危ナイ兄弟愛ノカタチ:)BL
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#721 [東脂ヤ転
「誰が無愛想だって?」

見るとさっきまでパスタを作っていたはずの明さんが、凄い形相(ギョウソウ)でこっちを見ている。

どうやら圭吾さんの額を直撃したのは、明さんが使っていた人参の残りらしい。

「おーい、食べ物と圭吾は粗末にしたらアカンって習わんかったんかぁ〜?」

「お前のそのテンションは深夜に不向きなんだよ・・・って!抱きつくな!」

明さんは顔を真っ赤にさせて圭吾さんの腕から逃げようとしている。

俺の気のせいでなければ、最近2人の雰囲気がずいぶん穏やかになった気がする。

何というか・・・まるで恋人同士のようなじゃれあい方をしているのだ。

⏰:08/08/09 16:31 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#722 [匿名さん]
月花さん
第5話の安価お願いします

⏰:08/08/09 20:14 📱:D704i 🆔:4UUqsA/g


#723 [東脂ヤ転
我が輩サン★
どうぞ♪(^^)

第D話☆彡
>>585-655
>>656-714

第E話もよろしくお願いします!!m(u_u)m
あと出来ればコメントは感想版にお願いします(・ω・)

⏰:08/08/09 22:28 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#724 [東脂ヤ転
>>721
「おい義弟!」

「・・・へ?あぁはいッ!!」

考え事をしていたせいか突然明さんに呼ばれ、変な声をあげてしまった。

「その水とメニュー、早く運んで来いよ。いつまで客を待たせる気だ?」

「・・・スミマセン・・・」

相変わらず俺には厳しい明さんに軽く叱られた俺は、少しヘコミつつゆっくりお盆を持ち上げる。

「遅かったな」

カウンター越しに水とメニューをお客の前に置いていると、静兄が小さく俺に耳打ちした。

「ちょっと明さんに叱られてただけです〜」

俺はすねたような顔をすると嫌みっぽくそう言った。

⏰:08/08/10 12:30 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#725 [東脂ヤ転
「クスッ・・・やっぱりお前疲れてるんだよ。明日のこともあるし、今日は先に帰って良いよ。」

そう言うと、静兄は俺の背中を軽くさする。
静兄に触れられると何故か凄く安心する。
でも・・・。

「・・・・・・明日なんか、来なかったら良いのに」

俺は溜め息混じりに呟く。端(ハタ)から見たら俺の言葉の意味が分からないだろうが、静兄は困ったように笑うと俺の頭を優しく撫でた。

「鳴なら大丈夫だよ」

顔を上げると静兄はいつもの優しい笑顔を俺に向けてくれた。
俺はぎこちなく笑うと、静兄の手を小さく握ってその場を後にした。

⏰:08/08/10 21:57 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#726 [我輩は匿名である]
>>1-150
>>151-300
>>301-450
>>451-600
>>601-750
>>751-900
>>901-1000

⏰:08/08/10 23:18 📱:D903iTV 🆔:☆☆☆


#727 [東脂ヤ転
一週間前。
俺はある事を決意した。

「彩華ちゃんと・・・別れる?」

さすがの静兄も驚いたようにそう聞き返した。
俺は黙って頷く。

「このままズルズル付き合ってても、俺はもう彩華を友達としてしか見れないし・・・」

口に出してみて改めて実感する。俺はもう彩華を前のように見れていないんだ。
この現実はいつかきっと、

「一緒に居ても、彩華を傷付けるだけだから」

俺はそういうと少し俯いた。ずっと考えていたことだったとは言え、何度考え直しても答えは同じだった。

その度自分が酷く鬱陶しくて、何て俺は勝手なんだろうって自分を責めた。

⏰:08/08/11 12:50 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#728 [東脂ヤ転
そんな俺を黙って見つめながら静兄は俺の隣に腰を下ろす。
静兄のベッドは俺のよりもずっと大きくて、2人が腰かけてもまだ広く感じた。

「何でそのことを・・・わざわざ俺に言ったんだ?」


そう言われて突然俺は不安になり、チラッと静兄の表情(カオ)を見た。

静兄はいつもと変わらない微笑みを浮かべている。

⏰:08/08/11 17:09 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#729 [東脂ヤ転
「彩華と別れようとちゃんと考え出したのは、静兄の側にちゃんと居たいって思ったからで・・・だから、その・・・報告っていうか・・・」

言いたいことが上手くまとまらなくて、俺は途切れ途切れに想いを伝えようとする。

その間ずっと間近で静兄に見つめられているせいで、俺の顔はだんだん赤くなっていく。

「クスッ・・・鳴、赤くなり過ぎ」

「・・・ッ!!うるさ・・・んぁ・・・ッ!」

静兄に冗談っぽくそう言われて振り向いた瞬間、唐突に唇を重ねられた。

相変わらず奪うような静兄のキスは、俺の思考回路を惑わす甘さだ。

⏰:08/08/12 21:43 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#730 [智魅]
 
あげます(・∀・)!!
 

