・・・ゆめみる魚・・・
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#564 [向日葵]
軽くため息をついた真は、ピンと何か閃いたのか、口元を笑みの形にして私がいるソファーに近づいてきた。
「どうせならさ……結婚する?」
「は……?」
「何もせずに家事するなら別に結婚しててもしなくても同じだろ?」
ナイスアイデアとでも思ってる真に、私はまたよくある冗談だと思って、高鳴る胸を無視して軽くあしらった。
「そうねー。いいかもねー。さ、冗談はさておき、風呂用意してくるわ。」
:08/03/15 01:25
:SO903i
:☆☆☆
#565 [向日葵]
私は風呂場へ向かう為、リビングをあとにした。
真が頭をポリポリかきながら呟く。
「……冗談じゃ……なかったんだけどなー……」
残念ながら、その呟きは私の耳には届かなかった。
――――――…………
「絶っっ対無理―――っ!!」
進路指導室へ向かう途中、進路希望調査の事で苛立った多香子が叫ぶ。
周りの人間は何事かと私達を見た。
:08/03/16 01:38
:SO903i
:☆☆☆
#566 [向日葵]
「なんで将来の事を明日までにとか限定するの!?将来なんだからもっとじっくり選ばせてよ!!」
確かに……。
でもそうやって先延ばしにすればするほど、将来がおぼろ気になってしまうから、今の内に漠然とでもいいから考えろと言う事だろう。
ただその将来をすぐに漠然とであろうがなんだろうが決めろと言うのは、いささか強引な気もする。
だから私達は進路指導室へ足をはこんでいる。
何かヒントを得る為に。
ドアを開ければ背筋を伸ばす気持ちになった。
:08/03/16 01:42
:SO903i
:☆☆☆
#567 [向日葵]
進路についての部屋なだけあって、中はピリピリしていた。
それでなくても、受験やらが間近の3年生がいるせいで、部屋は重苦しい空気を漂わせている。
「みかげはさ、何に興味持ってる?」
多香子が声をひそめながら私に聞いた。
「さぁ……。寝る事ぐらい」
「駄目じゃん。私はねー……アパレル関係か美容系かなって。」
「じゃあ専門か、短大?」
「そーだね。学校はまだ決められないけど」
なんだかんだ言いながら、多香子は自分の事をよく考えているらしい。
:08/03/16 01:47
:SO903i
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#568 [向日葵]
さて……私はどうしようか……。
空いてる席を見つけて、私と多香子は「将来を見つける本」と題名がついてる本を持って座った。
パラパラめくるが、これと言って興味をそそられるような職業はなかった。
「色々あるんだねー」
「こん中から見つけろってイジメ同然な気がする……」
そういえば……。
[結婚する?]
昨日の真の言葉を思い出す。
:08/03/16 01:52
:SO903i
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#569 [向日葵]
「ねぇ多香子」
「ん?」
「好きな人に、卒業したら結婚しようって言われたらどうする?」
「えぇっっ!?」
多香子が叫んだせいで、部屋にいた人達の怒りの視線が私達に集まった。
これはここでこんな話を持ち出した私が悪いだろう。
「まさか……松川に……?」
名前の所だけ、更に声が小さくなる。
:08/03/16 01:55
:SO903i
:☆☆☆
#570 [向日葵]
多香子は私と真がどのような関係かと言うのをもう理解している。
それは何故かと聞いたのは、文化祭が終わった次の日だった。
多香子がえらく私にもじもじしながら熱い視線をおくってくるものだから「何」と聞いたら……。
[んもう、みかげは本当水くさいんだからぁっ!どうして早く言ってくれなかったのよ!]
多香子は私達のたまり場であった準備室で真と喋ったらしい。
その時に真が言ったんだそうだ。
:08/03/16 02:01
:SO903i
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#571 [向日葵]
[俺はみかげを愛してる!って、松川がねー、言ったんだよ!だから私はピンと来たね!]
多香子の妄想が入り混じっているせいで真の言葉が脚色されているなんて知らない私は、机に突っ伏して顔から湯気が出た。
何言ってんだアイツ……っ!
この場合、恥ずかしさから来る怒りをぶつけるのは明らかに多香子なのだが、多香子からのものが全て真実と思ってる私は怒りの矛先を真へ向ける。
そして決定打は私が階段から落ちた時らしい。
:08/03/16 02:05
:SO903i
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#572 [向日葵]
私達のクラスに真が来て数秒後、私が落ちたと知らせに来た歩に詰め寄り、私の所まで全力疾走したらしい。
後夜祭が行われている時は、保健室で2人でいたから私と真の姿がなくて多香子は1人ニマニマしていたと興奮しながら言われた。
と、こんな感じだ。
「真は関係ない。ただ、どうするかなって」
本を意味もなくめくりながら、私は多香子に聞き続ける。
多香子は空(クウ)を見つめて考えている。
:08/03/16 02:21
:SO903i
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#573 [向日葵]
「進路が決まらないって理由で結婚するのだけは避けたいかな。やっぱりするなら、この人の支えになりたいと思いながらしたいし」
支え……ねぇ……。
[お前を求めてる……]
真は私を必要としてくれてる。
必要としてくれてるなら、側にいてあげたいし、いたいとも思う。
支えて、幸せに笑ってくれるならそれだけで嬉しい。
ならば私は、真と結婚してもいいのかもしれない。
:08/03/16 02:26
:SO903i
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