【SSS】超短レス短編祭り!【飛び入り参加OK!】
最新 最初 🆕
#1 [◆vzApYZDoz6]
ここは全員参加型の超短レス短編【SSS(ショートショートストーリー)】投下スレです。
このスレを開いたあなたも参加可能ですよ!

ルールは
・3レス以内であること
ただ1つのみ!
ジャンルも、恋愛・ファンタジー・バトル・ミステリー・ホラー・シリアス・エロetc何でもあり!どんと来いwww

トリップ推奨!
投下する時は、普段使ってるHNの前に
作品名(現レス数/全レス数)
と入れましょう!もちろん名無しさんでも参加OK!

例えば全3レスでタイトルが『あいうえお』なら、名前欄に
あいうえお(1/3)
と入れればいい訳です
こうすれば他の人と被ったりしても読みやすい筈w

>>2-5辺りへ続く

⏰:08/03/03 01:48 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#2 [◆vzApYZDoz6]
書き手さんが息抜きに使うもよし、書き手になりたい読み手さんが練習に使うもよし!
1人何作品投下しても構いません!

『書きたいけど、どんなん書けばいいのかわかりまへーん』
そんな小説初心者のために、お題をいくつか用意しましたよー^^

お題
@雨
Aあの頃の思い出
B電話
C卒業

お題をそのままタイトルにしてもよし、お題をテーマにしてもよし。
もちろん、お題を使わなくてもOK!

⏰:08/03/03 01:49 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#3 [◆vzApYZDoz6]
小説のスタイルも問いません!
会話だけでも、地の文(会話以外の文)だけでも、両方混ざっててもよし。
一人称だろうが二人称だろうが三人称だろうが構いません!
書き手さんなら、現行小説を小説で宣伝するのもありww
その場合は名前欄のタイトルに〜の宣伝小説とでも書きましょう!

とにかく『3レス以内』であれば何でもありです!
才能溢れる作家達の参加を待ってますよ^^

⏰:08/03/03 01:50 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#4 [◆vzApYZDoz6]
アンカー
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/03/03 01:51 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#5 [往年のライバル(1/1)◆vzApYZDoz6]
では手始めに俺が(コピペですが)

腰に構えた左手という鞘から、竹刀という刀を引き抜く。
鞘から手を離し両手で柄を握りしめ、一度頭上へ鋒を持っていき、ゆっくりと降ろしていく。
幾度となく繰り返した正眼の構え。構えたまま流れるように膝を折って腰を降ろし、蹲踞の姿勢に移行する。
正中線の延長線上に伸びる竹刀の先には、同じように構えて蹲踞する対戦相手。
面の影になって顔はまったく見えないが、俺の記憶が視神経を経て勝手に顔を形作る。
去年の同じ日、決勝で負けた相手。一昨年の同じ日、準決勝で負けた相手。
順当に行けば今年の今日の決勝戦は勝てる、なんて俺の都合のいい考えだろうか。
どちらにしろ、奴も俺も今日が高校最後の公式試合。お互いに悔いの残らない試合にしたいものだ。
向き合う俺と奴の間に、主審の右手がゆっくり下がってくる。
合図と共に上がったその瞬間に、いつも俺の思考は断ち切られる。
反復練習で体に染み着いた『自分の剣道』が、必ず勝つという確固たる意思の下で俺を勝手に制御するんだ。
いつであろうとそれは同じだったが、それでも奴にだけは負けてきた。
だが見ていろよ。今日は、今日こそは――

「始め!!」

主審の声に思念が強制的に打ち切られる。体が勝手に面を放つ。
出鼻はお互い決まらない。決まっていても多分次の動作に入ってただろうけど。

さっきの思念は結果に変えて思い出す事にしよう。

最後に勝つのは俺だ、ってな。

⏰:08/03/03 01:54 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#6 [奇怪な電話(1/2)◆vzApYZDoz6]
「まいったなー…」

男は頻りにそう呟きながら、自分の家をあちこち見回していた。
2階建1軒家の1階を、2階で眠る妻や息子を起こさないように、そっと。だがしかし焦ったように探しまわる。
ふと壁に掛けられた時計を見ると、時刻は朝6時。
家に帰ってきたのは5時頃だ。
友達の家で呑み明かした後タクシーで帰り、家に着いてから風呂に入り、朝飯を食べて、さぁ今から寝よう、という時に気が付いた。

携帯電話が見当たらない。

男はかれこれ10分程ずっと探し回っている。
家に帰ってから2階には1度も行ってないのだから、2階にあるはずはない。
たがいくら探そうとも1階にも見当たらない。

「しまったな…あいつんちに忘れてきたかな?」

男はまいったというように後頭部を掻きながら、家の電話の子機を手に取る。
その時に最初からこうしていれば良かった事に気が付いた。
恥ずかしかったのだろうか。男が振り返って、誰に見られてる訳でもないのに後ろを見回した。
自嘲ぎみに鼻で笑い、登録された自分の携帯電話に電話する。起きていれば友達が取るはずだろう。
受話器を当てた右耳から流れるコール音は、なかなか途切れない。

⏰:08/03/03 02:14 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#7 [◆vzApYZDoz6]
「もう寝ちまったか…」

また掛けなおすか、と耳から受話器を離す。
だが終話ボタンを押そうとする前に、僅かな大きさだがバイブ音が聞こえてきた。
どうやら自分の家にあったらしい。男はバイブの音を辿って歩き回った。
しかし、どうやら部屋の中には無いようだ。
いったん廊下に出ると、バイブ音が少し大きくなった。電話は近い。
しかし、不審な事にそれは2階から響いているようだ。
2階には1度も行ってない筈なんだが。そんなに酔ってたかな…
とりあえず2階に上がり、そろりそろりと廊下を歩く。
廊下の端に%8

⏰:08/03/03 02:15 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#8 [[最期の花]ふむ(1/1)◆PppyzxIHxs]
玉砕覚悟…
なんと良い響きだろうか。
数多の咆哮と足音が混沌とする世界で、我の前にある蝋燭の灯が静かに揺らめいて壁を怪しく照らした。
壁の向こうには既に火が放たれているのだろうか。
ゆらゆらと茜色に染まっている障子が目に映れば、そんなことが頭を過ぎった。
傍らにある白紙に包まれた小刀に手を掛ける。
鋭い刃は灯の僅かな揺らめきを吸い込んで、時折鈍い輝きを放っていた。
外にはどれくらいの従者が生き残って闘っておるのかのう…。
小さく息を吐くように漏らせば白装束を整える。
堂々たる構えで座せば、自然と装束が足に巻き込まれる形になった。
玉砕覚悟…
なんと良い響きだろうか。
生命尽きるまで、この身が果てるまで奮闘する姿は…鬼人が如くの気迫を漂わすであろうな。
最期まで敵にひれ伏さぬ生き様は、さぞかし天晴れであろうな。
さて、そろそろ…
我も逝くかね。
小刀を腹部に当てれば、躊躇うことなく深々と自らの腹に突き立てた。
鋭い痛みが全身に広がるように襲う。
じわりと脂汗が額に滲んだ。
仰向けに倒れそうになるも、巻き込まれた白装束がそれを許さない。
紅い鮮血が白装束を染めた。
玉砕覚悟で最期まで闘うなぞ、なんと浅ましいことよ…
荒い呼吸のまま、力を振り絞り小刀を横へ薙ぐ。
尖った刃が肉を引き裂き鮮血を流れ出させる。
我は敵の手に掛かって無惨に死ぬるくらいなら…自らの手でこの生命を絶とうぞ…
口元に笑みを含みながら、燃え往く寺の中で男はゆっくりと絶命した。

⏰:08/03/03 02:15 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#9 [奇怪な電話(2/2)◆vzApYZDoz6]
>>7

「もう寝ちまったか…」

また掛けなおすか、と耳から受話器を離す。
だが終話ボタンを押そうとする前に、僅かな大きさだがバイブ音が聞こえてきた。
どうやら自分の家にあったらしい。男はバイブの音を辿って歩き回った。
しかし、どうやら部屋の中には無いようだ。
いったん廊下に出ると、バイブ音が少し大きくなった。電話は近い。
しかし、不審な事にそれは2階から響いているようだ。
2階には1度も行ってない筈なんだが。そんなに酔ってたかな…
とりあえず2階に上がり、そろりそろりと廊下を歩く。
廊下の端に近付くにつれ、バイブ音がよく聞こえる。
だが、廊下の端に辿り着いても携帯電話が見当たらない。否、廊下の端からバイブ音が聞こえる訳ではない。
だがバイブ音が聞こえる一番近い場所は廊下の端。

「………?………」

男が、ゆっくりと視線をあげる。
ちょうど天井まで向かった時に、終話ボタンを押した訳でもないのにバイブ音が止まった。
垂れ下げた手に握る受話器から、微かに聞こえる友達の声。

「…これお前の携帯だろ?とりあえず今は眠いから後で持っていってやるよ…」

電話が切れた。

耳をすますと、荒く小さな呼吸音が聞こえてくる。

――そこに居るのは、誰だ?

⏰:08/03/03 02:16 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#10 [あの頃の思い出(1/2)]
なあ、憶えているか?心地よく吹くこの風の匂いを。

なあ、憶えているか?秋茜が飛ぶこのススキの原を。

なあ、憶えているか?あの日俺とお前2人で見た、赤く染まった夕焼けの空を。

『ここの風景は、きっと何よりも綺麗よね』

俺は、憶えている。お前が夕焼け空を仰ぎながらそう言ったのを。

俺は、憶えている。そう言ったお前の横顔が、一番綺麗だと思ったのを。

俺は、憶えている。あの日、お前と交わした小さな約束。

⏰:08/03/03 02:33 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#11 [あの頃の思い出(2/2)]
『次もまた見たいな。もちろん、私とあなた2人で、ね』

お前と交わした指切りげんまん。

俺はその指切りの約束を果たすために、ずっとここで待っている。

お前がどこへ行こうとも。

お前が帰ってくるのを、ずっと、ずっと。

「…………だから、帰ってこいよ。いつでも…待ってるからさ」

お前と2人で夕焼けを見た、このススキの原で。

⏰:08/03/03 02:34 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#12 [ギャグカオスなシュール(1/1)]
「オババババババババババババハ!!!wwwwwwwwwww」

「ワヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャwwwwwwwwwww」

「ギヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒwwwwwwwwww」
「アーッハッハッハッハッハッハッハッ!!!wwwwwwwwwww」



「………」

「………」

「………」







「次の授業なんだっけ?」

「国語だよ」

「あー宿題やってねーw誰か貸してw」

「やだよバーロw」


完…?

⏰:08/03/03 02:44 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#13 [[世界の真実]ふむ(1/2)◆s8/1o/v/Vc]
目が覚めた。
僅かに身震いするような肌寒さに瞼を開ければ、覚醒しきっていない頭で考える。
どうやら俺は寝てしまったらしい。
今は何時だろうか…。
カーテンが閉められていない窓から見える外は、既に日が没しており真っ暗な闇の世界を作り出していた。
室内も電気が就いておらず薄暗かった。
枕元の電子時計が緑色の字を発色させて12:37の文字を象っている。

「夜中か…」

寝過ぎたと後悔しつつも、のろのろと起き上がれば室内を明るくしようと電灯の電源に手を伸ばす。
カチリ…、と短い音を立ててスイッチが入れ代わった。
しかし、電灯は光らない。
部屋は不気味な薄暗さを保っていた。

「んだよ…電球切れてんのか?」

愚痴を零せば少しだけ苛々が込み上げてくる。
テレビに近付くとおもむろに手を伸ばし電源を入れる。
テレビは依然として真っ黒を画面に映し出している。

「何だよ…停電かよ…」

小さく舌打ちすれば一人納得し、暗いままの室内のベッドに腰を下ろした。
携帯を取り出すと無造作に開く。
僅かな携帯の眩しさに目を細めれば、待受画面には12:39の文字。
そして電話が一件来ていた。
それを確認しようと中身を開いた瞬間であった。
一瞬砂嵐になったかと思った矢先、画面は真っ黒になって電源が落ちた。

⏰:08/03/03 02:48 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#14 [梓 [真夜中の着信](1/2)]
〜〜♪

携帯を開くと、登録外の番号からの着信。私は、見なかったことにして携帯をポケットにしまった。

知らない番号…ではなかった。存在を消したくてデータを消した。それでも覚えている番号。忘れられなかった。
自分の鼓動が聞こえる。


好きでたまらなかった。好きで好きで、好きで好きで好きで好きで。
…こんな関係、うまくいく訳がなかった。

別れて半年。新しい彼女ができたと噂に聞いた。
私の中で、何かが壊れる音がした。


.

⏰:08/03/03 03:06 📱:SO703i 🆔:☆☆☆


#15 [梓 [真夜中の着信](2/2)]
電話は、見なかった事にしよう。後で履歴も消しておこう。そうすれば無かった事にできる。今まで通りの生活が送れる。

―本当にそれでいいの?

だって私はまだ思い出にできていない。

―会いたいんじゃないの?

会うべきじゃないの。

―まだ好きなの?

冗談じゃないわよ、あんな奴もう好きじゃないわ。

―じゃあ電話くらいいいじゃない。

…声を聞いたら会いたくなっちゃうじゃない。


私はそっとポケットから携帯を出した。一昔前の曲が静かな部屋に鳴り響く。

彼が好きだと言っていた、あの曲。




私はじっと携帯を見つめていた。

---END---

⏰:08/03/03 03:07 📱:SO703i 🆔:☆☆☆


#16 [[世界の真実]ふむ(2/3)◆s8/1o/v/Vc]
「おいおい冗談じゃねぇぞ!」

俺は慌てて電源を押し戻す。
しかし、いつまで押し続けていても一向に電源は戻らなかった。
電池はしっかりと三本補充されていたのを見たから、電池切れではないだろう。
念のため、充電器に差し込んだが反応はなかった。
そういえば停電だったな…。
思い出せば諦めたように携帯を投げ出して、ベッドに倒れ込む。
静かな時間が流れて、妙な違和感を抱いた。
嫌な予感のような、違和感を。
不意に横を見れば電子時計が発色していた。

「…ん?」

はて、気のせいだろうか。
電子時計の示す文字の光が弱々しくなってきているような…。
ぼんやりとそんな事を考えていたら、突然糸が切れたかのように電子時計の文字が消えた。

「…!?」

それを見ると俺は目を丸くした。
さっきからどうもおかしい。
違和感の原因がわかったのである。
無音なのだ。
静かすぎる、車の音すら聞こえない不気味な程無音の世界。
俺は立ち上がり窓を全開に開けた。

⏰:08/03/03 03:23 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#17 [[世界の真実]ふむ(3/3)◆s8/1o/v/Vc]
「何だよ…これ」

声が震えていた。
目の前に広がった光景は、真の闇。
停電の規模ではなく、人を失った不気味に佇む建物たちがひっそりと列を連ねていた。
照らし出すのは淡く朧な月明かりのみであった。

「誰も…いないのか?」

その時、後ろのベッドの片隅から声が聞こえた。
ベッドに寝転ぶ時はいつも掛けているラジオが、作動した様子だった。
俺はゆっくりと振り返る。
不気味なまで薄暗い室内に無機質なラジオの声が響いた。
途切れ途切れに数秒流れた後、ラジオは完全にその機能を失った。
俺は聞き取り難いラジオの内容に言葉を失った。
愕然と立ち尽くす俺に、先程ラジオは言った。

《現在…ょ…には…緊急…避難勧告が…されて…大変…危険…すので…ただちに…》

喋る物を無くした世界は、無音の世界へと続く不気味な静けさに包まれていった…。

⏰:08/03/03 03:26 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#18 [[世界の真実]ふむ(3/3)◆s8/1o/v/Vc]
最期の花[時代物](1/1)
>>8

世界の真実[ホラー](3/3)
>>13
>>16
>>17
(1/2じゃ文字数が足りませんでした;)

⏰:08/03/03 03:31 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#19 [賭け(1/3)]
俺はその日、1人でバーで呑んでいた。
特に理由は無い。ただ何となく、1人でいたかっただけだ。
カクテルの入ったグラスを静かに回していると、隣に1人の男が座って話し掛けてきた。

「君、もしよければ僕と賭けをしないか?」

フォーマルなスーツを着た、ごくごく普通の男。
いきなり何を言ってるのだろうか、と普段なら思っていただろう。
聞く気になったのは俺が酔っていたからだろうか。

「どんな賭けだい?」
「なぁに、簡単な賭けさ。君は何があっても顔が上を向いてはいけない。上を向いたら負けだ」

上を向いたら負け?そんなの向く訳無いだろう。
だが、今日初めて会ったばかりのこの男がどう上を向かせるかは、なかなか面白そうだ。
その時は文字通り酔狂だった俺は、賭けに応じる事にした。

「で、何を賭けるんだい?」
「この店で呑んだ代金さ。君が上を向いたら君が僕の代金を奢る。向かなければ逆だ」

なるほど、それなら例え負けてもそんなにダメージにはならないな。

「よし分かった」
「なら、今からスタートだ」

⏰:08/03/03 03:38 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#20 [賭け(2/3)]
賭けが始まった。
男はスーツの上着を脱いで、早速俺に話し掛けてきた。
内容は別段他愛のない世間話のようなものだが、男の話術に引き込まれてしまう。
だがこれは罠だ。きっと巧みに話しくるめて上を向かせるのだろう。
俺はそう思い、いつ仕掛けてくるか警戒しながら、男の話に耳を傾けていた。

それから、1時間程が経った。
男はまだ仕掛けてこない。
話の内容も、先程と話題は変わってはいるが特におかしな点はない。
そろそろ仕掛けてきてもいいと思うのだが。本当に俺を負かす気があるのか?
もしかしてただの暇潰しだろうか。
いや、そう思わせるのが罠に違いない。きっとそろそろ上を向かしにかかってくるはずだ。
そう考えていた時、男が腕時計を見ながら言った。

「おや…もう時間だ。悪いが賭けはおまいだ」

おしまい?俺はまだ上を向いてはいないが。
……という事は。

「…賭けは、俺の勝ちって事になるのか?」
「悔しいけどそうだね」

あっさりすぎて、なんとも拍子抜けだ。
だが、これで呑み代が浮くしまぁいいか。

「悪いが行かないと駄目でね。これで払っておいてくれるかな?」

男はそう言って財布から1万円札を取り出し、俺の前に置いた。

「今日はどうも。君と話せて楽しかった」

男が俺の前に手を差し出してきた。

「そうだな、俺も楽しかったよ。ありがとな」

またいつか会いたいものだ。
そう思いながら、男とがっちりと握手を交わした。

⏰:08/03/03 03:39 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#21 [賭け(3/3)]
代金は2人合わせて8000円。1万円でお釣りが出る。
呑み代が浮いたどころか、少し儲かった。自然と顔が綻んでくる。
足取り軽くレジへ向かう。
だが、男から貰った1万円札を出そうとした時に、1万円札がおかしい事に気が付いた。
なんというか、紙質が違う。厚みも少し違う気がする。

「…もしかしてあいつ、偽札を!?」

慌てて1万円札を電灯の光にかざして、透かしを見る。
そこに写っていたのは福沢諭吉ではなく。


『ほら上を向いた ごちそうさま』


こう書かれていただけだった。

⏰:08/03/03 03:39 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#22 [◆vzApYZDoz6]
>>14-15
いいですねーw

じゃんじゃん参加してくださいw

⏰:08/03/03 03:41 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#23 [ゆびきりげんまん(1/2)]
ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます。
ゆびきった。

「私ね、昔約束したんだ」
「約束?へぇー、誰とよ?」

図書館の机。
私の前に座る友達が読んでいた本を閉じた。こんな話にも興味を持ってくれたらしい。
広辞苑を読んでいたのだから、相当暇だっただけなのかも知れないけど。

「誰かは思い出せないんだ。どんな約束かもよく憶えていない」
「何それ。約束した事しか憶えていないの?」
「うん。誰かと指切りげんまんしたんだ」
ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます。
ゆびきった。
頭の中で、そのフレーズがずっと反芻される。
あの約束で、初めて交わした指切りげんまん。

⏰:08/03/03 04:20 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#24 [ゆびきりげんまん(2/2)]
でもいつだったっけ?結構幼い頃だったような気がする。
でも人生4、5年ぐらい生きてりゃあの歌には出会えるし。何とも確証がない。頭の中で壊れたようにあのフレーズがずっと流れる。
ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます。
ゆびきった。

「…あっ」
「…?どしたの?」
「思い出したのよ」
「誰と約束したかを?」
「ううん、約束した事を」

うそついたら、ね?
約束した相手の声だけが頭の中で再生される。
少し低い女の子の声。顔は忘れたけど、声は思い出せる。
赤いランドセルに黄色い帽子をかぶって、約束したんだ。
あれは多分初めての指切りげんまん。

「一緒に地獄へ堕ちよう、って約束したんだ」

あの子は、憶えてるのかな。

⏰:08/03/03 04:20 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#25 [[天の邪鬼]ふむ(1/3)◆s8/1o/v/Vc]
鬱蒼と生い茂る森を歩いていた。
真の闇に包まれた、夜の森であった。
月明かりすら、ない。
冷たい夜風が駆け抜ければ、木々たちが不気味な音を立てて森自体が一つの生き物のように怪しく蠢いた。
そんな中を歩く一人の男がいた。
凛とした表情に灯る鋭い眼光はしっかりと正面を見据えていた。
手には明かりらしきものはなかった。
真の闇だというのに、明かりなしで進んでいるのである。
悠然と進むその歩調には、まるで昼間に見晴らしの良い道を歩いているかのようにさえ感じさせる。
男の口元には、絶える事なく微笑が含まれていた。
男は今日の昼間、興味深い話を聞いた。
どうやら、この森には妖怪らしからぬモノがいるらしい。
それを初めて見たのは、この近くに住む老人だという。
老人は山菜採りが趣味で、よく山に登っていた。
農民であるために、なかなか早くは仕事が終わらず、大体山に登るのは日が没してからの方が多かった。
その日もいつものように松明と鎌を片手に籠を背負い、熊などに備えて知り合いから譲り受けた太刀を腰に携えた。
出掛けるに当たって、今日はどの山に行こうかと考える。
同じ山ばかりではその山の山菜を取り付くしてしまうし、何より楽しみが薄れる。
そこで老人は考えついた。
ちと遠いが、あの山なら良い山菜がよく採れるじゃろうて…
多少山を登らなければならないが、以前に山菜が山ほどなっている場所を見つけたのであった。
そうと決まれば早速そこに向かった。

⏰:08/03/03 12:31 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#26 [雪(1/2)◆vzApYZDoz6]
昨日からずっと雪が降っている。そのおかげで外はなかなかの積雪量だ。

別に冬に雪が降るのは当たり前だが、基本的に雪が殆んど降らないこの地方で、雪が積もるのは珍しい。
住んでいるマンションから眼下を見下ろせば、近所の子供達がその珍しい積雪の上で大いにはしゃぎまわっている。
その子供達に混じって、俺の姉も遊んでいた。

「おい姉貴、遊んでないで手伝えよ!」

窓から身を乗り出して、子供達と雪合戦をしている姉に叫ぶ。
なんとも平和な光景だ。

「いつでもできる部屋の大掃除と、希にみる豪雪の元で思い切り遊ぶ事、どっちが大事!?」

姉が叫び返してきた。
ハタチを超えているというのに、そんなに雪遊びに夢中になれるものなのか。

なんとも平和な光景だ。

⏰:08/03/03 12:46 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#27 [雪(2/2)◆vzApYZDoz6]
「うるせぇ!いいから戻ってこい!」
「今日のお前は冷たい!そう、雪のように!」

こりゃ駄目だ、完全に雪に洗脳されてる。雪のように冷たいってなんだよそれ。
窓から身を引っ込めて、室内に視線を戻した。
乱雑に置かれた雑巾に掃除機、紐で縛られた雑誌類。
俺のすぐ横には漫画がいくつか置いてある。
そう言えば、タンスの奥から見付けて読んでたんだっけ。俺もサボってんじゃん。
外からは子供達のはしゃぐ声が聞こえてくる。
俺は漫画を纏めて、立ち上がった。

外はまだ雪が降っていた。
積雪に沢山つけられた足跡。出来るだけ足跡のない綺麗な場所を選んで歩き、足跡を残していく。
姉はまだはしゃいでいた。
こっそり後ろから近付いて、雪玉を当てる。
姉は驚いて振り返り、続いてあどけなく笑って手招きする。
その誘いに乗って、俺も本格的に雪合戦に参加した。


なんとも平和な光景だ。

⏰:08/03/03 12:47 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#28 [[天の邪鬼]ふむ(2/3)◆s8/1o/v/Vc]
草木を掻き分けて森を進む。
今年齢六十七を迎える老人には厳しいものがあった。
しかし、それが山菜のためとなると、それすら楽しみに変わる。
手の松明の明かりを頼りに歩を進めていった。
山の中腹辺りまで来ただろうか。
もうそろそろ目的地が見えてくると心躍らされた時、頭上から声が下りてきた。

「ここを通りたいか…」

低い男のような声であった。
はて、誰ぞおるのか。
老人は小さく呟くと頭上を見上げた。
しかし暗い木々が不気味に風に靡いてるだけで、人の姿は見当たらない。
空耳かえ…。
老人は正面に顔を戻すと、溜め息を一つ吐いて再び歩を進める。
するとどうしたことか、また同じ声がする。
これはもはや空耳ではない。
老人は急に恐ろしくなった。
夜に森なんぞに入ったもんじゃから鬼に出くわしたのやも知れん…。もしくは夜道で良く見えなんだから、道を反れて鬼の巣窟に迷い込んでしまったか…。
老人は山に入ったことを後悔した。
これでは山菜採りどころではない。
引き返そうとすると、また声が問う。
ここを通りたいか…。
進もうとすれば、またまた声が問う。
これは答えねば帰して貰えぬやも知れぬ。
そう考えた老人は震える声で答えた。
通りたい。
声はすぐに返ってきた。
通らせない。
老人は絶望に打ちひしがれて尚も問う。
俺を帰らしてはくれぬのか。
帰らして欲しいのか。
帰りたいとも。
帰らしてやらぬ。
老人はそこで不思議に思った。
ある考えを思い付いた老人は声の主に再び問いた。

⏰:08/03/03 12:54 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#29 [[天の邪鬼]ふむ(3/3)◆s8/1o/v/Vc]
この先には何があるのか。
何があると思う。
山菜じゃ。
何もない。
老人は確信した。
ここぞとばかりに最後の質問をする。
やはり帰してくれぬのかのぅ。
帰して欲しいか。
声の主が答えるとしばらくの沈黙の後、老人が返す。
いや、帰りとうない。
ならば帰れ。
あっさり承諾を得た老人は足早に山を下りていった。
そういう話であった。
さて…、
男はどのくらい歩いたのであろうか。
山の中腹に差し掛かった辺りであった。
不意に頭上から声が降り注がれた。

「ここを通りたいか…」

男は落ち着いた口調で答えた。
通りたくない。
声の主の答えが返ってくる。
ならば通れ。
声の主が言い終えるとすぐに男は問い掛ける。
俺を喰らうか。
喰らって欲しいのか。
喰らって欲しいさ。
喰らわぬ。
男は会話を楽しんでいるようにさえ伺えた。
口元に微笑を浮かべつつ、男はゆっくりと最後の質問のために口を開く。

俺の…使い魔にならぬか。

男は依然として微笑を含めたまま、静かに次の言葉を待った…。

⏰:08/03/03 13:10 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#30 [[werewolf]1/2]
あぁ……
僕は何をしているのだろう。君にはずっと隠していたのに、君が満月が綺麗なんて言うから。君がこんな姿になったのは僕のせいじゃない。否、誰のせいでもないんだ。仕方なかったんだ。だって僕は【狼男】なんだから。満月を見た瞬間から僕の意志に関係なく、手足には体を切り裂き肉をえぐるための爪が生え、体には人間の体毛とは程遠い動物の毛が生えだす。口元は大きく裂け獲物をしとめる為の牙が生える。それから、のどの渇きを潤すために鮮血をを求め、空腹を満たすために肉を求め、欲望のままに女のゾクゾクするような悲鳴を求めてしまう。

⏰:08/03/03 13:30 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#31 [[werewolf]2/2]
そんな僕を見て君は『化け物!!』と叫んだね。そんな事は分かっていたんだ。自分は人間ではないことぐらい百も承知していたよ。それでも人間の姿の時だけは君と同じ時間を過ごし些細なことで幸せを感じられた。幸せだったんだ。こんな淡い時間がずっと続くと思ってた。でも狼になった僕は僕の意志では止められない。ふと我に返ったとき僕が噛みついたであろう君の首筋から溢れ出す朱色の血、命が切れる前の微かな呼吸、赤みをなくした小さな唇、全てが美しいと思ってしまった。


あぁ……
本当に僕は狼なんだな。
もうこれで人を殺したのは4人目だろうか。だがそんな事はもうどうでもいい。僕の愛した人はこの世にいない。否、僕の牙が君をこの世から去らせた。

あぁ……
僕は狼。
人間でもない
狼でもない化け物さ。


ーーーendーーー

⏰:08/03/03 13:31 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#32 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
◆vzApYZDoz6さんの作品
往年のライバル(1/1)
>>5
奇怪な電話(2/2)
>>6
>>9
あの頃の思い出(2/2)
>>10-11
ギャグカオスなシュール(1/1)
>>12
賭け(3/3)
>>19-21
ゆびきりげんまん(2/2)
>>23-24
雪(2/2)
>>26-27
werewolf(2/2)
>>30-31

ふむさんの作品
最期の花(1/1)
>>8
世界の真実(3/3)
>>13
>>16-17
天の邪鬼(3/3)
>>25
>>28-29

梓さんの作品
真夜中の着信(2/2)
>>14-15

⏰:08/03/03 13:58 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#33 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
>>32←まとめ

ナナシさん多いですね…
書き溜めってやつですか

⏰:08/03/03 13:59 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#34 [◆vzApYZDoz6]
>>33
werewlofは俺じゃないですよw

⏰:08/03/03 14:01 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#35 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
うわぁ〜…
早速ミスですね;
お恥ずかしい!

⏰:08/03/03 14:08 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#36 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
まとめ
◆vzApYZDoz6さんの作品
往年のライバル(1/1)
>>5
奇怪な電話(2/2)
>>6
>>9
あの頃の思い出(2/2)
>>10-11
ギャグカオスなシュール(1/1)
>>12
賭け(3/3)
>>19-21
ゆびきりげんまん(2/2)
>>23-24
雪(2/2)
>>26-27

ふむさんの作品
最期の花(1/1)
>>8
世界の真実(3/3)
>>13
>>16-17
天の邪鬼(3/3)
>>25
>>28-29

梓さんの作品
真夜中の着信(2/2)
>>14-15

F905iさんの作品
werewolf(2/2)
>>30-31

⏰:08/03/03 14:10 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#37 [親御さん(1/1)◆vzApYZDoz6]
独り暮らしを始めて半年程経ったある日、実家から荷物が届いた。
荷物の中身は色とりどりの野菜と、1通の手紙。
とりあえず手紙を読んでみた。

愛する息子へ
お元気ですか?
風邪などひいたりしていませんか?
ちゃんと食べていますか?
出無精なあなたの事だから、きっとカップラーメンなどばかり食べているのでしょうね。
実家で採れた野菜を送ります。それで栄養の偏りを改善してちょうだいね。
母より

まったく、心配性な母ちゃんだ。




「…だからって電話してきたら手紙入れた意味ないじゃん!」
『いやね、ちゃんと届いたかどうか気になっちゃってぇ』

親って、そういうもんです。

⏰:08/03/03 14:10 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#38 [紫陽花]

F905iで[werewolf]を
書いたのは私です

名前入れてなくて
すみません!!

⏰:08/03/03 14:13 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#39 [◆vzApYZDoz6]
>>38
了解ですー
名無しでも全然OKですよ!

⏰:08/03/03 14:18 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#40 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
>>38
まさかの紫陽花さん!
書いたのですね。了解です

⏰:08/03/03 14:26 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#41 [紫陽花[生きる理由]]
またこの季節がやってきた。
君の温もりを失ってから何度目だろうか。よくこの公園の桜の木の下のベンチで二人の将来を話したな……。

二人で部屋を借りよう、君は料理ができないから僕が炊事担当、たまの休みに今流行りの映画を見よう。

今でも鮮明に思い出せる君との思い出。

でも君の時間はあの日の夜止まってしまった。僕もすぐに君の元へ行こうとしたんだぜ。だけど君の声が聞こえたんだ。『もっと生きて。私の分も生きて。』ってね。だから僕は今も君のいない世界で生きてる。

君のいないこの世界は黒と白のただのパズルさ。
でも僕は生きる。
なぜって?