⏰:08/08/15 15:31 📱:W47T 🆔:9NqmIH5s


#731 [なみ]
あげテ

⏰:08/08/16 01:18 📱:W61T 🆔:6Z/nZa9U


#732 [なみ]
またまたあげエ

⏰:08/08/16 09:07 📱:W61T 🆔:6Z/nZa9U


#733 [東脂ヤ転
>>730-732
アゲありがとうございます!
***********>>729
「鳴・・・ごめんな?」

突然のキスを終えゆっくりと唇を離した静兄の口から出た言葉は、俺からしたら意外な言葉だった。


「何で静兄が謝るんだよ?」

俺は不思議そうに静兄の顔を覗き込む。
そんな俺を見て静兄はまた苦笑する。

「普通だったお前をおかしくさせたのは、俺だからだよ」

少し苦し気にそう言うと静兄は俺の手を握った。

⏰:08/08/17 00:44 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#734 [東脂ヤ転
「鳴は俺と違って、彩華ちゃんと普通に付き合ってたのにな」

手から伝わる静兄の体温が妙に切なくて、俺は思わず静兄を抱き締めた。

「俺は・・・静兄を好きになれて嬉しいんだよ・・・!!
それを"オカシイ"なんて言葉で片付けないで・・・」

俺から静兄を抱き締めるなんて、何かいつもと逆で不思議な感じがした。

それでも今はこうしないといけない気がしたんだ。

俺は静兄を好きになったことを後悔なんかしてないって、ちゃんと伝えなきゃだめだって身体が叫んだから。

⏰:08/08/17 10:43 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#735 [東脂ヤ転
「・・・クスッ・・・随分大胆な告白だな?」

静兄は小さく笑うとその腕を俺の腰に絡める。
見ると既にいつもの静兄に戻っていた。

「もしかして・・・またからかった?」

「おかげで、また可愛い鳴が見れたよ」

その台詞を聞くのと同時に俺は静兄に向かって、近くにあった枕を投げつけた。

「今どき枕投げか?」

「・・・〜ッ!!ウルサぁぁあい!!!!」

恥ずかしいやら何やら、グチャグチャの感情でいっぱいになった俺は無意味に枕を投げ続けた。

⏰:08/08/17 11:22 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#736 [まむ]
一話カラ…読まして、
もらぃましたァァ
頑張って、続けて下さい。

あげ
楽しみです。

⏰:08/08/17 19:47 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#737 [東脂ヤ転
>>まむサン(>ω<)ノシ
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3324/
***********「あれ・・・鳴さんもう上がり?」

突然後ろから声をかけられ俺は驚いて振り向く。見ると私服姿の瞬さんが立っていた。

どうやら俺は、更衣室で着替えながら考えごとにふけっていたらしい。

「うん、今日はもう帰る・・・って瞬さんは今から!?」

「"さん"付けじゃなくて良いって言ってるのに〜鳴さんの方が年上なんだからさぁ」

瞬さんは可笑しそうにそう言うとロッカーの鍵を開ける。
黒を基調とした私服の瞬さんは、男の俺でも見とれてしまう程綺麗だった。

⏰:08/08/17 21:36 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#738 [東脂ヤ転
>>まむサン(>ω<)ノシ

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3324/
***********
「あれ・・・鳴さんもう上がり?」

突然後ろから声をかけられ俺は驚いて振り向く。見ると私服姿の瞬さんが立っていた。
どうやら俺は、更衣室で着替えながら考えごとにふけっていたらしい。

「うん、今日はもう帰る・・・って瞬さんは今から!?」

「"さん"付けじゃなくて良いって言ってるのに〜鳴さんの方が年上なんだからさぁ」

瞬さんは可笑しそうにそう言うとロッカーの鍵を開ける。

⏰:08/08/17 21:38 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#739 [なみ]
あげテ

⏰:08/08/18 13:41 📱:W61T 🆔:5qiqjRHE


#740 [あい]
一気に読みました
めちゃおもろいっ
頑張ってください

⏰:08/08/19 11:23 📱:SH903iTV 🆔:rL7gXcKc


#741 [東脂ヤ転
>>なみサン&あいサン(>ω<)
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3324/
***********「じゃあ瞬さんも俺のこと呼び捨てで良いよ!
バイト上では俺の方が後輩だし」

