・・・ゆめみる魚・・・
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#551 [向日葵]
真はまた真っ直ぐに私を見つめた。
今度ばかりは、ドキリとしない訳にはいかなくなった。

「心を込めて……なんて、言える筈ない。だって俺はつぐみが好きじゃない。なんとか心を込めて言えたのは、つぐみをお前だと思ったからだ。」

「そんなの……。」

「簡単な言い訳と思うだろうな。でもこの他に言う事なんかない。」

真はあくまで真剣だった。

嘘をついたり、欺いたりする人が、ここまで強い眼差しを向けるだろうか。

⏰:08/03/15 00:04 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#552 [向日葵]
「お前は分からないだろうが、お前の予想してる範疇を遥かに超えるほど俺はお前が欲しい。」

息が、詰まりそうになった。
「嘘だ。」と切り返したかった。
でも出来なかった。

強いその言葉は、私の考えてる事全てを奪い去ってしまったからだ。

「みかげ、信じて。俺はお前に側にいて欲しい。……これも信じられないのか?」

頭のどこかで、お母さんの声が聞こえた。

『彼、嘘つけないから……。』

⏰:08/03/15 00:08 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#553 [向日葵]
私は被っていた布団に顔を埋めた。

声を殺して泣く。

どれほど、願っただろう。

肉親、それ以上に、自分を求めてくれる存在を。
自分を見つめてくれる存在を。

寂しくて、くじけそうな自分を支えて欲しくて、現実から目を背けている自分を戻して欲しくて……。

初めてだった。

誰かに奪われるのが嫌だと思ったのは。

奪われたら、何かを取って行かれたみたいに心細くて、もう何もかもおしまいだと思った。

⏰:08/03/15 00:13 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#554 [向日葵]
もう進めない。
暗闇に閉ざされた世界に、一筋の光が差し込んでくる。

「みかげ……。やっぱり俺を信用出来ない?」

真の残念そうな声が頭上から聞こえる。

布団で顔を隠したまま、なんとか頭を上げる。

「ち……がう……。私も側にいたい……。真に側にいて欲し……。」

息が上手く出来なくて声が出せない。
それでも自分の想いを、真に、真の為に聞いて欲しくて一生懸命言葉を吐き出す。

⏰:08/03/15 00:17 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#555 [向日葵]
「不安だったのは……また大事な人が離れて行くと思って、それがすごい嫌で……でも真が幸せになるなら仕方ないって……。」

そう思った。
でも……。

「それでも……真が大好きで、諦めれなくて、こんな自分凄い嫌で……っ、真が私に呆れちゃうって……」

「分かった……っ!」

真は力強く、でも優しく私を抱き締めた。
すると詰まってた気持ちが一気に溢れて、情けないぐらい涙が流れた。

「……っ真……!」

⏰:08/03/15 00:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#556 [向日葵]
「分かったから……。」

「側に……側にいていい……?」

「いたい……。俺も側にいたい……。」

前よりも、もっともっと強い気持ち、真が私を求めているのがよく分かる。

力をぐっと入れられて抱き締められたかと思うと、真の両手が私の顔を包んだ。

「泣くな。」

涙で滲んで見えないけど、真が笑ってるのが声音で分かる。

真の唇が、おでこに触れる。

⏰:08/03/15 00:27 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#557 [向日葵]
と思えば、唇に触れた……。

「……、ちょ……っ、真……。」

思った以上に触れている時間が長くて、真を引き離す。

「何?」

「何じゃ、なくて……。」

泣いてるせいか、真のキスのせいか、顔が赤くなるのを感じる。

「触れたくて仕方なかった俺の気持ち、分かる?まだ足りないくらいなんだけど。」

真剣に言うもんだから、驚いてる隙にまた唇を重ねられる。

⏰:08/03/15 00:30 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#558 [向日葵]
頭が混乱して、ショートする前に、顔が離れた。

「や……やりす、ぎ……。」

また目に涙がたまる。
恥ずかしいやら、苦しいやら……。

「ハハ……可愛い。」

おでこをコツンと合わせて、微笑む真はとても幸せそうだった。

私の事で幸せになってくれるなら、私も嬉しい……。

そう思って、私も微笑んだ。
そうやって、私達は幸せを噛み締めながら、しばらく笑い合っていた。

⏰:08/03/15 00:35 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#559 [向日葵]
13P・ゆめみる未来

魚がおびえているのにきづいたくらやみの魚は、やさしく魚にいいました。

『こわがらなくていいんだよ。こまっているのだろう?』

魚はおもいきって、くらやみの魚にきいてみました。

『ともだちとはぐれてさみしいんだ。それにここはくらくてこわい。どうやったらみんなにあえるか、きみはわかるかい?』

するとくらやみの魚はいいました。

『あぁ。わかるとも。このやみにこわがらず、みんなに会いたいとねがって、泳いでいってごらん。』

⏰:08/03/15 01:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#560 [向日葵]
『うん。ありがとう!』

魚はそういって、およぎだしました。

みんなにあいたい。
そうつよく思って……。

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たかが17歳。
されど17歳。

まだ高校2年生。
もう高校2年生。

考え方はそれぞれだけど、いざ現実をつきつけられると悩まずにはいられなかった。

「進路希望調査の紙、明後日にはしっかり出すようになー。以上。かいさーん。」

⏰:08/03/15 01:08 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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