君が生きろと言ったから。
そんな単純な理由で僕は生きてる。でも人生ってそんなもんだろ?君なら分かってくれるかな……。

ーーーendーーー

⏰:08/03/03 14:40 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#42 [[延長戦]ふむ(1/1)◆s8/1o/v/Vc]
吹き荒れる風の中、二人は完全に対峙した。
鋭い眼光を互いにぶつけ合う。
こうして会うのは何年ぶりだろうか。
ザインが姿を眩まして三年…あの頃は同じくらいの実力で、いつも引き分けに終わっていた。
あいつはあれからどのくらい強くなったのか…。
両者の間に生暖かく強い風が吹き抜ける。
これも、運命か…。
ゆっくりと瞼を閉じて覚悟を決める。
久しぶりにザインの戦い方を思い出す。
いつも先手必勝とばかりに、まずあいつが切り込んで来る。
今もそうなのかは定かではない。
唯一あの頃と変わっている所は、この殺気篭った眼光。
冷静に瞼を開いて相手を見据える。
先に動き出したのはザインであった。
ザインは刀を抜き取ると構えすらせずに強く地面を蹴った。
人間とは思えない速さで風を切り大地を駆って真っ直ぐと相手に向かっていく。
無駄な動きは一切見られなかった。
黒い残像を残しながら月光に照らされて鋭く光る刃が軌道を描く。
あれだけあった距離を、一瞬で詰められた。
ザインの動きにジークは完全に硬直していた。
ザインが瞬時に危機を感じ反射的に身を後ろへ退く。
後退しながら刀に手を伸ばした時には、すでに遅かった。
風切音と共に襲い掛かる刃が眼前に迫る。

なんだよ…強ぇじゃん。

刀の太刀筋を追うように閃光の如く走る軌道を目に焼き付けて、ジークの意識は途絶えた。
力無く崩れ落ちたジークの口許には、僅かに笑みを帯びているように見えた。

⏰:08/03/03 15:09 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#43 [河上彦斎(1/3)◆vzApYZDoz6]
江戸時代末期。
町外れの山道を歩く、1人の男がいた。
西陣の袴を着て、髷を結い、腰に刀を差している。
どこへ行くでもない。ただ強き者を求めて歩き、それと見えて斬り伏せる。
理由もなく人を斬るが、快楽殺人者という訳ではない。
いわゆる『修羅の道』を歩む者。強きに打ち勝つことでしか、己の存在意義を感じない者。
それが、その男。男はいつしか『修羅の者』と呼称されるようになった。

修羅の者は今日も強き者を求め野を渡る。
過去には数えきれない程の使い手を斬り伏せてきた。
京に於いては槍の名手と。大坂に於いては鎖鎌を繰る口引と。
伊勢に於いては柳生一族の末裔と。
薩摩に於いては弓と矢を駆る老傀と。
土佐に於いては節棍を使う女と。
数々の人間と、数々の武具を打ち倒してきた。
修羅の者はそれでも満足せず、ただひたすらに強き者を求めていた。

⏰:08/03/03 15:41 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#44 [河上彦斎(1/3)◆vzApYZDoz6]
そんな修羅の者の前に、ある1人の男が立ちはだかった。

立ちはだかった男は、手に西洋式の筒を持っていた。その筒には見覚えがあった。
自動拳銃。江戸末期の世では珍しい、近代兵器の第1歩。

「俺と合い見えてもらおうか」

男が自動拳銃を突き付ける。
西洋の龍のエングレーブが入った銃。
その龍を静かに見つめ、修羅の者は薄く笑った。
同時に刀に手を掛ける。
抜刀と同時に凪ぎ払われる刀身。男は突き付けていた銃身を立てて剣撃を受け止める。
刀の速度を殺さずに、銃身を横に倒して受け流

⏰:08/03/03 15:42 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#45 [河上彦斎(2/3)◆vzApYZDoz6]
>>44また途切れたw
しかも44とか不吉w

そんな修羅の者の前に、ある1人の男が立ちはだかった。

立ちはだかった男は、手に西洋式の筒を持っていた。その筒には見覚えがあった。
自動拳銃。江戸末期の世では珍しい、近代兵器の第1歩。

「俺と合い見えてもらおうか」

男が自動拳銃を突き付ける。
西洋の龍のエングレーブが入った銃。
その龍を静かに見つめ、修羅の者は薄く笑った。
同時に刀に手を掛ける。
抜刀と同時に凪ぎ払われる刀身。男は突き付けていた銃身を立てて剣撃を受け止める。
刀の速度を殺さずに、銃身を横に倒して受け流す。そのまま手首を回して銃口を修羅の者に向け、引き金を引いた。

⏰:08/03/03 15:46 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#46 [河上彦斎(3/3)◆vzApYZDoz6]
射出された弾丸は、現代のそれとは違い決して速くない。
それでも、銃口を向けられて尚笑みを浮かべる修羅の者を殺すには十分な速度があった。

だが、弾は修羅の者に当たらなかった。
受け流された刀の柄ギリギリに逆の手を添えて、テコの原理で刀身を無理やりに軌道修正。
つばめ返しと呼ばれる連撃技。
柄の真ん中を支点にして切り上げられた刃が、射出された鉛弾と銃身を両断し、一緒に引き金に掛けられた男の指を切断した。

「があっ!!」

思わず斬られた手を抱えて蹲る男の先で、振り上げられた刀身が妖しく光る。
それに気付いた男が顔を上げる前に、男の体は右肩から袈裟懸けに斬り裂かれた。

辺りに飛び散る緋色の鮮血。
修羅の者は、倒れ伏す男ではなく斬り捨てた刀を睨んでいた。
幾度となく血を纏った刀身は、赤黒く変色している。
とうに輝きを失った刀をしばらく眺めて、付いた血を振り払い鞘に納めた。
足下に転がる男の死体には目もくれず、修羅の者は再び歩き出す。

より強き者を、より強き武具を求めて。
ただひたすらに、修羅の道を歩いていった。

⏰:08/03/03 15:47 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#47 [[人斬り]ふむ(1/1)◆s8/1o/v/Vc]
人斬り。
それが俺の称号だった。
俺が名乗ったものではない。
世が俺に与えた名だ。
別にこの名は好きじゃないが、嫌いでもない。
なぜなら間違っていないから。
俺は人を殺す。
どんな形であれ、それは変わらない。
俺は人殺しだ。
皆が恐れる殺人鬼だ。
血塗られた太刀も、その味を覚えてしまっている。
滴る鮮血に、肉を切り裂く味を。
昨日も人を殺した。
洞窟の中にたむろしていた野党だったか…。
そんな事はどうでもいい。
俺は洞窟の地面や岩壁を血の色で汚し、血臭を充満させた。
十人前後いた人間は、俺の前で、俺の手によってただの肉の塊と化した。
人斬り。
それが大量殺人鬼である俺に付けられた呼称。
ぼんやりと空を眺めていたら、近くに女の叫び声が響いた。
見れば、河原で若い女が下衆な三人の男に襲われている。
俺は太刀に手を掛けた。
ゆっくりと歩を進める。
人を斬るために。
今日も、俺はこの手を血に染めて人殺しとなるだろう。

一人の女性のために。

⏰:08/03/03 19:35 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#48 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
◆vzApYZDoz6さんの作品
往年のライバル(1/1)
>>5
奇怪な電話(2/2)
>>6
>>9
あの頃の思い出(2/2)
>>10-11
ギャグカオスなシュール(1/1)
>>12
賭け(3/3)
>>19-21
ゆびきりげんまん(2/2)
>>23-24
雪(2/2)
>>26-27
親御さん(1/1)
>>37
河上彦斎(3/3)
>>43
>>45-46

梓さんの作品
真夜中の着信(2/2)
>>14-15

⏰:08/03/03 19:38 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#49 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
ふむさんの作品
最期の花(1/1)
>>8
世界の真実(3/3)
>>13
>>16-17
天の邪鬼(3/3)
>>25
>>28-29
延長戦(1/1)
>>42
人斬り(1/1)
>>47

紫陽花さんの作品
werewolf(2/2)
>>30-31
生きる理由(1/1)
>>41

⏰:08/03/03 19:39 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#50 [紫陽花[私の宝物(1/1)]]
『朝よ〜!!起きなさい!!』
いつものように朝が苦手な息子をたたき起こす。剣道部の息子は昨日の試合の疲れからか今日はいつも以上に起きない。

『まったく…』
でも確かに昨日の試合は素人が見てもスゴい試合だった。我が息子ながらあんなに白熱した闘いを繰り広げられるなんて自分の目を疑ったほどだ。結果は惜しくも負けてしまったが、その時の息子の悔しそうな顔は夫の若い頃そっくりだった。
あぁ……こうやって男の子から男性へと変わるのね、そう思うとなんだか胸が熱くなった。
しかし昨日の白熱した闘いとは裏腹に今は天使のような寝顔で布団にくるまっている。

『だけどまだまだ子供ね』
そういって私は息子の布団を剥ぎ取り起きるよう促した。




今日もまた変わらない
いつもの日々が始まる。


ーーーendーーー

⏰:08/03/03 20:48 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#51 [雨のち晴れ(1/2)◆vzApYZDoz6]
私の体を、夏のぬるい雨が打つ。
心の中も同じく晴れていない。闇が、私の心に突き刺さる。

まぁこれは比喩なんだけど。

どうせならもっと明るいものに刺されたい。

上を向く気力が出ない。
向いてもどうせ雨雲だけ。
傘が無くても雨宿りしようとは思わなかった。
でも光化学スモッグに侵されたこの街の雨は、体にチクチクと突き刺ささってすごく痛い。

まぁ比喩なんだけど。

どうせならもっと優しい雨に刺されたい。

そう思って、とりあえず街から離れるためにバスに乗り込む。
以外と乗車してる人は多い。って今雨降ってたんだっけ。
バスの中でもずぶ濡れの私に視線が痛く突き刺さる。
まぁ比喩なんだけど。

どうせならもっと柔らかい視線に刺されたい。

バスの中はうつ向いてやりすごした。
着いた先は駅。視線を避けるようにうつ向いたまま、さっさと特急電車に乗り込んだ。
尖った視線はもう慣れた。
街から離れる程に人は減る。でもその分、馴れ馴れしい人が増える。
あまり話し掛けてほしくなかったから、ここでもうつ向いて歩いていった。

⏰:08/03/03 23:03 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#52 [雨のち晴れ(2/2)◆vzApYZDoz6]
着いた場所は田舎町の、ある1軒の家。
久しぶりに来た気がする。そこで初めて顔を上げて、家を見上げる。
いつの間にか雨はあがっていた。
あれ?上を向いただけなのに視界が明るくなった気がする。突き刺さるものは柔らかい。

これも比喩?

ううん、違う。明るくて、優しくて、柔らかいものを感じる。

後ろを振り返ると、眩しさに目が眩んだ。
田舎の山々の上に広がる入道雲。その更に上で輝く太陽。
太陽の光を受けた蒸気が、虹となって山々に掛かっていた。

あー、そっか。暗かったのも、怖かったのも、尖ってたのも、私が下を向いていたせいなんだ。

だって、そうでしょう?
いつでもそこにある空が、こんなにも――


後ろの家の戸が開き、聞き慣れた声が聞こえてきた。

「あらあんた…帰ってくるなら電話の1本ぐらい入れたらいいのに。なんかあったのかい?」

「別に。何となくだよ」

本当はふられちゃったからなんだけど。ホームシックになって何が悪い。

でも、思ったより早くに私の心の雨はあがった。
もう大丈夫。

だって、そうでしょう?
そこにいつでもある空が、こんなにも――



――こんなにも、おっきいんだから。

⏰:08/03/03 23:03 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#53 [アダ名で呼んでほしいシュール(1/2)]
「なぁ山中さん、こないだ貸しt」

「ちょっと待ったぁ!!」

「え?なに、どうした?」

「なんであなたは私をアダ名で呼んでくれないの?」

「はっ?いやそんな事よりこないだ貸しt」

「そんな事よりってなによ!!」

「えっ、いや…そんな怒んなよ…」

「それならアダ名で呼んでよ!」

「分かったよ…じゃあ、シューr」

「それは皆呼んでるから面白くない」

「いや皆が呼ぶのがアダ名じゃねぇのかよ?」

「そうねー、私は素直だってよく言われるし『ナオスー』とかいいかも」

「おっと華麗なスルーパス出ました」

「なんか言った!?」

「いや…何も」

⏰:08/03/03 23:58 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#54 [アダ名で呼んでほしいシュール(2/2)]
「じゃあアダ名」

「いや…はっ?」

「ア・ダ・名!!」

「えっと…何だっk」

「ナ・オ・ス・ー!!!」

「怒鳴るなよ…じゃあ、ナオスーさん、こないだ貸s」

「何でさん付け!?アダ名でしょ!?」

「………ナオスー、こないd」

「いやナオスーじゃイマイチ響きが…オナスーとか?…おなす…お茄子、そうだ茄子よ!これからは『なすb」

「だるあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」

完…?

⏰:08/03/03 23:59 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#55 [[空]ふむ(1/2)◆s8/1o/v/Vc]
―ねぇねぇ。
―なぁに?
地下深くの冷たいコンクリートで出来た小部屋に、二人の少年がいた。

空って知ってる?
そら?
うん。
何それ?
外に出るとね、上に青い世界が広がってるんだって!
本当?
本当だよ、話で聞いたもん。
じゃあ…さ。
ん?
見てみようよ、空。
えっ…でも、ここからは出ちゃいけないって…。
うん、そうだね。
…それでも行くの?
僕は行くよ。見てみたいんだ。空を。
でも…。
うん…殺されるかも知れない。でもね…空を知らない人生ってつまらないと思うんだ。
………。
行く?
僕は……。
行かない?
………。
そう…じゃあここでバイバイだよ。
…うん。
じゃあね。今まで、ありがとう。
さよなら…元気でね。
片方の少年は立ち上がると扉に手を掛ける。
もう一人の少年は心配そうな表情に寂しげな目で少年の背中を見つめている。
がちゃり、と重い金属音がして、扉が開かれる。
少年は後ろからの視線に振り返ることなく、扉の向こうに姿を消していった。

⏰:08/03/04 00:02 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#56 [[空]ふむ(2/2)◆s8/1o/v/Vc]
少年は駆け出した。
裸足のまま冷たい廊下をひたすら走った。
突き当たりに立入禁止の文字が書かれた扉がある。
鍵は朽ちていて近くのパイプ椅子で何度か叩けば簡単に壊れた。
老人の言葉を思い出す。
この扉から先へは行ってはいけないよ…。
大人も近づかないこの場所。
この先には何があるのか。
全く知らない未知の世界。
立ち止まっている時間はない。
ばれて捕まったら殺されてしまうだろう。
少年は扉を思い切り開けると勢い良く中へ飛び込んだ。
真っ暗な廊下。
水の滴る音。
唯一の光である切れかけの電球。
じめじめとした湿気を含むコンクリートを強く蹴る。
早く、早く…。
永遠に続きそうな錯覚さえする長い廊下を全力で駆けた。
待っていたのは上へと続く長い階段。
暗くなっていて先が見えない。
少年は荒れた呼吸を少し整えると一歩を踏み出した。
暗く静かな世界にひたひたと少年の足音のみが響く。
前方に何かが見えてきた。
扉だった。
見るからに重そうな扉は錆だらけで隙間から光が漏れていた。
外だ!
少年は駆け出した。
扉に手を掛けると錆が付着しているためかうまく開かない。
扉に何度も体当たりをした。
何回目かの体当たりで扉自体が外れ向こう側の世界が現れる。
視界が光に満ちた。
少年は眩しそうに目を細める。
わぁ…
喜々とした声を上げて頭上を見上げる。
これが空かぁ!
空を描いた映像が広い広い部屋の天井いっぱいに映し出されていた。
そのソラには太陽を模った巨大な電球。
少年は初めて見るソラに感激した。

⏰:08/03/04 00:23 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#57 [<旅立ち>向日葵(1/1)]
これが最後じゃない。
なのに涙が止まらない。

いつでも帰ってきたらいいと不器用に言ってくれた父。
体に気をつけてと優しい母。
寂しいと泣きじゃくる妹。
電車に乗って、夕焼けに染まって行く街並みが、段々と後ろへ遠ざかっていけば、寂しさが胸を押し潰しそうだった。

1人立ち。
大人の気分に浸っていた私。こんなに家族との別れを悲しいと旅立ちを決めた時そんな事を少しでも考えていただろうか。

ありがとう。
今まで支えてくれて。
ワガママを聞いてくれて。

誰よりも、皆の幸せを願います。

⏰:08/03/04 00:46 📱:SO903i 🆔:MhC0f226


#58 [<春への想い>向日葵(1/1)]
雪が降っていた。

しんしんと積もる雪の音に、耳を傾ける。

白に近い灰色の空を見上げながら思うは貴方のこと。

冷たさも感じないくらい、この白い絨毯の上に寝転んでいる。

それほど貴方のことを考えてる。

重いかな?
重いよね。

私の想いはまるで雪のよう。
軽そうに見えて、その想いは積もれば積もるほど重くなっていく。

だから貴方は私の前からいなくなってしまったの?

⏰:08/03/04 00:51 📱:SO903i 🆔:MhC0f226


#59 [<春への想い>向日葵(2/2)]
一筋涙が流れて耳へとつたっていく。

空気のせいか、まだ体温がある顔に触れる涙はひどく冷たく感じた。

まるで貴方の気持ちを表したみたい。
私のことなんて、もう忘れるくらい冷めてしまったのでしょう。

しんしんと降る音の中で、サクサクと軽快に雪を踏む音が聞こえてきた。

この広く白い草原に足を踏み入れたのは誰?

するとやがて、音が無くなって、またしんしんという音だけが聞こえた。

1つの影が私にかぶさる。

⏰:08/03/04 00:55 📱:SO903i 🆔:MhC0f226


#60 [<春への想い>向日葵(2/2)]
間近で見えるは、あの人。
待ちわびた人。
愛しい人。

「冷たいね。」

そう言いながら、凍りついた私の頬に、太陽のように温かい貴方の手が触れる。

そして愛おしそうに私を見つめながら微笑む。

私の心が、寒い冬から草花溢れる春へと変わる。

温かい日差しの中、私は貴方と手を繋ぎ笑いあう。

薬指に、結ばれた証をつけて……。

⏰:08/03/04 00:59 📱:SO903i 🆔:MhC0f226


#61 [<春への想い>向日葵(2/2)]
すいません(3/3)でした

⏰:08/03/04 01:00 📱:SO903i 🆔:MhC0f226


#62 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
向日葵さん
>>58(1/3)
>>59(2/3)
>>60(3/3)ですね?

そろそろまとめますか…

⏰:08/03/04 01:02 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#63 [今から(1/1)◆vzApYZDoz6]
時刻は0:49。

パジャマに着替えてベッドで携帯をいじっていたら、急に着信がきた。
掛けてきたのは友達だ。

「今から行くわw」

いきなりかい。
とりあえず家はみんな寝てるから駄目だが。

「じゃあコンビニの前おってw」

一方的に電話を切られた。
まったく、車の免許を取ってからずっとこれだ。
春休みに入って回数は減ったが、たまにこうして夜中に電話がかかってくる。

まぁ、いいか。

明後日になれば卒業だ、思い出は多い方がいいだろう。

俺は着替えて、家を出た。

今、コンビニの前にいます(実話)

⏰:08/03/04 01:03 📱:P903i 🆔:KmOF1cpQ


#64 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
《まとめ》

◆vzApYZDoz6さんの作品
往年のライバル(1/1)
>>5
奇怪な電話(2/2)
>>6
>>9
あの頃の思い出(2/2)
>>10-11
ギャグカオスなシュール(1/1)
>>12
賭け(3/3)
>>19-21
ゆびきりげんまん(2/2)
>>23-24
雪(2/2)
>>26-27
親御さん(1/1)
>>37
河上彦斎(3/3)
>>43
>>45-46
雨のち晴れ(2/2)
>>51-52
あだ名で呼んでほしいシュール(2/2)
>>53-54
今から(1/1)
>>63

梓さんの作品
真夜中の着信(2/2)
>>14-15

⏰:08/03/04 01:29 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#65 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
《まとめ続き》

ふむさんの作品
最期の花(1/1)
>>8
世界の真実(3/3)
>>13
>>16-17
天の邪鬼(3/3)
>>25
>>28-29
延長戦(1/1)
>>42
人斬り(1/1)
>>47
空(2/2)
>>55-56

紫陽花さんの作品
werewolf(2/2)
>>30-31
生きる理由(1/1)
>>41
私の宝物(1/1)
>>50

向日葵さんの作品
旅立ち(1/1)
>>57
春への想い(3/3)
>>58-60

⏰:08/03/04 01:30 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#66 [家族ドライブ(1/2)に]
一台の車が走る。
「久しぶりのドライブだね、おかあさん!」

そうね。三人なんて本当に久しぶり。

「あのね、おかあさん。おとうさんがへんなの。はなしかけても、おへんじをしてくれないの。ふりむいてくれないの。ねえおかあさん。おとうさんはびょうきなの?くるしいの?」

いいえ。病気でも、苦しくもないのよ。

暗い夜道を、一台の車が走る。
「おかあさんおかあさん。おとうさんはぼくのことがきらいなの?きらいだから、おこってるから、おとうさんはへんなの?」

いいえ、あなたのことをとても愛しているわ。

何かに追われるように、必死で走る。
「おとうさん…」

運転中だから、集中してるのよ。

「おかあさんおかあさん、きょうはどこへいくの?」

多分。

「たぶん?」

⏰:08/03/04 03:10 📱:PC 🆔:gM1Jl6UY


#67 [家族ドライブ(2/2)に]
橋の上で車が止まった。エンジンを切る音がし、息の荒い男が運転席から出てくる。
後部座席のドアを開け大きな黒い袋を引っ張り出し、その重さによろけながらも力任せに、下流に向けて投げた。
重力に逆らうことなく黒い袋はあっと言う間に暗闇に溶け込んで。
激流に呑まれたのか、落ちた音は確認出来なかった。

車に戻った男は声を荒げ後部座席に向かって怒鳴る。

「お前も五月蠅いとなあ、こうしてやるからな!!」

「あのね」


「おかあさんが、ずっと一緒に居たいって。」

穏やかに笑う少年の手にはバタフライナイフ。
その刃先は男の眼球目掛けて迷うことなく振り下ろされた。

そうして。

⏰:08/03/04 03:11 📱:PC 🆔:gM1Jl6UY


#68 [「大好きな赤」向日葵(1/2)]
赤が好き。

私の夢は世界中を赤で染める事。

家の中も全て赤。
赤一色。他の色なんていらない。
赤だけでいい。

だからキョロキョロも、赤で飾ってあげるの……。

「アハハハハハ!!」

楽しいなー。
みーんな真っ赤になってゆくんだもの。

この子も真っ赤になってさぞ喜んでいるのでしょうね……。
とーっても綺麗よ。

⏰:08/03/04 03:30 📱:SO903i 🆔:MhC0f226


#69 [向日葵]
間違えました……キョロキョロじゃなく今日です。

予測変換ミスしました……。(泣)

⏰:08/03/04 03:31 📱:SO903i 🆔:MhC0f226


#70 [「大好きな赤」向日葵(2/2)]
ホラ見て?
頭も、胸も、口も……全部赤じゃない。

赤にしたてるための道具のナイフも赤。
この子から出てきた液体も赤。
そして……それに触れた私の手も……赤。

でもね、周りのほとんどが、赤になっちゃったの。
他に赤くするのが無いわ……。

その時、ふと鏡を見た。

やだ……私赤くないじゃない……。

赤く……赤く……真っ赤にしなくちゃ……。

赤く染まったナイフを、胸の中で脈を打つ場所めがけて突き立てる。

これで私も……





……――――アカ

⏰:08/03/04 03:36 📱:SO903i 🆔:MhC0f226


#71 [夢見て、常日頃(1/2)◆vzApYZDoz6]
静かに寝息をたてる男。
その顔が、徐々に歪んでいく。

「……うわああっ!」

叫びに近い唸りと共に、男がベッドから跳ね起きた。
額に滲む汗を拭いながら、今の状況を確認する。
床に乱雑に置かれた雑誌や漫画。テーブルに置かれた、ぬるくなったお茶が淹れられたコップ。主電源を切り忘れているテレビ。
そこは、男の部屋だった。

「…何かアレな夢だったな」

上半身を起こしたまま目をこすり、もそもそとベッドから出る。
よく分からない夢だったが、なぜか頭に焼き付いている。
ボーッと夢の事を考えながら、とりあえずテレビの主電源を切る。
壁に掛けられた時計を見ると同時に、階下から母親の声が聞こえてきた。

「あんた、早く起きなさい!遅刻するよ!」

時刻は8:05。
別に間に合わない訳でもないが、朝飯は食えないだろう。

いつもの朝と同じ風景。

まだ夢が頭から離れず、考えながら割かし急いで制服に着替える。
その途中で、母親とは違う声が外から聞こえてきた。

「ちょっと早くしてよ!私も遅刻するじゃない!」

2階の窓に向かって叫ぶ幼馴染み。
俺はいつも彼女と一緒に学校へ行っている。

いつもの朝と同じ風景。

今日はあの夢の話を幼馴染みにしようかな。
そう考えながら階段を下りていく。

⏰:08/03/04 04:19 📱:P903i 🆔:KmOF1cpQ


#72 [夢見て、常日頃(2/2)◆vzApYZDoz6]
1階の食卓の上には、おそらく俺のために作られたであろう朝飯が並んでいる。
味噌汁にご飯、納豆、サンマの塩焼き。なんとも伝統的な日本食だ。
いつの間にか家に上がっていた幼馴染みが、その朝飯に手を出していた。
途中で俺に気付き、慌てて味噌汁を啜る。

「行ってきます」
「行ってらっしゃい。気を付けてね」

食べかけの朝飯を名残惜しげに見つめる幼馴染みの腕を引っ張り、玄関を出る。

いつもの朝と同じ風景。

通学路で、早速今朝見た夢の話をしてみる事にした。

「あのさ、今日変な夢を見たんだけど」
「あんたの夢なんか知らないわよ」

あっさりと切り捨てられた。
まぁ彼女はこういう性格だ。無駄にツンデレだから仕方がない。

「できれば聞いてほしいなー、なんて」
「………話しなさい」

幼馴染みの顔が少し優しくなる。
じゃあ、と切り出して夢の話をし始めた。
もちろん夢の話なんて最初だけで、5分も経てば話題は変わるんだが。要するに夢の話は、会話を始めるきっかけだ。

いつもの朝と同じ風景。


でも、いつもより幼馴染みの肩が近かった。

⏰:08/03/04 04:20 📱:P903i 🆔:KmOF1cpQ


#73 [始まりは白紙から(1/1)◆vzApYZDoz6]
「食らえ、断罪の左手!」
「漆黒の渦潮よ、飲み込め」

男が斧と化した左手がふりかぶるのを、女は微動だにせず佇んでいる。
だが左手が振るわれる前に、2人の眼前に闇が現れた。
闇は、2人を包み込んで――

「懐かしいな、小学生の自由帳か」

ページを捲る音。
闇となったページの次は、真っ白だった。
部屋を片付けていたら出てきた、あの頃の思い出。
ページの片隅にいる『彼ら』の冒険は、あの頃から時間が止まったまま。

そして今、真っ白なページに十数年振りに冒険が書き込まれる。

『彼ら』の旅が、再び始まろうとしていた。

⏰:08/03/04 20:48 📱:P903i 🆔:KmOF1cpQ


#74 [◆vzApYZDoz6]
ところで皆さんお題の存在は知ってるんですかね?
>>2にお題があります
まぁお題を使う必要は別にないんですが…

しかし参加者が少ない…

⏰:08/03/04 20:52 📱:P903i 🆔:KmOF1cpQ


#75 [リナ「死にたがりスティング」1/2]
 
スティングスティング
彼はスティング
 
スティングスティング
死にたがり
 
僕が知ってるだけでも10回は馬に蹴られ、それ以上に滝にのまれてる。
 
何でそんなに死にたいの?聞いたんだ。
なんて言ったと思う?
 
死ぬのが生きがいなんだって。
ふふっ笑っちゃうよね。
 
今はこの町で一番高い灯台の天辺にいるよ。
 
今日はあそこから海に飛び落ちるんだって。
 
でもスティングは死なない。
なにをしても死なないよ?
 
スティング以外みんな知ってる。
スティングの秘密。
 
でもスティングには絶対教えてあげないんだっ。
 

⏰:08/03/04 21:37 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#76 [リナ「死にたがりスティング」2/2]
 
スティングスティング
彼はスティング
 
スティングスティング
僕の友達
 
僕のひいお爺ちゃんより長くこの村にいるスティング。
 
こっそり教えてあげよーかな?
 
人は二度死ねないんだよって。
 
END

⏰:08/03/04 21:38 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#77 [◆vzApYZDoz6]
>>75-76
ホラーいいですねぇw

ついでにあげ

⏰:08/03/04 22:04 📱:P903i 🆔:KmOF1cpQ


#78 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
>>75-76
追加しましたw
ホラー良いですねぇ!

⏰:08/03/04 22:13 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#79 [[双子の正体]蜜月◆oycAM.aIfI]
あたしとアイはいつも一緒。
ご飯のときも、寝るときも、お風呂も歯磨きもぜーんぶ一緒。
 
あたしとアイはすごく高いところにあるお部屋に住んでる。
お父さんはビルって言ってた。
ベランダっていう窓からお外が見えるけど、危ないから出ちゃダメなんだって。
 
一緒に住んでるお父さんは、二人目のお父さん。
一人目のお父さんは優しくていつも一緒に遊んでくれて大好きだったけど、いなくなっちゃった。
それから今のお父さんのお家にお引っ越ししたの。
でも今のお父さんは一緒に遊んでくれないしお仕事であまりお家にいないから、あたしは前のお父さんの方が好きなんだ。
お父さんには秘密だよ。
 
あたしは公園が大好き。
ブランコとかお砂場とかジャングルジムとか、楽しいのがいっぱいあるから。
でも、公園には行っちゃいけないの。
今はぶっそうなよのなかだからってお父さんが言ってたけど、あたしもアイもよくわからない。
一度お父さんがお仕事に行ってるときに、アイと二人でこっそり公園に行こうとした。
でもお部屋のドアが開かなくて、出られなかった。

⏰:08/03/05 00:39 📱:SH903i 🆔:sHcifOgU


#80 [[双子の正体]蜜月◆oycAM.aIfI]
今のお父さんのお家に来てから、あたしはお外で遊んでないの。
アイと二人で、お父さんがつくったごはんを食べたり、テレビを見たりしてる。
でも、アイはお外に出てるの。
あたしが寝てる時にお父さんに連れて行ってもらってるんだって。
アイがお外に行った次の日は、あたしにお外の話をしてくれて楽しい。
でも、どうして?
アイとあたしはいつも一緒なのに。
どうしてアイだけお外に出られるの?
アイに聞いてみたけど、テレビを見ててお返事してくれなかった。
 
 
今日のお天気は雨で、いつも窓から見てるお外がよく見えない。
アイがあたしを呼んでる。
なあに?
 
――お外に出たい?
 
出たいよ。公園でブランコにのりたいな。
 
――じゃあ次にお父さんとお出かけするときは代わってあげる。
 
ほんと?
 
――うん。
 
夜、お父さんがアイを呼んだ。
あたしはアイのふりして、お父さんと一緒にお部屋を出た。
ひさしぶりにお外に出てうれしかった。

⏰:08/03/05 00:45 📱:SH903i 🆔:sHcifOgU


#81 [[双子の正体]蜜月◆oycAM.aIfI]
でもお父さんがあたしに言ってくることがよくわからない。
“ほてる”とか“ごほうし”とかむずかしい言葉で話しかけてくる。
お父さんが運転する車にのっていたら、ピカピカ光ってきれいなお城に車のまま入っちゃった。
 
 
お父さんと一緒に車をおりて、お城の中のお部屋に入った。
お父さんがお風呂に入りなさいって言ったけど、あたしはアイと一緒じゃないと入れないの。
だから、今日はお風呂いらないって言ったら、お父さんが服を脱がせてくれた。
お父さんが一緒にお風呂に入ってくれるのかと思ったけど、違った。
お部屋の真ん中にあるおっきなベッドに寝かされて、お父さんの手があたしの体のいろんなところを触ったりなでたりしてる。
お父さん、なにしてるんだろう?
 
――まだあなたにはわからないね。
 
アイ?
お父さんは、なにをしてるの?
アイとお父さんはいつもこんなことしてるの?
 
――逃げないで。ちゃんと向き合って。本当は知ってたんでしょ?
 
アイ、なにいってるの?
 
――あの人と、したことを。知ってたんでしょ?
 
やだ……。
 
――あなたが消したい記憶を、全部あたしが背負ったの。
 
やめてよ……聞きたくない!
 
――聞いて! あたしは……
 
 
 
その瞬間、全部思い出した。
アイは、あたし――。

⏰:08/03/05 00:51 📱:SH903i 🆔:sHcifOgU


#82 [蜜月◆oycAM.aIfI]
ごめんなさい!
名前のとこにレス数書くの忘れちゃいました…(´Д⊂

⏰:08/03/05 00:58 📱:SH903i 🆔:sHcifOgU


#83 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
>>82さん
(3/3)ですね?

⏰:08/03/05 01:04 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#84 [蜜月◆oycAM.aIfI]
>>83 ふむさん
はい、3レスで一本です!
失礼しましたっ(´・ω・`)

⏰:08/03/05 01:16 📱:SH903i 🆔:sHcifOgU


#85 [◆vzApYZDoz6]
>>84
乙です!