俺は何気なくそう言うとすごい視線を感じて顔を上げる。
見ると瞬さんが何故か嬉しそうに俺を見つめていた。

「なんか呼び捨てで呼び合うのって・・・トモダチみたいで良いね」

瞬さんのその何とも言えない微笑みを見た瞬間、俺は何故か胸が軋んだ。

⏰:08/08/19 12:29 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#742 [東脂ヤ転
「じゃあこれからは"鳴"って呼ぶね」

瞬さんはそう言いながら着ていたシャツを脱ぎとる。俺はそれを何気なく見ていると、瞬さんの身体にいくつかの赤い痕があるのが見えた。

[もしかして・・・キスマーク!?]

そう思ったら急に顔が熱くなってきて思わず顔を逸らした。

瞬さんの白い肌にその赤い痕はとても目立って見えるのに、それをあまり隠そうともしない瞬さんが、俺には不思議に思えた。

⏰:08/08/19 12:56 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#743 [東脂ヤ転
「あ・・・」

「・・・へ!?」

その時突然、瞬さんが俺の方に振り返る。
一方の俺は、ジロジロ見ていたことを何か言われるのではないかと、ソワソワする。

「やっぱ・・・"鳴ちゃん"って呼ぶことにするよ」

瞬さんは俺をジッと見つめると、真剣な表情でそう言った。

「・・・・・・は?」

正直どっちでも良いことを大真面目に言う瞬さんを前に、俺は急に気が抜ける。

⏰:08/08/20 18:35 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#744 [なみ]
更新待ってます

⏰:08/08/21 09:42 📱:W61T 🆔:GBzFHeGY


#745 [我輩は匿名である]
頑張ってね

⏰:08/08/21 23:56 📱:P905i 🆔:☆☆☆


#746 [東脂ヤ転
>>743
「だって呼び捨てなんかにしたら、多分静さんに怒られるもんね〜」

瞬さんは少し口を尖らしてそう言うとまた無邪気に笑った。

こんなに近くで話してみて気付いたけれど、瞬さんはやっぱりかなりの美人さんだ。
黒毛交じりの金髪も白い肌も黒い瞳も、何故か一度見ると強烈な印象を与える。

[こんな人が近くに居て、よく静兄は欲情しないな…]

しなやかな瞬さんの手足を見ながら、俺はしみじみとそんな事を思った。

⏰:08/08/23 12:24 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#747 [東脂ヤ転
「鳴ちゃんは良いよなぁ
静さんに愛されてて」

その時、唐突過ぎる瞬さんの言葉に俺は不信な表情を浮かべた。
その俺を見つめる瞬さんの瞳は暗く、読み取ることが出来ない。

「俺もさ、誰かにちゃんと愛されてみたいな」

瞬さんはそう言うとロッカーの扉をそっと閉める。

「まぁその為には俺がまず、誰かをちゃんと愛さなきゃダメだよね…ッ!それじゃ、お疲れ様ぁ」

颯爽と部屋を出て行く瞬さんを俺はただ見つめることしか出来なかった。

瞬さんが抱えている"何か"が、俺にはまだ掴みきれていなくて。

⏰:08/08/23 21:38 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#748 [ゆぅ]
下がってたのであげときますッヾ(。・ω・。)ノ

⏰:08/08/26 12:32 📱:D705i 🆔:89ZRpxko


#749 [東脂ヤ転
>>747
「………身体、重…」

眠気を振り払うよう、だるさの残る身体を無理矢理起こした俺は、近くのカーテンをサッと引いた。

天気は曇り。今にも大雨が降ってきそうな空模様だ。

そんな空を見ながらふ、と初めて彩華を家に入れた日を思い出す。
その日も丁度こんな曇り空で、突然の雨に慌ててこの家に入れたんだった。

そしてその日は、俺が静兄を"好きだ"と気付いた日でもあった。

⏰:08/08/27 21:43 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#750 [東脂ヤ転
昨日はあれから瞬さんのことも気になったけれど、静兄に促されるまま俺は家に帰った。

久々に頑張って働いたせいか部屋に入った途端力が抜けて来て、そのまま倒れ込むように寝てしまったらしい。
目が覚めた時には日付が変わっていて、今に至る。

「ハァ…」

俺は窓を開けて小さな溜め息をついた。
生暖かい風が俺の頬を撫でる。

こんな時俺は時間の流れの速さを痛感する。
彩華に本当の気持ちを伝えよう、と決めたのは随分前のことなのにそれから流れた時間は驚く程、残酷な程速かった。

⏰:08/08/28 10:27 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#751 [かえで]
 
