・・・ゆめみる魚・・・
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#591 [向日葵]
「昨日、結婚とか話しただろ?お前はどうであれ俺は本気だったんだ」
「え……」
「でも、まだ実感すら沸かないお前に、大人目線からの意見を無理矢理通すのは……って思って……」
つまりそれは……。
「でも結婚って言っちまったら、みかげとの結婚生活の事ばっかり想像しちまって……。だからその指輪が、いつか婚約、それで結婚指輪になる事を意識してくれたらって、思ったんだ」
珍しく、真の顔が少し赤くなっていた。
:08/03/17 01:19
:SO903i
:☆☆☆
#592 [向日葵]
そんな真に油断した私は、本音をポロリと出してしまう。
「私もしたい。真と、結婚したい……」
真はバッと顔を上げて、驚いてるのか目を見開いて私を見る。
「あのね……さっき夢みたの。真と、結婚する夢」
ベタで馬鹿馬鹿しいって思った。
あり得ない。自分はなんて夢を見てるんだって。
……でも。
夢から覚めた時のあのがっかりした感じは、きっと夢から覚めてしまったからだ。
:08/03/17 01:23
:SO903i
:☆☆☆
#593 [向日葵]
「子供もいたの。私達の子供。真は嬉しそうにその子を抱っこしてた。私、そんな温かい空気が嬉しかった。……ねえ真。大人目線なんて関係ない。」
だって好きな人と幸せの時間を共有出来る……これ以上の幸せはないでしょう?
「真が私を望んでくれるなら、私は喜んで真についていくよ」
「みかげ……」
私は自分から真の首に腕を巻き付ける。
こんなに誰かを愛しいと思った事があるだろうか……。
ううんこの感情は真だけしか味わった事がない。
:08/03/17 01:30
:SO903i
:☆☆☆
#594 [向日葵]
真は私を優しくきつく抱き締めてくれる。
それが2人の結婚の決意を固めてくれた。
少ししてから離れて、真は2つの指輪の小さい方を手に取った。
「みかげ、一生かけて幸せにする。結婚してくれますか?」
改めてプロポーズされれば、こそばゆいような、胸がキューっとなるようなそんな感覚がした。
「仕方ないから……してあげるよ。」
何故素直に「ハイ」と言えない私よ……。
:08/03/17 01:34
:SO903i
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#595 [向日葵]
そんな私を理解してくれてる真は、ハハッと笑って左薬指にその細い輪をはめる。
はめた瞬間、胸が高鳴った。
本物の結婚指輪でもないのに、もう結婚した気分になった。
「みかげ、ホラ、お前も俺にはめてよ。」
真は私より大きい指輪を私の掌に置くと、自らの左手を私に差し出した。
指先で、小刻に震えながらその輪を掴む。
「緊張……する……」
素直に感想を述べれば、真はまた笑った。
「変なの」
:08/03/17 01:40
:SO903i
:☆☆☆
#596 [向日葵]
ゆっくりと、でも確かに真の指に輪をはめる。
「……」
2人して、沈黙。
真は黙ったまま私の隣に座ると、肩を優しく抱いてくれた。
「夫婦?」
「んー、まだだな。だってこれペアリングだし」
それでも嬉しい。
2人で歩む未来が待っていると思ったら、早く卒業したくてたまらなかった。
私一体どうしちゃったんだろう……。
:08/03/17 01:51
:SO903i
:☆☆☆
#597 [向日葵]
「なぁみかげ」
「ん?」
「子供って女?男?」
なんかもう私のお腹にいるみたいな会話だ。
生まれてくるのが楽しみで仕方ないような……そんな感じ。
「夢では女だったよ」
「じゃあ嫁には行かせないね」
「いつの時代の言葉よ」
父親になった気分の真に笑ってしまう。
「あー!早く欲しい!」
:08/03/17 01:54
:SO903i
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#598 [向日葵]
「大丈夫よ」
未来は……すぐ側まで近づいてるから……。
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魚はいっしょうけんめいおよぎました。
みんなにあいたい。
はやくあいたい。
どこにいるの?
ぼくはここだよ。
ぼくわかった。
ゆめみるばかりがすべてじゃない。
げんじつのせかいで、たいせつななにかをみつけるのがだいじだって。
:08/03/17 01:57
:SO903i
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#599 [向日葵]
どれくらいおよいだかわからないくらい、魚はずっとおよぎつづけました。
するとどうでしょう。
だんだんとやみがきえ、いつものあおいうみへともどってきたではありませんか。
『みんなー!』
魚はさけびました。
へんじがかえってこなくても、なんどもなんどもさけびつづけました。
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あれから、ずっと変わらない日々を送っている。
:08/03/17 02:00
:SO903i
:☆☆☆
#600 [向日葵]
毎日毎日、買い物、料理、掃除……。
時間がすぎるのが早いくらい、あっという間に毎日が過ぎていく。
でも決して、刺激を求めて夢へ逃げたりしない。
ううん違う。
もう刺激なんかいらないの。
だってね……。
「ママー」
足元で声がしたので、私は下を向く。
そこには小さな宝物がいた。
「なに?ゆめ」
:08/03/17 02:03
:SO903i
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