⏰:08/03/05 01:46 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#86 [ありがとう。さようなら(1/3)]
始まりは、1本の電話からだった。

『みかんは好きですか?』

好きです、と答えると、相手が楽しそうに声を弾ませる。

『みかんと言えばこたつ、こたつと言えばみかん。この無限ループって素敵じゃないですか?私は日本人が忘れてしまったこたつ文化を思い出してもらうためにこうして電話したんです。こたつでぬくぬくとしながら、甘いみかんを頬張る。テレビを見るのもオツですね。是非ともこたつを出してみてはどうですか?』

そうまくし立てて電話がぷっつりと切れた。

「こたつか、懐かしいな。じいちゃんが死んでから出してないな、そういや」

俺はばあちゃんを呼びつけて、こたつをどこにしまったのか確認する。
聞いた俺は居間に向かい、こたつを押し入れから引っ張りだした。
アナログな24インチの角形テレビの前に来るようにセッティング。
篭にみかんをなるだけ放り込み、こたつの上のど真ん中に置いた。
こたつのコンセントを差し込んでセット完了。
雪でも降ってりゃ完璧なんだけどな。
そう考えていると、ばあちゃんがやって来た。

「あら、こたつをしまったのはどこだ、って聞いたと思ったら」
「懐かしいだろ?」
「そうだねぇ。入っていいかねぇ?」
「もちろんだよ。このこたつには、俺には平成の、ばあちゃんには昭和の思い出が詰まってる。謂わばタイムマシンさ」
「あらあら、面白そうだね。そいじゃタイムトラベルといこうかい」

⏰:08/03/05 01:47 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#87 [ありがとう。さようなら(2/3)]
俺とばあちゃんはこたつに入って、テレビを見ながら話を始めた。
思出話に花を咲かせる。
こたつでぬくもった体を、冷たいみかんを頬張ることで弛緩させる。
いい意味で腑抜けた状態で、それでも話のネタが尽きる事はない。
じいちゃんとばあちゃんの思い出、母ちゃんの子供の頃の事、父ちゃんが挨拶に来た時の事、姉ちゃんの笑い話、母ちゃんがまだ赤ん坊の俺を連れてきた時の事。
話題に上がったみんなは、俺とばあちゃんを残してもういない。
ばあちゃんがとても穏やかな顔で話を続ける。俺も記憶をたどり、いなくなったみんなを思い出していく。

「…なぁばあちゃん」
「なんだい?」
「寂しく、ないの?」

ばあちゃんは少しきょとんとした顔をして、やっぱり穏やかに笑った。

「私はね、いなくなったみんなを覚えているよ。おじいさんも、あんたの父ちゃんも母ちゃんも姉ちゃんも。今こうしてこたつでみかんを食べてると、みんなを思い出すんだよ。だから、少し悲しくなるねぇ。でも、寂しくはないんだよ」

あんたが、いるからねぇ。
そう付け加えて、ばあちゃんは天気予報に目をやった。
俺は天気予報を見て、居間を出てすぐにある庭に面した廊下の、大きな窓へ向かった。
外は、雪がちらついていた。

⏰:08/03/05 01:48 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#88 [ありがとう。さようなら(3/3)]
「…ばあちゃん」

外を見たまま、言う。

「なんだい?」
「俺さ、今までみんなの事で泣けなかったんだ。泣かなかったんじゃなくて、泣けなかった。みんな唐突だったから、頭が理解してなかったんだと思う」
「知ってたさ」
「俺はそれでいいと思ってた。泣かない方がいいんだ、って」

少し外を眺めて振り返る。
「でも、さ。みんな…優しいよな」

優しい雪を後ろに、居間を見る。

こたつを囲んで。
ばあちゃんの対面にじいちゃんが。
2人の間に、父ちゃんと母ちゃんが。
俺が座ってた隣に姉ちゃんが。
みんな、穏やかに。優しく笑っていた。

「…あの電話に感謝しなきゃな。言い忘れてた事を言える事に」

俺も笑い返した。
みんなを忘れないように。
でも、ちゃんと言えるように。



「ありがとう。さようなら」



やっと泣けるな。

俺は、そう小さく呟いた。

ばあちゃんは、ずっと穏やかに笑っていた。

⏰:08/03/05 01:49 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#89 [ボン太]
ヤッホーい
飛び入り参加と聞いてこのボンタ様がやってきたぜー

「ふもっふもふも!」

ハハハなーに遠慮することはないぞ皆の諸君!!


ハーハッハッハッ
ハーハッハッハッ
ハーハッハッハッ


……………ふぅ

⏰:08/03/05 02:01 📱:N902iX 🆔:MVHHZNIk


#90 [◆vzApYZDoz6]
>>89
いいぞ参加者が増えてきた!www


ガンガン参加してくれ!

⏰:08/03/05 02:25 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#91 [Bloody Valentine(1/1)◆vzApYZDoz6]
「何ですかこれは何なんだ。今の状況を説明しろ簡潔に20字以内で説明しろ」

教室の真ん中で佇む女子生徒に、自分でもキモいと思うぐらい早口で問う。
まったく混乱していた。
朝教室に向かうと、そこは血の海。
ありきたりな比喩表現なんかじゃなく、本当に。
床は一面、どす黒く変色した赤。
壁には引き摺られたような、吹き掛けられたような、ぶちまけたような凄惨な血の跡。
真ん中でスパッと両断されてる机や椅子が、血の海に転がっている。
その中央に、クラスメイトであるその女子が立っていた。
ぶっちゃけると片想いしてる女子なんだけど。
今はそいつに説明責任を突き付けている真っ最中。

「…説明がいるのか?」
「普通に考えて当然だろ」

いや、別に説明しなくても彼女の手に握られた赤い刀身の日本刀を見れば、だいたい分かるけど。
そういや彼女は剣道部だったな、等とあまりにズレた考えが頭を過った。
まぁ1つ救いがあるとすれば、他のクラスメイトの死体が無いって事か。
全然救いにならねぇと思うだろうが、仲が良い奴の惨殺死体があるよかマシだ。

「…教室が、血の海だ」
「あー分かった俺が悪かった質問変えるわ。何で血の海だ?」

黒髪を靡かせて仁王立ちする彼女はやっぱり綺麗だ。
むしろ返り血を浴びて普段より綺麗だ。
いやいや、こんな状況で見とれてどうするんだよ。

「…私がやったんだ」

そう言うと彼女は俺との距離を一気に詰めた。

「お前も私のために紅になってくれ」

私のため、ってのは嬉しいが何の道理だそりゃ。

何でだよ、とまた説明を求めた俺の声は、首に刺さった刀身に邪魔されて喉を通らなかった。

⏰:08/03/05 02:28 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#92 [トイレ借りたいシュール(1/2)◆vzApYZDoz6]
ピンポーン

「………………」

ピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポ
ガチャ

「インターホンを連打するんじゃねぇ!」

「いいじゃんお前んちだし」

「ほう。俺んちなら何をしても許されると」

「火を着けても許されると思ってます」

「帰r」

「お邪魔しまーす!」

「うむ。言い得て妙なり。…で何しに来た?」

「ウ○コしに来た」

「なるほど、トイレを貸してもらえるのはお前の中で決定事項か。あ、その一番奥ね」

「サンキュー!」

⏰:08/03/05 02:43 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#93 [トイレ借りたいシュール(2/2)◆vzApYZDoz6]
ガチャ

「…えっ?」

「おっと、可愛らしい子がパンツを下ろしt」

「キャー!!」

「ところで何してるの?」

「…えっ?いや、えっと…」

「大便だろどう見ても」

「ああ、どうりで」

「小です!!ていうかどうりでって何!?」

「これはいい」

「つうか鍵閉めとけよ」

「その前に早くドア閉めてよ!!」

「…………」

バタン

「と言うわけですまんがもうちょい我慢してくれ」

「あっ、満足したからもういいや」

完…?

⏰:08/03/05 02:44 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#94 [選ばれた男(1/2)に]
ああなんだ、気付かなかったよ。私はなんて愚か者だったんだ。
いつも見上げていた空はこんなにも青く清々しく広がっていて。
春の匂いを漂わせた風が私の鼻をすり抜けていて。

あたたかい。
あたたかい。

ああなんでこんな素晴らしいことに気付かなかったのだろう。
私は真の愚か者か。


でもどうだい、つまらない人生を送っていた私でも
毎日は素晴らしいと気付けた!

私は覚醒した!

なんてことだろう。
これに気付けただけで周りの風景はこんなにも変わるものなのだろうか。

どうして今まで気付けなかったのだろう。
私はてっきり、自分が普通のつまらない人間だと勘違いして、普通に生きてきてしまったのだ。

それが、だ。
自分にこんな力があったなんて。
春の朝、仕事の準備をしていた僕の目の前に、突然君が舞い降りて
貴男は
選ばれた戦士だ
なんて言うものだから、戸惑うのが当たり前じゃないか。

だが今なら信じれる。
だから思えるんだ。
これほど生きていて良かったと思う日は、無い。ってね。

⏰:08/03/05 17:16 📱:N904i 🆔:CoKvvlsU


#95 [選ばれた男(2/2)に]
私はもう年を取りすぎたからと、断ろうとしたのに
今からでも遅くはないと君は言ってくれたから。

ああなんて素晴らしいのだろう。この沸き上がる喜びはなんだろう。
そう、これはチャンスだ。レールの上に敷かれた人生から、飛び出すチャンスだ!
私は素晴らしい世界を知らない。虹色に輝く毎日を知らない。味わったことがない。煌めいた景色を。素晴らしい人達を。まだ見ぬ敵を。

見てみたい。
見てみたい。

見たいんだ。
旅立ちは、今だ。

少しの金と食料があれば充分だ。仲間は、旅先で増えていくさ。

親には、伝説になった時にまた顔を見せに行けばいい。家庭を持っていない私には持ってこいの条件ではないか。


―準備は、できた。
心臓が高鳴っている。体中を暴れる様に強く血液が波打っている。重い腰を上げた私の膝が、震えている。

でも私はもう逃げない。振り返らない。
強くなりたいなら前へ進めと君が教えてくれたから。

額に流れる汗を吹く。もう大丈夫、大丈夫だ。怖くないと言えば嘘になるが、それ以上の希望が私にはあるんだ。


私を待っているのは、輝く未来だ!!!!!!






そうして私は、君に教えて貰った通り
ビルの屋上から飛び降りた。

⏰:08/03/05 17:23 📱:N904i 🆔:CoKvvlsU


#96 [◆vzApYZDoz6]
《現在のまとめ》

◆vzApYZDoz6さんの作品
往年のライバル(1/1)
>>5
奇怪な電話(2/2)
>>6
>>9
あの頃の思い出(2/2)
>>10-11
ギャグカオスなシュール(1/1)
>>12
賭け(3/3)
>>19-21
ゆびきりげんまん(2/2)
>>23-24
雪(2/2)
>>26-27
親御さん(1/1)
>>37
河上彦斎(3/3)
>>43
>>45-46
雨のち晴れ(2/2)
>>51-52
あだ名で呼んでほしいシュール(2/2)
>>53-54
今から(1/1)
>>63

⏰:08/03/05 21:38 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#97 [◆vzApYZDoz6]
◆vzApYZDoz6さんの作品
夢見て、常日頃
>>71-72
始まりは白紙から
>>73
ありがとう。さようなら
>>86-88
Bloody Valentine
>>91
トイレ借りたいシュール
>>92-93

梓さんの作品
真夜中の着信(2/2)
>>14-15

⏰:08/03/05 21:39 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#98 [◆vzApYZDoz6]
ふむさんの作品
最期の花(1/1)
>>8
世界の真実(3/3)
>>13
>>16-17
天の邪鬼(3/3)
>>25
>>28-29
延長戦(1/1)
>>42
人斬り(1/1)
>>47
空(2/2)
>>55-56

紫陽花さんの作品
werewolf(2/2)
>>30-31
生きる理由(1/1)
>>41
私の宝物(1/1)
>>50

⏰:08/03/05 21:40 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#99 [◆vzApYZDoz6]
向日葵さんの作品
旅立ち(1/1)
>>57
春への想い(3/3)
>>58-60
大好きな赤
>>68-70

にさんの作品
家族ドライブ
>>66-67
選ばれた男
>>94-95
リナさんの作品
死にたがりスティング
>>75-76

蜜月さんの作品
双子の正体
>>79-81

ボン太さんの作品
タイトルなし
>>89

⏰:08/03/05 21:40 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#100 [◆vzApYZDoz6]
さて、まとめもえらい量になってますがw

100レス突破しました!

と言うわけで新たにお題を追加したいと思います

お題
@電車
Aささやかな幸せ
B手紙
C都会

>>2のお題も引き続き使っておkです!
もちろんお題を使わなくてもおk!

引き続きC―Boxの皆様の参加&投下待ってます!

⏰:08/03/05 21:47 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#101 [紫陽花[手紙(1/1)]]
拝啓 母上様

お母さん元気?
私はもちろん元気だよ!!
仕事も一段落したし先週の金曜日には先輩達に歓迎会を開いてもらったの。先輩達はみんないい人だよ。
そうそう!!焼き鳥のおいしい店を紹介してもらったし、夜景の綺麗な場所も教えてもらったから今度こっちに来たら一緒に食べようね。


最近気付いたんだけど、こっちではあんまり星が見えないみたいなの。漫画みたいに高くそびえ立ったビルが綺麗な星達を隠しちゃってる。やっぱり都会は違うみたい。なんかちょっと悲しくなっちゃった。

あっ!!
私がホームシックになってると思ったでしょ!!もう子供じゃないんだからホームシックなんかならないよ!!
まぁ…
たまにお母さんのご飯が食べたくなるけどね。

では体に気をつけてね。
お母さん、すぐに無理するから娘は心配だよ!!



またメールじゃなくて手紙書くから。楽しみにしてて!!

ちょっと
  ホームシックな娘より

⏰:08/03/05 23:49 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#102 [[電車(1/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
朝一番、切符売り場で路線図とにらめっこしながら悩む。
行き先は自由だ。途中下車も乗り換えも、し放題。
 
 
まず僕は、ローカル線十駅分の切符を買って、いろいろな路線が集まっている主要駅へと向かう。
これで、選択肢は何倍にも広がった。
 
 
だが、良いことばかりではない。
切符売り場を目指すものの、駅校内はかなり混雑していて、目が回りそうだ。
ようやく路線図が見えた。
線や点が交わりあってとてもややこしい。
人の波から逃れたくて、急いで券売機のボタンを押す。
しかし慌てすぎて、目的地とは逆方向の切符を買ってしまった。
仕方なく電車に乗り込む。
 
人が多い。さっきの駅よりも混雑している。
周囲の乗客と自分の間に隙間がない。身動きが取れない。
電車の揺れに合わせて、車両ごとに何十人という人間が一つの塊になって揺れる。
だんだんと息苦しくなってきた。もう無理だ!

⏰:08/03/06 00:30 📱:SH903i 🆔:IsrrLMx6


#103 [[電車(2/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
直後に停まった駅で、人をかきわけ無理矢理降りる。
購入した切符を半分程無駄にしたが、しょうがない。我慢出来なかった。
 
 
高く昇った太陽の光が射すプラットフォームで、ベンチに座って少し休憩すると呼吸も整った。
再び切符売り場に行き、路線図を見上げる。
もう混雑はこりごりだ、人が少ないところにしよう。遠回りになっても良い。
また新しい切符を手に入れる。
 
電車に乗り込むと、その車内にはほとんど乗客がいない。
一番ゆっくり出来そうな場所の座席を選んで、腰を降ろす。
ぎゅうぎゅう詰めの電車では押し潰されないように必死で、周りを気にする余裕など無かった。
だがここでは、斜め前に座っている若い男性の腕に目がいった。
有名な高級腕時計をつけている。こんなに若いのに……。
羨ましく思ったが、乗り過ごしてはいけないので到着するまで切符を見つめていた。

⏰:08/03/06 00:32 📱:SH903i 🆔:IsrrLMx6


#104 [[電車(3/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
電車を降りて、その切符を自動改札機に通す。
と、異常を知らせるチャイムが鳴り、駅員が駆けつけた。
切符に不備は無い。改札機の不調のようだ。たまにはこんなこともある。
気を取り直して切符売り場へ。
今回はかなり悩む。路線図を目で辿り続ける。
長時間悩んだ末に、ボタンを押す。駅の入口から見える遠くの空は、もうオレンジだ。
 
車内に入ると、座席が全て埋まっている。しかし、目的地はもうすぐそこだ。座れなくても構わない。音を立てて閉じたドアに背を預ける。
だが、ふと思い付いて振り返る。
この車両は今、山に囲まれた町の中を走っている。
夕暮れの町並みや山々は、暮れかけの太陽のせいで真っ赤に染められていて、息を飲む程美しい。
この景色は、夕暮れの限られた時間しか見ることができないのに、偶然見られた僕はとてつもなく幸運だ。
 
 
そして、僕を乗せた電車は目的地へと近づく。
 
駅の名前は「天国」。
 
 
……そう、これは僕の人生。
 
本当の人生は敷かれたレールの上を辿るのでは無く、縦横無尽に繋がっているたくさんのレールの中から、一つの道のりを選び取るということだ。

⏰:08/03/06 00:35 📱:SH903i 🆔:IsrrLMx6


#105 [◆vzApYZDoz6]
>>101
乙です!
二人称の短編はやっぱいいですねー

>>102-104
3レス乙です!
最後がなんかすごくいいw

⏰:08/03/06 01:54 📱:P903i 🆔:5soVjE/o


#106 [蜜月◆oycAM.aIfI]
>>105 ◆vzApYZDoz6さん
駄作を呼んでいただいて…ありがとうございます(´∀`)

正直、終わり方わかんなくなっちゃったんで無理矢理しめましたw
褒めていただけてすごく嬉しいです!

⏰:08/03/06 02:15 📱:SH903i 🆔:IsrrLMx6


#107 [◆vzApYZDoz6]
>>106
こういう短編を読みたくてスレを立てましたから(´∀`)
これぞフリーダム!

俺は投下しすぎな気がしますからwガンガン投下してくだされ

⏰:08/03/06 02:58 📱:P903i 🆔:5soVjE/o


#108 [蜜月◆oycAM.aIfI]
>>107 ◆vzApYZDoz6さん

フリーダム万歳!

逆にあたしは、◆vzApYZDoz6さんのSSSすごく勉強になるので、もっと読みたいです(・∀・)
また書いたら投下させていただきますのでよろしくです!

⏰:08/03/06 03:15 📱:SH903i 🆔:IsrrLMx6


#109 [◆vzApYZDoz6]
>>108
勉強になりますかwまぁネタ思い付いたら投下しますw

どうぞー
連続投下もおkですよ

⏰:08/03/06 09:46 📱:P903i 🆔:5soVjE/o


#110 [[手紙]ふむ(3/3)◆s8/1o/v/Vc]
朝の眩しい陽射しを浴びて俺は玄関から外に出た。
冷たく清々しい空気を肺いっぱいに吸い込む。
サンダルの隙間から刺さるような冷たささえ、早朝を感じさせる。
俺は門にある郵便受けの前に立った。
白い郵便受けも陽射しを浴びて反射しながら朝を楽しんでいる。
自然と緊張で顔が強張る。
俺は今にも早くなりそうな鼓動を抑えた。
ゆっくり深呼吸をして、冷たい空気が肺に流れ込めば、早くなりつつある脈拍を緩くしていった。
意を決して郵便受けに手を伸ばす。
微かな金属の摩擦音を立てて開かれた蓋の中には、いくつかの郵便物があった。
俺の視線はそれらを一切捉えず、ある一つの郵便物にだけ目を奪われていた。
黒い、無地の便箋。
切手や宛先主の名がない事から、直接郵便受けに入れられた事がわかる。
中身を確認しなくても内容はわかった。
……殺人予告だ。
すでに二週間近く続いているこの脅迫状。
中には恐らく今までと同じように「今日、貴方を外出中に殺します」と書かれているのだろう。
今日も暗い部屋でびくびくと怯える一日が始まると思うと、自然と表情も曇る。

⏰:08/03/06 12:26 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#111 [[手紙]ふむ(2/3)◆s8/1o/v/Vc]
犯人を突き止めようと、徹夜で窓から見張ったこともあった。
しかしどういうことか、脅迫状は何故か朝には郵便受けに収まっているのである。
その後も見張ったが、結局わからず仕舞いで、三日で諦めた。

警察には言えなかった。
理由はない。俺の本能が嫌っているのだ。
同時に、本能は警察に言えば手紙は止まるとも言っている。
しかし止まるといっても、それを確信している本能自身が警察に行くなと言うのだから仕方がない。

俺は郵便物を引っ張り出すと黒い便箋を片手に家に戻った。
カーテンが締め切られた薄暗い部屋に入ると、真っ先に机に向かう。
途中ベッドを横切る時に、他の郵便物を投げ捨てた。
机に辿り着くと引き出しを開ける。
中には手に持っているのと同じ黒い便箋が十何通も入っていた。
無造作に手に持っていたそれも、引き出しに放る。
ぱさり、と軽い音を立てて黒い便箋は中に収まった。
引き出しを戻すと、俺は気分が悪くなってきた。
毎日のように来る脅迫状に、精神的に舞ってきたのだ。
力無くベッドに倒れ込む。
目を閉じればすぐに睡魔はやって来た。
俺は糸が切れたように眠りに着いた。

⏰:08/03/06 12:27 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#112 [[手紙]ふむ(3/3)◆s8/1o/v/Vc]
ひやりとした寒さを感じて、俺は目を覚ました。
カーテンに光はなく、すでに夜だということがわかった。
俺は起き上がると、机に付いている照明の電源を入れた。
明日の支度をしなければ…。
白い紙を出して、ボールペンで文字を綴る。
書き終えると机の隅に置いてある封筒から、黒い便箋を取り出した。
紙を中に入れると、俺は黒い便箋を片手にふらふらと部屋に出ていった。
しばらくすると、部屋の扉が開かれる。
帰ってきた俺の手にはすでに手紙はなく、外に行ってたのか身体が更に冷えて小刻みに震えていた。
再びベッドに崩れ落ちる。
黒い便箋は明日も送られて来るだろう。
俺に恐怖を運ぶために…。

⏰:08/03/06 12:29 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#113 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
>>110は(3/3)ではなく
(1/3)でした

⏰:08/03/06 12:30 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#114 [リナ]
>>96-99作品リスト

>>77vzApYZDoz6サン
>>78ふむサン
初めまして
死にたがりのリナです。
あれホラーでしたか?
めちゃほのぼの書いてたんでホラー部門に驚きました(ノ∀`*)アリガトーゴザイマス
皆さんのように巧く書けませんが、また参加させて貰います

⏰:08/03/06 14:33 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#115 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
>>114
恐らくオカルトホラーの部類かと…;
間違っていたら申し訳ありません!
私なんて全然ですよ!
もっと上手くなりたいものです

⏰:08/03/06 14:59 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#116 [リナ]
>>115ふむサン
あれは少しマザーグースを意識して書きました。
全然でしたが((´∀`))
 
あたしふむサンの『空』好きです。
最後の花は勝手に信長イメージで読みました(ノ∀`*)

⏰:08/03/06 16:08 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#117 [「偽物家族」(1/2)リナ]
 
窓から冷たい風が吹き込む夕飯時。
大声で私を呼ぶ声で目が覚めた。
気持ち良く寝てたのになんだってのよ?
ベッドから抜け出て部屋のドアを開けた。
 
「なぁに?博人(ヒロト)」
「なんで姉ちゃん寝てんだよ……。
あー!一緒にこの興奮を分け合いたい!」
キモッ。
いいや、もー一眠りしよ。
「ちょっ!
なんでドア閉めんのさ?
き、い、て!!」
仕方ないなぁ
「なぁぁぁぁぁぁに?」
いやいや聞いた。
「俺また見たんだよ!
未確認飛行物体!
すごくね?
これで連続5回は見てる!」
興奮冷め止まぬようで声がでかい。
「…………で?」
博人は一瞬シュンとした表情を浮かべ
「あいつら絶対侵略しにきてんだ!
今はきっと偵察期間だな」
言って一人で納得した。
 
「そんなことよりあんた明日試験でしょ?
勉強しなさいよ」
「俺には勉強の方が『そんなこと』だよ。
どーしよー?
俺の前にこんな頻繁に現われるって事は、俺連れ去られてチップとか埋め込まれんのかな?こえぇー」
顔がこんなだよ(*´∀`*)生き生きしてんじゃん。
 
弟よ、あんた今凄くめんどくさいよ。
 

⏰:08/03/06 16:13 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#118 [「偽物家族」(2/2)リナ]
 
「はいはい。
連れてかれないから大丈夫」
「姉ちゃん夢がねぇなぁ。
目が冷たい、とことん冷たいっつの!
もーいぃよ。
はぁ……勉強しよ……」
 
自分の部屋に迎う弟の背中を見ながら、爬虫類のように長い舌をチロチロ出し思う。
だってもー連れて来られてるもん。
END

⏰:08/03/06 16:14 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#119 [[誘拐事件(1/2)]蜜月◆oycAM.aIfI]
6年前、私は誘拐された。
パパとママと、3人で普通の生活を送っていたのに、ある日突然学校の帰り道で見知らぬ車に連れ込まれた。
それから6年間、私は誘拐犯の隠れ家らしき場所に監禁されている。
 
 
誘拐犯はどうして私を選んだのか。
 
たまたま私が目に付いたから?
 
それとも初めから私を狙っていたの?
 
6年間、あたしはずっと考えている。他にすることがないから。
でも、答えは見つからない。
 
 
パパとママはどうしているんだろう。
 
まだ私を探してくれている?
 
それとも私のことなんか忘れて、楽しく過ごしてる?
 
考える度に涙が溢れてくる。普通の生活がどんなに幸せなことか、終わってから気付くって本当だ。でも、いつか涙が枯れるっていうのは嘘だった。
 
 
監禁が始まってからずっと、逃げる方法を無限に考えているけれど、どれもうまくいかない。
誘拐犯は慎重なやつだ。
私が閉じ込められている部屋には、生活に必要なものはほとんど揃えられている。
なのにその中には、犯人を襲うための武器になるようなものは一つも無い。
 
そして、私が自分の命を絶つための道具になるものも無い。

⏰:08/03/06 17:59 📱:SH903i 🆔:IsrrLMx6


#120 [[誘拐事件(2/2)]蜜月◆oycAM.aIfI]
そうして絶望した私は、現実から目を背け、昼も夜も夢の世界に逃げ込んだ。
けれどいつからか、目を覚ますと違和感を感じるようになっていた。
何がおかしいのか解らない、でも何かがおかしい。
 
 
そしてある日、ユウという少女と出会った。
彼女は私の中に存在していた。
誘拐犯は、私が眠りユウが現れると、ひどい暴行を働いたようだった。
しかしユウは私が作り出したあやふやな存在。私が私の都合の良いように記憶を消してしまうから、次の日には覚えていなかった。
 
犯人からの屈辱を受け、ユウはそれを忘れる。私は辱められたという事実だけを受け止める。
 
いつしかこの方程式によって、私の精神はギリギリで均衡を保っていた。
 
 
そして今日、ユウと私はこの均衡をぶち壊す。
私たち自身の均衡を守るために。
 
ユウが痛みを感じ忘れる。私は事実だけを受け止める。
 
ベランダの窓を突き破り、そのまま空中へ――。
 
“死”という事実だけを。

⏰:08/03/06 18:05 📱:SH903i 🆔:IsrrLMx6


#121 [◆vzApYZDoz6]
俺が二日酔いで潰れてた間に皆様かなり書いてますねw
今から読ませていただきます


>>114
あれほのぼのですかw
言われてみれば、ほのぼのダークな感じかもですねw

ガンガン投下しちゃって下さいね

⏰:08/03/06 22:36 📱:P903i 🆔:5soVjE/o


#122 [我輩は匿名である]
?「ふふふふふふ
あのこ絶対あたしが好きなのよ
うふふふふふふ」

電車の中で鏡を見ながら呟く女
その名は『済須 未来-サイス ミライ-』
成績優秀
顔上の中
なんでもできる優等生。
しかし、済須未来は少し違う。
人と目が合えば呟き
人に話しかけられればにやける
そいつについた
あだなは…
ー妄女ーモウジョ
聞いてたらわかるだろうがこいつは、顔を汚すかのような
妄想女
恋するのは自分じゃなくて相手

そんな妄女の1日の妄想を見てみようではないか

⏰:08/03/06 22:56 📱:W43H 🆔:LHm6bI72


#123 [我輩は匿名である]
(告白ってヤッパリ卒業式の後だよね)

何を考えているかはわからないが不気味な笑みとともに、こいつの1日は始まった

⏰:08/03/06 23:00 📱:W43H 🆔:LHm6bI72


#124 [「夕日」向日葵(1/2)]
疲れた体を、壁に預ける。

電車にゴトゴトと揺れながら、今日も1日終えたと安堵のため息を静かに吐いた。

毎日すぎる当たり前の時間。
自分はこんな時間を過ごしていて本当にいいのだろうか。
自問自答する。

何かしなくちゃならないのではないか?
でもそれが何かは分からない。

分からないから、無駄な時間を使っている気がしてならない。

このままの毎日が過ぎる事の方が、友達と合わせて笑ったり、溜った課題を済ませるよりしんどく感じた。

⏰:08/03/07 22:26 📱:SO903i 🆔:Ii/OqDZE


#125 [「夕日」向日葵(2/2)]
そんな時、外から眩しい光が差し込んだ。

それは今にも海に隠れそうなオレンジ色の夕日だった。

誰もが口々に綺麗だと言う。
私もその1人。

でもまた、明日から頑張れる気がした。
がむしゃらにでも、何かをやりとげれる気がした。

そう思うと、急に切なくなって、胸がいっぱいになった。

そこでようやく心身共に疲れきっていた自分に気づく。

夕日の光が、自分の心にも差し込んできたように感じたのだった……。

⏰:08/03/07 22:29 📱:SO903i 🆔:Ii/OqDZE


#126 [[手紙(1/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
“今日は同室のやつが持ってたトランプで遊んだよ。
トランプなんか二人とも久しぶりで、ババ抜きしか覚えてなくてさ。
二人じゃどっちがババ持ってるかすぐわかってしまうから、すぐ終わったけどね。
また明日手紙送るよ。”
 
俺は毎日手紙を書く。この部屋に来てから、この作業を欠かした日は一日も無い。
 
“今日は仕事がいつもより多くて、すごく疲れた。
でも心配しなくていいから。
毎日くたくたになるまで真面目に働いてるんだからさ。
また明日手紙送るよ。”
 
手紙の最後はいつも同じ。返事がなくても、この一文を書くことで、俺は書き続けていられるような気がする。
 
“今日、同室のやつがここを出たよ。またいつか会おうなんて言ったけど、あいつは忘れてしまうんだろうな。
良いやつだったんだ、すごく。
ちょっと淋しいよ。
また明日手紙送る。”
 
 
俺の母は、とても悲しいひとだった。
毎日毎日、旦那――つまり俺の父親だが――からひどい暴力を振るわれていた。
俺が生まれる前は、優しくて良い夫だったが、出産してから豹変したんだと、母の姉の伯母から聞いた。
母は、父を愛していたからなのか、警察に行く訳でもなく、ただ毎日怯えていた。母の傷やあざを見て、伯母が気付くまで何年間も一人で耐えていた。
俺は、父が母に対してそうなってしまったのは自分のせいだと思っていた。理由は解らないが、俺が産まれたせいで、父にとって何か気に入らないことが生じたのだろう。

⏰:08/03/08 01:18 📱:SH903i 🆔:7AUminCk


#127 [[手紙(2/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
“母さん今日も元気? 体の調子はどう? 俺は今日も元気に働いているよ。
今日、陶芸をしたんだ。俺が作った皿、宅急便で送るから見てくれよ。うまく造れなかったけど。
また明日手紙送るよ。”
 
俺はずっと、母に対して申し訳ないという気持ちで生きてきた。
そして、ここに来た。
母は俺がここに来たと知って、とても悲しんだようだった。精神的に弱ってしまって、今は入院している。
伯母が母の世話をしてくれていて、たまにここにも来てくれる。
伯母にも迷惑をかけてしまった。ここを出たら一生かけて恩返しをするつもりだ。
 
“俺の部屋に新しいやつが来た。
前のやつとは違って、あまり良いやつじゃなさそうだ。問題起こさなきゃいいんだけど。
また明日手紙送るよ。”
 
俺がここに来てもう八年経った。母ももう良い年だが、あと七年は会えない。心配だった。
親孝行出来る内に母のもとに戻りたいと思っていたら、嬉しい知らせが来た。
 
“母さん、俺、模範囚になれたよ。あと二年で出所できるらしいんだ。
母さん、もう少し待っててくれよな。外に出たら、働いて稼いで、おいしいものいっぱい食べに連れていくから。
じゃあ、また明日手紙送るよ。”

⏰:08/03/08 01:20 📱:SH903i 🆔:7AUminCk


#128 [[手紙(3/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
次の日、伯母さんが面会に来た。
昨日の手紙を読んで、入院中の母が初めて反応したというのだ。
母は今ほとんど話すこともなく、一日中寝て過ごすことが多いと聞いていたから、俺は母が俺の出所を喜んでくれたのだと思った。
そして伯母は、母からの返事を代筆したものを持ってきてくれた。
 
 
“どうしてあと二年で出所できるの? 懲役十五年でしょ? それでも足りないのに!
あなたは私の大切な人を奪ったのよ……
なのにトランプやら仕事やら毎日楽しそうに元気に過ごすなんて許せない。
出所しても私のところへは来ないでちょうだい。息子とも思ってませんから”
 
 
――これは……誰だ?
  まさか、そんな。
 
俺は、父が母を苦しめているのを幼い頃から目の当たりにしていた。
母が毎日怯えているのを見て、だんだんと父に憎しみを抱くようになっていた。
そして、殺した。
母を助けたい一心で、母に新しい人生を歩んで欲しくて、殺した。
 
――なのに……なのにどうして!
 
