/02 17:22
:912SH
:8INlFaHk
#96 [ふむ]
校舎の影から辺りを見渡す者がいた。
信一であった。
ここからは野球部の部室が伺える。
校舎から野球部の部室に行くには、どうしても広く開けた見渡しの良い場所を通るため、注意が必要だった。
男子23人女子17人を完全に隠す物など全く置いていないため、そこはとても目立ち敵に見つかりやすいのだ。
「敵影無し…っと」
一人ぼそりと呟くと信一は小走りで来た道を戻っていった。
「司、大丈夫だ」
「わかった」
信一の確認を待っていた司は頷くと立ち上がり、しゃがんだままの皆に良く聞こえるように話した。
:08/01/02 20:34
:N900iS
:☆☆☆
#97 [ふむ]
:08/01/02 20:36
:N900iS
:☆☆☆
#98 [ふむ]
「皆、わかってると思うが野球部の部室に行くには目立つ場所を通らなければならない。これはある意味とても危険だ。だから皆の迅速な行動が求められる…いいな?」
異論を唱える者はいなかったが、中には不満げな表情をした者も見え始めた。
司の事を良く思ってない人や、我儘な人、皆が認めたから流れで認めちゃっただけ…みたいな人、様々であった。
司は複雑な表情で溜め息を吐くと信一に向き直った。
「…行こう」
「あぁ、行こう」
目前に迫った部室にゆっくりとした足取りで向かっていった。
:08/01/02 20:46
:N900iS
:☆☆☆
#99 [ふむ]
部室の前まで来ると鍵がないため思い切り金属バットを振り下ろして窓を割った。
豪快な破壊音がすると司は中に侵入して内側から鍵を開けた。
「今回は間に合ったみたいだな」
司の傍らで神田が言った。
腰にはベルトの間に黒い木刀が一本、刺さっていた。
「あぁ…」
「どうした?」
木製バットや金属バットを運びだしているのを見守りながら神田が尋ねた。
「いや、皆の中に状況を飲み込めてない奴らがいてな」
「状況を飲み込めてない奴ら?」
理解出来なかったのか復唱していると、外から信一が司を呼んだ。
:08/01/02 20:54
:N900iS
:☆☆☆
#100 [ふむ]
「どうした?何かあったのか?」
司の声に外に出る。
訊くと、信一はバツが悪そうな表情で言った。
「それが…足んねぇんだよ、人数が」
その言葉に司はぴくりと眉を細める。
「何!?」
「何度数えても何人かいないんだ…」
信一がそう言い、捜すように辺りを見渡すと司は壁を蹴り上げた。
「ちっ…あいつらめ…!」
「どういう事だ?」
会話を聞いていた神田が問う。
「さっき言った…状況を理解してない自己中な奴らだよ…手間ぁかけさせやがって!」
:08/01/02 21:03
:N900iS
:☆☆☆
#101 [ふむ]
「おい、あれじゃないのか?」
話を聞いていた神田が突然言うと、司は素早く神田の視線の先に目をやる。
見れば四人の男子が悠々とした態度でこちらに向かってきていた。
「おまえら!何処に行っていた!?」
怒りを顕にする司に四人は悪びれた素振りもなく歩いてきた。
:08/01/02 21:08
:N900iS
:☆☆☆
#102 [ふむ]
「おい!聞いて…」
「うっせぇよ!」
四人の内の一人…短髪でいかにも不良みたいな奴が司の言葉を遮った。
「何!?」
「テメェよぉ、さっきから何な訳?威張った態度ばっか取りやがって…あぁ?」
「おまえ…この状況がわかって言ってるのか?これは喧嘩じゃないんだ…殺し合いなんだぞ?」
司は喧嘩腰の相手に退けをとらない強気な口調で言った。
:08/01/02 21:16
:N900iS
:☆☆☆
#103 [ふむ]
司が言った瞬間、四人は大声で笑い出した。
「んなもん自分らで何とかするわ!」
「誰がてめぇの力なんざ借りっかよ!」
「俺らぁ好きにやらせてもらうぜぇ」
言うだけ言って四人は再び歩きだした。
皆の横を通り過ぎていく。
「待て…!おいっ!死にたいのか!?」
「てめぇの世話になるくらいなら死んだ方がマシかもなぁ?」
司の言葉に耳を貸さず、ぎゃはは!と笑い飛ばしながら歩を進める。
:08/01/02 21:25
:N900iS
:☆☆☆
#104 [ふむ]
「くっ…!」
通り過ぎていく四人を見て司は唇を噛んだ。
その時、神田が口を開いた。
「司…」
猛獣を前にした時に横の仲間に問い掛けるような、とても小さな声だった。
「司…司っ!!」
怒鳴るように言うとさすがの司も異変を感じたのか、四人から神田へ視線を送る。
神田は目を細め正面をずっと見据えていた。
