・・・ゆめみる魚・・・
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#161 [向日葵]
別にそれでもいい。
「学校ってそんなに大事なの?私には分かんない。勉強しなくたって、なんとか生きていけるはずだもん。」
少しの計算と、少しの文字が読めればいいと思う。
学者を目指してる訳じゃないし。
なんで方程式やら書き手の気持ちやらを学ばなきゃならないんだか……。
「それはまだお前が夢と現実の狭間にいるからだよ。現実に戻って大人になれば、勉強する機会って無くなるんだよ。」
「いいご身分よね。」
:08/01/31 00:47
:SO903i
:☆☆☆
#162 [向日葵]
「でなくて。そうしたら勉強が恋しくなるんだよ。それに、学んで知識を得る事は悪い事じゃないぞ。」
それなら早く大人になりたい。
もう後は天命を待つだけになりたい。
楽に生きたい。
「教師の仕事は楽ちい?」
「あ、今噛んだろ。」
「揚げ足はいいから質問に答えてよ。」
真は「んー。」と唸った。
そもそも真は何故教師になろうと思ったんだろう。
:08/01/31 00:52
:SO903i
:☆☆☆
#163 [向日葵]
「地理は学生の頃から普通に好きだったからな。別に苦痛に感じた事はないよ。」
「ふーん……。」
「みかげは?好きな教科ないの?」
「昼休み。」
「教科じゃねえし!」
と真は大笑いした。
そんな真は初めてだったから、私はキョトンとしてしまった。
キョトンとしてしまうと同時に、真の顔を改めてマジマジと見る。
輪郭のラインが耳まで綺麗。
目は意外にも切長がで、二重だ。
:08/01/31 00:57
:SO903i
:☆☆☆
#164 [向日葵]
鼻筋は一般の人と同じくらい。
笑うといつもみたいな怪しげな雰囲気はなく、どちらかと言えば子供みたいに幼い。
真の子供の頃って、こんな感じだったのかな……。
するとひとしきり笑った真と目が合った。
私はぼんやり真をみつめる。
真は最初、余韻で口元にまだ笑みを残していたけど、段々と真顔になってきた。
その瞬間、奇妙な、不思議な現象が起こった。
体が、床に縫い止められたように動かなくなったのだ。
:08/01/31 01:01
:SO903i
:☆☆☆
#165 [向日葵]
時計のせわしない音。
道路を通りすぎる少しうるさいバイクの音。
他の家から聞こえる生活音。
静けさ独特の、耳鳴りのような音。
これだけ周りははっきりとしているのに、私達の間には、時間の流れが遅くなってしまった気がした。
目が合っている。
そう感じれば、真と私の目から、何か通じているような感覚に陥った。
電流のようなビリビリ感。
かと思えば、めまいのようにクラクラしたり。
:08/01/31 01:06
:SO903i
:☆☆☆
#166 [向日葵]
ふと、それでいて戸惑いがちに、真が私の頬に触れた。
「みかげ。」
囁くように甘く、何かを目覚めさせるように静かに、真は私の名前を呼んだ。
そこで私は体の感覚を取り戻す。
「風呂、入るわ……。」
服を持って、真の横を通り過ぎる。
脱衣所につけば、自分でも驚くほど真から慌てて離れていた事が分かった。
だって、あの時自分はおかしかった。
:08/01/31 01:11
:SO903i
:☆☆☆
#167 [向日葵]
名前を呼ばれた瞬間、足元から崩れそうで、しかもどうしてかその手の温かさに身をゆだねたいとすら思ってしまった。
そんな自分がなんだか危険な気がして、なんとか“自分”を取り戻した。
「私……。」
どうしてしまったのだろうか……。
唐突に、さっき見た夢を思い出した。
いつもなら夢なんて、起きた瞬間忘れてしまうものなのに、何故か鮮明に思い出す事が出来てしまった。
しかもそれは、私をさらに混乱させる。
:08/01/31 01:15
:SO903i
:☆☆☆
#168 [向日葵]
[お前は、俺の事好きになってんだよ。]
好き?
真が?
何故?
真は……確かに私が知っているような大人じゃなかった。
それに邪魔者扱いする事はなく、現実から離れていこうとする私を連れ戻そうとさえしてくれる。
根は悪魔で、自己中で、変態なのに、さりげなく、手を差しのべてくれる。
それがおせっかいから来る真本人の親切なのか、ペットを手なずげる手段なのかは分からない。
:08/01/31 01:21
:SO903i
:☆☆☆
#169 [向日葵]
「信じない……。」
夢はただの夢。
正夢とか、デジャブとかあるけど、そんな頻繁それらがあっていい訳がない。
夢は言わば、妄想の一種……。
へんな思いを振り払いながら、私は風呂に入る為服を脱ぎ始めた。
――――――……
上がったと真に声をかける為、リビングへと向かった。
「だから……無理だって……。」
:08/02/01 21:36
:SO903i
:☆☆☆
#170 [向日葵]
真の声だ。
と言うか、電話してる。
「そういう訳じゃないけど俺だって色々……。あぁ……わかったよ。じゃあまたな。」
と言って電話は終了。
「ん?おわっ!いたんなら声かけろやっ。」
「電話中だっつーのにどうやって声かけんのさ。それより風呂空いたよ。」
「あぁ……。」と、どこか上の空の真。
電話の相手はきっとあのお姉さんだ。
……そうだ。
:08/02/01 21:40
:SO903i
:☆☆☆
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