母が悲しんだのは俺が逮捕されたからではなく、父が死んだからだ、とだけ告げ、伯母は帰っていった。
 
 
そして俺は決意した。今度は他人の為ではなく、自分の為に……と。

⏰:08/03/08 01:28 📱:SH903i 🆔:7AUminCk


#129 [ずっと大好き]
あれからもう一カ月がたつよ…
タクは天国へ逝った

アタシとタクはお互い大好きだったのに一緒にはなれなかった
ただ…教師と生徒なだけなのに…
誰一人として祝福してくれる人はいなかった

ただ生きててくれればアタシ頑張る事出来るのに…
アナタがいなきゃだめなのに…
アタシの心は止まったまま無情に時間だけが過ぎてゆく

そして2ヶ月がたった

最近身体がだるい…

微熱も続く…

アタシどうしたんだろ

不安に思いアタシは病院に行った

⏰:08/03/08 12:25 📱:V803T 🆔:OM4BGBho


#130 [ずっと大好き]
医者「妊娠してますね」

「え…妊娠…」

アタシは即座に産むと決めた

アタシは空を見上げた

タク…アタシ妊娠してたょ
頑張って産むからタク見守っててね

その日アタシは夢をみた

タク「アミ俺ずっとお前が好きだし
生まれ変わってもお前をまた見つけてやる自信がある
俺はずっとかわんねぇからな」

アタシは目が覚めた

アタシは大声で泣いた

「タク…ヴッヒック…アタシもずっと好きなの変わらないよ…ヒック…今までもこれからもタクだけだょ…」

⏰:08/03/08 12:26 📱:V803T 🆔:OM4BGBho


#131 [梓【決意】(1/2)]
ベッドの中で彼にしがみつきながら、朦朧とした意識の中で私は考えた。

―今日、言おう。
きっかけを待っていたらいつまで経っても切り出せない。
彼と私は求めるものが違いすぎる。
「ん…あっ…!」

彼を強く感じ、私の思考はそこで途切れた。

⏰:08/03/08 17:29 📱:SO703i 🆔:☆☆☆


#132 [梓【決意】(2/2)]
下着を着けながらどう切り出そうか考えていると、3年間の彼との思い出がぼんやりと浮かんできた。

温かく、そして切なくなった。
でも、これでいい。彼との今までの生活は、決して悲しいものじゃない。愛しているからこそ、大切に思うからこそ、お互いのために離れよう。


「悠介…」

瞬間、後ろから彼に抱きすくめられた。と同時に左手に無機質な冷たさを感じた。




指輪だった。

「お前は俺と一緒にいればいいんだよ。」



私の決意は、柔らかく崩れていった。



*End*

⏰:08/03/08 17:43 📱:SO703i 🆔:☆☆☆


#133 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
◆vzApYZDoz6さんの作品
往年のライバル(1/1)
>>5
奇怪な電話(2/2)
>>6
>>9
あの頃の思い出(2/2)
>>10-11
ギャグカオスなシュール(1/1)
>>12
賭け(3/3)
>>19-21
ゆびきりげんまん(2/2)
>>23-24
雪(2/2)
>>26-27
親御さん(1/1)
>>37
河上彦斎(3/3)
>>43
>>45-46
雨のち晴れ(2/2)
>>51-52
あだ名で呼んでほしいシュール(2/2)
>>53-54
今から(1/1)
>>63
夢見て、常日頃(2/2)
>>71-72
始まりは白紙から(1/1)
>>73
ありがとう。さようなら(3/3)
>>86-88
Bloody Valentine(1/1)
>>91
トイレ借りたいシュール(2/2)
>>92-93

⏰:08/03/08 18:12 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#134 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
ふむさんの作品
最期の花(1/1)
>>8
世界の真実(3/3)
>>13
>>16-17
天の邪鬼(3/3)
>>25
>>28-29
延長戦(1/1)
>>42
人斬り(1/1)
>>47
空(2/2)
>>55-56
手紙(3/3)
>>110-112

にさんの作品
家族ドライブ(2/2)
>>66-67
選ばれた男(2/2)
>>94-95

紫陽花さんの作品
werewolf(2/2)
>>30-31
生きる理由(1/1)
>>41
私の宝物(1/1)
>>50
手紙(1/1)
>>101

⏰:08/03/08 18:15 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#135 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
向日葵さんの作品
旅立ち(1/1)
>>57
春への想い(3/3)
>>58-60
大好きな赤(2/2)
>>68-70
夕日(2/2)
>>124-125

リナさんの作品
死にたがりスティング(2/2)
>>75-76
偽物家族(2/2)
>>117-118

蜜月さんの作品
双子の正体(3/3)
>>79-81
電車(3/3)
>>102-104
誘拐事件(2/2)
>>119-120
手紙(3/3)
>>126-128

梓さんの作品
真夜中の着信(2/2)
>>14-15
決意(2/2)
>>131-132

⏰:08/03/08 18:15 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#136 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
【まとめ】
>>133-135

⏰:08/03/08 18:16 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#137 [紫陽花]


まとめ乙です!!!

⏰:08/03/08 19:24 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#138 [紫陽花[卒業(1/2)]]
もうこの学校に先輩はいない。

先輩は少しだけ春の木漏れ日が差し込んだ先週の金曜日私の通う高校を卒業した。


もうこの学校に先輩はいない。

朝わざとぎりぎりに学校に登校しても、昼休みに売店に行っても、移動教室の時友達に無理を言って遠回りしてみても、もう先輩を見つけることはできない。



あと二年早く生まれたかった。

なんどその言葉を口にしただろう。所詮私は後輩……。たまに挨拶をするのが私の精一杯の自己表現。

だけど先輩は、少しだけめんどくさそうな顔をして頭を下げてくれる。それだけで一日中幸せになれた。名前を呼んでくれた日など一生忘れないと思った。もちろん今でも覚えている。

⏰:08/03/08 19:25 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#139 [紫陽花[卒業(2/2)]]
だけどそんな先輩はこの学校を卒業してしまった。


今でも、朝学校に来ればまず先輩の姿を探してしまう。売店へ行くと先輩はいないと頭では分かっているのに目が勝手に先輩を探してしまう。心が勝手に今日もパンを買ってるんじゃないかと期待してしまう。廊下ですれ違うことは二度とないのに先輩を一目見ようと遠回りしてしまう。

先輩とは一年しか同じ学校に通っていないけど、その学校の至る所に先輩の思い出が隠れている。


それでも私はこの恋を終わらせるつもりはない。

確かに想いは届かないだろう。だけど私が先輩に恋した時間は永久に私の心の中に残るから。短い期間だったけど私の心は先輩でいっぱいになったから。



だから私は先輩を忘れない。





卒業おめでとうございます。




ーーーendーーー

⏰:08/03/08 19:26 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#140 [◆vzApYZDoz6]
おお、いつの間にかものすごい量の投下がw

そろそろ俺も投下しよw

⏰:08/03/08 21:29 📱:P903i 🆔:dQoHT8FQ


#141 [朝海『初恋』(1/3)]
アタシは今日も病院のベッドの上
今まで恋なんかした事がないアタシはこれからそんなモノは無縁だど思っていた

アイツに会うまでは…

看護師「秋サン今日天気良いから散歩行きましょうか」

秋「はい…」

アタシは看護師サンに中庭に連れてこられた

看護師「秋サン飲み物買って来ますね」

そう言うと看護師サンは行ってしまった

アタシは空を見上げて溜め息を着いた…

「こんな青空の日に溜め息なんか吐くんじゃねぇょ」

アタシは隣に居た男を見た
秋「アナタ誰?」

「俺?宙(ソラ)お前は?」

宙は無邪気に笑った

宙―‐アンタはアタシの光だったよ

⏰:08/03/08 21:57 📱:V803T 🆔:OM4BGBho


#142 [朝海『初恋』(2/3)]
秋「アタシ秋」

アタシは宙を見た

宙「そんな暗い顔してっと幸せになれねぇぞ」

宙はまた無邪気に笑った
秋「笑い方なんか忘れたよ…」

すると看護師サンが戻ってきた

看護師「秋サンお待たせ」

看護師サンはアタシにココアを渡した

看護師「あら―‐宙君じゃない検査は終わったの?」

宙「終わりましたハハ」

秋「宙どっか悪いの?」

宙「ただの骨折(笑)」


宙とアタシは仲良くなり宙が退院してもアタシのお見舞いに毎日来てくれた

そんな生活が半年経った
今日もアタシは中庭に居る
宙もアタシを見つけるとこっちにきた

⏰:08/03/08 22:10 📱:V803T 🆔:OM4BGBho


#143 [朝海『初恋』(3/3)]
宙「よッ!」
宙はアタシの隣に座った
秋「よッ」
アタシも同じく返した
するといきなり宙は
宙「俺―‐秋が大好き」
宙は空を見上げ照れながら言った
秋「アタシも宙が大好き」
ホントの恋をした少女は白血病と言う難病にたたかう強さも知った
1年後―‐
秋はベッドから起き上がる事ができなくなっていた
宙「秋…俺のそばから居なくならないでな…」
秋「宙…アタシ離れたくないょ…ヒック…」

秋は天国へ逝った

宙は看護師から秋からの手紙をもらった

秋「アタシの初恋の相手が宙でよかった―‐大好き」
宙「秋…俺もお前が大好きだ」

⏰:08/03/08 22:27 📱:V803T 🆔:OM4BGBho


#144 [恋文(1/1)◆vzApYZDoz6]
先程から便箋を汚しては消して、汚しては消しての繰り返しで、なかなか筆が進まない。
恋文なんていうのは、自分の『好き』という心中を伝えれればそれだけで役割が果たされた事になるのだが、それが難しい。

そうしている内に、だんだん嫌になってきてしまった。
悩めば悩むほど小難しい文章になるんだから、どうせなら今思っている事をありのままに書いてやろう。
そう考えると、ペンを握る手に自然と力が入った。

「えーっと、お前はクラスのマドンナとか言われてるけど太ももが太いから俺はそうは思わない。というかお前なんて好きじゃない。ちょっとぐらい容姿がいいからって調子に乗るなよバーカ。結局、一番いいのは幼女なんだよバーカ」

書き上げた便箋を三つ折りにして封筒に入れる。
ペンを置き、座っている椅子の背凭れに盛大に寄りかかって、天井を見つめながら大きく溜め息をついた。

「…ったくあの野郎、俺にラブレターの代筆なんか頼みやがって」

この内容のままであいつの想う人に渡せば、間違いなくあいつは振られる。
だが別に構わない。むしろ、振られた方があいつのためになるだろう。

天井を見つめたまま、再度溜め息をついた。
そして再び机に向かい、新しい便箋を取り出す。
ペンを握り、振られて泣くあいつへの慰めの言葉と、失敗したラブレターの言い訳を、吟味しはじめた。

⏰:08/03/09 00:41 📱:P903i 🆔:IRJGZ9R2


#145 [[邪魔モノ(1/1)]蜜月◆oycAM.aIfI]
私は標的を真っすぐに見つめながら、そろりそろりと近づく。
 
――あなたには悪いけど、こうするしかないのよ。
 
心の中で呟いたつもりだったが、聞こえてしまったのだろうか、標的が私に気付いたような気がした。
どうせ、何度同じことを繰り返すのだ、などと思われているのだろう。
だが、私はこうやって生きてきたのだ。今さらどうしようもない。
 
あの人と結ばれるため、邪魔モノがあらわれる度に私は排除してきた。何度も何度も。
罪悪感が無いわけではない。けれど、あの人のためと思えば少しぐらいの痛みなど無いに等しい。
私の中に残っていく悲しい傷痕。しかし、それさえもあの人への愛情からのものと思えば、愛しい。
 
そして私は、この愚かな行為を今日も繰り返す。
 
自らの右頬を両手で挟み込む。嫌な音がして潰れるニキビ。
 
「あ〜また跡残っちゃうな、コレ」

⏰:08/03/09 02:07 📱:SH903i 🆔:J0vT8dP.


#146 [◆vzApYZDoz6]
>>145
www

そうゆうのすごい好きww

⏰:08/03/09 14:28 📱:P903i 🆔:IRJGZ9R2


#147 [ふむ]
>>145
wwwww
オチ良好ww

⏰:08/03/09 14:33 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#148 [蜜月◆oycAM.aIfI]
>>146 ◆vzApYZDoz6さん
>>147 ふむさん
 
ありがとうございますww

⏰:08/03/09 17:46 📱:SH903i 🆔:J0vT8dP.


#149 [きゆん]
<1>
 
 
「…好きよ」
 
そう言えば君は
どんな顔をするの?
 
このまま友達でも
いい、そう思ってた。
 
けどやっぱり
ずっとずっと
大好きだった
私の気持ちを伝えたい。
 
 

⏰:08/03/09 17:53 📱:W52SA 🆔:8lv7aSTk


#150 [きゆん]
<2>
 
 
「…好きだ」
 
そう言えば君は
どんな顔をする?
 
このままいい奴として
君の隣にいられるなら
それでもいいと思ってた。 
 
けど、すげぇ大好きな
気持ち…やっぱり伝えたい。
 

⏰:08/03/09 17:55 📱:W52SA 🆔:8lv7aSTk


#151 [きゆん]
<3>
 
こっちを見て。
こっちを見ろ。
 
私に微笑んで。
俺に微笑えめ。
 
愛してるって言って。
愛してるって言ってくれ。 
 
 
今君に
全てを告げる。
 
-END-

⏰:08/03/09 17:58 📱:W52SA 🆔:8lv7aSTk


#152 [きゆん]
 
「告白」>>1-3
 

⏰:08/03/09 17:59 📱:W52SA 🆔:8lv7aSTk


#153 [「君と魔法」向日葵(1/2)]
上を向けば涙は流れない。
そう言った筈なのに涙が流れていく。

そう言った君は、ここにはもういない。

夜中の突然の知らせ。

君の事だった。

必死に病魔と言う敵と戦ってた君は、最後の最後まで力一杯抵抗したけど……負けてしまったんだね。

空を見上げれば、君が見えると思ったけど、煙しか見えない。

あんなに温かかった君は、もう今じゃ白い塊。

⏰:08/03/09 23:03 📱:SO903i 🆔:HufwFHOk


#154 [「君と魔法」向日葵(2/2)]
病室は狭かったけど、今の部屋の方がよっぽと狭いよね。

あちらへ行けば、一面お花畑なのかな?

どうしよう。
君の魔法、効かないよ。

ずっとずっと効いてたのに、効かないよ。

急に降ってきた雨みたいに、山奥にある滝のように、滴が頬に流れていく。

喉の奥が苦しい。息が出来ない。

君と笑い合った日々が、何故か次々に溢れてくるんだ。

いつか、そんな事あったなって、君の魔法が効く日がやってくるのかな。

それはそれで、寂しいな……。

⏰:08/03/09 23:08 📱:SO903i 🆔:HufwFHOk


#155 [夕闇と少年(1/3)天音]


「ぼくはこの世界に絶望したよ。もう本当に、何もかもが疎ましくて無意味に思えてくる。今すぐに空を自由に飛び回る鳥を撃ち落としてやりたいよドチクショウ」

気づくと、ぼくは河川敷で夕日に向かいそう叫んでいた。叫ぶ前に何をしていたかは覚えていない。

ジョギングをしていた中年男性は驚いて振り返り、痛々しいものを見る目でぼくを見たあと足早に去っていった。

⏰:08/03/10 00:38 📱:L704i 🆔:2fderNsg


#156 [夕闇と少年(2/3)天音]


ぼくは無意識のうちにごめんなさいごめんなさいと泣きながら謝っていた。

何故なら中年男性のぼくを見る目はぼくに折檻をする父にそっくりだったからである。

他人にみた父の面影に怯えるなんて。ぼくはぼくがますます嫌いになった。

⏰:08/03/10 00:45 📱:L704i 🆔:2fderNsg


#157 [夕闇と少年(2/3)天音]


絶望しているうちに、ぼくはじわじわと夕闇に飲み込まれていった。怖くはなかった。闇にすっぽりと包まれると、安堵にも似た感覚に侵された。そのいいしれぬ安堵感に、ぼくはまだ見ぬ母の姿と永遠の眠りを垣間見た気がした。


そんな、夢をみた。

⏰:08/03/10 00:55 📱:L704i 🆔:2fderNsg


#158 [我輩は匿名である]
ついてない。
あたしの今日一日は、その一言で表される。

朝から寝坊はするし、電車は混んでるし、上司には叱られるし、一人で残業させられるし……

そして極めつけが、これだ。

あたしは、会社の窓から雨が降りしきる町を見て溜め息をついた。

⏰:08/03/10 01:19 📱:P702iD 🆔:jviBZqKc


#159 [我輩は匿名である]
……カサ、持ってきてたっけ?

持ってきてる訳がない。朝から忙しかったんだから。

何度目かの馬鹿らしい自問自答。繰り返すほど憂鬱になっていく。

……もう嫌だ。
残業なんてどうでもいい。上司にどう思われようと知ったことじゃない。

⏰:08/03/10 01:20 📱:P702iD 🆔:jviBZqKc


#160 [我輩は匿名である]
帰ろう。


そう思い立って席を立とうとした時、

「三井?残業?」

って後ろから若い男の声が聞こえた。

……ああ、この声はよく知ってる。

同期で入社した男、大野の声だ。





3レスじゃこれが限界ですたww

⏰:08/03/10 01:21 📱:P702iD 🆔:jviBZqKc


#161 [◆vzApYZDoz6]
>>158-160
おkw

参加者&投下が増えてくれて主としては嬉しいが、読む暇がないorz
今から読みます

⏰:08/03/10 03:52 📱:P903i 🆔:tHds.fh2


#162 [お題を全部使って(1/3)◆vzApYZDoz6]
都心部の駅から降りてすぐのところにある、スクランブル交差点。
人でごった返す横断歩道を渡った先に、私の勤めるオフィスがある。
今日も私は電車に揺られた後、その横断歩道を渡って仕事へ行く。
でも、あまり仕事に乗り気がしないのは、私が疲れてるからだろうか。
降り頻る雨。信号待ちの人混みの中で佇む私の体は連日の残業が祟ってひたすら重く、気分はあまり弾まない。
傘を差しながら憂鬱に青信号を待つ私の視線は、自然と地面を向く。

その時に初めて、足下に1匹の猫が居たことに気が付いた。
茶色と黒の駁模様が、コンクリートで固められた地面によく映える。
都会のど真ん中にも野良猫がいるのか、等と薄く考えていると、猫の首輪に目が止まった。
白い首輪。それが首輪ではなく首輪に結ばれた手紙である事に気付くのに、たいした時間は要らなかった。
ちょうど神社の木にくくりつけられてるおみくじのように、両端が結ばれている。
私の視線に気付いたのか、猫は私を一瞥して横断歩道へ踏み出した。

「あっ、まだ赤…」

私の不明瞭な呟きを掻き消すように、周りの人も歩き出す。
どうやら、たった今信号が青に変わったらしい。
人混みを掻き分けて歩く私は、気が付くと視線が数メートル先の猫を向いて、足は歩く猫を追っていた。

⏰:08/03/10 15:36 📱:P903i 🆔:tHds.fh2


#163 [お題を全部使って(2/3)◆vzApYZDoz6]
どれくらい歩いただろうか。
同僚に会社を休む旨を伝えて、ずっと猫の後を追い続けている。
そこまでして私の体を動かすものは、好奇心に他ならない。
あの猫は一体どこへ行くのか。あの手紙を一体誰へ届けるのか。
そんな事を考えながら、時には狭い路地裏を通り抜け、時には電車にただ乗りしようとする猫を追って切符を買い、いつの間にか見知らぬ町に来ていた。

雨は、いつの間にかあがっていた。
周りを田圃や畑に囲まれた、舗装されてないために雨でぬかるんだ田舎道を、猫の後を追い続けて歩いていく。
やがて猫は道なき道へ。雑木林に入り、私の腰あたりまでの高さがある草むらを掻き分け、尚も進んでいく。
疲れは不思議と感じないが、そろそろ陽が傾きかけている。
早くしてくれないと終電に間に合わない、と現実的な事を考えている最中に、とうとう終着点に辿り着いた。

高い草むらを抜け出た先に広がるのは、綺麗な砂浜。丸まって座る駁猫が、地平線まで続く海を眺めている。
時刻はちょうど夕暮れ時。夕日が半分顔を出して、小さく揺れる水面にオレンジの光の道を作っていた。

「ここって…」

その静観な光景は過去に幾度か見たことがある。
遠距離恋愛中だった彼氏とは、お互いの家の中間に位置するこの海岸で会っていた。
肩を並べて静かに夕日を見ているだけで、堪らなく幸せだった。
彼氏は外国に留学して、今では殆んど連絡も取れていない。
たまに電話したりするけれど、どちらかが夜中になったりして手早く会話が途絶えてしまったり。

⏰:08/03/10 15:36 📱:P903i 🆔:tHds.fh2


#164 [お題を全部使って(3/3)◆vzApYZDoz6]
あの頃の懐かしい思い出に浸っていると、いつの間にか隣にいた猫が喉を鳴らした。
そう言えば、首輪にくくりつけられた手紙は一体誰へ宛てたものなのか。
そう思い、私が手紙を読もうと首輪に手を伸ばしてみても猫が嫌がらないあたり、私宛の手紙らしい。
それをこの海岸に連れてきて読ませる人なんて、数少ない。
高揚する気分を抑えて、手紙を首輪から外した。

『元気にしてますか?俺はこっちで元気にやってます。
最近こっちで、その海岸とそっくりな場所を見つけたんだ。たまに足を運んで君を思い出すのが、ささやかな幸せだった。でもそうしてると会いたくなってきちゃったから、1か月後の卒業式の後に、君が今居るであろうその海岸へ行きます。待っててね』

細い綺麗な字で書かれた文。
数年前に外国へ行った彼が、もうすぐ帰ってくる。私は自然と顔を綻ばせていた。

「…追伸?」

『P.S.その駁猫はこっちの海岸に住んでいた野良猫なんだ。すごく頭が良いから、きっと行って帰ってこれるはず。』

「へー、この猫が…ってあれ?」

隣には既に猫はいない。辺りを見回してみても、やっぱりいなかった。
役目を果たし、彼の居る海岸へ帰っていったのだろうか。
もしかして飛行機にもただ乗りしてたのかな、と考えながら、手紙をしまう。
いつの間にか陽は完全に暮れていたので、私は終電を気にして帰った。


それからはあの猫は見ていない。

でも、毎日カレンダーの日付に×印をつけるのが、私のささやかな幸せになっていた。

⏰:08/03/10 15:38 📱:P903i 🆔:tHds.fh2


#165 [◆vzApYZDoz6]
◆vzApYZDoz6さんの作品
往年のライバル(1/1)
>>5
奇怪な電話(2/2)
>>6
>>9
あの頃の思い出(2/2)
>>10-11
ギャグカオスなシュール(1/1)
>>12
賭け(3/3)
>>19-21
ゆびきりげんまん(2/2)
>>23-24
雪(2/2)
>>26-27
親御さん(1/1)
>>37
河上彦斎(3/3)
>>43
>>45-46
雨のち晴れ(2/2)
>>51-52
あだ名で呼んでほしいシュール(2/2)
>>53-54
今から(1/1)
>>63
夢見て、常日頃(2/2)
>>71-72
始まりは白紙から(1/1)
>>73
ありがとう。さようなら(3/3)
>>86-88
Bloody Valentine(1/1)
>>91
トイレ借りたいシュール(2/2)
>>92-93

⏰:08/03/10 16:28 📱:P903i 🆔:tHds.fh2


#166 [◆vzApYZDoz6]
引き続き、◆vzApYZDoz6さんの作品
恋文(1/1)
>>144
お題を全部使って(3/3)
>>162-164

ふむさんの作品
最期の花(1/1)
>>8
世界の真実(3/3)
>>13
>>16-17
天の邪鬼(3/3)
>>25
>>28-29
延長戦(1/1)
>>42
人斬り(1/1)
>>47
空(2/2)
>>55-56
手紙(3/3)
>>110-112

にさんの作品
家族ドライブ(2/2)
>>66-67
選ばれた男(2/2)
>>94-95

⏰:08/03/10 16:29 📱:P903i 🆔:tHds.fh2


#167 [◆vzApYZDoz6]
紫陽花さんの作品
werewolf(2/2)
>>30-31
生きる理由(1/1)
>>41
私の宝物(1/1)
>>50
手紙(1/1)
>>101
卒業(2/2)
>>138-139

向日葵さんの作品
旅立ち(1/1)
>>57
春への想い(3/3)
>>58-60
大好きな赤(2/2)
>>68-70
夕日(2/2)
>>124-125
君と魔法(2/2)
>>153-154

リナさんの作品
死にたがりスティング(2/2)
>>75-76
偽物家族(2/2)
>>117-118

⏰:08/03/10 16:30 📱:P903i 🆔:tHds.fh2


#168 [◆vzApYZDoz6]
蜜月さんの作品
双子の正体(3/3)
>>79-81
電車(3/3)
>>102-104
誘拐事件(2/2)
>>119-120
手紙(3/3)
>>126-128
邪魔モノ(1/1)
>>145

梓さんの作品
真夜中の着信(2/2)
>>14-15
決意(2/2)
>>131-132

朝海さんの作品
初恋(3/3)
>>141-143

きゆんさんの作品
告白(3/3)
>>149-151

天音さんの作品
夕闇と少年(3/3)
>>155-157

⏰:08/03/10 16:30 📱:P903i 🆔:tHds.fh2


#169 [◆vzApYZDoz6]
ボン太さんの作品
ヤッホーい(1/1)
>>89

:LHm6bI72さんの作品
妄女(1/1)
>>122-123

:OM4BGBhoさんの作品
ずっと大好き(2/2)
>>129-130

:jviBZqKcさんの作品
ついてない。(3/3)
>>158-160

なお、タイトルのない作品は文中から抜粋してタイトルを付けました。

⏰:08/03/10 16:32 📱:P903i 🆔:tHds.fh2


#170 [◆vzApYZDoz6]
作品数集計
1レス短編:17
2レス短編:22
3レス短編:15
総作品数:54

現在のお題
@雨
Aあの頃の思い出
B電話
C卒業
D電車
Eささやかな幸せ
F手紙
G都会

まとめ&作品数集計&お題
>>165-170

⏰:08/03/10 16:34 📱:P903i 🆔:tHds.fh2


#171 [◆vzApYZDoz6]
あとふむさんか、もしくは他のまとめ人さん
次からまとめるときは

今までの作品
>>165-169
新たな作品
〜さんの作品
○○○(1/1)
……

って感じにしてくれw
でないとレス数がえらい事にw

⏰:08/03/10 16:42 📱:P903i 🆔:tHds.fh2


#172 [◆vzApYZDoz6]
あっ、
>>129-130『ずっと大好き』
は朝海さんの作品ですね
IDが一緒だ

⏰:08/03/10 17:03 📱:P903i 🆔:tHds.fh2


#173 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
は毎日変わるので匿名さんは匿名さんで一つに総合しちゃった方が良いかも知れませんね

⏰:08/03/10 17:29 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#174 [◆vzApYZDoz6]
>>173
うーん
まぁそのへんは適当にしちゃってくだされw

⏰:08/03/10 17:55 📱:P903i 🆔:tHds.fh2


#175 [朝海]
>>129-130
「ずっと大好き」アタシです
名前居れなくてすいません

⏰:08/03/10 21:12 📱:V803T 🆔:iiQvJMNA


#176 [朝海「笑顔」(3/3)]
アタシ…この生活いつまで続くんだろ…

今日もまたアタシはイジメにあっている

「マジきも〜アハハ(笑)」

「ねぇシカト?聞いてる〜」

そういいながらアタシはトイレに連れてかれホースで水をバシャバシャかけられた

アカリ「やめ…ゲホッ」

水が鼻に入った

「なんか言った?(笑)」

「男にチヤホヤされてっからってマジウザィから〜アカリチャン(笑)」

アカリ「やめてよ」

アタシは女タチをみた

バシッ―‐

「みんじゃねぇよ」

「アハハ〜じゃあねアカリチャン」
アカリ「今日は帰ろ…はぁ」

もぅ死にたい…

アタシはトイレを出た

⏰:08/03/11 02:24 📱:V803T 🆔:2cMrU/Rg


#177 [朝海「笑顔」(2/3)]
屋上でも行くか…

アタシは服を乾かすため屋上に行くことにした

ガチャ―-

アカリ「はぁ…」

アタシはフェンスに寄り掛かり座った

アカリ「ヒック…クッ…ヴゥ…ッ」

アタシは空を見上げた

その時

「オイ」

隣から呼び掛けられた

アカリ「レイ君…」

いつから居たの…

レイ「お前ビショビショだけどどうしたんだよ」

アタシは言いたくなかった
アカリ「…暑いから水浴び(苦笑);ハハ」

レイ「そっか(笑)暑ちぃからいいかもな」

⏰:08/03/11 02:36 📱:V803T 🆔:2cMrU/Rg


#178 [朝海「笑顔」(3/3)]
するとレイは近くにある蛇口に指をつけて水をだしアタシにも自分にもかけた
アカリ「プァッ―-レイ君ちょっ〜ハハ」

レイ「きもちぃ〜」

レイは頭を振って水滴を落とした

アカリ「レイ君ビショビショ(笑)アハハ」

レイ「お前の笑ったトコ初めてみた(笑)その方が可愛いじゃん」

レイ君はアタシの頭をなでた

アカリ「ありがと」

アタシは小さい声でレイに言った
レイ「なんか言った?」

アカリ「ううん」

アタシ―-頑張れるょ

レイ―-ありがとう

アタシはレイの言葉で救われた


レイ「アカリ笑顔が一番だぞ(笑)」

―完―

初めの3/3間違いでした
1/3でした

⏰:08/03/11 02:49 📱:V803T 🆔:2cMrU/Rg


#179 [服屋クエストなシュール(1/2)◆vzApYZDoz6]
脱ヲタが出現した!

脱ヲタはキョロキョロと辺りを見回している!

店員の攻撃!

「いらっしゃいませ!何かお探しですか〜?」

脱ヲタは戸惑いあたふたしている!

店員は殺し文句を唱えた!

「こちらの商品がお客様にすごくお似合いですよ〜!」

脱ヲタは満更でもなさそうにしている!

⏰:08/03/12 03:39 📱:P903i 🆔:6TMeeUAU


#180 [服屋クエストなシュール(2/2)◆vzApYZDoz6]
店員の攻撃!会心の一撃!

「こちら凄く人気で、なんとこれが最後の1品なんですよ〜!」
「じゃあ買います!」
「ありがとうございま〜す♪」
「ではお会計¥398,000になりま〜す!」
「……!!」

効果は抜群だ!

脱ヲタは倒れた!
店員は398,000G手に入れた!

なんと、脱ヲタが起き上がり返品したそうにこちらを見ている!

返品させますか?

   はい
 ニア いいえ

脱ヲタは悲しそうに店を去っていった!

完…?

⏰:08/03/12 03:40 📱:P903i 🆔:6TMeeUAU


#181 [紫陽花]


あげます

そして久しぶりに投稿!!

⏰:08/03/13 20:23 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#182 [紫陽花[高嶺の花1/1]]
またあの子だ――…。

毎朝7時きっかりの電車に乗って通学してる子。満員電車の中1人だけ背筋を真っ直ぐに伸ばし、分厚い単語帳と毎朝にらめっこしている。その姿はまるで一輪の百合のようで僕はいつも見とれてしまうんだ。

「なんだなんだ。もしかして一目惚れしちゃったの〜?」

一緒に通学している友達は毎日そうやって僕のことを冷やかすけど、僕は決まってこう答える。
「そんなんじゃない!!ただ…」
ただ…あまりにも綺麗だから、とても儚く見えるから、ずっと見てたいって思っちゃうだけなんだ……。


「でもそれが恋ってもんだろ?」

…――分かってる。
心の中ではこれが恋なんだって叫んでる自分がいることぐらい分かってるんだ。


「しゃべりかけろよ」
「好きだって認めちゃえよ」
「もっと近づけよ」

分かってる。
でも……怖いんだ。
毎日見てたなんて知られたらきっとどん引きされる。いきなり話しかけられたらきっと拒絶される。
怖いんだ。

今のこの心地よい距離を保ちたい。今のこの見つめるだけの存在でいいんだ。


そうやって僕は毎日
百合のような君を
見つめてるだけ――…。

ーーーendーーー

⏰:08/03/13 20:24 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#183 [「僕らの未来」向日葵(1/1)]
ビルがひしめく。
最早空が隠れてしまうぐらい。

ビルの森が、僕を囲む。
車の大群が、周りを駆け抜ける。

何もかもが、失われていく時代に僕達は生まれた。
そして育っていく。

無機質な創造物達と共に。

このままでいいのかと、無表情で通り過ぎる人混みに問う。

返事はいつも「どうでもいい。」しか返ってこなかった。

僕達は未来に何を望む?
何を伝える?
何を残す?
何を作る?

希望ある未来は、本当に待っているのだろうか。

ねぇ、君は今、何を思う?

