・・・ゆめみる魚・・・
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#511 [向日葵]
「……大丈夫。真の重荷にはならないよう気をつける。そういうの、慣れてるから平気だし。……今日は、多香子の家に泊ま」
「っざけんな!」
パァン!!と乾いた音が響く。
真は壁に思いっきり手をついて、私をその場に押し留める。
「不安?平気?重荷?……勝手に話進めてんじゃねぇよ。俺がいつお前をいらねぇっつって捨てたよ!!」
真がここまで怒ったのを初めて見た。
私は驚いて、怒りの炎が宿る真の目を見つめた。
:08/03/12 01:40
:SO903i
:☆☆☆
#512 [向日葵]
口を開いて、何か言わないとって思うのに、頭が一気に真っ白になってしまったせいで何も出てこず、ただ餌をねだる鯉みたいにパクパクするだけになってしまう。
「俺はいつだって言ってた。お前が欲しいとねだった!すがった!信じようとしないのは、お前がはなっから諦めてたからじゃないのか!?」
はなっから……諦めてた?
そんな事ない。
信じたくて、でも信じれなくしたのはいつだって…………真の方だった。
:08/03/12 01:45
:SO903i
:☆☆☆
#513 [向日葵]
人の気も知らないでと、真に負けないくらいの怒りを示す。
「じゃあ真は知ってる?まだごっこの頃の話だよ。私がどんな気持ちで、つぐみさんと会ってた真を待ってたか。」
事故に逢ってないか馬鹿みたいに心配して。
失ってから気づく大きな存在を、私は知ってる。
だから恐かった。
……なのに。
「「つぐみは精神力が弱いからそっとしなくちゃいけない。」みたいな事を言ったんだ。首に赤い痕つけて……。」
:08/03/12 01:49
:SO903i
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#514 [向日葵]
赤い痕をつけるのが簡単なのは身をもって分かった。
でもそれを断って傷つく程つぐみさんは本当に弱かったのだろうか。
つまりそれは、真がまだ揺れていた証拠なんだ。
ごっこと。
私に現実を見つめさせるからに自分は側にいると言った。
なのに当の自分は、私をそっちのけでつぐみさんに付きっきり。
そんな中でのあっさりした告白。
どうやって丸々信じると言えるだろうか。
:08/03/12 01:52
:SO903i
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#515 [向日葵]
真を睨みつけながら、興奮してか何か分からない涙を流した。
真は、壁に突っ張っていた手をゆるゆると下ろした。
「ねぇ真。私は分からない。恋愛のかけひきを知らない。でも分かる。私達、無理なんだよ。」
そこまで話して、生徒の笑い声が近づいてきている事に気づく。
「気にしないで。普通通りに過ごせばいいだけ……。」
真は目を見開いて私を見つめたままだった。
:08/03/12 01:57
:SO903i
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#516 [向日葵]
「じゃ……私行くから。」
足早に、そして駆け足で、その場を去る。
最後に小さな声で、私の名前を呟いた気がした。
しばらく行った所で、私は停止して、その場にズルズルとしゃがみこんだ。
スカートに滲んでいく、無数の滴達。
私の恋は、終わってしまったようだった……。
:08/03/12 02:00
:SO903i
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#517 [向日葵]
12P・行き詰まり
くろいやみのなかで、なにかうごいたきがしました。
『だ、だれかいるの?』
魚がたずねました。
『おやおや、こんなところでなにをしてるんだい?』
くらやみのなかの魚がききました。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ほんの少し。
掌で充分足りるくらいの気持ち。
:08/03/12 02:03
:SO903i
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#518 [向日葵]
少なくとも、それくらいの気持ちはあったと思う。
完璧に私を玩具としたことは、以前に比べて少なかっただろう。
それでも駄目だった。
私の気持ちだけが、1人歩きしていた。
真は、こちらなんか見ていなかったのに……。
「ねぇみかげ。本当に学校に泊まる気?」
明日の文化祭は一般公開がある為、今日より更なる準備が必要だった。
その為、皆遅くまで居残りしていたが、だんだんと数は減っていってた。
:08/03/12 02:07
:SO903i
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#519 [向日葵]
多香子の家に泊まると真に言った。いや、言いかけたけど、多分忘れてるだろうからもういいやと思った。
多香子が言った通り、私は今日、学校に泊まる事にした。
「家に今から帰ってもなんだかんだで寝るの遅いだろうからもういいし。」
文化祭、と言う事で、私達は特別な規則を今の期間だけ儲けている。
なので学校に寝泊まりするのは私だけではないだろう。
実際、明日劇をするクラスはラストスパートで泊まる人が多いらしい。
:08/03/12 02:12
:SO903i
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#520 [向日葵]
「そう?じゃ、気を付けてね?」
そう言って、多香子は帰って行った。
もちろんクラスには、私と同じように泊まる人がいた為1人ではない。
それでも私は、1人になりたかった。
全ての作業が終わって、皆が教室で寝静まる頃、私は屋上へと向かった。
夜中の校舎もなんのその。
「怖いよー。」などと脅える事はない。
ガチャリとドアを開ければ、そこは満天の星空だった。
:08/03/12 02:16
:SO903i
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