「こりゃあ…まずいぜ…」
続いて信一の声も聞こえた。
:08/01/02 21:33
:N900iS
:☆☆☆
#105 [ふむ]
二人の目線を追うと、その正体が明らかになった。
―――――敵だ。
「ちぃっ…!」
恐らく一年であろう。
男子だけのようだ。
手には武器を持っていた。
特に目立つ武器は竹刀。
司は剣道場の荒れ様を思い出していた。
「女子は後ろへ下がれ!」
直ぐ様指示を出した。
ザッ…、と男子が前へ出る。
:08/01/02 21:38
:N900iS
:☆☆☆
#106 [ふむ]
「大変だなァ?ま、せいぜい頑張ってくれや」
後ろから短髪の声がする。
他の男子はすでに構えて司の指示を待っていた。
「頼む、手を貸してくれ」
敵に視線を送ったまま司が言った。
正直、このメンバーだけでも負ける気はしない。
ただ怪我を最低限減らすためにも数は多いに越したことはない。
「はっ、知るかよ」
嘲笑うかのように歩きだす音が耳に届いた。
「馬鹿め…」
呟くように低く言う。
言った時には、すでに足音は聞こえなかった。
:08/01/02 21:46
:N900iS
:☆☆☆
#107 [ふむ]
両軍は完全に対峙した。
どちらも動く気配はない。
最悪のタイミングに現われた敵に司は頭にきていた。
「どうする?」
同じく視線を敵に送りながら信一が訊いた。
「…逃げ場はない。さっきの四人が通った道は狭すぎて全員が逃げる前に叩かれちまう」
それを聞いた信一は深く溜め息をついた。
「やるしかないって訳ですか…」
「向こうが諦めてくれりゃいいんだが……どうやら、その気は無いらしい」
司の言葉が終わる頃には、敵はこちらに歩きだしていた。
:08/01/02 21:54
:N900iS
:☆☆☆
#108 [ふむ]
「いいか!負けた奴の骨は拾わねぇからな!!」
司は勢い良く言い放った。
士気を高めるためか、内容は変わったものだった。
「だが安心しろ!線香くらいは上げてやる!!やらなきゃやられる!!肝に命じとけ!!!」
信一と目があった。
笑っていた。
喧嘩の時が頭に巡る。
二人は頷き合った。
「テメェの血路はテメェで切り開け!!!」
ぴったり信一の声と重なった。
途端に辺りは気合いに満ち溢れた。
:08/01/02 22:03
:N900iS
:☆☆☆
#109 [ふむ]
両軍は中央で衝突した。
第一撃で負傷者が出た。
しかし片手であれば殴り倒し、武器があれば振り回し、両手をやられれば蹴り倒し…凄まじいものであった。
「くっ…そがぁぁあ!!!」
司の勢い良く振り下ろした金属バットが敵の後頭部に当たり、重い音とともに力なく地面に倒れた。
「はぁ…っ…はぁ…!っ…うらぁぁあ!!」
信一も負けじと金属バットを振り回す。
思い切り突きを繰り出して鳩尾(ミゾオチ)に当てると、よろめいた敵の顔に横薙の一撃を叩きこんで、一人倒した。
土煙が舞う乱闘の中で、勝機は三組に向きつつあった。
優勢になり始めたのだ。
:08/01/02 22:15
:N900iS
:☆☆☆
#110 [ふむ]
「ぐぅっ…!」
「がっ!」
「がはっ!」
ガスッ!ガスッ!ガスッ!という三つの低い音と立て続けに悲鳴が聞こえた。
三組の中でも司と信一は喧嘩が強い方だが、それを凌ぐ強者が現われたのだ。
「ぎゃあっ!」
どさり、とまた一人倒す。
無造作に転がった六人の屍の上に立ち尽くす修羅の如く一人の男。
―――神田であった。
ギロリ、と睨みを効かせると一年はびくりと怯んだ。
「ひぃ…っ!!」
「ひ、退け!退けぇ!!」
一年は散り散りになりながらも北館に引き返していった。
:08/01/02 22:23
:N900iS
:☆☆☆
#111 [ふむ]
「深追いするな!」
司の声に追撃は中止された。
「司…」
信一の言いたい事はわかっていた。
倒れている敵をどうするか、である。
「息のある奴も…放っておけ」
司の言葉に安心した表情を浮かべた。
「そのうち一年が引き返して助けに来るだろう」
:08/01/02 22:28
:N900iS
:☆☆☆
#112 [ふむ]
「怪我人は?」
信一に尋ねた。
「七人、傷だけだ」
信一の言葉にほっと胸を撫で下ろした。
骨折ならまだしも、傷だけなら軽いからだ。
「…死者は?」
司は真剣な表情で恐る恐る訊いた。
「いない」
司と目が合うとにいっ、と笑い信一は言葉を続ける。
「大勝利だな、大将!」
肩を叩きながら言った。
:08/01/02 22:34
:N900iS
:☆☆☆
#113 [ふむ]