⏰:08/03/13 20:53 📱:SO903i 🆔:BAj4akaA


#184 [◆vzApYZDoz6]
>>181
あげサンクスです!
俺も今から投下

⏰:08/03/13 21:39 📱:P903i 🆔:O1YrPz6M


#185 [変わらぬ気持ち(1/3)◆vzApYZDoz6]
昭和の時代を生きてきた俺にとって、文明の進化には驚かされる。
まさかテレビがあんなに薄くなるとは思っていなかったし、インターネットで世界中の人々と交流できるようになるなんて想像もしていなかった。
今だってそうだ。

「なぁ、これはメールはどうやるんだ?」
「またー?本当にアナログな人間なんだから」
「へいへい。悪かったな、昭和時代の人間で」
「そんな事言って。いい?メールはね……」

最近娘にプレゼントされた、嫁とペアルックの携帯電話に悪戦苦闘している。
老眼には小さな文字は耐えられないし、記憶力の衰えも著しいせいでどのボタンを押せばいいのかもすぐには覚えられない。

(電話も随分変わったな…)

俺が学生時代の頃は、まだ黒電話が主流だった。
数字に合わせてダイヤルをジコジコ回し、掛かってきたらリンリンうるさく鳴る、真っ黒な電話。今では見掛けることは無くなったが。

あの頃は待ち合わせして遅刻しそうになっても、相手にそれを伝える手段がまったく無かった。
今では携帯電話1つあれば問題ない。
文明が進化する、ということは、人間にとっとよい事なのだろうか。

⏰:08/03/13 21:50 📱:P903i 🆔:O1YrPz6M


#186 [変わらぬ気持ち(2/3)◆vzApYZDoz6]
「あっ、ちょっと友達に電話しないと。じゃあお父さん、あとは1人で頑張ってね」
「分かったよ」

娘は白い手に小さな携帯電話を握りしめて、足早に自室へ向かった。
なーにが、『友達』だ。あんなに頬を赤く染めやがって、嘘がバレバレだ。

(まぁでも…俺も若い頃は、好きな人に電話を掛けるのは緊張したなぁ)

学生服に学生帽、坊主頭が主流の時代に、1人文学少年を気取って髪を伸ばしていた。
いつも1人で図書館に篭って、本を読む日々を送っていた。彼女に初めて出会ったのはその頃だ。
いつしか互いに惹かれあい、恋仲になっていった。
相手の父親がなかなかの頑固者で、デートなど大っぴらにできなかった。

(電話を掛けるのにも苦労したなぁ)

いつも父親がいない時間を見計らって電話をしていた。
間違って父親がいる時間にでも掛けようものなら、怒鳴られて切られる事間違いなし。

『あの…山下ですけど』

初めて電話を掛けたとき、唇を震わせながらそう言ったのを、今でもはっきりと憶えている。
黒電話のダイヤルに手を掛けるときは、いつも心臓が強く脈をうってどきどきしていた。
父親が恐いからではなく、好きな人と話せて嬉しくて恥ずかしかったんだろう。

⏰:08/03/13 21:50 📱:P903i 🆔:O1YrPz6M


#187 [変わらぬ気持ち(3/3)◆vzApYZDoz6]
(あ…そうか)

文明の進歩や利便性。そんなものは、多分関係ない。
携帯電話だろうが黒電話だろうが、好きな人に電話を掛けるときは、心臓が大きく跳ねて気分が高揚するもの。
かつて、俺が好きな人に電話する時にそうだったように。
そして今は、俺の娘が同じように頬を染めて電話をしている。
文明がどんなに進化しようと、時代がどんなに移り変わろうと、人の心がそれに左右されることはきっとないんだろう。

「よし。使い方もなんとなく分かったし、初電話でもしてみるか」

あの頃のようなダイヤルではなく、大きくなプッシュホン。
俺は1つずつ、ゆっくりと番号を押していく。電話相手は、俺が学生時代に何度も電話したあの彼女。
受話口の向こうで着信音が鳴り始める。やがて、相手が電話に出た。

「あの…山下ですけど」

「掛けてくるのが遅いわよ。ずっと待ってたんだから」

電話に出たのは、俺の嫁だ。

俺達は歳月や年齢など気にせず、互いに見つめあって頬を染めながら話した。


あの頃の会話を、あの頃の気持ちを、ゆっくりと思い出しながら。

⏰:08/03/13 21:52 📱:P903i 🆔:O1YrPz6M


#188 [[すれ違い(1/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
昨日、嫌なことがあった。
いや、嫌なことなんて毎日ある。
なぜなら、僕はいじめられているから。
良いことなんて、ここ数年あったことがない。
 
でも、昨日は特別に嫌なことがあった。
帰り道にいつも通り、僕の好きなひとみちゃんの後をつけていたら、彼女は他校の男子と待ち合わせしていた。
僕は、ひとみちゃんと付き合えるなんて勘違いするほど馬鹿じゃないから、彼女が他の男と待ち合わせしてデートするのは仕方ない。
僕にはどうしようもないことだ。
 
しばらくひとみちゃんと男の後をつけて、日が暮れだした頃、二人は公園に入っていった。
ベンチに座って楽しそうに話す二人を、僕は隠れて見ていた。
男がうらやましかった。あれが僕だったら……
そう思っていたら、男がひとみちゃんにキスをした。
僕の大好きなひとみちゃんに!
ひとみちゃんにキスの経験が無いのを知っていた僕は、彼女が嫌がる、助けなきゃ、とその場に飛び出そうとした。
が、僕の考えとは逆に、彼女は自分から舌を入れたり、男の背中を撫で回したり……。
なんて淫乱なんだ!
騙された……あんな女だったなんて!
 
僕は彼女に幻滅した。
そして今日、ここに来た。
僕はいつも、嫌なことがあると近くの山に登る。
山と言っても、頂上まで30分もかからない小さな山だ。
僕は、頂上に続く獣道を慣れた足取りで歩いていた。
10分ほど歩くと、茂みの中に見覚えのあるものを発見した。

⏰:08/03/15 01:47 📱:SH903i 🆔:8XG7PsGk


#189 [[すれ違い(2/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
あの淫乱女、ひとみがいつも首に巻いているマフラーだ。
なぜこんなところに? 誰か他の人の……?
いや、毎日後をつけている僕が見間違うはずはない。
僕は地面に落ちていたマフラーを拾って匂いを嗅いでみた。
間違いない、何日か前に嗅いだ体操服と同じ匂いだ。
ひとみが近くにいるんだと思い、僕は茂みの奥へと入り込んでいった。
5分ほど茂みの中を突き進んだ僕は、再びひとみの落とし物を見つけた。彼女が肌身離さず持っている白い携帯電話だ。
僕は素早く拾いあげると、携帯電話のボタンを操作する。
この作業は、僕が夢にまで見ていたものだった。今まで一度もチャンスが無かったのだが、僕の気持ちが変化してからこんなことがあるなんて、皮肉なものだ。
次々と画面に表れるのは、ひとみと友達のツーショット写真や、男と交わしたメール……だが、あるメール画面が表示された時、僕の手は止まった。
 
『××山のコテージで待ってる』
 
送信メールの中で見つけたものだが、宛先の名前には見覚えがない。どうせあの他校生か誰かだろう。
この山の頂上の少し手前には、なぜか一つだけポツリと建てられた小さなコテージがある。そこで彼女が誰かを待っているようだ。
僕は迷わずその場所に向かった。
 
茂みを掻き分けてどのくらい進んだだろうか、コテージが見えてきた。だが、周囲に人影らしきものはない。
あの中で、あいつはまた淫らなことをしているんじゃないだろうか。見たくない。はずなのに、僕の体は意識を無視して行動していた。

⏰:08/03/15 02:02 📱:SH903i 🆔:8XG7PsGk


#190 [[すれ違い(3/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
僕は建物の裏側から、周囲の様子を伺いながら慎重に近づいた。そしてコテージの壁にはりついて、窓からこっそりと内部を覗く。
緊張しながらも、僕はひとみの姿を探した。
だが、ひとみどころか中には誰の姿も無かった。
ほっとしたのと同時に、期待を裏切られたような気分だった。もう帰った後だったのだろうか。
僕は、表に回ってコテージのドアを開けた。やはり中には誰もいない。
だが、テーブルの上に置かれた赤い布が僕の目に映った。あれは……制服のスカーフだ。
近づこうとしてコテージの中に一歩足を踏み入れた瞬間、頭に衝撃が走って僕は崩れ落ちた。
痛みに顔を歪めている僕の耳に、男の声が聞こえた。
「こいつ、やっちゃっていいの?」
「うん。いいよ」
それに答えたのは……間違いない、ひとみだ!
どういうことだ? なぜひとみが僕を?
「ずっと付きまとわれててさ。キモいんだよね」
僕はもうお前に付きまとうつもりは無い!
だが、男の足が倒れている僕のみぞおちを強打したため、声にはならなかった。
痛みをこらえて目を開けると、視線の先には嫌悪感に満ちたひとみの顔があった。
視界の端を棒のようなものが通りすぎると、すぐに頭に痛みを感じた。
何かが弾けるような感覚の後、僕は意識を失った。
現実を遮断する直前に聞いたのは、ひとみの声だった。
 
「ストーカーだったなんて、幻滅した……
 
好きだったのに」

⏰:08/03/15 02:06 📱:SH903i 🆔:8XG7PsGk


#191 [あなーる]
>>185-187
感動した

⏰:08/03/15 03:44 📱:D903i 🆔:fT7xAXGE


#192 [◆vzApYZDoz6]
>>191
どうもですw

⏰:08/03/15 09:46 📱:P903i 🆔:bj6p3a.g


#193 [ピスタチオのお誘い(1/2)◆vzApYZDoz6]
普段なら週末にしか足を運ばないショットバーに、平日に顔を出した。
特に何かある訳じゃない、ただのお盆休みの振替休日だ。営業マンにお盆休みなんて存在しない。

氷の入ったグラスを回していると、1人の女が店に入ってきた。
24、5歳ぐらいだろうか。薄化粧だが端麗な顔立ちをしている。
女は殆んど迷うことなく俺の横にやってきた。

「隣、座ってもいいかしら?」
「構わないよ。…席は他にも空いてるみたいだけどね」
「いつもの席に先客がいるみたいで」
「そう。あ、ミックスナッツ良かったらどうぞ」
「ありがとう、戴くわ」

女はジンバックを注文し、ミックスナッツの中からピスタチオを探して手に取った。

「ピスタチオが好きなのか?」
「ええ、とても。2番目にアーモンドかしらね」
「知ってるかい?イタリア人はピスタチオを殻ごと食べるんだよ」
「知ってるわ。私の父も殻ごと食べるし、もちろん私もそう」

そう言うと、女はピスタチオを殻ごとボリボリと食べ始めた。

「そう言うあなたは?」
「…殻ごと食べる日本人が他にもいたとは驚いたよ。どうやらこの店には2人のイタリアンがいるようだ」

俺は無くなったマティーニのおかわりを頼んで、ピスタチオを殻ごと食べた。
当たり前だがとても硬い。だが無理矢理飲み込んだ。

⏰:08/03/15 14:15 📱:P903i 🆔:bj6p3a.g


#194 [ピスタチオのお誘い(2/2)◆vzApYZDoz6]
「…ふふっ」

その様子を見ていた女が小さく笑い、口から殻だけを丁寧に吐き出した。

「チンパンジーだってバナナの皮を剥くわよ」
「なぜ嘘だと分かったんだ?」
「だってあなた、灰皿に殻が残ってるじゃない」
「騙されたな。いや、騙そうとしたのは俺が先か」
「指定席を取られちゃったからね、悪く思わないで」
「まぁそれはそうと、よく口の中で殻を開けられるな?」
「得意なのよ、そういうの。試してみる?」
「…ふっ、いいだろう。次はちゃんと殻を剥くことにするよ」
「あら、上手に言うわね。でも私の殻は硬くてよ」

俺と女は、チェックを済まして店を後にした。

今夜は退屈しなさそうだ。

⏰:08/03/15 14:16 📱:P903i 🆔:bj6p3a.g


#195 [おかしな本屋さん(1/1)◆vzApYZDoz6]
街角の薄暗い道を歩いていると、雑居ビルの1階に見るからに怪しい小汚い店を発見した。
こんな所に店なんかあったっけ、と考えながら、俺はいつの間にか好奇心に駆られて扉に手を掛けていた。
色褪せた木でできた両開きの古い扉を、蝶番が軋む耳障りな音と共に開く。
むせかえりそうになる埃に口と鼻を抑えながら、店内を見渡した。
視界に入るのは、棚にぎゅうぎゅうに詰め込まれた大量の本。それでも棚に入りきらず、傍の床に積み重ねられた本の山。
すし詰め状態にされた圧倒的な量の本に、口をだらしなく開けたまま固まってしまった。

「何か、お探しかな?」

急に後ろから声を掛けられ驚いて振り向くと、男が扉の前に立っていた。
見た感じでは初老の、店主と思しき男。穏やかに目を細めてこちらを見ていた。

「普通の本をお探しなら、残念だけどここには存在しない」

「ここにある本は、奇妙・奇怪・超常・摩訶・怪奇…不思議な本しかございません」

言いながら俺の横を通り過ぎ、狭い棚の間にある梯子を昇って、1冊の本を手に取った。

「この本を、あなたに」

渡されたその本を咄嗟に受け取る。
かなり古い本らしく、受け取った瞬間に埃が舞った。

「では、またのご来店を」



気が付くと、本屋は無くなっていた。
ビルはある。だが、中の本屋がごっそり消えていた。
元から存在しなかったのか、という考えが脳裏をよぎる。
だがそれでは服に付いた大量の埃と、右手に持っている1冊の本の説明がつかない。


とりあえず、自分の名前がタイトルになっているこの本をどうするべきか。

⏰:08/03/15 14:54 📱:P903i 🆔:bj6p3a.g


#196 [◆vzApYZDoz6]
上げときまーす

>>165-169に>>164までの作品まとめ
>>170に作品数集計とお題まとめ
お題は使わなくてもおkよん

俺はそろそろネタが思い付かないんで、みんなもっとガッツリ参加しとくれw

名無しさんや、新たな書き手さんの参戦もまだまだ大歓迎!
読み手さんも参戦おk!w
つうか誰だって参戦おkですwww


ふむさん、テスト終わったんでしょ?待ってますよw

⏰:08/03/15 18:56 📱:P903i 🆔:bj6p3a.g


#197 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
何ですかそれはw
何で私だけ強制参加じみた…
私には拒否権というものが存在しないのでしょうか?w
わかりましたよ、SSS考えておきますw

⏰:08/03/15 19:04 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#198 [朝海『ageha』(1/3)]
アタシは超が着く程の地味っ子;
化粧もしない、髪も真っ黒、スカート膝下―-と、まぁ昭和の香りプンプンの高校2年生の心歌(ミカ)です

学校に着くと
「心歌〜おはぁ」
心歌「おはょ真姫(マキ)」
真姫はアタシとは真逆;派手ですごく今風
何故一緒に居るかはアタシが真姫を助けたから、いろんな意味で―-
真姫「心歌〜彼氏にフラレタァ;」
心歌「またぁ;なんで?」
これで何度目だろぅ;
真姫がフられてるのは〜
真姫「二股バレた」
なんじゃそりぁ;
心歌「二股はダメだょ;」
真姫「だって男は必要でしょ?」

シラっと真姫は言ってのけた
真姫「心歌も彼氏つくりなぁ」
心歌「アタシには無理だょブスだし」

真姫「それはこの格好と美意識が足りないからでしょ?女は磨けば磨く程輝くもんなの!」

⏰:08/03/16 14:08 📱:V803T 🆔:pvMNgyPI


#199 [朝海『ageha』(2/3)]
真姫はビシッと言った
心歌「は…はぃ;」
真姫「今どきスッピンは居ないよ」
アタシタチは教室に着いた
心歌「じゃあどうすれば…」
真姫「ここ座って」
真姫は自分の席に心歌を座らせた
真姫「この前髪は有り得ない;眼鏡も外すょ」
アタシの前髪は目が隠れている;プラス眼鏡
すると真姫はハサミを取り出した
心歌「ちょッ!ま…」
すると
「おぃ真姫何やってんだょ;」
男の人が来たけどアタシはぼやけて見えなぃ
真姫「ユージじゃんはょ」
ユージ「おぅ-ってか心歌…だっけたしか;」
地味過ぎてアタシ存在ないのね;同じクラスなのに…
真姫「そッ!心歌切るよ」
真姫はチョキ2切っていった
真姫「わぁアンタホント心歌?」
真姫は驚いていた
ユージ「…マジ」
心歌「変…でしょブスでしょ」
アタシは顔を隠した

⏰:08/03/16 14:21 📱:V803T 🆔:pvMNgyPI


#200 [朝海『ageha』(3/3)]
真姫「むしろ可愛ぃ…化粧もするょ」
真姫は前髪をピンで止めて化粧をし始めた
真姫「…」
ユージ「惚れた;」
心歌「えッ!」
アタシはユージ君をマジマジ見た
ユージ「あんま見んな///」
心歌「ごめん;」
真姫「なんで今まで気付かなかったの〜!こんな可愛かったのに心歌のバカ」
心歌「ブスだょ;アタシ」
アタシは今だに自分の顔を見ていない;
真姫「はぃ見て」
真姫は鏡を見せた
えッ!これ…アタシ;
えぇ〜;
アタシは発見した
女は磨けば磨く程美しくなる
ブスは輝くんだ

それからアタシは真姫に化粧を教えてもらいコンタクトにして格好も変えた
一番嬉しかったのは彼氏が出来た事///
ユージです
アタシはすごく幸せです
真姫ありがとう
ユージ「心歌〜帰んぞ」
心歌「まってぇ」

〜完〜

⏰:08/03/16 14:33 📱:V803T 🆔:pvMNgyPI


#201 [◆vzApYZDoz6]
>>198-200
乙です!

さてさて、200レス突破しましたw
スレを立てたのは3月3日…約2週間で200レスです
いい感じの速度ですが、まだまだ参加してない人も多いはず!
新手の参戦待ってます!


そして200レス突破記念(?)にお題をさらに投入しますよー^^

新たなお題
@未来
Aアルバイト
B忘れられない
C空

今までのお題は
>>170に!
お題は使っても使わなくてもおkです!

⏰:08/03/16 15:15 📱:P903i 🆔:qJhRwrcU


#202 [◆vzApYZDoz6]
それから、
『書きたいけど3レスに収まらない(泣』
って書き手さん達へ!

小説板だけなのかは分かりませんが、どうやら1レス40行を越えると規制に引っ掛かります。
逆に言えば、1レス40行までならおk
つまり、全部で120行書けるんです!w

ちなみに、俺が投下したやつなんですが
>>185-187『変わらぬ気持ち』
これ、70行しかありませんw
この長さでも、さらに50行も余分に書けます!

3レス以内だから『短くしないとだめ』と思うかもしれませんが、思ってたより多めに書けるのでw
参加してない方はチャレンジしてみてください^^

⏰:08/03/16 15:28 📱:P903i 🆔:qJhRwrcU


#203 [朝海『雨』(1/3)]
アタシ人生で一番大好きだった人に今日…フられちゃった…
アタシはベンチに座り下を見た
「はぁ…ヒックッ…クッ」
ポツポツ…
「雨…ウゥ…最悪…」
アタシは雨が酷くなってもベンチから動きたくなかった…だって雨で泣いてるのも分からなくなるから…
「…ゥ゙ァッ…ヒック…ッ」
すると
「風邪ひくよ」
アタシの目の前に誰か立って居た
「ヒック…アンタ誰ょ…」
アタシは泣きながら言った 「俺陸(リク)…お前は?」
なんなのょ…ほっといてょ…
アタシが黙ってると
陸「シカトかょ」
ムカついて泣けてきた
「もぉ;…ヴゥッ…ヒック…恋(レン)…」
アタシは泣きながら答えた
陸「取りあえず…風邪ひくから」
恋「ほっといて…ヒック…あっち行って…」
アタシは陸を見た
陸「あそ;じゃ帰るわ;」ホントに帰る気;…ちょっと…
恋「バカ…ヴゥ…」

⏰:08/03/16 16:51 📱:V803T 🆔:pvMNgyPI


#204 [RAM]
忘れられない

「久しぶりー!」
大きく手を振りながら私は大好きな彼の元へと駆け出した

彼はニコニコしていた
「お疲れ様。新幹線辛かった?」
「全然っ!」
とかいいつつも少し疲れた表情…
「お腹すいたねなんか食べよっか!」

二人の関係は会社の入社式でお互い一目惚れ。
そこから遠距離恋愛が始まり数カ月…。

⏰:08/03/16 16:51 📱:SH703i 🆔:DMiN.10Y


#205 [朝海『雨』(2/3)]
陸「嘘だょ…;」
陸は傘を持っていなかったから上着を恋の頭にバサッとかけた
恋「冷たい;…ヒック…」
陸「しゃぁねぇだろ;ってか泣きやめょ;」
陸はアタシの隣にドカっと座った
陸「俺ら明日高熱でるな;(笑)」
恋「そのまま死んでもいいょ…ヒック…」
陸「それは俺が困る;」
恋「アンタと話してると泣いてるのもバカみたい…」
陸「だからなんで泣いてんだよ;言って見やがれ」
恋「ヒック…;フられちゃったの〜…」
アタシは雨の中バカでかい声で叫んだ
陸「もっと叫べ〜すっきりすんぞ〜」
陸も叫んだ
そして〜

恋「気が着くとアタシは声がカラカラですっかり空も晴れていた」
陸「帰るか(笑)」
恋「今日はアンタのお陰でスッキリした―-アンナ奴こっちからねがいさげだぁ〜」
陸「アハハ〜俺にしとけ」
陸は突然アタシにキスをした

⏰:08/03/16 17:02 📱:V803T 🆔:pvMNgyPI


#206 [朝海『雨』(3/3)]
恋「考えとく」
アタシの心はコイツ(陸)のお陰で雨がやんだょ…
それからアタシと陸はいつも一緒にいた
そして半年が経ち〜
陸「なぁ恋〜俺ホントはベンチで恋が泣いてる時俺名前聞いたけど俺ずっと知ってた(笑)」
恋「は!?」
アタシは目を見開いた
陸「だって俺が5年前の雨の日同じとこで泣いてたら恋が来て「泣きたいならいっぱい泣いたらいい」って雨ん中俺のそばにいてくれたろ(笑)覚えてねぇ?」
恋「えッ!(驚)5年前…―」
思いだした…
恋「あの人陸だったの!?」

陸「そッ!あんときはサンキュな」
そしてアタシと陸は今でも幸せです
雨の日は嫌なことだけじゃないんだね

⏰:08/03/16 17:13 📱:V803T 🆔:pvMNgyPI


#207 [紫津【雨】]
“空が、泣いてるみたい”

雨のことをそんな風に表現したやつを見るのは、初めてだった。

俺は正直今までチャラい男だったし、同じくチャラい女としか付き合ったことがなかったから、
こんなロマンチックな発言を大真面目に言う美里が天然記念物みたいに思えた。

“馬鹿じゃねーの”
そう思ったけどなんとなく忘れられなかったその発言と、なんとも言えない顔で空を見上げる美里の横顔。
雨音だけが強くなっていく灰色の街の中で、
美里の顔だけが白く、美しく浮かんで見えた。

思えば、その時にはもう既に惚れてたのかも知れない。
とにかく俺は、バイト先で知り合ったその女に、産まれて初めての恋をした。

⏰:08/03/17 01:54 📱:P702iD 🆔:7QPNki5Q


#208 [紫津【雨】]
半年後、やっと美里と付き合えることになると、美里が好きで好きでたまらなくなった。美里に何かしてやりたいと考えるようになった。
俺は、産まれて初めて人を愛した。


そんな時だ。美里が事故にあったっていう、突然の訃報を聞いたのは。
皮肉にもその時俺が居たのは宝石店。
指輪を見せてもらっていた時のことだった。

それからのことは、よく覚えていない。

病院に行くのに必死で、頭が真っ白だった。
ただ、笑えるのは、なぜか指輪はちゃっかり買っていたってことだ。

青いサファイアのついた、婚約指輪。

………病院についた時、美里は両親に囲まれて、白い布を被っていた。

笑えるくらい……あまりにあっけなくて、涙も出なかった。

まだ暖かい美里の指にサファイアをはめると、俺は静かに病室を出た。

⏰:08/03/17 01:56 📱:P702iD 🆔:7QPNki5Q


#209 [紫津【雨】]
俺は、まるで病人みたいに病院の待合室で読みもしない雑誌を手に取って、そのまま膝にのせていた。

空虚な頭の中には、今流行りの音楽が流れていた。

これらのことに意味なんて無い。

……馬鹿みたいだ。


ふと、
窓の外を見ると、灰色の世界に雨が降っていた。

ああ、本当だ。

………空が泣いてる。



終わり(^ω^)

⏰:08/03/17 01:58 📱:P702iD 🆔:7QPNki5Q


#210 [◆vzApYZDoz6]
>>207-209
乙です
新たな参戦来ましたねw
しかもいい感じにまとまった短編ですね^^


さぁーてと、ネタが無いので禁断の『宣伝』に手を伸ばすか…w

⏰:08/03/17 02:18 📱:P903i 🆔:ihjVvt96


#211 [宣伝短編-Castaway-(1/2)◆vzApYZDoz6]
〜もし、京介と藍がチャリ通だったら〜



放課後の学校、自転車置き場。帰宅部の連中が自転車を引っ張り出して、いそいそと帰ろうとする。
俺もその波に乗って、自分の自転車に近付いた。
そう言えばワックス切れてたし、帰りにコンビニ寄るか、などと考えながら、肩に掛けた鞄を手に取る。
後ろに、幼馴染みの女がいた。

「ねぇ、京ちゃん」
「何だよ。後ろには乗せねぇからな」

振り返らずに答えた。
そのまま無視して自転車の前カゴに鞄を放り込み、鍵を外す。
腹が減ったな。そう言えばマックに新商品が出てたような気がする。
コンビニの前にマックに寄ろうかな、などと考えながら自転車に乗る。
進もうとした時に、自転車がやけに思い事に気が付いた。
ふと後ろを見ると、迷惑な事に藍が勝手にサドルに跨がっていた。
膝上のスカートから色白の太股が覗いていて、少し嬉しいアングルではあったが。

「ねぇ、漕がないの?」
「お前が重いんだよ。つうか俺はマックに行きたいの」
「へぇ、私もちょうどシャカシャカチキン食べたかったところ」

ほら、と手で自転車を出すよう促す。
また2ケツか。俺は溜め息をついた。
バランスを取るのが下手くそで、どうも中学の頃から苦手なんだけどな。

⏰:08/03/17 02:25 📱:P903i 🆔:ihjVvt96


#212 [宣伝短編-Castaway-(2/2)◆vzApYZDoz6]
「なんか京ちゃんの自転車、乗り心地よくなったね」

昨日ツレにケツ上げされたからだろうが、何も答えなかった。
どうやらサドルから降りる気は毛頭ないらしい。俺は諦めて自転車を漕ぎ出した。

校門を出るときに、ツレのチャラ男数人に毎度のように冷やかされる。
だから2ケツは嫌なのに。
後ろを振り返って藍を見てみたが、俺と違って気にもしていないようだ。

「マックでしょ?早く行こ!」
「運転は俺だけど?」
「早くシャカシャカチキン食べたいなー♪」
「……俺も食いたくなってきたな」

春のそよ風が、頬を撫でていく。


あぁ、これが青春って言うのかねぇ。



元ネタ作品&宣伝
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/6763/
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/7455/

⏰:08/03/17 02:27 📱:P903i 🆔:ihjVvt96


#213 [◆vzApYZDoz6]
あっ、紫津さんはもしかして
>>158-160の作者さんですかね?

⏰:08/03/17 03:00 📱:P903i 🆔:ihjVvt96


#214 [紫津]
>>213
そうっすねww
“どうせならどっちも匿名で行こっか”って思ってたけどバレちゃしょうがないっす(笑)
よく覚えてましたね(^ω^)w
話を短くまとめるのがすごく苦手なんで参加させてもらいました(^ω^)w
おじゃましました(笑)

⏰:08/03/17 07:00 📱:P702iD 🆔:7QPNki5Q


#215 [◆vzApYZDoz6]
>>214
やっぱり!
なんか書き方が似てたし、携帯の機種が同じだったのでそうじゃないかなーって思いましたw

いやいや、綺麗にまとまってましたよ。うまいです^^
よろしければ何度でも参加してください!w

⏰:08/03/17 12:16 📱:P903i 🆔:ihjVvt96


#216 [「2つの判断」向日葵(1/1)]
どちらがいいんだろう。

行動を起こさず後悔するか、行動を起こして後悔するか……。

せずに終われば、きっと「してれば何か変わっていたかもしれない」と後悔する。

して終われば「何故してしまった。しなければ何も変わらなかったのに」と後悔する。

究極のニシャタクイツ……。

運命を変えるも変えないも、自分の判断が全てになるのだ。

⏰:08/03/18 21:27 📱:SO903i 🆔:878n3A0U


#217 [紫陽花[とある商品の話(1/2)]]
僕が生まれたのはとある工場。
僕の兄弟達はたくさんいる。
人間達の言葉で言うと「大量生産」ってやつだ。そんな数多くの僕達は工場の人達が言ってたけど物凄く人間の役に立ってるらしいんだ。






僕等の仕事は鉛筆さんが残してく足跡を消していくこと。鉛筆さんはよくミスをしてしまうから、そんな時に僕等が軌道修正する。でも、その仕事は楽なものではないんだ。足跡を消すたんびに僕の体もどんどん削れてく。削れたあとは黒い固まりとなって煩わしいゴミとなる。


それから……、僕等の一生はとても短い。一年間使われれば長生きした方だ。人間の「学生」って人に買われた兄弟はもっと早く削れちゃうんだって。

⏰:08/03/18 22:34 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#218 [紫陽花[とある商品の話(2/2)]]
でもね……。中には最後まで使ってくれない人間もいるの。僕等の体に鉛筆さんを突き刺したり、いろんな色のペンで落書きしたり…。落書きはちょっとくすぐったいだけだけど、鉛筆さんを突き刺されるのは……、


本当に痛い。


僕らの身体からは人間のような綺麗で赤い血は流れない。涙も叫び声さえ人間の耳に届かない。

けど痛みはあるんだ。
お腹の中に異物質が入り込む時の悶え苦しむ激痛。そんな苦痛のあとに待ってるのはゴミ箱へ投げ入れられる。


でも、
でも……、
僕等は何も言えないし動けない。ただ鉛筆さんの軌道修正をして、運の悪い兄弟は痛みに耐えなくちゃいけない。


それが僕等の運命。

だから僕等は願ってる。

出荷前のダンボールの中
移動中の車の中
店に並べられる前
僕等を選んでくれる人が
現れるまで、願っている。

僕等は願ってるんだ
「最後まで使ってね!!」って。

僕等は願ってる。
その大きな人間の手が僕を選んでくれる日まで。

ーーーendーーー

⏰:08/03/18 22:37 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#219 [紫陽花[とある動物の話(1/3)]]
「めんどくせ〜…」
それが僕の飼い主様の口グセ。

言葉の意味はよく分からないけど、その言葉のせいで大好きな散歩に行けなかったり、エサをもらえなかったりすることが、たまに、本当にたま―にだけどあったりする。
でも僕はそんな飼い主様が大好き!!暖かくて大きな手で僕を撫でてくれたり、僕が指示通りにに動けばお日様みたいなキラキラした笑顔を見せてくれる。

それに……。

飼い主様は忘れてると思うけど、僕にとって忘れることの出来ない凄く凄く飼い主様を好きになる出来事が前に起こった。

――――………

―――――――………
人間単位で3年ほど前、1年で1番外の景色がピンクに染まる季節に僕はこの家にやってきた。ちょっと人見知りがちな僕が恐る恐る家に足を踏み入れるやいなや、暖かい手の少年がキラキラとした笑顔で首輪を付けてくれた。(その時は首が窮屈でしかたなくて、外そうと頑張ってたな。)

⏰:08/03/19 17:28 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#220 [紫陽花[とある動物の話(2/3)]]
当時はエサもたっぷり貰って散歩も飼い主様が連れて行ってくれた。その時間がたまらなく大好きでついつい吠えちゃったり、噛みついちゃったりして、飼い主様を困らせることもしばしば……。

そんな散歩の途中、僕は道に変な丸いのが落ちてるのに気付いた。初めて見るものでその丸い物の正体が物凄く気になった僕は飼い主様に見せようと、何も考えずに口の中に入れた……。

次の瞬間
何でか分からないけど、それを僕は飲み込んでしまった。

(くる……ッしい……!!ぃ……ッいき……ができ……なッ………………!!)

あぁ……、僕はここで死ぬんだァ。もっと散歩したかったァ……。遊びたかったなァ――…。

死を受け入れ今にも涙があふれ出しそうな目を閉じようとした時、急に体が宙に浮いた。



「待ってろ!スグに病院に連れて行ってやるからなッッッ!!」

⏰:08/03/19 17:29 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#221 [紫陽花[とある動物の話(3/3)]]
…………飼い主様だァ。でも病院って「ちゅうしゃ」って痛いのする所でしょ?行きたくないな―。でも飼い主様が一緒なら痛くないのかな?

―――――………

そこで僕の意識は途切れた。

後から聞いたんだけど僕は「ぺっとぼとるのきゃっぷ」って言うのを飲み込んだらしい。

「なんでも飲み込んじゃ駄目だろ!!!」おもいっきり僕を叱った飼い主様の目はウサギみたいに真っ赤だった。ごめんなさいを言わなきゃと口を開いた瞬間暖かい手が僕を抱きしめた。

「生きてて良かった――…」

飼い主様は誰にも聞こえないように小さな声で言ったみたいだけど僕は耳がいいから聞こえちゃったんだ。

これが飼い主様の事が大好きになった理由の一つ。いつも「めんどくせ」って言ってる飼い主様。でも僕の大切な飼い主様。
これからも大好きだよ!!



