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#242 [[僕を大切に]蜜月◆oycAM.aIfI]
僕は生まれた時、独りぼっちだった。


随分長い間一人で過ごしたけれど、しばらくして仲間が出来た。

僕は初めて出来た仲間という存在が嬉しくて、みんなのことを大切にした。

しかし、僕の大切な仲間たちはある時急に消えてしまった。

僕の仲間たちは皆小さく、か弱く、それとは逆に僕の体は彼らとは比べようも無い程大きかったので、僕は一人残された。
また独りぼっち。

しばらくすると身を潜めていた仲間たちが戻って来たけれど、彼らもまたある時急に居なくなった。
そんなことを何度か繰り返した。

僕は悲しかった。
やっと見つけた仲間が、何度も何度も僕を残して居なくなってしまうことが。

僕が悪かったのかもしれない、と思った。


そして、何度目かに出来た仲間たちを、僕は大切に、それはそれは大切に扱った。
もう二度と僕の前から皆が居なくならないように。
僕たちがいつまでも一緒にいられるように。

彼らが僕に辛く当たろうと、非常識な態度を取ろうと、僕は仲間たちを守った。
とても長い間、守り続けた。

⏰:08/03/22 00:14 📱:SH903i 🆔:ERIzihR2


#243 [[僕を大切に(2/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
僕は、擦り切れてしまった。
体も心も、疲れ果ててしまったのだ。


それでも僕は、彼らを守ろうと身を削り続けた。
けれども既に、仲間たち皆を守れる程の力が、僕には残っていなかった。



彼らはそこで、やっと気付いた。

僕が彼らを守らなければ、皆は生きていかれないということに。




それから、仲間たちの中で僕を大事にしようという決め事が作られた。
彼らは再び力を取り戻させようと、自分たちとは違う体を持つ僕に対して、試行錯誤しながら世話をしてくれた。

しかし、決め事を守らない者は少なくなかった。
相変わらず僕にゴミを投げ付けたり、ひどい言葉を浴びせたりする者がいた。

⏰:08/03/22 00:17 📱:SH903i 🆔:ERIzihR2


#244 [[僕を大切に(3/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
僕の体はなかなか元に戻らない。
一部の仲間たちがどれほど僕を元気にさせようと努力しても、回復の兆しさえ見えない。



彼らが自分の手で引き起こした悲劇。
自分たちのことばかり考えて、自分たちが快適に過ごせることばかりを求め過ぎて、僕を瀕死の状態に追いやった。
僕に頼りっぱなしで、自分たちの身に少しずつ近づいていた危険に、気付かなかったのだ。
気付いた時にはもう遅かった。


彼らがどんなに後悔しようと、どれだけ懺悔しようと、もう間に合わない。



僕の体――そう、つまり地球は、破滅に向かって一気に転がり始めてしまったのだ。

⏰:08/03/22 00:18 📱:SH903i 🆔:ERIzihR2


#245 [蜜月◆oycAM.aIfI]
すみません!

>>242は(1/3)です(´・ω・`)



書き手の皆様。
>>232
>>240
をご覧下さい(・ω・*)

⏰:08/03/22 00:25 📱:SH903i 🆔:ERIzihR2


#246 [◆vzApYZDoz6]
上げますよ

⏰:08/03/23 22:08 📱:P903i 🆔:7wtg6O2w


#247 [紫陽花[とある恒星の話(1/1)]]
ぐるぐるぐるぐる――……

―――――――………

―――――………



ぐるぐるぐる………。
もう、どれくらい回ったのだろうか。遠く遠く離れたあの碧く、至極の宝石のような星の周りを……どれくらい回ったのだろうか。



ぐるぐるぐる………。
近くに見えても遠くにある。
姿は見えるが温もりは感じない。



ぐるぐるぐる………。
また今日も回り続ける。
あの星がなくなるその日まで、碧い星の軌道を回り続ける。





ーーーendーーー

⏰:08/03/25 08:00 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#248 [紫陽花]

とりあえず投稿。

もう誰も参加
しないのかな;;;

⏰:08/03/25 08:02 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#249 [◆vzApYZDoz6]
>>248
投下したいけど時間が…orz

あっ、一応まとめの件、サイトは作りましたw

vip.45.kg/..
↑ここです
実は作品トップまでしかできてないんですがねw

⏰:08/03/25 15:29 📱:P903i 🆔:800WeMho


#250 [紫陽花]

まとめ乙です!!(・⌒.)

⏰:08/03/25 15:55 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#251 [穴(1/2)◆vzApYZDoz6]
今日も変わらず、空は青い。
だが、俺の視線は空ではなく、地面にある黒い円形に向いていた。

「何だこれ?」
「何って…穴よ」
「それは見れば分かる」

俺は、早くに亡くなった親の唯一の遺産であるこの家に、彼女と同棲している。
久々の休日の午前中、洗濯物を干していた彼女が俺を呼びつけて、庭を見てみたら穴があいていた。

「お前が掘ったのか?」
「そんなわけないじゃない」
「だよなぁ…しかし深そうだな」

直径1〜2メートル、といったところだろうか。
見た限りではずっと闇が続いていて、底がまったく見えない。
懐中電灯で照らしてみても、終わりが分からなかった。

「落ちたら死ぬかな、これ」
「どのぐらいあるのかしら?」
「さぁー…10円玉でも落としてみるか」

10円玉を手に取って、穴の上に持ってくる。
できるだけ穴の真ん中に、真っ直ぐ落ちるように手を離す。

「…………」

「…………」

「…………」


「………音、聞こえないね」
「むちゃくちゃ深いじゃん、これ」

⏰:08/03/25 16:40 📱:P903i 🆔:800WeMho


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