・・・ゆめみる魚・・・
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#454 [向日葵]
すぐそこで声がしたので、防衛本能と言うかなんと言うか……体が勝手に動いて、歩から距離を取る。
「アイツは性格わっるいよー?君の目の前にさ、こぉーんなにかっちょいい人がいるんだから、こっちにしなって。」
「ナルシストは大っ嫌い。」
「じゃあ君の友達に手出していいの?」
「ご好いに。」
その答えには、歩は驚いたらしい。
「友達なのに怪しい俺を差し出すの?」
:08/03/07 01:04
:SO903i
:☆☆☆
#455 [向日葵]
自分で怪しい自覚あるのかよ。
「別に私から見て怪しくても、多香子からしたら怪しくないかもしれないでしょ。」
多香子は無邪気に波が出ている場所まで行ってはしゃいでいる。
「……ふーん。やっぱ君いいね。」
「え?」
眉間にしわを寄せて睨んだ途端、腕を掴まれて顔を近付けてきた。
「のめりこみそう。松川が気にかける訳だよ。」
:08/03/07 01:07
:SO903i
:☆☆☆
#456 [向日葵]
イラついて、乱暴に腕を払う。
「気安く触んないで!」
その時だった。
「つぐみ!」
真の叫び声が聞こえたかと思えば、つぐみさんが走ってきて、波が出ている所まで直行して行った。
あぁ……話してしまったんだ……。
真は追いかける気力も削がれているのか、少し肩を落としてゆっくりとこちらへ来る。
私も歩から離れて、多香子の所へ行こうとした。
:08/03/07 01:11
:SO903i
:☆☆☆
#457 [向日葵]
しかしその必要はなかった。
何故なら多香子がこちらへ来たからだ。
「ねぇ、つぐみさんどうしたの?なんか悲しそうな顔してたけど。」
「さ……さぁ。」
曖昧な返事を返した時、どこからか誰かが叫んだ。
「おーい!!誰か溺れてるぞ!!」
その声に私達は弾かれたように振り向いた。
溺れていたのは、紛れもなくつぐみさんだったのだ。
:08/03/07 01:14
:SO903i
:☆☆☆
#458 [向日葵]
そして監視員より誰よりも早く助けに向かったのは…………
……………真だった。
泳いで、つぐみさんが溺れている所まで辿り着くと、必死に抱き締めてこちらまでまた戻ってきた。
お姫様だっこをされているつぐみさんはぐったりしていたけど、体には何も影響ないみたいだ。
「医務室に運ぶ。みかげ手伝え。」
「あ、私も行くよみかげ。」
:08/03/07 01:17
:SO903i
:☆☆☆
#459 [向日葵]
多香子と私は真について行き、歩は監視員の人に事情を説明する為残った。
私は医務室とプレートが飾ってあるドアを開けてあげた。
中には誰もいなかった。
「みかげ。つぐみの荷物持って来てやってくれ。今日はもう帰ろう。」
「うん……分かった。」
多香子と一緒にロッカーへ。
まず私達が着替えてから、つぐみさんの荷物をまとめ始めた。
まとめながら私はぼんやりと考えていた。
:08/03/07 01:21
:SO903i
:☆☆☆
#460 [向日葵]
つぐみさん……まさか自殺とか考えたんじゃないよね?
私の……せいなのかな……。
どうしよう……真は大丈夫って言ったし、私だって大丈夫と思ったけど……でも……。
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つぐみに全て話した。
みかげとの事、つぐみには入る隙間は無いと……。
つぐみは「そっか。」と笑って「じゃあしょうがないね。」と逃げるようにプールへと向かった。
悲しそうなあの顔で、プールに入っていいものか迷ったが、つぐみに対して過保護すぎな気がして、前にみかげが言った事を信じようと思った。
:08/03/07 01:26
:SO903i
:☆☆☆
#461 [向日葵]
先を見れば、視力が悪い俺だが、ぼんやりと榊がみかげに言い寄ってるのが見えた。
それにムカつきながら、少し滅入った気持ちでプールへ向かった。
色々考えながら、足を進めていたその時だった。
「誰かが溺れている」と叫んでいるのが聞こえた。
直感でつぐみだと判断して走る。
走って辿り着けばやっぱりつぐみだった。
とりあえず息をしてるみたいなので、急いで岸まで帰った。
:08/03/07 01:30
:SO903i
:☆☆☆
#462 [向日葵]
そして今の医務室だ。
つぐみは白い顔してベッドに横たわっている。
「……ん。」
ゆっくりと、つぐみが目を覚ます。
宙をさまよい、やっと俺に辿り着く。
「……松川君?……私、どうして……。」
「溺れてた。」
「あ……そっか……。足、つっちゃうんだもん。」
「準備運動しないで入ったからかな」と言って、つぐみは力なく笑った。
と思えば、その目は涙で濡れていった。
:08/03/07 01:33
:SO903i
:☆☆☆
#463 [向日葵]
「ご……めん……泣くつめりなかった……。知ってたもん……松川、君、みかげちゃん好きって……。」
腕で目元を隠しながら、つぐみは泣いた。
グスグスと鼻をすすり、鳴咽が漏れないように頑張っている。
「迷惑かけて、ごめん……。私、大丈夫だから……。昔の、私じゃ、ないから……。」
本当にそう思う。
つぐみは昔自分がした事に謝りなんかしなかった。
みかげが言った通り、つぐみは変わっていたのだ……。
:08/03/07 01:37
:SO903i
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