あっ!でも……。
エサと散歩は
忘れてほしくないなァ――…。

ーーーendーーー

⏰:08/03/19 17:29 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#222 [ビリヤード(1/2)◆vzApYZDoz6]
ビリヤードが好きだった。
百円二百円のジュースを賭けて勝負するのが好きだった。
ゲーセンの地下のビリヤード場は、俺たちの戦場だった。

今では、百円二百円じゃ満足できなくなっていた。

「……今日の勝負は?」
「ナインボールでどうだい?」
「シンプルだな、いいぜ」

学生時代よりもゼロの数が4つか5つは多い。
下手をすれば人1人の命とすら釣り合うような金額を賭けて、俺は今日も勝負する。
VIPしか入れない裏のカジノで、学生時代の連中とは腕も気構えも違う、裏のハスラー達と。

「バンクショットはどうにも苦手でね」

先攻を取られた負け惜しみのセリフを聞き流し、俺はふっと鼻で笑った。

ブレイクショットには自信がある。
どうすれば、たった1発でナインの黄色い球を落とせるか。
俺は、そればかりを研究してきたからだ。

「悪いな。この勝負、俺の勝ちだ…!」

ボロい商売に笑いそうになるのを堪えながら、静かにキューを構える。

一気に撞きだしたその瞬間に、俺の携帯に着信が入った。

⏰:08/03/19 21:58 📱:P903i 🆔:/loXYyno


#223 [ビリヤード(2/2)◆vzApYZDoz6]
「!?」

ポケットからの振動で、前に置いた指が上ずる。
同時にキューも上を向き、手玉が10センチも進まないうちに止まった。
痛恨のミスだ。

「奇妙なこともあるのだな。ブレイクショットには……なんと言っていたかな?」
「…ブレイクショットはどうにも苦手でな」

勝負の結果は、まぁ言いたくないと言えば察しがつくだろう。
家財道具から当面の生活費まで、根こそぎ持っていかれた。
いや、元々持ち合わせが賭け金に足りていなかったんだ。この程度で済んだのは運がいいほうだ。

「にしても……」

一体、誰があのタイミングで電話なんかしてきたのか。
アレさえなければ、と多少恨みがましく思いながら携帯を見ると、1通のメールが届いていた。
どうやら電話ではなくメールだったらしい。

「ちっ、あの野郎…」

メールの送り主は、学生時代によく勝負していたビリヤード仲間の1人だった。

『元気かー。久しぶりにビリヤードやらねぇか?最近俺もリッチになってきたし、晩飯でも賭けて勝負しようぜ!』

「……まったく……」

誰のせうで、今の俺が素寒貧になったと思ってるんだか。
だが、たまには昔の勝負を思い出すのもいいかもしれない。
丁度ヒヤヒヤしっぱなしの勝負にも、飽きがきてた頃だ。いや、言い訳じゃなく本心から。
俺は携帯のメモリーからそいつの番号を選んで、受話口を耳に当てた。


とりあえず今日のところは、晩飯代でも稼がせてもらうとするか。

⏰:08/03/19 21:59 📱:P903i 🆔:/loXYyno


#224 [「仲直り」向日葵(3/3)]
私は何をしたんだろう。

自分の手を見つめる。
その後、階段から落ちた友人を見つめた。

きっかけは些細な言い合いだった。

言葉では彼女に勝てない私は、カッとなって彼女を突き落とした。

彼女はピクリとも動かない。

しばらくして、彼女は病院に運ばれた。

私はその場から動けずに、自分がやった事に後悔していた。

しかしその後悔も、数日すれば薄れていった。

幸い突き落とした現場を誰1人として見てなかった為、告げ口する人もいなかったし、自分から真実を言う事もなかった。

あれは彼女が悪い。
当然の結果だ。

そうとさえ思ってくるようになってしまったのだ。

⏰:08/03/19 22:35 📱:SO903i 🆔:kP27/un.


#225 [「仲直り」向日葵(2/3)]
だから彼女が退院して登校して来た時、私の背筋に冷たいものが駆け上がったのだ。

もう駄目だ。
バラされるんだ。
言ってしまうんだ……っ!

しかさそんな私とは裏腹に、彼女は元気そうな顔をして私に近づいてきた。
そして笑顔で話かけてくる。

「おはよ!久しぶり!」

私はあれ?と思いながらも挨拶を返す。
すると彼女は私を廊下に呼び出す。

開いている窓から爽やかな風が入り、冷や汗をかいた私の体をすり抜けていく。

「この間は……ゴメン」

突然の彼女の謝罪。
どう考えたって私の方が悪いのに。

「だからね、仲直りしよ……?………………同じ目にあって」

彼女の目の色が変わる。

⏰:08/03/19 22:41 📱:SO903i 🆔:kP27/un.


#226 [「仲直り」向日葵(3/3)]
それを見たと思った瞬間、私は軽々と持ち上げられ開いていた窓から投げ出された。

3階と言う高さから、まっ逆さまに落下。

浮遊感と恐怖に耐えきれず、気が狂ったように叫び声を上げた。

―――――数日後。

私は下にある植え込みのおかげで重症を負ったものの命に別状は無かった。

次に登校してきた時は、彼女の姿は警察に捕まって無かった。

彼女に会う事は、もうないかもしれない。

そして私は風の噂にこんな事を聞いた。

私の命に別状が無い事を知った警察から聞いた彼女はこう呟いたらしい。

「じゃあ、仲直り出来ないね」

⏰:08/03/19 22:46 📱:SO903i 🆔:kP27/un.


#227 [向日葵]
>>224

(3/3)になってますが正しくは(1/3)です

⏰:08/03/19 22:48 📱:SO903i 🆔:kP27/un.


#228 [◆vzApYZDoz6]
>>227
了解っす^^


そろそろまとめるかな…

⏰:08/03/19 23:04 📱:P903i 🆔:/loXYyno


#229 [◆vzApYZDoz6]
>>1-164までのまとめ↓
>>165-170

>>171以降のまとめ↓

◆vzApYZDoz6さんの作品
服屋クエストなシュール(2/2)
>>179-180
変わらぬ気持ち(3/3)
>>185-187
ピスタチオのお誘い(2/2)
>>193-194
おかしな本屋さん(1/1)
>>195
宣伝短編-Castaway-(2/2)
>>211-212
ビリヤード(2/2)
>>222-223

朝海さんの作品
笑顔(3/3)
>>176-178
ageha(3/3)
>>198-200
雨(3/3)
>>203
>>205-206

紫陽花さんの作品
高嶺の花(1/1)
>>182
とある商品の話(2/2)
>>217-218
とある動物の話(3/3)
>>219-221

⏰:08/03/19 23:18 📱:P903i 🆔:/loXYyno


#230 [◆vzApYZDoz6]
向日葵さんの作品
僕らの未来(1/1)
>>183
2つの判断(1/1)
>>216
仲直り(3/3)
>>224-225

蜜月さんの作品
すれ違い(3/3)
>>188-190

RAMさんの作品
忘れられない(1/1)
>>204

紫津さんの作品
雨(3/3)
>>207-209

なお、タイトルの無い作品は文中から抜粋してタイトルをつけました。

⏰:08/03/19 23:18 📱:P903i 🆔:/loXYyno


#231 [◆vzApYZDoz6]
現在の作品数集計
1レス短編:22
2レス短編:27
3レス短編:23
総作品数:72

現在のお題
@雨
Aあの頃の思い出
B電話
C卒業
D電車
Eささやかな幸せ
F手紙
G都会
H未来
Iアルバイト
J忘れられない
K空

>>228までのまとめ
>>229-230
同、作品数集計&お題
>>231

⏰:08/03/19 23:21 📱:P903i 🆔:/loXYyno


#232 [◆vzApYZDoz6]
まとめがすごいダッシュな展開に…ww

個人的にはとあるシリーズがもっと読みたいです


さてさて、只今このスレの1000到達によるage不可能状態に備えて(そんな状態になるのか謎ですが)、自サイトにまとめちゃおう計画が自分の中で進行中でございます

しかし人様の作品を勝手に…というのもどうかと思うので。

投下してくださった書き手さんには特に、ご意見いただきたいです。

⏰:08/03/19 23:28 📱:P903i 🆔:/loXYyno


#233 [紫陽花]

私も自作品の中で
とあるシリーズゎ
頑張りました!!笑


私は、まとめてもらって全然
かまいません(・⌒.)
私のは、そんな大した
作品でもないんですが

⏰:08/03/19 23:38 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#234 [◆vzApYZDoz6]
>>233
とある商品の話が面白かったです
千切られたり鉛筆刺されてゴミ箱行き…あるあるwwwみたいなw


おkですか!
どうせまとめるなら全員の作品を、と思ってるんですけどね〜

⏰:08/03/20 00:05 📱:P903i 🆔:Ra.09Fm2


#235 [紫陽花]

私も小さい時
あの小説と同じ事
やっちゃったんですよ
書いてて申し訳なく
なっちゃいました!!笑


なんか
まとめてもらったりして
ぁりがとうございます!!!

私は何もお手伝い出来ず...
すいません...;;

⏰:08/03/20 00:11 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#236 [◆vzApYZDoz6]
>>235
いえ、全然大丈夫ですよ!
まとめと言っても、単に誤字脱字を直してコピペするだけですからねw
俺はまとめの形式とかを適当に考えるだけですよ

とりあえず他の書き手さんの意見もいただきたいんですが…見てないのかな?

⏰:08/03/20 04:12 📱:P903i 🆔:Ra.09Fm2


#237 [蜜月◆oycAM.aIfI]
>>235 ◆vzApYZDoz6さん
 
 
大量まとめ乙ですw
 
 
遅くなりましたがまとめサイトの件、あたしのも載せて頂いて大丈夫です(・∀・)
 
完成時にウラルだけ教えて頂ければ(´∀`)

⏰:08/03/21 03:05 📱:SH903i 🆔:LbtQa6Ik


#238 [紫陽花[とある家庭器具の話1/1]]
今日もまた朝昼夜と繰り返す。
野菜、肉、魚――…。
私に貫かれることで一塊の大きな食料は一口大へと姿を変える。

私と二つで一つの存在、白く固い「まな板」と呼ばれる愛しい貴方。

私は貴方を貫けない。
貴方は私を受け止める。


この方程式は未来永劫崩れることはないわね。


さぁ……今日は何を貫くの?

一昨日は紅い血の滴る肉。
昨日は生臭く骨っぽい魚。

今日は何?


私の喜びはただ、私によって貫かれた塊達を見ることだけ。
私の生きる意味はその塊を貫くだけ。


私の存在価値は貴方の上でしか見いだせない……。


ーーーendーーー

⏰:08/03/21 22:14 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#239 [紫陽花]

書き手さんは
>>232
を読んでみて下さい!!

⏰:08/03/21 22:16 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#240 [◆vzApYZDoz6]
>>237
おkです!
ウラルはここに貼りますね

iらんどはまとめに不向きなんで、現在いい鯖を探し中…
そっちの知識はあんまり無いんで、知ってる方は教えていただくと嬉しいです

⏰:08/03/21 22:37 📱:P903i 🆔:0r/1hDwc


#241 [蜜月◆oycAM.aIfI]
>>240 ◆vzApYZDoz6さん

 
ごめんなさい(´・ω・`)
あたしもそういうのは詳しくないので…
どなたかお願いします。

⏰:08/03/22 00:10 📱:SH903i 🆔:ERIzihR2


#242 [[僕を大切に]蜜月◆oycAM.aIfI]
僕は生まれた時、独りぼっちだった。


随分長い間一人で過ごしたけれど、しばらくして仲間が出来た。

僕は初めて出来た仲間という存在が嬉しくて、みんなのことを大切にした。

しかし、僕の大切な仲間たちはある時急に消えてしまった。

僕の仲間たちは皆小さく、か弱く、それとは逆に僕の体は彼らとは比べようも無い程大きかったので、僕は一人残された。
また独りぼっち。

しばらくすると身を潜めていた仲間たちが戻って来たけれど、彼らもまたある時急に居なくなった。
そんなことを何度か繰り返した。

僕は悲しかった。
やっと見つけた仲間が、何度も何度も僕を残して居なくなってしまうことが。

僕が悪かったのかもしれない、と思った。


そして、何度目かに出来た仲間たちを、僕は大切に、それはそれは大切に扱った。
もう二度と僕の前から皆が居なくならないように。
僕たちがいつまでも一緒にいられるように。

彼らが僕に辛く当たろうと、非常識な態度を取ろうと、僕は仲間たちを守った。
とても長い間、守り続けた。

⏰:08/03/22 00:14 📱:SH903i 🆔:ERIzihR2


#243 [[僕を大切に(2/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
僕は、擦り切れてしまった。
体も心も、疲れ果ててしまったのだ。


それでも僕は、彼らを守ろうと身を削り続けた。
けれども既に、仲間たち皆を守れる程の力が、僕には残っていなかった。



彼らはそこで、やっと気付いた。

僕が彼らを守らなければ、皆は生きていかれないということに。




それから、仲間たちの中で僕を大事にしようという決め事が作られた。
彼らは再び力を取り戻させようと、自分たちとは違う体を持つ僕に対して、試行錯誤しながら世話をしてくれた。

しかし、決め事を守らない者は少なくなかった。
相変わらず僕にゴミを投げ付けたり、ひどい言葉を浴びせたりする者がいた。

⏰:08/03/22 00:17 📱:SH903i 🆔:ERIzihR2


#244 [[僕を大切に(3/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
僕の体はなかなか元に戻らない。
一部の仲間たちがどれほど僕を元気にさせようと努力しても、回復の兆しさえ見えない。



彼らが自分の手で引き起こした悲劇。
自分たちのことばかり考えて、自分たちが快適に過ごせることばかりを求め過ぎて、僕を瀕死の状態に追いやった。
僕に頼りっぱなしで、自分たちの身に少しずつ近づいていた危険に、気付かなかったのだ。
気付いた時にはもう遅かった。


彼らがどんなに後悔しようと、どれだけ懺悔しようと、もう間に合わない。



僕の体――そう、つまり地球は、破滅に向かって一気に転がり始めてしまったのだ。

⏰:08/03/22 00:18 📱:SH903i 🆔:ERIzihR2


#245 [蜜月◆oycAM.aIfI]
すみません!

>>242は(1/3)です(´・ω・`)



書き手の皆様。
>>232
>>240
をご覧下さい(・ω・*)

⏰:08/03/22 00:25 📱:SH903i 🆔:ERIzihR2


#246 [◆vzApYZDoz6]
上げますよ

⏰:08/03/23 22:08 📱:P903i 🆔:7wtg6O2w


#247 [紫陽花[とある恒星の話(1/1)]]
ぐるぐるぐるぐる――……

―――――――………

―――――………



ぐるぐるぐる………。
もう、どれくらい回ったのだろうか。遠く遠く離れたあの碧く、至極の宝石のような星の周りを……どれくらい回ったのだろうか。



ぐるぐるぐる………。
近くに見えても遠くにある。
姿は見えるが温もりは感じない。



ぐるぐるぐる………。
また今日も回り続ける。
あの星がなくなるその日まで、碧い星の軌道を回り続ける。





ーーーendーーー

⏰:08/03/25 08:00 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#248 [紫陽花]

とりあえず投稿。

もう誰も参加
しないのかな;;;

⏰:08/03/25 08:02 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#249 [◆vzApYZDoz6]
>>248
投下したいけど時間が…orz

あっ、一応まとめの件、サイトは作りましたw

vip.45.kg/..
↑ここです
実は作品トップまでしかできてないんですがねw

⏰:08/03/25 15:29 📱:P903i 🆔:800WeMho


#250 [紫陽花]

まとめ乙です!!(・⌒.)

⏰:08/03/25 15:55 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#251 [穴(1/2)◆vzApYZDoz6]
今日も変わらず、空は青い。
だが、俺の視線は空ではなく、地面にある黒い円形に向いていた。

「何だこれ?」
「何って…穴よ」
「それは見れば分かる」

俺は、早くに亡くなった親の唯一の遺産であるこの家に、彼女と同棲している。
久々の休日の午前中、洗濯物を干していた彼女が俺を呼びつけて、庭を見てみたら穴があいていた。

「お前が掘ったのか?」
「そんなわけないじゃない」
「だよなぁ…しかし深そうだな」

直径1〜2メートル、といったところだろうか。
見た限りではずっと闇が続いていて、底がまったく見えない。
懐中電灯で照らしてみても、終わりが分からなかった。

「落ちたら死ぬかな、これ」
「どのぐらいあるのかしら?」
「さぁー…10円玉でも落としてみるか」

10円玉を手に取って、穴の上に持ってくる。
できるだけ穴の真ん中に、真っ直ぐ落ちるように手を離す。

「…………」

「…………」

「…………」


「………音、聞こえないね」
「むちゃくちゃ深いじゃん、これ」

⏰:08/03/25 16:40 📱:P903i 🆔:800WeMho


#252 [穴(2/2)◆vzApYZDoz6]
「今日もボロ儲けだなwwww」

1年が経った。
あれからいろいろ穴に投げてみたが、まったく音沙汰がない。
そこで考えた。ここには何でも棄てられる、と。
もちろん有料で、1投棄100円から。
引き取り電話が面倒くさい粗大ゴミ、育てるのが面倒くさい赤ん坊、隠蔽工作が面倒くさい死体、事後処理が面倒くさい核廃棄物…

いくら棄てても、穴が埋まる事はなかった。

「今日も変わりないわね」
「しかし何なんだろうな、この穴」

改めて穴を覗いて見ようと、穴の淵に近付く。
その時、見下ろそうと垂らした後頭部に、小さな何かがぶつかった。

「いてっ!」
「あら、どうしたの?」
「10円玉だ…一体誰だよ?」


今日も変わらず、空は青い。

⏰:08/03/25 16:43 📱:P903i 🆔:800WeMho


#253 [◆vzApYZDoz6]
まとめのために作品数集計しました

現在の作品数集計
1レス短編:23
2レス短編:29
3レス短編:24
総作品数:76

ちゃんと数えてみると、1レス短編を1作品多く数えてたw
でも2レス短編を1作品少なく数えてて、3レス短編はあってたから、総作品数は変わらずw

⏰:08/03/26 01:36 📱:P903i 🆔:5HnSVLdM


#254 [出会い【1/3】 ローライト]
いつものように車に乗り、仕事現場までの道を行く。
俺は幼い頃からの夢だった調理師になることができた。
俺にとって調理師は天職だ。
「久しぶりに通ってみるか」

いつもの進路とは違う道を久々に行く。全てが始まった道へ。

⏰:08/03/26 15:33 📱:W52S 🆔:☆☆☆


#255 [出会い【2/3】 ローライト]
それは、俺が5歳の頃。
その日は何もすることがなかったが何となくこの道を歩いていた。
道の両脇には、たくさんの店が立ち並ぶ。
俺はふと、ある物を見る。書店の中にある一冊の本。
中に入りその本を読んでみる。
そこには料理を食べて幸せそうな顔をしている人がいた。
料理だけで人を笑顔にすることができるのか。

⏰:08/03/26 15:38 📱:W52S 🆔:☆☆☆


#256 [出会い【3/3】 ローライト]
俺は幼いながらも料理を作る人になると決心した。
「懐かしいな」

あの時のあの出会いがあったからこそ今、調理師として人々の笑顔を見ることができる。
こうゆう出会いって偶然なのか、それとも必然なのか。

偶然でも必然でもいい。


こうして出会えたのだから。

⏰:08/03/26 15:43 📱:W52S 🆔:☆☆☆


#257 [【天使1/3】ミ]
※ここではないですが私の書いてる小説の一部です

***


伝える事に意味はないと思った。
「なぁ光」
「……何?」
目に映る海は黒かった。月明かりの下、海面に波打つ度に針のような光の線を造り出す。静かな眺めだ。
――俺の目にもしも……
ありもしない事を考える。
光のきゃしゃな体が、抱き寄せただけで壊れそうな気がした。防波堤から落ちない様に掴んでいたい。
――羽が見えたら
「どうしたのよ?」
光がこっちを向いた。髪が揺れてなびく。その澄んだ瞳は俺を写している。
肌寒い空気が一メートル離れた俺達を包む。
冬の海は嫌いじゃなかった。

⏰:08/03/26 20:53 📱:D703i 🆔:1QkXKdw2


#258 [【天使2/3】ミ]
――俺は何も疑わない
「なんでもねぇよ」
固い地面に、いやこの世界になんとか俺は倒れずに生きている気がする。
「何それ、変なの」
少し笑って手を後ろについて光は空を見上げた。真っ黒に少し紺色がかっている。
俺はお前がいつかそこへ帰ってしまいそうで怖い。
――そうであったら俺は
光が歌を歌い出す。英語は俺には伝わらないのに何か別の空気が生まれる。色は透明、見えないはずの。
目を閉じて黙って耳を済ます。この世の何より俺が綺麗だと思うもの。

汚りのない声だった。

⏰:08/03/26 21:04 📱:D703i 🆔:1QkXKdw2


#259 [「サヨナラ」向日葵(1/2)]
「離してよ」

彼女は言った。

僕は言われた通り掴んでいた彼女の細い腕を離した。

どうしてこうなったんだろう。

付き合い始めたあの頃は、お互い好きなだけで充分だった筈なのに。

もっととお互いがお互い求める程、心は徐々に離れて、すれ違って……別れと言う結末へ道が進んで行った。

もう1度、通じ合ったら。
僕はそんな淡い希望を持っていた。

でも彼女は希望を持つどころか、全て諦め投げ捨てて、僕の元から去る事を決意したのだ。

⏰:08/03/26 23:05 📱:SO903i 🆔:GrOcznyk


#260 [「サヨナラ」向日葵(2/2)]
彼女の心に僕はもういない。

そう悟った瞬間、僕は手を、心を、手放したのだ……。

「結局無理だったのよ、私達」

最後にそう言って彼女は去って行った。

結局?
結局って何?
僕はどこで間違ったの?

甘い恋も、これで終わり。
呆然て立ち尽くす僕を気にする人は誰もいない。

「サヨナラ……」

と呟いて、僕は彼女との多くの笑い合った思い出達と別れを告げた。

⏰:08/03/26 23:09 📱:SO903i 🆔:GrOcznyk


#261 [コピペ的なシュール(1/1)◆vzApYZDoz6]
10月 シーズン終了
「来年こそは死ぬ気でやる」
11月 契約更改
「球団の温情に感謝している。来年は大暴れしたい」
12月 仰木氏命日
「来年は仰木さんのために頑張る」
1月 イチローと遊ぶ
「良い刺激になる。今年は元気な姿を見せたい」
2月 キャンプ
「すごく順調。開幕に間に合わせる」
3月 オープン戦
「万全の体制で復帰したい。それまでの間はチームに頑張ってもらいたい」
4月 開幕 清原シーズンオフ
「もどかしい気持ちで一杯。でも焦ってはいけない」
5月 チーム低迷
「夏頃には復帰したい」
6月 チーム泥沼
「膝が思うように回復しない…」
7月 夏場
「悩んだが手術をしようと思う。来年こそは元気な姿を見せたい」
8月 手術終了
「少しずつ回復していけば」
9月 清原歩いた!がニュースになる
「凄く順調。来年が楽しみ」
10月 シーズン終了
「来年こそは死ぬ気でやる」

⏰:08/03/27 03:12 📱:P903i 🆔:H/Sk7YSI


#262 [ちむ◆kIFO7LoPgI]
あげます\(^O^)/

⏰:08/03/29 19:20 📱:L704i 🆔:i4.s8I/6


#263 [なぞなぞ(1/2)◆vzApYZDoz6]
「問題!世界の中心にいる虫ってなーんだ?」

「世界の中心、か───」


(───この問題、まず『世界の中心』についてじっくり考える必要があるな。なぜなら、この場合における世界が何なのか、これさえ確定すれば自ずと中心も決まってくるからだ。
『世界』という言葉には色々な意味がある…この宇宙全体はもちろん世界だし、地球上のあらゆる国々を指した言葉にもなる。細分化していけば、個人の回りの目が届く範囲、これも各自の世界になりうるだろう。
…ここで重要になるのは、問題の答えに明確な『中心』が存在する、ということ。解答の候補が『虫』ということを考えると、宇宙の中心などという天文学的な答えは望ましくないし、同様に国家の中心という政治的解答も然り、正解に相応しいとは思えない。つまり、各自の世界、その中心から答えを推察しなければならない)

⏰:08/03/30 00:58 📱:P903i 🆔:JR.ZSsSE


#264 [なぞなぞ(2/2)◆vzApYZDoz6]
(しかし『各自の世界』の中心は自ずと各自、つまり人間になってくる。通常、人間の体内に虫など存在しないが、これは『人=虫』という哲学的なことから考察するべきなのか?
──いや、『世界の中心』である人間、これに関わる…つまり危害を加える虫。ここから考えるのが適切だろう。
まず思い付くのは、毒を持ち人間を即死に至らしめる事すら可能なスズメバチやダイオウサソリ。だがこれらの死亡件数は限られているし、都会など人が集まる場所にいるような虫でもないから、人類の驚異にはなり得ないだろう。
となると、家庭に高確率で棲息し、人に精神的驚異を与える頭文字Gか…?いや、少なくとも俺にとっては驚異にならないし、国によっては食料にもされるからこれも却下。
こうなるとやはり答えは1つ…水辺があれば瞬く間に繁殖し、近年では都会での増殖率が増加の一途をたどり、マラリアなど多くの病原菌の媒介にもなる───)


「───『蚊』かな?」

「おー、正解!」

⏰:08/03/30 00:58 📱:P903i 🆔:JR.ZSsSE


#265 [紫陽花]



あげッ(∀・。)


⏰:08/04/01 21:19 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#266 [兄(1/2)◆vzApYZDoz6]
「お前はこの家の人間じゃない」

唐突に父が兄に言い放った。
そのときの父の目が怒りに満ちていたのを、僕は今でもはっきりと覚えている。

訳が分からず、父と兄に交互に視線を巡らせた。
こんな空気は一度たりとも感じたことがない。
なぜ、今まで気付かなかったのだろうか。

この空気は、ひどく汚れていて重たかった。

「出て行け。今すぐに、だ」

父の言葉は殆んど動詞だけで構成されていた。ひどく冷たく短い文。
なぜ、父はこんな言葉を兄に向けられるのだろうか。
兄はそんな人だったのだろうか。

僕の中で、思い出がぐるぐると回転する。それに合わせて頭が混乱する。
いつから、どうして、こんなことになったのだろうか。

「ハッ」

戸惑う僕をよそに、兄は父を馬鹿にしたように鼻で笑った。
そしてその笑いとは全く別の、とても暖かな笑顔を僕に向ける。
思い出の中の兄は、いつもこんな風に笑っていてくれていた。
だけど、いつも何処か悲しそうで。
僕は、言葉も出なかった。

兄が笑顔を崩さず、何も言わずに、僕の頭をひどく優しく撫でる。

なんというか、雰囲気的にこれが最後だと、僕の脳細胞が告げていた。

⏰:08/04/03 14:35 📱:P903i 🆔:xEGH5/Ds


#267 [兄(2/2)◆vzApYZDoz6]
そこへ父が割り込んで、また暴言を吐いた。

「そいつに触るなぁ!!」

今までに聞いたことがない凄まじい父の怒号に、僕の体がビクリと跳ねる。
その叫びと同時に母がやって来て、涙を流しながら訴えに近い声を出した。

その時の母は、僕が今まで見てきた母の中でも一番苦しそうで。
もう、誰が被害者なのか分からなかった。

「どうして…そんな風になっちゃったの?」

兄は一瞬目を伏せて、僕から手を離す。
兄の手を掴もうと思ったけど、なぜかそれはできなかった。
もう、完全にこれが最後だと理解した。

今にも崩れ落ちそうな母を見て、兄が目を細めた。
そのときの兄は、とても冷たく、そしてひどく悲しそうに見えた。
いつもそうだ。今にして思えば、兄は何をしていても、笑っていても、どこか悲しげだった。
それに僕がもっと早く気付いていれば、こうはならなかったのだろうか。

兄が母に向かって口を開く。父に向けたような冷たい笑顔を母に終始向けながら。
おいおい、と話し出す。

「自分で作っといて何言ってんの? オバサン」

そうとだけ言い放って、兄はこの家を出た。
帰って来ることは、もう二度となかった。

⏰:08/04/03 14:37 📱:P903i 🆔:xEGH5/Ds


#268 [◆vzApYZDoz6]
もうネタ以前に文章力が…
そろそろ誰か参加してくださいねwww


新たな参加者もまだまだ募集中ー

⏰:08/04/03 14:48 📱:P903i 🆔:xEGH5/Ds


#269 [紫陽花[私の思考回路(1/3)]]
ふぅ――

あと15秒ほどで私の耳に、一日で一番甘美な時間を伝える音が聞こえ出す。
さぁ……

3、  2、  1!!
――――キーンコーンカーンコーン………

自分の正確さに鳥肌が立つ。私の腹時計の実力は日々正確になっているようだ。

さて、そんなことより早くしなければ甘い甘い時間が過ぎてしまう。
私は、はやる気持ちを抑えつつ鞄の中から小さな、けれど世界に一つにしかない私だけの宝箱を取り出した。

そして、ふたを開けた……。その瞬間その宝物特有の匂いが春の風のようにふわりと私の鼻をくすぐる。

卵焼き

たこさんウインナー

パセリ・レタス・ブロッコリー

ミニハンバーグ

白米(ふりかけ付き)

宝箱の中には、これだけのものが小さな四角形の箱に所狭しと詰まっている。

⏰:08/04/05 21:28 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#270 [紫陽花[私の思考回路(2/3)]]
よし……いくか!!
そう意気込むと同時にお箸を握り直す。

まずは卵焼きで空腹感を和らげるとしよう。話はそれからだ。そうしないと、集中してこの宝箱を取り扱えない。


さて少し落ち着いたところで次は………、たこさんウインナーと野菜たちだろうか。
ウインナーだけを口に運ぶと脂っこさだけが広がりウインナー本来の味を楽しめないと思うのは私だけだろうか……。だから私は野菜とウインナーはセットだと考える。


そしてここまでくると、さすがに白米が食べたくなる。だが、米を全部食べてはいけない。まだメインディッシュが残っている。


ここからが本番だ。
また一つ息をつく。それと同時にメインディッシュという名の一番デカい宝物へと箸をのばす。

現時点で箱の中に残ってるのは

ミニハンバーグ

白米3/1

ここからは今まで以上の集中力が要求される。おかずと米を食べる割合を考えなければ最高のフィニッシュを迎えられない。

さらに今日はデザートがないのでこの一瞬で今日の甘い時間は終わりを告げることになる。

それだけにプレッシャーもかなりのものだ。

⏰:08/04/05 21:29 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#271 [紫陽花[私の思考回路(3/3)]]
ミニハンバーグと米を一口ずつ自分の口へと運ぶ。
一口かみしめた瞬間に口の中にハンバーグのデミグラスソースの濃厚な味が小川のせせらぎのようにさわさわと、しかし確実に広がる。

高級レストランのとはまた違った深い味わいがあり、けれどくせのない家庭のハンバーグ特有の旨みがこれにはある。

はぁ―――……
なんて美味しいんだろう。
思わずお箸を持つ手に力が入る。さらに一口、二口と箸は進む。





ハンバーグをメインディッシュにもってくる………。

その選択は間違ってなかった。だてに二年間お弁当生活をおくっているわけではない。



友達からはご飯を食べるときだけ人が変わると、注意されるが私の知ったこっちゃ無い。私はいかに計算してあの宝物たちを食すかだけに集中したいのだ。


そして今日も無事完食。

―――御馳走様でした。



---end---

⏰:08/04/05 21:29 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#272 [夜遊び【3/1】]
「ハア・・・ハア・・・

なんだよあいつ
しつこすぎ!!」


「けーっけっけけっけっ
まぁ〜〜てぇやぁ!!
け〜っけっけけけ!!」

こんちわ。
俺、、、山田太郎
今は友達と心霊スポットで
写真を撮ろうとしてた所を
変な顔なしおねーさんに
追いかけられてた所です。(笑

「まぢこえー頭
いってんじゃねーの!?」

⏰:08/04/05 22:50 📱:PC 🆔:zaUOASD2


#273 [夜遊び【3/2】]
ガシッ

「うわっ!!」


「…捕まえたっ」

やべぇ…捕まった!!

「くっそぉ
離せ!!糞ババア!!」

「・・・っ
誰が糞ババアですって?」

「…………ぇ…?」

こいつ・・・・
見たことある…?