「あぁ…」
司は複雑な表情を浮かべる。
「どうした?元気ねぇな?」
「まぁな…」
視線を倒れている一年に向ける。
「あぁ…」
その意味を察したのか、信一も表情を歪めた。
「理由はどうあれ、仕方ないにしても…俺たちは人を殺してしまった…」
:08/01/02 22:38
:N900iS
:☆☆☆
#114 [ふむ]
一人の一年に駆け寄って脈をとる。
腹部には刺し傷のようなものから流れ出ている鮮血がブレザーの下の白のワイシャツを紅に染めていた。
「脈は…?」
信一の問い掛けに司は首を振った。
「んな暗い顔すんなって!するなってのが無理かも知れねぇが…皆…同じ気持ちだ…。だから!リーダーの司が明るくしてくれねぇと俺たちもやりきれねぇよ!」
信一は肩に手を置いて精一杯笑顔を作った。
「ありがとよ…信一」
「よせよ水臭ぇ。友達だろ?」
:08/01/02 22:48
:N900iS
:☆☆☆
#115 [我輩は匿名である]
面白いよ完結させてね
:08/01/02 22:58
:N902i
:fctmpf0U
#116 [ふむ]
>>115さん
頑張ります。
自分の持つ文才を絞りだします!
:08/01/02 23:17
:N900iS
:☆☆☆
#117 [ふむ]
「さ、締めを頼むぜ」
司は頬笑んで立ち上がった。
「引き上げるぞ!」
いつも通りの声で司が叫んだ。
この時、耳を澄ませば遠くの方から音が聞こえていた。
大勢の声に様々な音が。
しかし、誰一人としてそれに気付く事はなかった。
司たちはその場を後にした…。
:08/01/02 23:29
:N900iS
:☆☆☆
#118 [мェ]
:08/01/03 00:52
:SH903iTV
:☆☆☆
#119 [ふむ]
>>118さん
ありがとうございます。
まだ一日目ですが…
:08/01/04 10:58
:N900iS
:☆☆☆
#120 [極]
ハマりましたぁ咐~
:08/01/04 13:28
:W51S
:☆☆☆
#121 [ふむ]
時間がとれずにレスに返事をするのがやっと…
でも今日更新します!
:08/01/05 11:15
:N900iS
:☆☆☆
#122 [ふむ]
辺りを警戒しながらも、校舎内に戻っていった。
司たちは慎重な足取りで非常階段を上がっていた。
他学年との遭遇を避けるためだ。
今は怪我人も出ているため、正直他学年との接触は避けたかった。
「静かだな…」
ぽつりと信一が呟いた。
今までの学校とはまるで違って、確実に人がいるにも関わらず、誰一人いないかのように校舎内は静まり返っていた。
:08/01/05 20:40
:N900iS
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#123 [ふむ]
「あぁ…。やっぱり皆嫌なんだよ…殺し合いなんて…」
司の言葉に信一は先程の光景が頭に甦ってきた。
司を見れば、同じく思い出したのか、眉を歪めていた。
「待っていろ」
司の指示に一同がぴたりと止まった。
三階に到着したようだ。
司はゆっくりとドアに近づく。
:08/01/05 20:47
:N900iS
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#124 [ふむ]
素早く壁に張りつくと、頭だけを乗り出してガラス越しから内部を伺う。
しばらく真剣な目で様子を見ていたが、不意に、緊張した表情が消えるとガラスを何度かノックした。
「何してるんだ?」
司の行動に信一が独り言のように言うが、隣にいる神田はさあな、と首を傾げるのみだった。
しかし、興味ありげに見つめていた信一は、すぐにその行動の意味を理解した。
:08/01/05 20:54
:N900iS
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#125 [ふむ]
中側から誰かがドアに近づいてきたのだ。
一瞬敵かと思ったが、司の行動からして自ら呼んだように見えたので指示通り動かなかった。
見れば、二組の男子であった。
男子はドアに近づくと鍵を開けた。
「驚かせんなよ。敵かと思ったっつの」
男子は扉を開けながら言った。
「悪い悪い」
司は振り向いて皆に指示を出した。
皆が中に入っていく。
:08/01/05 21:00
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#126 [これって]
ばとろあのぱくり?
