・・・ゆめみる魚・・・
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#181 [向日葵]
「別に。テスト勉強してたらこの頃遅くまで起きちゃってて……。だから寝不足なだけ。」
普段寝すぎなだけにテストさえちゃんとしとけば何も言わないだろう。
ちゃんとしたギブアンドテイクだ。
「そ。ならいいんだけど。そういえば、学祭どうする?」
テストが終わればすぐに学祭が始まる。
去年は展示で、和紙で作った色付きの花を教室中に飾った。
係が済んだその後は、ずっと屋上で寝そべってたっけ……。
:08/02/03 12:48
:SO903i
:☆☆☆
#182 [向日葵]
「何でもいい。出来たら展示がいいけど。」
「劇とかしたくない?なんか楽しそうだしさぁ。」
「劇……?そんなの勝手にやっててくれ。私は不参加決定だね。」
大体、学祭なんて何故しなくちゃならないのか。
普通に授業しといてくれれば心置きなく寝ていられるのに。
「でもクラスの子に聞いてみたら皆結構劇やりたがってるみたいよ。」
マジでか。
チャレンジャーだな皆さん。
:08/02/03 12:52
:SO903i
:☆☆☆
#183 [向日葵]
「それに、学校行事は出来るだけ出た方が内申にいいよー。アンタそれでなくても生活面に関しては決して良いとは言えないんだから。卒業云々よりも進級が難しくなるわよ。」
図星をつかれて軽く頬を膨らます。
冗談じゃない。
こんなトコ、早く抜け出したいのに、卒業出来ない上に1個下のガキと1年共に過ごすなんて……耐えられるかっ!!
「出るしかないかぁ……。」
:08/02/03 12:59
:SO903i
:☆☆☆
#184 [向日葵]
学祭は参加すると帰りが遅くなるから真がまたうるさいかもしれない。
そう思ったら、また前の出来事で頭が一杯になった。
別に遅くなってもいいか。
どうせアイツだって、お姉さんといやらしい事してんだし……。
もう抱き締めていいか聞かれたって絶対に抱き締めさせてなんかやらん!
と決意を固め、私はその日1日を終える。
次の日、予想だにしない人が、私を訪ねてくるとも知らずに……。
:08/02/04 00:00
:SO903i
:☆☆☆
#185 [向日葵]
そして問題の次の日。
私は見た事ある人物を、帰りがけ校門に発見した。
向こうも私に気づいたらしく、柔らかく笑って会釈した。
「こんにちわ。」
綺麗なその声は、紛れもなくあのお姉さんのものだった。
「あ、真……じゃない、松川ならまだ学校で……。」
「違うの。今日は、貴方とお話がしたいと思って。」
私は瞬きを繰り返す。
「私に……?」
:08/02/04 00:04
:SO903i
:☆☆☆
#186 [向日葵]
乗ってきたクリーム色の車に私を乗せて、お姉さんは近くの洒落た喫茶店に入った。
メニューを見るなり目が飛びそうになった。
紅茶1杯800円?!
お姉さん入る見せ間違ってんじゃないの?!
そんな私の心配をよそに、お姉さんは手慣れた様子で店員さんに「ダージリンで。」と言った。
「貴方は、何か決まった?」
「え……っ。じゃ、じゃあセイロン?を……。」
注文を聞いた店員は、店の奥へと入っていく。
:08/02/04 00:10
:SO903i
:☆☆☆
#187 [向日葵]
「改めまして。私、東堂(とうどう)つぐみって言います。」
「あ、みかげです。ってか、なんですか?私に用?って……。」
「貴方、松川君とはどういう間柄なの?」
「生徒兼居候です。」
お姉さんは首を少し傾げて「居候?」と聞き返した。
事情をかい詰まんではなすと、お姉さん、もとい、つぐみさんは納得いったように頷いた。
「何か質問はありますか?」
:08/02/04 00:15
:SO903i
:☆☆☆
#188 [向日葵]
「そう……。松川君は、やっぱり優しいのね。」
うっすら微笑んで、つぐみさんは呟いた。
え?優しい?
あのタラシスケベが?
私はとりあえずその疑問を彼方に放り投げて、分かりきった事をつぐみさんに聞いた。
「つぐみさんは、松川が好きなの?」
つぐみさんは困ったように笑いながら顔を赤らめた。
やっぱりそうなのだ。
「……でも、好きなのはいいけど、何度も連絡するのはどうかと思うよ。」
:08/02/04 00:19
:SO903i
:☆☆☆
#189 [向日葵]
口をついて出た言葉は、最早後戻り出来ないものだった。
我に返った私は内申冷や汗だらけだった。
それでもつぐみさんは、一瞬キョトンとしたものの、すぐに苦笑いをした。
「ダメね、私……。どうしても、癖でね、やってしまうの。」
「癖?」
それはまた大層な……。
「少し、昔話をさせてくれる?」
私は頷いた。
:08/02/04 00:23
:SO903i
:☆☆☆
#190 [向日葵]
「私ね、貴方と一緒で、両親がもういないの。10歳の頃かしらね。駆け落ちだった私の両親は、身よりがなかったから、私は両親の友達夫婦にお世話になってたの。」
つぐみさんは、友達夫婦に預けられて楽しく過ごしていたらしい。
でもやはり、家族でない引け目があって、心から馴染む事は出来なかったのだと言う。
それでも友達夫婦を無くせば自分にはそれこそ何も残らなくなってしまうから、必死になって、すがりついていたと言った。
「松川君はね、幼なじみなの。」
唐突に言うものだから、返事が曖昧になってしまった。
:08/02/04 00:29
:SO903i
:☆☆☆
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