・・・ゆめみる魚・・・
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#471 [向日葵]
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1人1人と、車から人が降りて行く。
「じゃあねみかげ!また明日!文化祭頑張ろうね!」
多香子はそう言って降りて行った。
残るは、つぐみさんただ1人。
「……真。」
「ん?」
「私を、家の前で下ろして……。」
「え?なんで。」
:08/03/09 01:44
:SO903i
:☆☆☆
#472 [向日葵]
私はそっと深呼吸する。
震えてしまいそうな声を必死に堪えた。
「明日、早いし……早く寝たいから。先、帰る。」
そう言えば、真は納得してくれた。
私の様子なんて一切気にせず。
いや違う。
気にしなくて当然なのだ。
私がそうなるよう仕掛けたのだから。
車が家についた。
「つぐみさん。今日はありがとうございました。」
「ううんこちらこそ。また遊んでね。」
つぐみさんは至って普通だった。むしろ元気すぎるほどで……。
:08/03/09 01:48
:SO903i
:☆☆☆
#473 [向日葵]
真の車が暗闇に向かって行く。
私はそれをずっと見ていた。
初めてだった。
真があんなに誰かに対して焦っているのを見たのは。
取り乱しているのを見たのは。
いつも、鼻で笑ったような顔をしたり、かと思えば愛しそうな目をして微笑んだり。
私はそんな真しか知らない。
もう車が行ってしまった方を見ながら、私は涙を流した。
:08/03/09 01:51
:SO903i
:☆☆☆
#474 [向日葵]
しんどい想いを、誰も分かってはくれない。
この辛い気持ちを、誰も受け止めてくれない。
結局私は、1人ぼっちになってしまったんだ。
もう塞がった筈の人差し指の傷が、一瞬ズキッと痛んだ気がした……。
――――――――……
「えーそれでは、生徒が羽目を外しすぎていないよう、先生方は見回りをお願いします。」
かったるいハゲ……じゃない教頭の話を聞いて、俺達教師は見回りを開始した。
:08/03/09 01:55
:SO903i
:☆☆☆
#475 [向日葵]
今日は文化祭。
羽目を外さない馬鹿がどこにいるんだか。
いや、みかげなら外さないか。
どう見たって文化祭とか率先してやるタイプじゃないし。
少し笑いながらみかげを思えば、アイツの様子が気になった。
普通なんだ。
態度が普通すぎて、不自然に感じる。溝を感じる。
昨日からおかしいと、薄々感じてはいた。
疲れた、と言うより、何か失望してしまった。
そんな感じがした。
:08/03/09 01:59
:SO903i
:☆☆☆
#476 [向日葵]
帰ってきたら、既に寝ていて起こしてまでどうしたか問う必要もない。
明日また聞けばいいかと、朝起きてきたら、もう既に行ってしまってた。
避けられている。
そんな気さえした。
廊下を歩けば、皆盛り上がって客を呼び込んだり、走り回ったりしていた。
「あ、まっつかわー!!」
呼び捨てにする無礼者は、メイド服の恰好をしたみかげの友人、増田多香子だった。
看板を抱えてこちらへやって来る。
:08/03/09 02:03
:SO903i
:☆☆☆
#477 [向日葵]
「“仮装部屋”でーす!どう!?似合うっしょ〜!?」
くるりと回る時に危うく看板が当たりそうになった。
さっと避けたのでなんとかセーフだった。
「メイドねー……。王道すぎて萌えすらしないな。」
「失礼な!あ、でもね、みかげみたらおっどろくよー!?めちゃくちゃ可愛いからっ。でももう見ちゃったか。」
見ちゃった?
見た覚えなんてないが……。
そんなに可愛いならば……俄然見たいっ。
:08/03/09 02:08
:SO903i
:☆☆☆
#478 [向日葵]
「どこにいんだよ。」
「は?いるじゃない。あそこ。」
回りを見渡すが、皆が皆、お化け屋敷だのメイドカフェだのやってるせいで分かる筈もない。
「分からん。」
「ったくしょうがないなぁー。みかげー!!」
反応したのは、大きめのリボンで髪の毛を結んだハイカラな恰好をした髪の長い女の子だった。
振り向けば、目を奪う程綺麗なその子は、明らかにみかげ本人だった。
:08/03/09 02:12
:SO903i
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#479 [向日葵]
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多香子に連れられて、嫌々ながら私は客寄せをしていた。
この恰好で歩けば、皆赤い顔をして私をジロジロ見たり、しまいには一緒に写真を撮ってくれとか言われて……。
はっきり言って外には出たくなかった。
それでもそれなりに頑張ってチラシを配っていると、多香子が私を呼んだ。
振り向けば、そこには真がいて、目が飛び出そうなほど驚いた。
「ホラ。あれ。」
多香子は指差しながら真に私を教える。
:08/03/09 02:15
:SO903i
:☆☆☆
#480 [向日葵]
「あれ。」……じゃねぇよ多香子。
アンタなんてことしてくれたよオイ。
真は驚いてるのか、目を少し見開いて私に寄って来る。
私はチラシを抱き締めながら、微妙に後退りしていった。
「な……何……。」
「これ……。あぁカツラ。」
「ウィッグと言えウィッグと。」
そう言って、人工的に長くした私の髪を手でもて遊ぶ。
:08/03/09 02:19
:SO903i
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