:08/01/05 21:04
:W51T
:mOHA.HYY
#127 [ふむ]
「何でまた非常階段なんかから…」
「怪我人が出てな。極力無益な戦いを避けたかったんだ」
「戦いになったのか!?」
「あぁ…」
司は表情を歪めた。
「…死者が出なくて良かった…それで、相手は?」
「一年」
淡々と言葉を連ねる司の両脇に信一と神田がやってきた。
:08/01/05 21:05
:N900iS
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#128 [ふむ]
「違ぇよ。相手に死者は出たのかって聞いてんだよ」
司の表情を見て聞きにくそうに言ったものの、結局は声を荒げた。
「…あぁ」
「そうか…辛かったろ」
「それより、おまえらは?」
これ以上思い出したくないのか、司は話題を変えた。
「死者・怪我人無し。任務無事達成だ」
:08/01/05 21:09
:N900iS
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#129 [ふむ]
「そうか…良かった」
司は安堵の表情を浮かべて胸を撫で下ろした。
「ただ…」
男子が頭を掻き困った表情を浮かべた。
「どうした?何か問題か?」
司は怪訝そうに眉を潜める。
「いや、それがさ…一組が遅ぇんだ」
その言葉に司は目を見開いた。
「何!?様子見は!?誰かに行かせたのか!?」
司は噛み付くように男子に言い寄った。
司の豹変ぶりに信一たちも驚いた。
:08/01/05 21:15
:N900iS
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#130 [ふむ]
「ま、まだだ…遅いからこうして待ってんたんだ…」
男子は司の勢いに圧され、ハの字に眉を下げながら言った。
「馬鹿野郎!!敵と遭遇したかも知れないって考えなかったのか!?」
司は舌打ちをして信一に向き直った。
「俺ら三組以外は武器を用意せずに出発した。敵と接触したら面倒な事になっているはずだ…。確か一組は家庭科室だな」
「あ、あぁ」
「三組男子に急いで出発準備をさせろ!」
信一は早急に皆がいる使われていない教室に駆け込んだ。
:08/01/05 21:22
:N900iS
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#131 [ふむ]
「悪かった…おまえが悪い訳じゃねぇのに怒鳴っちまって…」
司はバツが悪そうに男子に振り向いた。
「いや大丈夫だ…それより!俺らも連れていってくれよ!!ちょっとは戦力になるはずだ!」
男子は司に真剣な眼差しを向けた。
「…わかった。すぐに出る。急いで準備をさせてくれ」
男子は頷くと教室に駆け込んでいった。
:08/01/05 21:26
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#132 [ふむ]
>>126さん
ぱくりではないでしょう。
確かに似ているように感じますが、よく考えると同じ場所はほぼないはずです。
似ていると言えば主人公たちが高校生なだけです。
設定、舞台、形式ともにまったくのオリジナルです。
:08/01/05 21:32
:N900iS
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#133 [ふむ]
「司、収集できたぜ。指示さえあればいつでも出れる状態だ」
信一が教室から出て歩み寄ってきた。
「すまないな信一。あぁ、それとな、二組も連れていく事になったからバットを半分分けてやろう」
「わかった。四組は?」
「女子の護衛のために置いておこう」
司と信一は教室に入っていった。
司の後ろにいた神田は動かなかった。
窓に近寄り外を見る。
依然として軍人が学校を囲んでいた。
「…なんだ?さっきから胸騒ぎが…」
神田は司たちが戻るのを一人廊下で待っていた。
:08/01/05 22:23
:N900iS
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#134 [ふむ]
「司、急ごう!」
二・三組の男子が教室から列を成して出てくると神田は司の前に走り出た。
「あ、あぁ…」
神田の様子に疑問を感じながらも司は頷いて二・三組連合軍に向き直る。
「今から南館一階つきあたりの家庭科室に向かう!戦闘になるかも知れない!皆、心してかかれ!!」
司の声が響いた。
一同の眼の内に、覚悟の色が宿った。
「…行こう」
踵返した司は神田と信一を一瞥すると歩きだした。
:08/01/07 14:13
:N900iS
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#135 [ふむ]
「…どうした?」
心なしか、焦っているように見える神田に、司が目を光らせた。
早歩きにも、先に行こうとするスピードが見て取れる。
「…嫌な、予感がするんだ…すごく…嫌な予感が…」
司に目をやると、重々しく口を開いた。
「…その予感、当たる自信は?」
司は正面に向き直って歩を進める。
「ある」
「…こりゃあ…急いだ方がよさそうだな…」
司たち一行は、一段と歩調を早めて家庭科室を目指した。
:08/01/07 14:20
:N900iS
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