・・・ゆめみる魚・・・
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#53 [向日葵]
「どうりで朝一緒に来てると思ったら……偶然じゃなくてそういう訳だったの?」
「うん。まぁ。」
はっきり言って、ここでは松川と私は教師と生徒。
事情を話せば分からなくもないだろうが、1歩間違えればPTAが黙っちゃいないだろう。
今朝、奴が「心配してくれるの?」と聞いたのはそういう意味だ。
だがそんな事でも私にとってはスリルな出来事の1つでしかない。
先生と生徒と言うのがまたベタで楽しいじゃないか。
:08/01/11 15:36
:SO903i
:☆☆☆
#54 [向日葵]
「ま、そんな訳だから。」
「アンタそんな簡単に……。」
呆れる多香子をよそに、授業が始まるので席に着いた。
着いたところで、私は睡眠学習だけどね。
―――***―――
手に、花を持っていた。
純粋である事を象徴するかのような、真っ白い花。
何重も重なっている花びらを、見つめていた。
ただよう煙。
:08/01/11 15:40
:SO903i
:☆☆☆
#55 [向日葵]
線香……。
ふとそう思った。
『さぁ、みかげちゃん。それいれてあげて?』
入れる?
どこにと思っていると、少し離れた場所に木で出来た長細い箱があった。
あれの事か?
近づいていって、箱の前に立つ。
どうやら小さい私は、箱の中身は見えなかった。
すると、誰かが持ち上げてくれた。
中は……。
:08/01/11 15:44
:SO903i
:☆☆☆
#56 [向日葵]
眠っているかのような、お母さんとお父さんだった。
『―――っ!いやぁっ!!』
―――***―――
「……げ。みかげったら!!」
ハッとして、私は目を開けた。
目がパシャパシャする。
また泣いてるらしい。
「どうかした?随分泣いてるけど。」
机を見れば、いつも垂れているヨダレの代わりに、涙が水たまりとなっていた。
:08/01/11 15:47
:SO903i
:☆☆☆
#57 [向日葵]
これだけ泣いているにも関わらず、やっぱり夢は思い出せそうにもない。
1つ言える事は、今朝同様悲しい夢だったに違いない。
「……夢でめちゃくちゃ目が乾いてた。」
「どんな夢よそれっ!」
多香子はひと笑いして、「あ。」と何かを思い出して、身を屈めるとまた小さな声で私に言った。
「松川がアンタ起きたら来るようにって。何されるか分かんないからさっさと行ってきな。」
絶対馬鹿にされる。
確証があった。
:08/01/11 15:52
:SO903i
:☆☆☆
#58 [向日葵]
時計を見ると、もうすぐ次の授業が始まる。
「後でいい。アイツが何かする訳ないと思うし。」
興味ないと言ってたんだからそういう面では安全。
ただ嘲るような言葉の数々を浴びせてくるだけ。
……それって軽いイジメじゃないか。
とか思いながら、次の授業で寝る準備をする。
幸い、今度は悲しい夢を見なかった。
―――――……
「失礼しまーす。」
:08/01/11 15:55
:SO903i
:☆☆☆
#59 [向日葵]
結局、職員室へ来たのは昼休み。
起きるのは授業直前ばかりなので、通常の10分休みに顔を出す事は不可能だった。
「松川……先生。なんか用?」
いつもの様に本を読みふけってる松川に、なんとか“先生”をつけて尋ねる。
「あ、来たか。まぁちょっと来い。」
と連れて来られた、社会科準備室。
中は先生用の机がちょこんと置いてあって意外に狭い。
そして周りは地図やらなんやらがゴチャゴチャと……。
:08/01/11 16:00
:SO903i
:☆☆☆
#60 [向日葵]
とか思ってると、頭を鷲掴みされて松川の方へ向けられた。
にーっこりと笑って悪人オーラを出している今は、裏松川のおでましだ。
「お・ま・えさぁ〜。よく俺の授業で寝るよな。この俺のっ!」
「はぁ?まさかそんな教師らしい説教する為に呼んだの?私、昼休みは屋上で寝なきゃならないのに。」
「よく寝れるなお前。違う意味で尊敬するわ。」
呆れたため息を吐きながら、松川は先生用の机にあるイスに座った。
:08/01/11 16:04
:SO903i
:☆☆☆
#61 [向日葵]
「大体、お前の居眠りはある意味異常。眠り姫じゃあるまい。いい加減活動的になったらどうよ。若いんだし。」
「若い=活動的にっていうのは偏見だよ。世の中には色んな人間がいるんだからさぁー。」
って言うか……。
「若いからなんだってーのって……感じだけどね。」
若くして死んだ両親。
若くして両親を亡くした私。
若いから、若いのに。
そんな言葉、イヤってほど聞いてきた。
:08/01/11 16:08
:SO903i
:☆☆☆
#62 [向日葵]
ありきたりな、大人達の言動。
「暇だよね。大人も。「夢を見なさい」とか言うくせに、いざ非現実な事言ってたら「現実見ろ」って言うし……。アンタもそんなタイプ?」
だったら私のミスチョイスだ。
しょうもない奴らは興味ない。
私が求めるは、楽しさ故の快楽のみだ。
[そんなもの、さっさと捨てなさい。]
唐突に、昔誰かに言われた言葉を思い出した。
:08/01/11 16:12
:SO903i
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