あげます∩^ω^∩
 

⏰:08/08/30 16:27 📱:W47T 🆔:SJQ60GDg


#752 [東脂ヤ転
かえでサン★(^ω^)ノシ☆
***********「……鳴?」

窓縁にもたれかかっていると、小さなノック音と一緒に静兄の呼ぶ声がした。

「はーい、どうぞ」

俺はその声に応えるとまた空を見上げる。
ガチャッという音と共に、静兄が部屋に入る音が聞こえた。

「空に…」

静兄が小さく呟きながら後ろから俺を引き寄せる。

「何か見えるの?」

耳元で囁かれただけなのに俺の胸は早鐘を打ち始める。

「こんな曇り空じゃさ、何にも見えないよ」

首元の静兄の腕を掴みながら俺は溜め息をつく。

⏰:08/08/30 20:30 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#753 [東脂ヤ転
ふと時計に目をやるとまだ朝の7時。

静兄は部屋着に着替えているものの、まだ一睡もしていないように見える。

「静兄…寝なくて良いの?」

俺は上を見上げるようなカタチで、静兄を見つめる。

「鳴が学校に行くまで、起きてるから」

俺の頬にかかった髪を払いながら静兄は笑った。どこから見ても綺麗なその面立ちは、俺をいつも不安にさせる。

「眠くないの?」

少し視線を逸らしてそう言うと、静兄はごく自然に上から軽くキスをした。

「…一緒に、寝てくれるの?」

意地悪っぽく笑う静兄はそう言うと、俺の額に口づける。

⏰:08/09/02 00:24 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#754 [ひこ]
メッチャ面白い(´∀`)
主サンファイトです!

⏰:08/09/02 07:38 📱:SO903iTV 🆔:☆☆☆


#755 [東脂ヤ転
ひこCサン★(o>v<)ノシ☆
***********「…ッ!!
ぜってぇー寝ない!!」

またからかわれたのが恥ずかしかったのと、突然のキスに戸惑って俺は頬を紅潮させる。

そんな俺を見ながら静兄はまた楽し気に微笑む。

「クスッ…朝食出来てるから一緒に食べよ」

静兄は俺の髪をなでると先に部屋を出た。
俺はこの笑顔に弱い。
静兄の笑顔を見ると何でも許してしまいそうになる。

これがきっと本当に好きだってことなんだろう。

⏰:08/09/02 08:46 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#756 [東脂ヤ転
階段を降りるとコーヒーの良い香りがする。

この家に来る前まで朝食は和食派だったのだが、毎朝静兄が煎れてくれるコーヒーが病みつきになり、今では俺も朝は洋食派になった。

「あ、またコーヒー豆変えた?」

何となくそんな気がした俺が呟いたのに対し、静兄は嬉しそうに頷いた。

「気に入ってる店の店長がさ、新しく入った豆をよく分けてくれるんだよ」

静兄はそう言うと慣れた手つきで俺のカップにコーヒーを煎れる。
煎れた後はいつも何も言って無いのに、砂糖とミルクを俺の好みの量に調節してくれる。

こんなたわいもない、静兄と一緒に過ごす朝が俺は大好きだ。

⏰:08/09/05 01:22 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#757 [東脂ヤ転
「今度その店に連れて行ってやるよ。俺の後輩が経営しているカフェなんだ。」

「…へぇ」

静兄の煎れたコーヒーを飲みながら、俺は違うことを考えていた。

[今日…何て言って彩華に切り出そう…]

お気に入りのカップをなぞりながら、俺は様々な言葉を考える。

受験勉強が忙しくて。
バイトが楽しくて。
やるべきことが出来て。他に……


他に、好きな人が出来て。

本当の理由はこれだけど、言えるはずが無い。
彩華に向かって、「俺は静兄を好きになったんだ」なんて言える自信が全く無いんだ。

だんだん身体が重くなってきた俺は、思わず溜め息をついた。

⏰:08/09/05 13:12 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#758 [東脂ヤ転
「…そんなに心配?」

その時静兄の声で我に返った俺は顔を上げる。

「俺の話聞いてなかったろ?」

静兄はそう言って意地悪く笑う。
俺はその時初めて、静兄の話をちっとも聞いていなかったことに気付く。
「ごめん…静兄」

「そんなことで謝らなくて良いよ」

話を聞いてなかったことだけではなく、彩華に静兄を好きだと言う勇気が無いことに俺は凄く謝りたかった。

きっと静兄が逆の立場だったら、静兄は俺を好きだと言ってくれると思うから。

⏰:08/09/06 12:44 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#759 [東脂ヤ転
「…じゃあ行ってきます」