そう・・・・その変な
顔なしおねーさんとは
よくみると・・・・

⏰:08/04/05 22:55 📱:PC 🆔:zaUOASD2


#274 [夜遊び【3/3】]
「花子さん?」


「そーだよ?
何で逃げたりするの?
太郎君…」

「えっ・・・・だって俺は
心霊スポットを・・・・」


「馬鹿じゃん?
自分も幽霊なのにさ
・・・・クスッ」

「…!!!」

「思い出した?」

そうー・・・僕は死んでいた。



【うわー適当に書いてたら
まぢで適当になっちゃったwww
ストーリ変すぎっwww】

END

⏰:08/04/05 23:01 📱:PC 🆔:zaUOASD2


#275 [朝海『誘い』(1/3)]
今日もアタシは夜の繁華街を一人で歩いてる
何をするでも無くただ歩くだけ
アタシはこの空気が好き…
この風景が好き…
うもれていきそうな人の多さ…
昼とは別の顔をもつこの街…
「ねぇ〜」
いつもの用に話しかけて来る客引きのボーイ
「何歳?名前は夜の仕事とか興味ない?」
この人タチはすごい客を引き止めるのがうまい
「18才名前はアリサ別に夜の仕事とか興味ない」
アタシはまた歩きだした
「まってよ!そこでちょっとコーヒー飲まない?奢る」

⏰:08/04/06 01:00 📱:V803T 🆔:l3XHq1PQ


#276 [朝海『誘い』(2/3)]
「良いけど」
暇だし
アタシタチは近くのカフェに入った
「なぁマジイイ仕事たぜ?損しないって」
ボーイはグイグイ攻めてきた
「いくら言われても興味ないから」
「金とかいらないの?」
アタシは手がとまった
お金…たしかに必要…
アタシが黙ってるとボーイはニヤっと笑った
「アリサチャン可愛いし上目指せるし金なんか腐るほどはいるぜ」
ボーイはタバコを加えた
「ホント?」
アタシは呑まれた…
「マジマジじゃうちの店きな」
カフェに入る時と出る時のアタシの考えは変わっていた

この時は甘く考えていた
アタシはまだほんの18才…
ただの餓鬼…

⏰:08/04/06 01:10 📱:V803T 🆔:l3XHq1PQ


#277 [朝海『誘い』(3/3)]
「じゃ明日からはいって」
アタシは説明をいろいろされ帰された
次の日もその次の日もアルコール三昧…アタシは壊れて行った
キャバ嬢から始まったアタシの仕事はソープ嬢にまで落ちていた
最後にアタシは汚いものを捨てるようにゴミにされた
アタシは今どこにいるんだろう…
ここは…
アタシは知らない国に連れてこられ…
アタシどうなっちゃうの…
あの時あんな誘い簡単に乗るんじゃなったょ…

簡単な誘いにのると人生が180度変わってしまう…

⏰:08/04/06 01:23 📱:V803T 🆔:l3XHq1PQ


#278 [◆vzApYZDoz6]
あげときます

⏰:08/04/09 02:27 📱:P903i 🆔:MUJBtO/s


#279 [[秘密(1/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
真夜中、俺を乗せたタクシーがマンションの前に停まる。
運転手に料金を払い、礼を言って、足早にエレベーターへと向かう。

「はぁ……」

ボタンを押すと同時に、無意識のうちに深いため息をついていた。
どうしてこうなってしまったんだろう。

俺は、タクシーを拾う前にスーパーで買った荷物を胸に抱えて、エレベーターに乗り込む。
誰にも見つからないように、袋の中身を隠すように抱える。

ここ二週間、毎日繰り返すこの緊張。
俺の降りる階まであと二つ……ほっとしかけたところで、エレベーターが止まった。

「!?」

乗り込んで来たのは、見知らぬ若いカップル。
二人は俺に目もくれず、いちゃいちゃとじゃれあっている。
バレることはなさそうだ。

⏰:08/04/09 04:14 📱:SH903i 🆔:APNEtQ/Q


#280 [[秘密(2/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
 
俺には、絶対に誰にも知られてはならない秘密がある。
二週間前から隠している、俺の部屋に存在するモノ。

もし誰かに知られれば、俺は逃げるようにしてここから出ていくことになるだろう。
この二週間、気が気でなかった。

異臭騒ぎになったら……。
夜中のおかしな音に気付かれたら……。
この袋の中身を知られたら……。

しかし俺の緊張とはうらはらに、周りの住人の態度は二週間経った今日も変わらなかった。
廊下ですれ違えば挨拶をされるし、朝のゴミ置場でも世間話に加わった。

しかし。
あまり長い期間は隠し通せないだろう。

⏰:08/04/09 04:15 📱:SH903i 🆔:APNEtQ/Q


#281 [[秘密(3/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
 
それは解りきったこと。
俺は隠しているモノをどうするか、今日の仕事中も考えていたが、結局何も思い付かなかった。

誰にも咎められることなく、無事に自分の部屋にたどり着き、鍵を開けて慎重にドアを開く。

周りに誰も居ないことを確認し、ドアの隙間に体を滑り込ませる。

「はぁ……」

今のは安堵のため息だ。
俺は買い物袋の中から丸い形をしたものを取り出し、隠しているモノに近づいた。

一歩、また一歩。
この扉の向こうに、アレがいる。

扉に手をかけ、ゆっくりと、引く。


「ニャ〜?」

「ただいまぁ、ご飯だよ〜」


言うまでもなく、俺の住むマンションは、ペット禁止なのだ。

⏰:08/04/09 04:16 📱:SH903i 🆔:APNEtQ/Q


#282 [◆vzApYZDoz6]
蜜月さん乙ですー

うーん、最近減速ぎみですねぇ…
ちょっと早いけど追加お題を考えてみようかな

てゆうか誰か書きやすそうなお題を出してくれー\(^O^)/

⏰:08/04/09 19:11 📱:P903i 🆔:MUJBtO/s


#283 [蜜月◆oycAM.aIfI]
>>282 ◆vzApYZDoz6さん

乙っす!
ほんとに一時期と比べるとすっかり過疎っちゃってますね(´・ω・`)

私で良いか解らないですが…お題考えてみました!

@窓
A指輪
B怒り
C葬式

イメージ膨らみ易そうなのをチョイスしたつもりですが…使えなさそうならスルーして下さいww

⏰:08/04/09 20:00 📱:SH903i 🆔:APNEtQ/Q


#284 [◆vzApYZDoz6]
>>283
おー、サンクスですw
全然いいですよ!ていうかむしろこれからも勝手にお題追加しちゃってもおkですw


俺もそのお題でなんか考えてみるかなー

⏰:08/04/09 20:33 📱:P903i 🆔:MUJBtO/s


#285 [蜜月◆oycAM.aIfI]
>>284 ◆vzApYZDoz6さん

まじすかw了解です!

⏰:08/04/09 20:49 📱:SH903i 🆔:APNEtQ/Q


#286 [【雨】(1/3)名無し]
「ねぇー、朝だよー。」

俺を起こすのは誰だ…??

「起きないの??」

遠慮がちに囁きながら頬をつつく。

はっと思い目を覚ますと、想い描いた笑顔とは違うものがあった。

「あぁ…はよ。」

窓ガラスには水滴が流れる。

「雨か…」

だからあいつの顔が浮かんだのか…??

あいつと出会ったのも、こんな静かに雨の降る日だった。

⏰:08/04/09 23:35 📱:F703i 🆔:3JY/tCHs


#287 [【雨】(2/3)名無し]
高校の時、急に降り出した雨に打たれながら家へ急いでいると、目の前に立ちつくしている女がいた。

目からは、雨とは違うものが流れている。

泣き方をしらないかのように、ただ落ちるだけの涙は、その人をより一層美しく見せた。

足を止め、何故か引き込まれるようにその人を見つめた。

すると向こうも俺に気づき、思いがけない一言を発した。

「助けて…」

「…どうしたんですか??」

そんな事を言われたら、声をかけずにはいられない。

「笑。ウソ、なんでもないよ。じゃあね…」

「待って!!名前は??」

「また今度会ったらね。」

「今度って…」

会うわけないと思い、若干落ち込むとその人は言った。

⏰:08/04/09 23:45 📱:F703i 🆔:3JY/tCHs


#288 [【雨】(3/3)名無し]
「また…こんな雨が降ったら、ここにいるから。」

そう言い残し、去っていった。

あれから、雨が降ると俺はその場に向かった。

何度目かでやっと出会い、声をかけた。

初めて会って時とは対照的な、明るい笑顔にまた引き込まれた。

そのまま一緒に過ごし、隣に温もりを感じながら眠った。

朝、俺の頬をつつきながら起きないの??と問いかけるあの人と、今隣にいるやつの姿が重なった。

あれから、いくら探してもあの笑顔には出会う事はなく、忘れたつもりでいたのに…またこうやって思い出す。

あの短期間で恋をしたのかはわからない。ただ、興味本位にしては切なすぎる。

あれから、人の温もりもなく一人眠りにつくのが寂しく感じ、とりあえず誰かを隣に置いていた。

外は小雨。

今日も俺は、あの場所へと向かうだろう。

そしたらきっと会えるはず。

そう空に広がる虹に願いを込めた。

⏰:08/04/10 00:01 📱:F703i 🆔:r.AIidn6


#289 [◆vzApYZDoz6]
おっと、名無しさんの参加キタコレw

過疎ぎみなんで、よければもっとお願いしますw

⏰:08/04/10 03:13 📱:P903i 🆔:I5eSL1Vk


#290 [気まぐれ(1/1)◆vzApYZDoz6]
「いったいどういうつもりよ!?」

「それはこっちの台詞さ。僕は、君とあの男がホテルに入るところをちゃんと見ていた」

激昂する女とは対称的に、男はただひたすらに淡々と話していた。
だが声質のせいだろうか、淡々としているわりにどこか柔らかい感じがした。

「それは…その…」

「気まぐれ?」

「そう! なんていうか、ちょっとした気の迷いというか…」

「へぇ。僕の告白を受けたのも、気まぐれ? 何年も付き合ったのも、プレゼントをくれたのも、気まぐれ?」

「ち、違う…気まぐれなんかじゃないわ!」

女の表情はどんどん潮らしくなっていき、今にも泣きそうなほど。
それでも男は眉ひとつ動かさず、淡々と喋り続けていた。
それでも声の柔らかさは変わらない。

「いいんだよ、別に。僕はそんなに本気で怒っちゃいないさ」

「なんで…? どういうことよ…?」

「それは、だから──」

男の淡々としてまったく動かなかった表情が、少し緩む。
代わりに女の顔がひきつり、青ざめた。

「──気まぐれさ」

そう言って男は、何か言おうとした女の喉を切り裂いた。

⏰:08/04/11 04:04 📱:P903i 🆔:zCCoSRx2


#291 [◆vzApYZDoz6]
1-164までのまとめ
>>165-170
171-228までのまとめ
>>229-231

232から現在のまとめ↓

紫陽花さんの作品
とある家庭器具の話(1/1)
>>238
とある恒星の話(1/1)
>>247
私の思考回路(3/3)
>>269-271

蜜月さんの作品
僕を大切に(3/3)
>>242-244
秘密(3/3)
>>279-281

◆vzApYZDoz6の作品
穴(2/2)
>>251-252
コピペ的なシュール(1/1)
>>261
なぞなぞ(2/2)
>>263-264
兄(2/2)
>>266-267
気まぐれ(1/1)
>>290

⏰:08/04/13 00:53 📱:P903i 🆔:I.m48lNc


#292 [◆vzApYZDoz6]
ローライトさんの作品
出会い(3/3)
>>254-256

ミさんの作品
天使(2/2)
>>257-258

向日葵さんの作品
サヨナラ(2/2)
>>259-260

:zaUOASD2さんの作品
夜遊び(3/3)
>>272-274

朝海さんの作品
誘い(3/3)
>>275-277

名無しさんの作品
雨(3/3)
>>286-288

なお、タイトルの無い作品は文中から抜粋してタイトルをつけました。

⏰:08/04/13 00:53 📱:P903i 🆔:I.m48lNc


#293 [◆vzApYZDoz6]
現在の作品数集計
1レス短編:27
2レス短編:34
3レス短編:31
総作品数:92

現在のお題
@雨
Aあの頃の思い出
B電話
C卒業
D電車
Eささやかな幸せ
F手紙
G都会
H未来
Iアルバイト
J忘れられない
K空
L窓
M指輪
N怒り
O葬式

>>291-292
まとめ

⏰:08/04/13 00:54 📱:P903i 🆔:I.m48lNc


#294 [紫陽花]
>>291ー293

まとめ
ありがとうございます!!(・∀・)

⏰:08/04/13 00:57 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#295 [紫陽花]
↑ミス〜;;;
>>291-293

⏰:08/04/13 01:01 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#296 [[ひとつの願い(1/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
ある日の午後、私は暖かい陽射しに眠気を覚えながら、オフィスでパソコンに向かっていたんです。
私の周囲は、他の社員たちの相談だったり会議だったりでガヤガヤとしていました。
私は明日の会議の資料を今日中に仕上げなくてはいけなかったので、キーボードを打つのに集中していたのです。

が、オフィス全体が急に静かになって、私は何事かと思い、ディスプレイから周りに目を移しました。
けれど、みんなの様子はさっきまでと変わりなく、いそいそと動き回っています。
私がキョロキョロしているのにも、誰ひとり気付いた様子はありません。

私は訳が分からずデスクに視線を戻すと、キーボードの横にちっさいオッサンがいました。
ちっさいオッサンがいたのです。

私は目が飛び出るんじゃないかと思うくらい驚いて、椅子の背もたれにしたたか背中を打ち付けてしまいました。

⏰:08/04/13 02:00 📱:SH903i 🆔:HMtueqDg


#297 [[ひとつの願い(2/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
ちっさいオッサンは、キーボードの右側で体育座りをして、私を見つめています。
私は驚きの余り、ちっさいオッサンを凝視したまま固まってしまいました。

「あんたの願い、なんか一個だけ聞いたるで」

ちっさいオッサンはわざとらしい関西弁でそう言いました。
私はもう一度周りをぐるりと見回しました。
けれど、やはり声や物音が聞こえないだけで、みんなはいつも通り仕事をしているようです。

私は意を決して、というか開き直って、望みを口にしました。

「この……貧乳が悩みの私の願いは、……大金持ちになること!」

「巨乳ちゃうんかい!」

ちっさいオッサンは爆笑しながら私にツッコミました。

「だって、お金があれば整形できるじゃない」

私が冷静に反論すると、ちっさいオッサンは困った顔をしてこう言いました。

「あんな、姉ちゃん。整形って失敗することもあんねんで? 乳は何年かたったらしぼんでまうらしいしなぁ。ワシに頼んだら、ナチュラルな巨乳になれるのになぁ」

⏰:08/04/13 02:01 📱:SH903i 🆔:HMtueqDg


#298 [[ひとつの願い(3/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
私はそれを聞いて、整形よりオッサンに頼みたいと思ったのです。
そこで、こうお願いしました。

「じゃ、じゃあ、大金持ちは取り消し! 私を巨乳にしてください!」

すると、ちっさいオッサンは残念そうに手を振りました。

「アカンアカン、願いは一個だけや。あんたは大金持ちってゆう願いで使い切った。取り消ししてもそれは戻らん。じゃあな」

ちっさいオッサンは私のデスクから隣のデスク、そのまた隣のデスクへと歩いて行きました。
ちっさいオッサンの姿が見えなくなると同時に、いつもの騒がしい話し声が私の耳に入ってきました。

その後何年か、私はちっさいオッサンにもう一度会いたいと願って生きてきましたが、その願いはいまだ叶っていません。
今、願いを一つ聞いてやると言われたら、私は迷わず「ちっさいオッサンに会わせて下さい」と言うでしょう。

⏰:08/04/13 02:02 📱:SH903i 🆔:HMtueqDg


#299 [◆vzApYZDoz6]
あげ…

⏰:08/04/16 21:55 📱:P903i 🆔:v/dF1zCE


#300 [花蓮◆MGVVPl.NwM]
あげ。

⏰:08/04/19 17:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#301 [[保守ネタ]花蓮◆i9NT5SD3jQ]
急に静かになった。
今までの人の喧騒はとうに絶え、静寂が辺りを包み込む。
無音。
耳鳴りがするほどに。
私の周りには誰もいない。
いや、実際にはいるのかも知れない。しかし私からは何も見えない。
だが依然として姿の見えない視線を感じる。無数の視線は何も語らずにじぃっとこちらを見つめている……気がする。
姿は見えない。本当にそこに誰かいるのか。誰もいないのかも知れない。いいしれぬ不安が襲う。
心臓の鼓動が激しくなる。たった一言。その一言が私の口から出てこない。これを言ってしまえば全てが終わる。天国か地獄か。ついに私は沈黙に耐え切れずに口を開いた。
「ほ、保守」
視線が答えた。
「保守」
安心した、私は一人ではなかったのだ。

⏰:08/04/20 23:31 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#302 [◆vzApYZDoz6]
>>301
保守w
しかも描写が俺の好みでいいですねぇw

⏰:08/04/21 01:42 📱:P903i 🆔:8z2G5ess


#303 [我輩は匿名である]
>>301
すごwww

⏰:08/04/21 02:16 📱:P902iS 🆔:hoIzcJoI


#304 [花蓮◆i9NT5SD3jQ]
あげ。
どうでもいいかもしれんが、保守ネタって書くの難しいんだぜ?

⏰:08/04/23 21:03 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#305 [あだ名で読んでほしいシュール2]
「ねぇ、山中くん」

「なに? シ…オナスーさん」

「人、いないね」

「こんな時間だからな」

「…と言うわけで保守!」

⏰:08/04/26 03:28 📱:P903i 🆔:PDE7ZRVo


#306 [◆vzApYZDoz6]
上は俺です一応

⏰:08/04/26 03:29 📱:P903i 🆔:PDE7ZRVo


#307 [[ぬくもりを(1/3)]あに]
彼女の温かさは、俺の日だまりだった。

もう何年前になろうか。
家族だと思っていた人々に捨てられ、路上をさ迷っていた。空腹や寒さ、淋しさなどから俺は野垂れ死ぬ寸前だっただろう。
今生きていられるのは偶然、本当に偶然、彼女に出会ったのだ。
彼女は俺に手を差し延べてくれた。
手は凄く温かかった。

彼女は俺に名を付けてくれ、毎日その名を呼んでくれる。俺は幸せだった。

彼女と共に朝を向かえ、彼女を見送り、帰ってくるまでそわそわと待ち、「ただいま」と笑顔で帰って来た彼女と共に過ごし共に寝る。
そんな変わらない日々を送っていた。
俺は幸せだった。

⏰:08/04/26 21:55 📱:SH903i 🆔:Q/K8gp3M


#308 [[ぬくもりを(2/3)]あに]
彼女があまり外に出なくなった。
俺は一日中彼女といれて幸せだった。彼女の笑顔が減ってることにも気付かない程に。

彼女はあまりベットから下りなくなった。
俺は彼女の欲しい物を取ってあげることにした。彼女の役に立てて俺は幸せだった。

彼女は起き上がらなくなった。口から赤い液体を出すようになった。でも彼女は微笑みながら俺の名を呼ぶ。
頭を撫でてくれた手は以前より細くなっていたけど、温もりは変わらなかったから、俺は幸せだった。

⏰:08/04/26 21:56 📱:SH903i 🆔:Q/K8gp3M


#309 [[ぬくもりを(3/3)]あに]
ある日、彼女は俺を呼んだ。聴覚の優れてる俺じゃなければわからない程か細い声で。

俺が傍に寄るといつも通り頭を撫でてくれた。その手は少し震えていた。
彼女はまた俺の名を呼んだ。するり、と頭から手が滑り落ちた。 彼女はぴくり、とも動かなくなった。
垂れている手にほお擦りしても、その手は何故か冷たくなっていた。

彼女の温もりが、消えた。

俺の日だまりが、消えた。

違うんだ、俺が彼女から温もりを奪いすぎてしまったんだ。 きっとそうだ。俺は彼女の脇に寝ころんだ。俺の温もりを彼女に。
そうすればきっと、

きっと、貴女は。

彼女の名を呼んだ。遠吠えが響いただけだった。

⏰:08/04/26 21:58 📱:SH903i 🆔:Q/K8gp3M


#310 [あに]

初参加の、あにです!
意味不明なものになっ
てしまいましたが(ω;)

皆さんの素敵な作品の
中に投稿は迷ったので
すが、しちゃいました
(´・ω・`)←
これからも、たまーに
載せるかもしれません
その時はよろしくおね
がいします(^ω^)w

⏰:08/04/26 22:01 📱:SH903i 🆔:Q/K8gp3M


#311 [紫陽花]
あにさん

よろしくお願いします!!
( ´∀`)

ついでに私も投稿しちゃおWw

⏰:08/04/26 22:33 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#312 [紫陽花]
「好きです……」

ここはとある学校の体育館裏。今まさにその学校の生徒であろう女が告白をしていた。

女の顔は林檎のように紅くなり、とても恥ずかしそうに俯いた。
それに比べて……男の方は右手で頭をかきながら困った顔だ。

「ごめん俺、君とは付き合えない……」

女はなおも下を向き続け、その華奢な肩は涙をこらえているのだろうか小刻みに揺れている。
「なんでかな…?好きな人でもいるの?」

女は絞り出すようなか細い声で男に問う。

今度は男の頬がほんのり赤らめながら話しだした。

「俺、守りたい奴がいるんだよ。たまに話しかけないと後ろの方に行っちゃって人目に付かない奴なんだけど、いろんな顔を見せてくれるんだ……だから俺が守ってやんないとな……!!」

「そっか!!ありがとう……」

それを聞くと女は走ってその場から立ち去った。


体育館裏には、もう夏の香りがしていた。


--ーendーーー

P.S.
一応保守ネタのつもりWw

⏰:08/04/26 22:34 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#313 [螺旋〜終わりなき戦い〜外伝]
黒と白の翼の男が戦っていた
黒の右のフックが
もろに顔面に当たった。
一瞬意識が飛びかけた。
「はっ、
やっぱお前迷ってんだな?」
「…かも…なっ!」
今度は白のハイキックが
当たる。
「ハハッ、いい気分だ。
お互い体力も限界だなぁ」
二人とも息が上がっている。
「次で決着付けようぜ?」
「同感だ。」
「「…ぅぉぉおおああ!」」
辺りを破壊するほどの衝撃波
が起こった。
立っていたのは、白い翼の男だった。
「俺は、もう誰にも負けられなかったんだよ…」
そう言い残し、飛び去っていった。
番外編
螺旋〜終わりなき戦い〜
でした。
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/8005/
本編もよろしく。

⏰:08/04/27 00:20 📱:P702i 🆔:94dxz066


#314 [我輩は匿名である]
>>313
展開早すぎじゃね?
もっと深く描写すべきじゃねーかな。
それと地の文が説明の役割にしかなってないのも問題だと思う。

⏰:08/04/27 01:11 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#315 [紫陽花]
>>312
タイトル付け忘れました;;;
タイトルは

守りたい奴(1/1)

ですm(_ _)m

⏰:08/04/27 08:20 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#316 [たいせー]
>>314
じゃあ本編読んで、
そっち長いけど

⏰:08/04/27 08:49 📱:P702i 🆔:94dxz066


#317 [花蓮◆i9NT5SD3jQ]
>>312
こういうのすごく好き

⏰:08/04/27 23:37 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#318 [◆vzApYZDoz6]
最近小説板にすらなかなか来れないけど一応スレ主ですw

参加増えてるw
いいねいいねw

あにさん、たいせーさん、その他の人も、もっとじゃんじゃん投下しちゃってくだされw
俺? 俺は忙しすぎて(ry

それから、このスレでは一応批評も受け付けますよ!(今勝手に決めましたがw)

批評してくれ、って人がいたら言ってくだされ。このスレに息を潜めて棲息する猛者があなたの作品を批評しますw
別にこのスレ内の作品でなくてもおk!なんでもありなんだぜ!
>>314さんみたいな批評人も大歓迎なんだぜ!


…べっ、別に過疎が嫌なわけじゃないんだから!

⏰:08/04/28 03:04 📱:P903i 🆔:t.R.uy96


#319 [◆vzApYZDoz6]
つうか俺のIDすげw

⏰:08/04/28 03:05 📱:P903i 🆔:t.R.uy96


#320 [紫陽花]
評価してもらえるなら感想板作ってみたらどうですか?(・∀・)

⏰:08/04/28 07:00 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#321 [紫陽花]
>>320

私はナナシさんの心の叫びを見落としていました;;;

>>320 はスルーしてください
(´・ω・`)

⏰:08/04/28 08:32 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#322 [◆vzApYZDoz6]
あげる

⏰:08/05/01 04:10 📱:P903i 🆔:3Wr6QsRI


#323 [花蓮◆i9NT5SD3jQ]
「待ってたわ」
部屋に入ると同時に声がかかった。薄暗い部屋の中、彼女の声が普段より透き通って聞こえる。電気はついていない。窓から差し込む月光だけがここに唯一光をくれる。
「何の様だ」
不機嫌さを隠す事なく尋ねる。
しかし実際には理由など聞くまでもない。彼女が私を呼ぶ時の理由など一つだけだ。今までも、そしてこれからも、未来永劫変わらない。
「いつものヤツよ。それよりそんなに怒らないでくれる? 私までイライラするじゃない」
口調こそ荒々しいが表情に怒気は見られない。相変わらずよくわからない奴だ。
「わかったわかった。じゃあさっさとやるぞ」
軽くため息をつき、思考を打ち切る。これから行うことに比べたら何の価値もない。
「じゃあやるよ?」
そう言い彼女は私の方を向いて綺麗に笑った。何度見てもこの表情には慣れない。だが不思議と心が落ち着いていくのを感じる。そして彼女と私の口から言葉が発せられる。
「保守」
――世界が光に包まれた。

⏰:08/05/04 00:20 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#324 [花蓮◆i9NT5SD3jQ]
さて、久しぶりの投下なんだがもうネタが切れてしまった。
誰かオラにネタを分けてくれ!

⏰:08/05/04 00:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#325 [◆vzApYZDoz6]
俺は人混みが嫌いだった。
それぞれが好き勝手に行動し、耳障りな騒音を作り出す。
それぞれが好き勝手に行動し、人の視界を妨げる。

俺は、そんな人混みが嫌いだった。

人混みから離れるために、街の外れへ向かう。
できるだけ静かな場所へ、一直線に。
少し歩けば、雑音が薄れ人も少なくなっていく。

代わりに、家が多くなる。

どれも同じ大きさ、同じ外観で、表札が違う。
新築の頃は使われていた家も、しばらく時が経てば住民は少なくなっていく。

そんな家の群れを眺めながら歩いていると、ある一軒の家の表札に目が止まった。
なにか、心が惹かれる表札。
家の中を覗いてみたが、すでに住民は誰もいないらしい。

それもそのはず。ここは街の一番端、街の入口から最も遠い場所だ。
人なんているわけがない。

だが、なぜか心が惹き付けられる。
前の住民達の生活跡を見ていると、とても楽しそうな風景が頭に浮かんだ。
もっと早くこの家を見つけていれば、俺もこの中に入れたのだろうか。

俺は、この家の住民に戻ってきてほしいと思った。
戻ってきたら俺も仲間に入りたいと思った
そのためなら何でもしてやろうと思った。

一通り家の中を見渡して、ゆっくりとドアを閉める。
息を整え、少しの期待を込めて呟いた。

「保守」

ドアから手を離し、再び表札を眺めながら歩きだす。
口元には、微かに笑みが浮かんでいた。

⏰:08/05/05 13:59 📱:P903i 🆔:Dlid82FI


#326 [度忘れではない(3/3)◆vzApYZDoz6]
携帯電話を紛失した。
多分、昼寝してる間に無くなったのだろう。
目が覚めて、とりあえず時間を確認しようと思ったところで気が付いた。

「あれ…おかしいなー」

しばらく自分が寝ていたリビングを探してみるが、どうにも見付からない。

仕方ないので家電から携帯電話にかけて探す事にした。
バイト帰りでそのまま寝てしまったためにマナーモードにしたままだが、一応震えるんだしどうにかなるだろう。
そう思って、家の子機からダイヤルする。

「……あれー…?」

結果、どうにもならなかった。
ドコモの携帯でよかった。
契約しない限り留守番電話サービスは受けられないので、留守電になることもない。

などとズレた事を考えながら、家の中をしらみ潰しに歩き回る。
リビングやダイニングは粗方探し終えたし、残るは自室しかない。
だがバイトから帰ってきて1度も自室には入ってないし、さすがにないだろう。
「まいったなこりゃ…」


さて、どうするべきか。
もう1時間ぐらいは探しただろう。
外では陽が傾きかけて、ゆっくりと地平線へ沈んでいっている。
焦りと疲れがどっと吹き出てきた。

⏰:08/05/06 02:49 📱:P903i 🆔:bpkRP9FQ


#327 [度忘れではない(2/3)◆vzApYZDoz6]
「…もう疲れたな」

早く小説板に行きたいのに。
mixiがやりたいのに。
悶々としながら、とりあえず休憩するために自室に戻る。
自室のドアを開けると、ベッドの脇に大量に積まれた漫画が目に入った。

「よう」

続いて、積まれた漫画をベッドに転がって読みふける妹。
何をやってるんだ、と突っ込む前に、積み上げられた漫画の上に俺の携帯を発見した。

「あー! てめ、それ俺の携帯じゃねぇか!」

声を張り上げながら手を伸ばす。
だがその前に、妹が無駄に意地悪い笑みを浮かべながら携帯を取り上げてしまった。
そのままベッドから立ち上がった。

「どうよ、携帯電話のない生活ってのは? あん?」

口の悪い女だ。
玄人じみた台詞なのは、俺に説教でもしてるつもりだからなのだろうか。
何やら教訓めいた事でも伝えたいらしい。

「すごく…つまらないです」

「だろ? 人間は、便利のために作ったものに、逆に振り回されることもあるんだぜ?」

⏰:08/05/06 02:49 📱:P903i 🆔:bpkRP9FQ


#328 [度忘れではない(3/3)◆vzApYZDoz6]
演説めいたその言葉は、どこかで聞いたような気がした。

何故だろうと考えている俺の視線が、ふと妹が持つ漫画『さよなら絶望先生』に向く。
そういえば『さよなら絶望先生』にそんな台詞があった気がする。

その後は、妹の付け焼き刃の説教を延々と聞かされた。
全体的に漫画をパクっていた気もするが、『人と人との触れ合いが大切だ』という信念は伝わってきたように思う。

結局、なぜか俺が謝って説教は終了した。
返してもらった携帯をすぐさま開いて確認する。
どこもいじられていなかった。

続いて、習慣的にパソコンを立ち上げる。
起動中のディスプレイを眺めているあいだ、こんなんだから妹に説教されたんだな、と自嘲した。


ちなみに妹はかなりの機械オンチで、携帯すらロクに操作できずよく俺に泣き付いてくる。

⏰:08/05/06 02:50 📱:P903i 🆔:bpkRP9FQ


#329 [◆vzApYZDoz6]
久々に普通ネタ投下w


>>326は(1/3)ですね、間違えた

⏰:08/05/06 02:51 📱:P903i 🆔:bpkRP9FQ


#330 [[元気玉(1/2)]紫陽花]
「こら――!!テレビばっかり見てないで宿題しなさい」

「うぇ――――い」

少年は母親と思われる女性にあからさまに上辺だけの返事をして視線をテレビへと戻した。
少年は宿題もせずに一体何を見ているのか?
広いリビングに設置されたテレビの映し出されているのは……

ドラゴンボール


ドラゴンボール
それは多くの人をその独自の世界の虜にさせ、世界中を魅了した有名な漫画……。
少年の年齢は9〜10歳ほどだろうか。世代こそ違うがこの少年もこの漫画に魅了された一人のようだ。

アニメの中では一番のクライマックスをむかえているようで少年も握り拳を作っている。

『オラに元気を分けてくれ!!』

テレビの中の主人公が叫ぶ。
それと同時に場面は人々が両手をあげているところに変わった。先ほどの叫びに答えるように一人また一人と両手を天高く、大空に向かってあげだす。

⏰:08/05/06 08:09 📱:F905i 🆔:3F5UizrQ


#331 [[元気玉(2/2)]紫陽花]
『もっと……元気を!!』

その言葉を聞いた瞬間、少年の握り拳がピクリと動いた。
そしてそのまま、少年もテレビの中の人々のように両手を真っ直ぐにあげだした。

「俺の元気もあげるよ!!頑張ってそいつをやっつけて〜!!」

少年の願いが通じたのか主人公の上に発生していたエネルギー弾は見事に悪役に命中したようだ。

「やった――!!」

少年は自分が勝ったかのように喜びそしてはしゃいだ。

いつの時代も漫画、アニメといったものは人々の心に勇気を与え感動も与えてきた。
そしてこれらを見て感動を覚えた人によって次の世代へと伝わり、世代を越え時代を越えて永遠に止まることのない曲線を描くことになるだろう。

今まさに、この少年もその曲線を描くことになるであろう人間となったのだ。

「テレビ終わったんでしょ〜?宿題しなさい!!」

「……今、元気を分けたから無理〜」


「…………………」

---end---

⏰:08/05/06 08:10 📱:F905i 🆔:3F5UizrQ


#332 [君とコーヒー(1/3)◇東脂ヤ転
「遥、コーヒー入った・・・」
そこまで言うとまた気がつく。

「そっか・・・居ないんだった・・・」

彼女がこの家を出て行ってから2週間が経つ。

毎朝二人分のコーヒーを入れるのが日課だった俺は、こうしてたまに、もう居ない遥の分までコーヒーを入れてしまっていた。

最初は楽しかった同棲生活も、お互いが忙しくなるにつれ、喧嘩の絶えない日々が続いた。

⏰:08/05/07 15:59 📱:W52P 🆔:NK/CCjVE


#333 [君とコーヒー(2/3)◇東脂ヤ転
いや、忙しさのせいにして、俺はいつも遥の話を聞いていなかった。

だから遥の苦しみも、分かってやれなかったんだ。

「ごめん・・・・遥」

一言そう呟くと、俺はコーヒーに口をつける。

冷めていて苦い。

その苦みがやけに悲しくて、胸が熱くなる。

「居なくなってから気付くなんて・・・・ハハッ・・本当、皮肉だな・・・」

「・・・・・本当ね」

その時、自分自身に言ったつもりの言葉に、返答する声が聞こえた。

唯一、俺を振り向かせる声。

⏰:08/05/07 16:50 📱:W52P 🆔:NK/CCjVE


#334 [君とコーヒー(3/3)◇東脂ヤ転
「遥・・・・・」

出て行ったハズの遥が、そこに居た。

「遅いよ気付くの」

遥は持っていた荷物を下ろすと、テーブルの上にあったコーヒーを飲む。
「マズッ!!・・・全然成長してないんだから・・・!!」

そう言う遥の目には涙が溜まっていた。

「・・・・・おかえり、遥」

それだけ言って、俺は遥を抱きしめる。

「・・・・・・・・・・ただいま」

小さな声で呟いた遥の声が、コーヒーの苦みを優しく溶かしていった。


そして俺はまた明日からコーヒーを入れるんだ。
君と、僕



二人分のコーヒーを。

⏰:08/05/07 21:29 📱:W52P 🆔:NK/CCjVE


#335 [我輩は匿名である]
三点リーダー使うべきだぜ。後、やたら改行すると見にくくなるぜ。

⏰:08/05/07 23:25 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#336 [◆vzApYZDoz6]
月花さんのSSS読んできましたー

