・・・ゆめみる魚・・・
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#501 [向日葵]
でもつぐみさんは違った。

眼鏡をかけてなくてもどこにいるか分かった。
私みたいに、あんなにあっさりした告白じゃなく、温かさある言葉の告白だった。

一目瞭然。

今私が逃げて、見つからなかったら、真は諦めて、「あぁ家に帰れば会えるか」そう思うに違いない。

私なんてその程度。

階段を下に降りて行く。

ねぇ真知らないでしょう。
私がどれだけ、真を必要としてるか。

⏰:08/03/10 02:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#502 [向日葵]
ダァン!と大きな音が聞こえたかと思うと、目の前に息を切らした真がいた。

「ハァ……み、見つけたぞ……みかげ……。」

「な……んで。屋上に向かう筈」

「だったさ。そ、その途中……、違う校舎からお前を見つけて、ハァ……イチかバチか先回りしたんだよ……。」

ゆっくりおぼつかない足取りで、後ろ向きに階段を上る。

そして全力疾走。

「あ!待てボケ!!鬼ごっこしたいんじゃねぇんだぞ!!」

⏰:08/03/10 02:06 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#503 [向日葵]
当たり前だろ!

ツッコミ入れたり走る元気はあれど、真と面と向かって話す元気はどこにも無かった。

真も後ろから追いかけてくる。
鬼の形相とは正しく今の真の事。

最悪な事に私は分かりにくい場所を探す為に人がいない校舎にいた。なので逃げ回っている校舎には人1人いない。

木を隠すなら森の中。
人を隠すなら人混みの中……なのだが残念ながら無理なんだよね。今現在。

つまり標的丸見え。

⏰:08/03/10 02:12 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#504 [向日葵]
「待ちやがれぇぇ!!24歳舐めんじゃねぇぞコラ!!」

「誰も何も言ってないわよこのストーカー!!」

と言いながらも体力の限界は近い。
もともと私は音痴ではないけど体力ないんたから。

そこで目に止まった女子トイレ。

逃げ込んで個室に入り、鍵を閉める。

「き……ハァ……きったねーぞ!反則!卑怯!」

「勝手に言っとけ!!ハァ……用も無いのに、アンタが、お……追いかけて来るからじゃん!!」

⏰:08/03/10 02:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#505 [向日葵]
「あのなぁ……っ俺は」

「お願いだから構わないで!今ちょっと……い、イライラしてんだよね。大丈夫!1人で頭冷やせば治るから!」

心を、気持ちを、かき乱されるのが嫌だった。

どうして私が。
どうして私に。

どうして。どうして。
どうして。どうして。

しーんとした。
足音も気配も感じなくなった。

真は行ってしまったのだろうか。

⏰:08/03/11 19:13 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#506 [向日葵]
ゆっくりと、ドアを開ける。

開ければ、入口にいただろう真は、やっぱりいなくなっていた。

自分から1人にしろと言ったくせに、鋭い痛みが胸を貫いた。

仕方なく、トイレから出る。

「かかったな。」

「――っっ!!」

入口から見えない位置に、真は潜んでいた。

私が逃げないように腕を大きな掌で掴む。

⏰:08/03/11 19:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#507 [向日葵]
「や……いやぁ!!」

「みかげ、頼むから話聞け!」

「1人にしてって言ってんじゃない!」

「今1人にして壊れそうな顔してたのはお前だろ!!」

叫ばれて、私は暴れるのを止めた。
図星をつかれたからだ。

普通にしなくちゃいけないのに、いざ本人を前にしてうろたえてる自分は何なのだろう。

そんな事も出来ない自分。
つぐみさんはやってのけたのに。

⏰:08/03/11 19:20 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#508 [向日葵]
こちらは子供。
あちらは大人。

だから?だからなの?
だから安々と騙す事が出来るの?
騙す事が悪い事だとも思わないの?

あぁこんな事思ってる時点で私は夢を見すぎているお子さまなんだ。

だから夢を見ていたのに。
大人にしてくれようとしたのは真なのに。

でもその真は私を……。

……考えるの止めよう。
どうどう巡りするだけだ。

⏰:08/03/11 19:24 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#509 [向日葵]
「真……もういいから……。」

「何が?そうやってまた逃げるのか?」

「……そうじゃない。」

「じゃあ何?」

逃げたいのに……真と言う足枷があるの。
中途半端すぎる今の自分は、どんなに強がっても頑張っても、見直すどころか、話にもならない。

「私……知ってるよ。真がつぐみさん好きって。」

「みかげ、それは」

「本当は真を信じてなかった。」

⏰:08/03/12 01:31 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#510 [向日葵]
ポロリと出てきた言葉に、真が驚く。

廊下の向こうで、誰かが来そうな気配がした。

「ずっと、不安だった。大切なものが出来る度、いつなくなるかって。でも信じてみようって思ってた。」

けど、信じても、信じようとしても、全ては拭いきれなかった。

それはやっぱり、真の心のどこかでつぐみさんがチラついていたからかもしれない。

いつ……真は私を見なくなるだろう……って。

⏰:08/03/12 01:35 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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