制靴に履き替えた俺は、玄関まで見送りに来てくれた静兄の方へ向き直る。

「気をつけてな」

静兄はそう言って微笑むと俺の額に軽くキスをした。

「新婚気分だろ?」

静兄の不意打ちのキスにまだ慣れなくて、顔を赤くしてる俺を見ながら静兄は笑う。

「だから…からかうなっての!!」

静兄のその余裕に腹が立ったけど、気を和らげようと静兄がしてくれているのがよく分かった。

「行ってきます」

俺は笑顔でそう言うと、優しい静兄に手を振って家を出た。

⏰:08/09/07 12:39 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#760 [東脂ヤ転
「めーいー!!」

学校に着いてすぐ、大声で名前を呼ばれた俺は立ち止まって振り返る。

「おはよ!今日はヤケに早いじゃん!!」

声を掛けてきたのは幼なじみの北原直樹だ。
まぁ振り返らなくても、俺のことを下の名前で呼ぶ奴はコイツ以外居ないから、すぐ気付いたんだけど。

⏰:08/09/07 17:22 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#761 [東脂ヤ転
「いや、今日はちょっと彩華に用事があってさ…」

「ふぅん…彼女が居る人は朝から忙しいんだねぇ〜羨まし!!」

北原はそう言って俺の肩を叩くと先に教室へ入って行った。

彩華の教室は俺等の隣。呼び出して"振る"なんて、本当だったら絶対やりたくない程気が重い。

しかも北原は彩華とも仲が良いので必ずいつかはこの事がバレてしまう。

もともと彩華の肩を持っていた北原がその事を知った時、どんな反応をするか…。
そんなことを考えたら益々胃が痛んだ。

⏰:08/09/07 21:46 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#762 [東脂ヤ転
「あのさ、林彩華居る?」

何とか教室の前まで足を動かした俺は、入り口の1番近くに居た女子に声を掛けた。

「ちょっと待ってね…
彩華ー!彼氏さんだよ!」

そんな大声で呼ばなくても良いのにそんな呼び出し方をしたもんだから、彩華は嬉しそうに教室の奥から走って来る。

「珍しいね!こんな朝早くから呼び出しなんて」


嬉しそうに笑ってそう言う彩華を見て俺の胸は更に軋んだ。

⏰:08/09/07 22:56 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#763 [東脂ヤ転
「ちょっと彩華に話があってさ…今大丈夫?」

「大丈夫大丈夫!あ、大事な話だったら屋上行かない?ここじゃ何だし」

俺の真剣な表情が伝わったのか珍しく気を利かせた彩華は、俺の手を引いて屋上につながる階段へと向かう。

こういうことは早く伝えなくちゃいけない、そう考えた俺はあえて朝一に言おうと決めていた。

その割に未だ何て言うかも決めていないんだけど、俺の中ではとにかく早く伝えることが先決だった。

階段を上る彩華の足は軽く、俺の考えていることなど微塵(ミジン)も気が付いていないようだ。

⏰:08/09/08 10:05 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#764 [東脂ヤ転
「ふわぁ…っ風が気持ち良いね鳴ちゃん!」

屋上に着くと夏の朝に相応しい涼し気な風が吹いていた。
それに合わせて彩華の茶がかかった髪が揺れる。
「で?話って何?」

彩華は楽し気に訊く。
きっと良いことを聞かされる、と思っているんだろう。

[彩華…ごめんな]

俺は小さく胸でそう呟くとゆっくりと口を開いた。

「彩華……俺達、別れよう」

「………え…?」

2人の間にさっきとは違う、裂くような強い風が吹き始める。

⏰:08/09/08 12:38 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#765 [東脂ヤ転
「……何で?」

少しの沈黙の後、彩華は俯いて言った。
さっきまであんなに笑顔だったのが嘘のように、その笑みが強張ってゆく。

「ごめん彩華…俺はもうお前を友達としてしか見れないんだ」

そんな彩華を前に、何とか俺の口から出た言葉は酷く冷たい台詞だった。
「何で…何でそんなこと急に言うの!?意味分かんないよ…!」

彩華の声が少しずつ震え出す。顔を上げた彩華の頬には、何度も涙が零れ落ちる。

⏰:08/09/08 17:42 📱:W52P 🆔:☆☆☆


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