・・・ゆめみる魚・・・
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#302 [向日葵]
『言ったでしょ。俺がいるからって。俺はずっとお前の側にいるよ、みかげ。』
すると真は、またお母さんになった。
『恐れて当たり前。現実は矛盾だらけだもの。でもね、信じてみるからこそ、意味が生まれてくるの。夢にばかり頼っては駄目。』
お母さんは私の両手を握って、おでこをコツンと当ててきた。
お母さんから、いい匂いがした気がした。
でもそれは、真がいつもつけてる香水のような気もした。
:08/02/16 00:55
:SO903i
:☆☆☆
#303 [向日葵]
『大丈夫。みかげはお母さんの子だもの。きっと解決出来るわ。』
優しく微笑まれると、泣きたくなった。
お母さん。
お母さん。
もう会う事ができないんだね。
その笑顔に会う事は、不可能なんだね。
歯を食い縛って、涙を我慢すると、左手に何か柔らかく包むものを感じた。
お母さんはいつの間にか仄かに柔らかく光ながら、私と距離を取っていた。
『ね。大丈夫。』
:08/02/16 01:00
:SO903i
:☆☆☆
#304 [向日葵]
すると、お母さんはフワリと消えてしまった。
不思議とさっきのような悲しみはなかった。
『側にいるよ。』
私は左手を包むものを見た。
どうやらその主が喋ったらしい。
それはいなくなったと思った、真のものだった。
いつになく、私を優しく見つめる。
私は心臓が跳ねるのではなく、安心したかのように穏やかな気持ちになれた。
そっか……。
側に、いてくれるか……。
:08/02/16 01:04
:SO903i
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#305 [向日葵]
じゃあ……大丈夫かな。
真が、現実に私を呼んでくれるんでしょう?
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ゆっくり目を開けると、見慣れた天井があった。
帰ってきた私は、ソファーに寝転び昼寝。
久々に長く寝た。
夢も見た……気がする。
サァー……と爽やかな風を感じた。
あれ?窓なんか開けたっけか?
視線を動かせば、夕暮れ時の空が見えた。
ベランダに出る窓が開いている。
:08/02/16 01:08
:SO903i
:☆☆☆
#306 [向日葵]
それと同時に何かの香りを感じ、視界に入るこげ茶色の髪があった。
私が寝ているソファーを背もたれに、真がいた。
座ったまま寝ているらしい。
ギシッと音を立てながら体を起こすと、真も目を覚ました。
「……ん。起きたか。」
「うん。お帰り。今日は早いんだね。」
:08/02/16 01:12
:SO903i
:☆☆☆
#307 [向日葵]
「この頃採点とかであんまり寝てなかったからなー。お前こそ、珍しいな。気持ちよさそうに寝てたぞ。」
なんでそんなに優しく、温かく微笑むんだろう。
心が満たされていく。
もっと欲しいと叫んでしまう。
胸が、いっぱいになる。
真を見ると、切なくなる……。
と思うと、涙が流れた。
止まる事を知らないように、ポタ……ポタ……と。
「みかげ……?恐い夢見たのか?」
:08/02/16 01:17
:SO903i
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#308 [向日葵]
首を振るので精一杯だった。
涙はまだ止まらない。
真が私に手を伸ばす。
目尻に指先を触れて、涙をすくう。
「な……っんか、分かんないけど……。」
分かる事は1つだけ。
「真が……好きだから、涙が出てくる。」
好きで好きで、どうしようもない。
真が言ってたのは、この事か……。
なんて、狂おしい刺激だろう。
:08/02/16 01:21
:SO903i
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#309 [向日葵]
私の発言に、真は嘲笑しなかった。
ただただ私を愛おしむように見つめている。
「ウン。知ってる。」
意地悪な口調で言っても分かる。
その言葉の感情の裏に、どれだけの柔らかな気持ちがこもっているか。
両手で顔を包まれると、真は私の目に口づけた。
おでこ、頬と順番に……。
そして自然に唇へ……。
首に感じた感触よりも、手に感じた熱よりも強い刺激を感じる。
:08/02/16 01:27
:SO903i
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#310 [向日葵]
ううん違う。
これはもう刺激じゃないんだ。
離れては触れて、離れては触れと、何度も重なる唇を感じながら、私は思った。
人はこれを刺激とは呼ばない。
そんな安っぽいものなんかじゃない。
これは……好きっていう恋する感情なんだ……。
心が……真を求めてやまない……。
:08/02/16 01:31
:SO903i
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#311 [向日葵]
8P・通じたものは
魚はゆめがみれなくてもいいとかんじました。
なかまがいるから、まいにちがたのしいのです。
「ぼく、ゆめをみるよりきみたちといたほうがたのしいよ。」
と、そのとき、1ひきの魚がいいました。
「たいへんだ!あらしがくるぞ!!」
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その日は、また真と一緒に寝た。
:08/02/16 01:36
:SO903i
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