・・・ゆめみる魚・・・
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#431 [向日葵]
他の人達に聞こえるかどうか際どい音量。
でもなんとなく皆が聞耳を立ててる気がしたから
「んな訳ない。」
と答えてしまった。
「榊君。あんまりみかげちゃんばっかりひっついてると、松川君が怒るわよ?」
クスクス笑いながら、つぐみさんが言った。
現に後ろにいる真が、さっきから怒っているのはオーラで分かる。
「って言うかお兄さん。みかげは私のですから!」
と多香子が私の腕に抱きついてきた。
:08/03/04 00:26
:SO903i
:☆☆☆
#432 [向日葵]
自分で言うのもなんだが……何だこの“私争奪戦”……。
「……で?どうするんだ?」
苛立ちながら真が言った。
皆で悩んだ結果、とりあえず普通にプールに入ろうと言う事に決まった。
皆が派手にプールへ飛び込む中、私は足をつけてパシャパシャ遊んでいた。
「みかげ?」
それに気付いた真が、私に近づく。
「いや、ちょっと水慣らし……。」
と言うのは嘘。
:08/03/04 00:29
:SO903i
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#433 [向日葵]
上着を脱げばある意味ブラそのもの。
一応女子な私は、少し脱ぐ事を躊躇っていたのだ。
「……真。あっち行ってて。」
「は?何で。……まさかお前、恥ずかしいの?水着。」
真は変な所鋭いから嫌だ。
恥じらってるって知られてしまった方がより一層恥ずかしい。
「いいからあっち!」
彼方に指を指して、真をどこかへとやる。
その間に、上着をそこら辺に置いて体を水につけた。
:08/03/04 00:33
:SO903i
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#434 [向日葵]
つめ……ったい……っ!
いくら夏間近とは言え、冷たかった。
しばらくその冷たさに耐えようと、体を震わせながら慣れるのを待つ。
「みかげー!潜水してどっちが息続くか競争しよー!」
多香子が声をかける頃には、ようやく慣れた。
多香子の声に反応した真は、少し離れた所で濡れた髪をかき上げてニヤリと笑っていた。
それを見て見ぬフリをする。
直視してしまえば、肌を露出して、水に濡れてるのも手伝って綺麗に見える真に見とれてしまいそうだった。
:08/03/04 00:38
:SO903i
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#435 [向日葵]
「みかげちゃん。指どうしたの?」
「へ?」
見てみれば、スッと赤い筋がある。
これはこの前グラスを落とした時に出来た傷だ。
大分治ってきたから、外してもいいだろうと思ってこの頃は絆創膏貼らなくなった。
「紙でいつの間にか切ってたみたいです。痛くないですよ。」
傷した時は痛かったけどー。
「前の金曜日も針でぶっすり刺してたもんねー。」
:08/03/04 01:21
:SO903i
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#436 [向日葵]
3分に1回は刺してるかもしれない多香子に言われたくないんだけど……。
すると、歩が私の手首を持って指先を見つめる。
「あー痛そー。消毒しようか?」
「傷口塞がってるから大丈夫。」
「ばい菌舐めちゃ駄目だよー?だからさ、消毒したげる。……俺の口で。」
は?
と思えば、私の指先を歩の口に入れようとした。
これにはびっくりして、手を振り払おうとするが、ビクともしない。
:08/03/04 01:25
:SO903i
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#437 [向日葵]
「やめろ。」
顔をわし掴みして、真が私と歩の間に割り込む。
「何、松川。みかげに惚れてんの?いつもの余裕っぷりがないじゃん。」
楽しそうに笑う歩。
余裕っぷり?
私にはあるに見えるんだけど。
むしろいつもの真なんだけど。
「嫌がってるのも分からないんじゃ、お前も落ちたな。」
火花がピシピシ見える。
ここ火気厳禁だよね。
:08/03/04 01:30
:SO903i
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#438 [向日葵]
「2人も!いきなりケンカしないでよ!仲良くっ!」
そう告げるつぐみさんに従う真と歩。
見つめれば、高校時代の少し幼い3人が重なった。
その頃は私は側にはいなくて、どこかの家にいながら夢を見続けていたんだろう。
私が知らない、真とつぐみさんの過去。
つぐみさんが前話した2人の過去は、それは辛いこっだっただろうけど、確かに小さな幸せはあっただろう。
:08/03/06 00:45
:SO903i
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#439 [向日葵]
胸の奥で、微かな疎外感を感じる。
……いけないなぁ、この頃ネガティブすぎる。
ネガティブすぎるのは……大切なものを得てしまったからだろうか……。
「――げ。…みかげったら!」
多香子の声にハッとする。
真達年上組は、少し先へ行って、多香子は数歩歩いた所で私がついて来ないことを察知したのか、立ち止まって私の方を向いていた。
「どうかした?他のアトラクション行くよ。」
多香子を通り過ぎて、見つめる先に真がいた。
:08/03/06 00:49
:SO903i
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#440 [向日葵]
少し不安そうにしている。
そうか。
真は今、2つの事を気にしなくてはならない。
1つは私、1つはつぐみさん。
ならば私は、一応彼女として、心配かけてはならないだろう。
少しでも、真が重くなってしまうような事はしたくない。
きっと真は、私よりもつぐみさんの方が心配だろうし……。
……あぁ、またネガティブな発想。
「なんでもない。ごめん。」
:08/03/06 00:52
:SO903i
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