いい話w

まぁ言うなれば、もうちょい話を掘り下げてもよかったかな?と思います
遥が出ていった時の描写とか…
あとなんかスレで指摘されてましたが、三点リーダ(…)を使いましょーw

⏰:08/05/08 04:11 📱:P903i 🆔:gM9eSuGU


#337 [◆vzApYZDoz6]
あれ…?
なんでこっちに書き込み…ああ、寝ぼけてたのかな俺はw
スルーしてくれい

⏰:08/05/08 04:13 📱:P903i 🆔:gM9eSuGU


#338 [東脂ヤ転
>>335
何かグダグダですんませんでした(;_;)
にしても、三点リーダーって・・・??
あと、やたらと改行しているワケではなく、一応意味を持って行っている改行なんです。

でも読みにくかったならすんませんm(..)m

>>336-337
書き手の語り場で、お話しますねWW

⏰:08/05/08 08:18 📱:W52P 🆔:lM.8mKgw


#339 [我輩は匿名である]
>>338
…これが三点リーダー。君のは半角の点の集合体。つまりこれ・・・
若干見づらくなるんだな。
後、改行で含みを持たせたいって意味があるのはわかる。でもやたらめったら使うと意味が薄れると思う。

⏰:08/05/08 08:49 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#340 [[パン屋とケーキ(1/3)]蜜月]
※閲覧注意※


残酷な描写があります



ある町に、働き者の夫婦が営むパン屋がありました。
何十年も前からあるそのパン屋は、店構えこそ古くてみすぼらしいものでしたが町のみんなからとても愛されていました。
何故なら夫婦が作るパンはみんな、魔法をかけたように甘くて柔らかくておいしかったからです。

しかし、町のみんながパン屋を愛する理由はそれだけではありません。

そのお店では一日三つ限定で飛び切りおいしいケーキが作られるのです。
町の大人たちは一人残らずそのケーキに夢中で、毎朝パン屋の前に並びました。
夫婦がお店を開けるとケーキは必ずすぐに売れてしまい、買えなかったお客さんは次の日の朝を待ち遠しく思うのでした。
「もう無いのかい?」
「すまないねぇ」
「どうしてこんなに少ないんだい?」
「すまないねぇ」
「このおいしさの秘訣はなんだい?」
「そりゃあ秘密さ」
お客さんたちは不思議に思いながらも毎日お店に通いました。


夫婦は毎晩、お店を閉めると車に乗り込み隣町の火葬場へ向かいます。
火葬場に着くと、そこで働く男にお金を渡し代わりに大きな荷物を受け取ります。
麻袋に入った重そうな荷物を車に詰め込んでお店に戻ると、夫婦はそれを二人がかりで厨房に運びました。

火葬場で買ったのは、飛び切りおいしいケーキの材料でした。
麻袋から取り出した白い食材に、パン屋の主人が包丁を入れます。

腕、足、首、腹、細切れになってゆく白い食材。
飛び切りおいしいケーキの材料は、幼い少年少女の死体でした。

⏰:08/05/08 13:42 📱:SH903i 🆔:hl2laBBQ


#341 [[パン屋とケーキ(1/3)]蜜月]
※閲覧注意※


素晴らしい包丁捌きで食材を切り分けると、次は奥さんの出番です。
目玉と舌と脳みそをミキサーにかけて、ドロドロになったところで抜いておいた血を混ぜ、さらにミキサーを回します。
肝臓や胃腸は挽き肉にして、茶色くカリカリになるまでフライパンで炒めます。味付けは、塩胡椒を少々。
心臓を薄くスライスすると、砂糖をまぶして小鍋で煮詰めました。
厨房には血の臭いと肉が焼ける香ばしい匂いが充満しています。

その間に主人はケーキの生地を作ります。
耳たぶやほっぺ、唇など体の中でも柔らかい部分を細かく刻んで生地に練り込みました。
両手と両足の爪を剥いでやすりで粉末状にすると、それも生地に練り込みました。
これをオーブンで焼けば、スポンジの完成です。

奥さんが焼けたスポンジを横半分に切って、間に心臓のスライスや内蔵の炒めものなんかをたくさん敷き詰めました。
次に不自然なほど真っ黒なドロドロ脳みそ入りチョコレートクリームを生地に塗りつけていきます。
ケーキを三つに切り分けて、最後に緑のミントをちょこんと乗せたら出来上がり。

夫婦は今日もケーキの出来栄えに満足しました。
ニコニコしながら残りの白い食材を焼いたり煮たりして平らげ、一日の仕事を終えました。


次の日、やはり開店と同時にケーキは売切れ。
一人の男が奥さんの耳元でヒソヒソ囁きました。
「オレが材料を調達するから、もっとたくさん作ってくれないか?」
「かまわないよ」
奥さんはニコニコと答えます。
男は「じゃあ夜中に」と言って店を飛び出してしまいました。

その夜、男は死体を二つ持ってきました。夫婦が火葬場で買ったのと合わせて三つ。
その夜の作業はとても大変でした。

⏰:08/05/08 13:45 📱:SH903i 🆔:hl2laBBQ


#342 [[パン屋とケーキ(1/3)]蜜月]
※閲覧注意※


けれど次の日、店頭には九つのケーキが並びました。
お客さんたちは大喜びです。
「明日も頼むよ」
「そりゃどうかな」
ケーキを買えたお客さんも買えなかったお客さんも、明日が楽しみで仕方ありません。

しかし町では子どもが次々と消えてしまう事件が起こっていました。
そう、夫婦に死体を渡した男は町の子どもたちを殺していたのです。
でも夫婦にはそんなこと関係ありません。
おいしいケーキが作れればそれで良かったのです。

そしてそれは町の大人たちも同じでした。
彼らも、おいしいケーキが食べられるならそれで良かったのです。

子どもが一人消え、ケーキが三つ増える。
子どもが二人消え、ケーキが六つ増える。

町の大人たちは気付いていました。
けれど毎日パン屋に通います。
ケーキのおいしさに夢中だったのです。


町の大人たちは昨日も今日も、きっと明日からも毎日、ケーキを買いにやってきます。
町に子どもが一人もいなくなってしまっても。

「もう無いのかい」
「すまないねぇ、また明日来ておくれ」
今日もケーキは売切れです。

飛び切りおいしいケーキ、あなたは食べてみたいと思いますか?

⏰:08/05/08 13:49 📱:SH903i 🆔:hl2laBBQ


#343 [蜜月◆oycAM.aIfI]
あぁ…全部(1/3)になっちゃった(´・ω・`)
久しぶり過ぎて忘れてましたw
>>341が(2/3)
>>342が(3/3)です

あと酉つけてませんが本人です(^ω^)
評価していただけると嬉しいです!

⏰:08/05/08 13:54 📱:SH903i 🆔:hl2laBBQ


#344 [我輩は匿名である]
内容と地の文のミスマッチがいいかんじ。
後、個人的な感想だとグロさが中途半端なことと最後の文の

飛び切りおいしいケーキ、あなたは食べてみたいと思いますか?

これはいらないんじゃないかな。

⏰:08/05/08 14:23 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#345 [蜜月◆oycAM.aIfI]
>>344さん

ありがとうございます!
そうですね…、グロいの好きな方には物足りないですよね(;´д`)
最後の終わり方も少し悩んだんです。ご意見聞けて良かったです!

またお願いします(´∀`)

⏰:08/05/08 14:40 📱:SH903i 🆔:hl2laBBQ


#346 [我輩は匿名である]
おかしいね。グロに耐性ないはずなのに。
それはともかく、私でよかったらいくらでも感想言うよ。

⏰:08/05/08 16:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#347 [蜜月◆oycAM.aIfI]
>>346さん

なかなか投稿出来ませんが是非お願いします(´∀`)

⏰:08/05/08 17:33 📱:SH903i 🆔:hl2laBBQ


#348 [◆vzApYZDoz6]
蜜月さん乙でーす

そろそろまとめに入るかな…

⏰:08/05/09 06:25 📱:P903i 🆔:BfoOQUWI


#349 [◆vzApYZDoz6]
まとめいきまーす

1-164までのまとめ
>>165-170
171-228までのまとめ
>>229-231
232-290までのまとめ
>>291-293

294から現在のまとめ↓
蜜月◆oycAM.aIfIさんの作品
ひとつの願い(3/3)
>>296-298
パン屋とケーキ(3/3)※閲覧注意
>>340-342

花蓮◆i9NT5SD3jQさんの作品
保守ネタ(1/1)
>>301
いつものヤツ(1/1)
>>323

⏰:08/05/10 00:18 📱:P903i 🆔:IvGEYiyI


#350 [◆vzApYZDoz6]
◆vzApYZDoz6の作品
アダ名で呼んでほしいシュール2(1/1)
>>305
「保守」(1/1)
>>325
度忘れではない(3/3)
>>326-328

あにさんの作品
ぬくもりを(3/3)
>>307-309

紫陽花さんの作品
守りたい奴(1/1)
>>312
元気玉(2/2)
>>330-331

⏰:08/05/10 00:18 📱:P903i 🆔:IvGEYiyI


#351 [◆vzApYZDoz6]
たいせーさんの作品
螺旋〜終わりなき戦い〜外伝(1/1)
>>313

東脂ヤ唐ウんの作品
君とコーヒー(3/3)
>>332-334


なお、タイトルのない作品は文中から抜粋してタイトルをつけました。

現在の作品数集計
1レス短編:33
2レス短編:35
3レス短編:36
総作品数:104

⏰:08/05/10 00:19 📱:P903i 🆔:IvGEYiyI


#352 [◆vzApYZDoz6]
現在のお題
@雨
Aあの頃の思い出
B電話
C卒業
D電車
Eささやかな幸せ
F手紙
G都会
H未来
Iアルバイト
J忘れられない
K空
L窓
M指輪
N怒り
O葬式

まとめ&作品数集計&現在のお題
>>349-352

⏰:08/05/10 00:20 📱:P903i 🆔:IvGEYiyI


#353 [◆vzApYZDoz6]
さてさて、保守ネタが多く見受けられますがw

総作品数が100を突破しました!

だからって飽きずに、どんどん投下してくれると嬉しいですw
つうかお題の存在忘れてたよ俺w
みんな、思い付かなければお題を使っていきましょー

そして、まだまだ参戦者待ってますよー!
なんか謙遜してる人が沢山いてらっしゃるくさいですが、とんでもない!w
むしろ過疎だから気にせずジャカスカ投下してくだしあw

おい、そこのロムラー!
作品を読んでいて沸いてきた創作意欲を、このスレにぶつけやがれ!w

⏰:08/05/10 00:27 📱:P903i 🆔:IvGEYiyI


#354 [紫陽花]
総作品数100突破おめでとうございます!!(・∀・)

これからもSSSを広めていきましょう!!ヽ(´ー`)ノ

⏰:08/05/10 07:44 📱:F905i 🆔:nOBm1ONU


#355 [東脂ヤ転
総作品100突破おめでとうございますッ♪♪

かなり保守的なネタしか持ってませんがww
また是非参加させて下さい(^O^)/

⏰:08/05/10 16:31 📱:W52P 🆔:r2MwaZYU


#356 [死神さんとおんなのこ【1/3】有]
とある世界のとある時代で、あるときたくさんの人がいっきに自殺をする時期がありました。ちょうどその頃は世界中が不安定で、未来に希望を見出せなくなってしまった人がたくさん自殺をしたのです。ある人は妻子を見捨てた夫、ある人は長年付き添った老夫婦、ある人は誕生日を翌日に控えた子供でした。

そんな人たちは死んだ後、生前の未練を晴らして成仏できるように、死神のところへ行って手ほどきを受ける必要がありました。死神たちには各々に「部屋」があって、一人の魂が成仏するまでその部屋に入れてはいけないという決まりがありました。その部屋は、いわば「相談室」のようなものでしたから。その部屋の中で、死神は魂の行く末を見張ったり、たまに愚痴を聞いたりします。

しかし、なにせあまりにも自殺者が多かったので、一人の仕事が増えて仕方がありませんでした。その死神も忙しいうちの一人でした。もともと仕事が好きでない上に、人間嫌いで面倒臭がりでした。隙があればすぐさぼろうとしました。そんな死神でしたので、ある女の子の担当になったことは、周りの死神たちからの「仕事しろ」というささやかな仕返しでもありました。

そう、その女の子は、とてもやっかいな人間だったのです。

⏰:08/05/10 21:31 📱:PC 🆔:gCO4Pifc


#357 [死神さんとおんなのこ【2/3】有]
「わたしは仕事が嫌いです。」
「うん。それで?」
「あなたには早く成仏してこの場所から去って欲しい」
「でもあたし後悔なんてないよ、死神さん」
「嘘を言いなさい。でなければこんなところに来たりしません。」
「ねーえ、それよりさっ。つまんないから死神さんのお仕事の話でも聞かせて。気になるんだ。」

女の子は、ハルという名前の明るい子でした。とても人生を悲観したりしなさそうな、元気な子です。ですから、周りの死神たちもなぜ彼女が自殺をしたりしたのか、分からなかったのです。ですが、仕事は増えるばかり。手をこまねいていたら詰まってしまいます。仕方なく預けたのがこの死神でした。しかし、どんな死神であろうと、厄介者は厄介者でした。

「仕事は、あなたたちのような面倒な人間を成仏させることです。」
「へえ。どうやって?」
「本人に、残した未練を思い出させるのです。しかしあなたは一向に思い出してはくれない」
「確かに何にも憶えてないねー」
「これだから面倒事は嫌いなんです。あなたが例外であれば強制消去できるというのに」
強制消去とは普通の自殺者でないとき…例えば犯罪者や手違いであった場合などに、死神が魂を強制的に消すことをいいます。
彼女は例外であるのか、それすらも分かりませんでした。

⏰:08/05/10 21:50 📱:PC 🆔:gCO4Pifc


#358 [有]
打ってたやつ全部消えました。まじで死にたいです

後日再投稿してもいいですか?

⏰:08/05/10 22:36 📱:PC 🆔:gCO4Pifc


#359 [◆vzApYZDoz6]
>>358
それ、分かります…
俺も現行の書き溜め12レス分を間違えて消してしまったときは携帯投げました、比喩じゃなくガチでw

全然いいですよ!
1度全部書いてからコピペして投下すれば、消えてしまう確率は下がると思いますよ

⏰:08/05/11 04:03 📱:P903i 🆔:Ihm.lYII


#360 [◆vzApYZDoz6]
あげまーす

⏰:08/05/16 00:47 📱:P903i 🆔:hRPlghPg


#361 [窓際の私(1/4)RIE]
「おはよう。」

あなたは今日も優しく私に微笑みかける。
お互い無口な私たちだけど、朝の挨拶は欠かしたことはないの。

あなたは今日も忙しそうに朝の支度をする。
私はそれをじっと見てる。
バタバタ歩き回るあなたが可愛くて、とても微笑ましいわ。

そしてあなたは私を置いて仕事へ出かけた。

今日も置いてかれちゃった。

でも待ってるわ。あなたが帰るまで。私はね、どこにも行かないから。

⏰:08/05/17 01:29 📱:N905i 🆔:WFx37q7U


#362 [窓際の私(2/4)RIE]
夜になってあなたが帰ってくると、やっぱり私はあなたのことが好きなんだなって実感するの。
体の細胞一つ一つが喜んで、あなたとの二人の生活がどんなに幸せなものか実感する。

いつまでもいつまでもあなたと一緒にいたいわ。

どちらかが先に死ぬまで、できれば私が先に死にたいわ。

「今日はちょっとくたびれてるね。」

あなたは心配そうに私に言った。

そして私の足元に注射を刺すの。

薬物が私の体に入っていくのが分かる。

私の体は単純な程に反応して、気分はハイになって、体は張りと潤いが増す。

⏰:08/05/17 01:31 📱:N905i 🆔:WFx37q7U


#363 [窓際の私(3/4)RIE]
でもね、できればこれあんまり使って欲しくないんだ。
自分でも押さえきれないほど、病的なほどに咲き狂ってしまうから。

この時だけはね、少し泣きたくなるの。
生命が縮まってしまう気がして。

先に死にたいと言ったけれど、できるだけあなたと長い時間一緒にいたいの。

けれどあなたはそんな私を見て、すごく優しい笑顔を作る。

「綺麗だよ。」

そう言って喜んでくれる。

だから私は、この葉も花も枯れて散るまでは、乱れ咲いていようと思うの。

⏰:08/05/17 01:33 📱:N905i 🆔:WFx37q7U


#364 [窓際の私(4/4)RIE]
きっと外の土のほうが、いつでも輝く太陽の下で、質素だけど長く咲いていられる。

だけどあなたと一緒にいたいから、私はこの部屋での短い一生を選んだ。

ハイになって無理やり花を輝かすのも、あなたが喜んでくれるから。


愛してるの。


この生命尽きるまで、私はあなたの美しい花でいる。


この生命尽きるまで、私はあなたのそばにいる。

⏰:08/05/17 01:36 📱:N905i 🆔:WFx37q7U


#365 [RIE]
気分転換にスペースお借りしました(´∀`)

ありがとうございました。

⏰:08/05/17 01:37 📱:N905i 🆔:WFx37q7U


#366 [RIE]
あっ!ルールやぶって4レスなってました(;_;)

すみません…(´Д`)

⏰:08/05/17 01:55 📱:N905i 🆔:WFx37q7U


#367 [我輩は匿名である]
次から気をつけりゃいいんじゃね?
それはともかく発想に脱帽した。想像力が貧困な私にとってはうらやましい。

後、「ハイ」って言葉だけ浮いてるように感じる。

⏰:08/05/17 15:46 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#368 [RIE]
>>367さん

ありがとうございます(;_;)

今読み返したら確かにハイは余計ですね^ロ^;4レス目のハイは邪魔ですね(笑)

ご指摘、アドバイスありがとうございますm(__)m

⏰:08/05/17 17:38 📱:N905i 🆔:WFx37q7U


#369 [◆vzApYZDoz6]
RIEさん乙でーす

まぁ量的には2レス分ぐらいだし別にいいかとw
次から気をつけていただければw

アドバイスしていいのなら、3レス目から前フリもなくいきなり『主人公=花』みたいな感じで描写されてるのが気になった…かな
せっかく一人称使ってるんだし、前2レスでそれっぽい(「私は花」的な)描写を入れておけば、もっとよくなったかと思います


>>367
▼発想力が貧困な私にとってはうらやましい
お前のような奴が創作意欲をぶちかますために
>>352ここにお題があるんだぜ…

⏰:08/05/18 01:18 📱:P903i 🆔:FtTRL0q2


#370 [◆vzApYZDoz6]
あとRIEさん、次もぜひ参加してくだされ!w
参加者が少ないのでw

⏰:08/05/18 01:19 📱:P903i 🆔:FtTRL0q2


#371 [朝海『スキ』(1/3)]
サラ「コウチャン〜おはよ」
私サラ高校3年生の普通の女の子!
現在同じクラスのコウチャンに恋してます
コウ「よぉ」
コウチャンはいつもと変わらずアタシに手をあげ返事をした
アタシの朝はこれがなきゃ始まらん!
どんな事でもいいから話したいもん

コウ「…ラ…」

   「…サ…」

    「…サラ…」

  「…サラ!!」

サラ「へッ!?」

私は自分の世界に入っていたところを現実に引き戻された
コウ「何ボォーッしてんだよ(呆;」

サラ「ごめん;どうしたの」
アタシはコウチャンをみた

コウ「今日の放課後学祭の準備すっからお前も手伝え!人足りねぇんだ」

サラ「暇だし全然いいよぉ」やったコウチャンからのお誘い(喜)

コウ「マジか!サンキュ」

アタシがウキウキしてるときコウは自分の席じゃなく友達のタケル君の元へ行く何か話始めていた
その内容でアタシはガックリ;
コウ「タケル〜サラが良いってよ!よかったな」

タケル「マジで!やった〜コウサンキュ〜」

タケル君がコウチャンにたのんだからだ;はぁ…
コウチャンの意思じゃあん

⏰:08/05/23 18:10 📱:V803T 🆔:esIcs3BE


#372 [朝海『スキ』(2/3)]
やっぱり片思い…
泣こうかな;絶対両想いなんかになれないよ…

そんなことを一日考えていて放課後を迎えた

サラ「はぁ;憂鬱」
すると
コウ「サラ〜いくぞ」

コウチャンはアタシの席にきた
サラ「はぁぃ」
まぁコウチャン一緒だからいいや!

コウ「ジャージに着替えたほうがいいかも!汚れる」
コウはアタシの制服をみた

サラ「だねぇ」

コウ「じゃぁ俺先体育館いってっから」

サラ「うん;わかったょ」

一緒にいきたかったのに
アタシは渋々着替え始めた
すると

ガラガラ〜

⏰:08/05/23 18:47 📱:V803T 🆔:esIcs3BE


#373 [朝海『スキ』(3/3)]
タケル「コウ〜いる〜?」
タケルが教室に入って着た
アタシは下着姿;
タケル「……」
サラ「……」
アタシとタケル君は10秒ほど見つめ合った;
そして
サラ「ぎあぁぁ〜!!!」
学校中に響き渡ったアタシの声;
するとちょうどコウも教室にきた
コウ「うっせぇ〜;どうし…」
アタシは恥ずかしさで上下下着のまましゃがんだ
タケル「サ…///」
タケルは顔が真赤っか;
するとコウはすぐに自分のセーターを脱ぎサラに近付きセーターごとアタシを抱き締めて見せないようにしてくれた
コウ「タケル教室出て」
コウはタケルをみた
タケル「///あッ-―おぅ//」
タケルは教室を出てどっかにいった
教室にサラとコウが残った
コウ「何してんだよサラ他の奴なんかに見せんな」
コウの腕に力が入った
サラ「えッ―-」
アタシ今顔真赤だよ;
コウ「もぅ無理!」
コウは急に大声で言った
サラ「え!?コ…コウチャン?;」
コウ「お前がスキなんだけど…」

⏰:08/05/23 19:00 📱:V803T 🆔:esIcs3BE


#374 [[とある無人島での話(1/3)]]
さて、どうしたものか……

俺が無人島に流れ着いてもう3回も太陽は東から上り西へ沈んだ。最初こそ、この状況を楽観視して大自然の中で見る夕日に感動していたが、さすがに3日も独りとなると夕日を見る余裕すらなくなっていた。


お腹が……空いたな。
少し山を登ったところにある岩場からチョロチョロと流れ出る湧き水をを見つけだしたことでのどの渇きはさほど問題ではなかった。

だがこの胃袋が血、肉を求める空腹感だけはどうしようもなかった。1日目に島全体を歩き回って食料を探してみたものの島に生息しているカラスのような鳥たちに全て啄まれ腐敗した果実しか見つけられず、魚を釣ろうと手製の釣り針を作ってみたがそう易々と魚は釣られてはくれなかった。


そして今、俺は最後の手段として浜辺の砂全体にメッセージを残すことにした。もしかしたら頭上を渡る飛行機やヘリコプターがこれを見てくれるかもしれないし、俺を捜してくれている人がこれを見つけるかもしれない。

⏰:08/05/23 21:20 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#375 [[とある無人島での話(2/3)]]
とても、とても小さな祈りだが俺はこの方法にすがるしかなかった。いや、もう俺は体力の限界で精神的にもこの方法を絞り出すことしかできなかった。


適当な丸太を拾って文字を書く。波にさらわれないように場所を考え、できるだけ大きな文字を砂浜いっぱいに書く。

誰か……気付いてくれ!!

太陽が4回東から上ったとき俺の願いは通じた。頭上からバリバリと機械音が聞こえる。最初は小さくて見えなかった物体は徐々にこちらに近づいてきてこの島の真上、俺が残したメッセージの真上に着陸した。

助けがきたのだ。

助かった……。

⏰:08/05/23 21:21 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#376 [[とある無人島での話(3/3)]]
精神的にも肉体的にも限界だった俺は頭上から降りてくるヘリコプターを見ながら自然と頬に一筋の涙が流れていた。

「やぁ、助けに来たぞ。大丈夫か?」

「あぁ……ありがとう。本当に助かったよ。それにしてもよくここが分かったな」

「探すの大変だったんだぞ。お前すごく後ろに流されてたんだから。でも……これのおかげで見つけられた」

そう言って地面を指差す。

「お前ぐらいだろ。こんなの書くやつ」


そう、俺が砂浜に残したメッセージとは


保守


この言葉が俺を救ってくれた。俺を暖かい外の世界へと助け出してくれたんだ。


---end---

⏰:08/05/23 21:22 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#377 [紫陽花]
上の投稿私です(・∀・)

保守ネタだったんですけど、もう上がってたんで無理やり、とあるネタにしましたWw

⏰:08/05/23 21:23 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#378 [朝海『指輪』(1/3)]
アタシ今高校三年生の乙葉(オトハ)
アタシが6才の時お隣りに住んでいた男の子瀬奈(セナ)君に恋をしました
毎日一緒に遊び
ずっと一緒にいる約束をしたけど瀬奈君は一週間後引っ越しをすることに…
そこでアタシと瀬奈君は二人で安い指輪を買いに行きました
瀬奈「この指輪は乙葉がもっててね」
瀬奈君はアタシにピンクのリングを渡した

乙葉「うん」
アタシはうれしくてもらった指輪を握り締めた

瀬奈「じゃぁこの指輪は僕が持ってるからね」

瀬奈は黒のリングを乙葉に見せた
色違いのリング
あれから12年瀬奈君とは一度もあってない
どうしてるかな―-
友達(カナ)「乙葉〜今日遊びいこぉ」

カナはアタシの席まできた

乙葉「彼氏サンは?」

カナ「タクヤは部活なんだって〜だから寂しいんだもん一人はさぁ;乙葉は彼氏なんでつくらないの?初恋の彼なんで絶対戻って来ないよ!その指輪もその〜瀬奈君だっけ?もらったの!あっちはそんなの無くしてるかもよ―-」
乙葉「カナ!アタシは瀬奈君しか考えらんないの!」

⏰:08/05/23 22:11 📱:V803T 🆔:esIcs3BE


#379 [朝海『指輪』(2/3)]
カナ「はぃはぃ;応援しますよぉ〜」
カナは溜め息をついた
そして放課後
アタシとカナは近くのファミレスに入った
乙葉「カナ〜カナの初恋ってどんな人だったの?」
カナ「アタシの初恋は幼稚園のタカシだったかなぁ〜やんちゃですごくすぎだったけど結局片思いのまま終了だよ;」
乙葉「そうなんだぁ〜」
そのとき
「ごらぁ―-てめぇら調子こくなよ表出ろよ」
奥の方からヤンキー集団がもめていた
カナ「こわぁ;乙葉もう出よ;」
カナはアタシを引っ張り足早に出た
アタシはヒールが引っ掛かり立ち止まるとヤンキー集団が後ろにいた
「てめぇら死にてぇの―-」
ボコッ
リーダー格の人が一人の男を殴った
男はアタシのもとに倒れこんだ
乙葉「うぁ;いったぁ―-」
アタシは膝を付いて倒れ込んだ
すると殴られた男は
「じゃまなんだよ―-」
乙葉「すいません;」
でもアナタのせいで立てません…

リーダー「関係ねぇ奴にあたってんじゃねぇよ」
ボコ…
「チッ」
男は逃げて行った
乙葉「はぁ」

⏰:08/05/23 22:29 📱:V803T 🆔:esIcs3BE


#380 [朝海『指輪』(3/3)]
リーダー「大丈夫?悪かったな」
リーダーがアタシを立たせてくれた
乙葉「ありがとぅ」
カナ「だ…大丈夫?」
乙葉「うん大丈夫;帰ろ」
カナ「そだね」
リーダー「ほんと悪かったなまきこんじ待って;」
乙葉「……」

アタシは彼の顔をみて何故か懐かしくなった
リーダー「…?」
すると
♪〜リーダーの携帯がなった
リーダー「あぁなんだよ;わかった」

ピッ-
携帯には見覚えのあるリングが…
乙葉「えッ―-瀬奈…君?」
アタシは彼の顔をみた
「なんで俺の名前―-」
アタシはピンクのリングを彼に見せた
「その指輪…乙葉か?」
瀬奈君はアタシをみた
乙葉「やっと…会えた…」
瀬奈「俺ずっとお前を探してた」

離れ離れだった指輪が再び一つになった

⏰:08/05/23 22:42 📱:V803T 🆔:esIcs3BE


#381 [◆vzApYZDoz6]
おお伸びとる伸びとるw

朝海さん、紫陽花さん乙っす

保守ネタでもなんでもいいんだぜ!

⏰:08/05/24 00:31 📱:P903i 🆔:NlRUikQM


#382 [とある歪んだ恋の話(1/3)紫陽花]




「いやぁぁぁあ!!!!」

彼女の悲痛な叫びが俺を狂わせる。切り裂いた柔らかく温かい皮膚から溢れ出す生々しい鮮血が俺の中の自制心をグチャグチャに引きずり回す。

もっと見たい
もっと見たい
もっと見たい
もっと鳴いてくれ

彼女は本当に綺麗だ。風になびく少し長い黒髪のツヤは黒曜石。彼女の瞳はどんな宝石にも勝る輝きを放ち、彼女の唇から零れ落ちる声はどんなクラシックよりも優雅で、どんな鳥のさえずりよりも軽やかだった。


だが、今ではどうだ!!その黒髪も瞳も声も全部俺が壊してやった!

ククク。
黒髪はライターで焼いてやった。顔も誰だか分からなくなるまで殴ってやった。瞳からは涙が流れ落ち、顔全体を見れば涎と涙と鼻水と血で前の彼女の面影などないグチャグチャなもへと変わり、最後にはあの麗しい声で俺に命乞いをした。

ゾクゾクするよ……。
もう、お前は俺の物。俺がこの手でお前の身体に痛みと傷という証拠を残してやったんだ。
もう、逃げられない。お前は俺というケージの中でもがき続ける哀れな小鳥。

⏰:08/05/29 22:22 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#383 [とある歪んだ恋の話(2/2)紫陽花]
……おまえが悪いんだ。

本当はこれからも隠れてずっと見てるだけで良かったんだ。たまにあなたの写真を撮ったり、あなたが使った物を拾ったり、そのたびに困った顔をするあなたが可愛くて、いじらしくて、愛しくて……。もっと知りたくて。



でも、お前は俺を拒絶した。



ウザイ・キモイ・シネ
あなたの口からそんな言葉が出てくるなんて知らなかったな。また一歩あなたに近づけた気がしたんだ。

けどね……口のききかたを知らない行儀の悪い子にはお仕置きをしなきゃ。


君は僕のもの。
その叫びで、その血で
その悲痛で苦痛にに歪んだ顔で俺を満たしておくれ。




---end---

⏰:08/05/29 22:23 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#384 [紫陽花]
>>382
ミスです
(1/3)→(1/2)です;;;

今回の作品はちょっとだけグロくしてみたんですけど、苦手な人がいたらすみません(/_・、)

⏰:08/05/29 22:26 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#385 [わたしの家1/3 林檎]
私は一軒家に住んでいる。
大きくはないけれど、なんだか落ち着けるところ。
家族みんな仲が良く、休日になればみんなでどこかに出掛ける。

そんな家族が大好きだ。

なのに、ある日目覚めると知らない家にいた。
大きなお屋敷で、知らない人たちだらけだった。

私は逃げようとした。
しかしすぐに捕まってしまった。

⏰:08/05/30 22:24 📱:D705i 🆔:s9NUpGeM


#386 [わたしの家2/3 林檎]
そうか…
私、誘拐されたんだ…

暴れてみても相手はびくともしない。
しばらく泣き叫んでいたけれど、いつの間にか疲れて寝てしまった。

そして次の日から監禁生活が始まった。
ご飯も食べれるし自由に動き回れる。
しかし、これだけは何度も言われた。

「絶対に外に出ちゃ駄目だよ…」

⏰:08/05/30 22:35 📱:D705i 🆔:s9NUpGeM


#387 [わたしの家3/3 林檎]
私は守った。
しかし監禁されて何日も経っていくうちに、とうとう我慢できなくなってしまった。
家族に会いたいという欲求に耐えられなかったのだ。

その夜
晩ご飯中にリビングを飛び出し、階段を駆け下りて全力で走った。
一枚の大きな扉目指して。

後ろからはドタドタと大きな足音と叫び声が付いてきている。
後ろを振り返らずひたすら走る。

玄関まであと少しのところで体が浮いた。
「もー、駄目でしょ。逃げたら。」

今日も駄目だった。
これで何度目だろうか…
今日もまた女の子に抱かれながら階段を上がる。
いつになったら私の家に帰れるのだろうか。

長い廊下に今日も
「ニャー」という虚しい鳴き声だけが響き渡る。

⏰:08/05/30 23:00 📱:D705i 🆔:s9NUpGeM


#388 [林檎]
初投稿です(・∀・)
何か意味不明になりました

このスレ好きです
これからも機会があれば投稿していくんでよろしくお願いします!
.

⏰:08/05/30 23:04 📱:D705i 🆔:s9NUpGeM


#389 [[デーブ。1/3]キノコ。]
『はぁ〜…』
またため息が出てしまった。
そのため息を見て後輩の真理が言った。
『どうしたんですか、紀(のり)さん?』
ため息の理由?そんな事はわかっていた。だけどそれを言ったらたぶん引かれて先輩・後輩の関係が崩れ仕事がやりにくくなるかも…それ以上にもしかしたら言いふらされて会社を追い出されるかも…などと得意な妄想を膨らましたあげく
『なんとなく…?』
などと考えた時間がもったいないくらいの中途半端な答えを出してしまった。
少しめんどくさそうな顔になった真理は仕事に戻った。



仕事が終わり、いつものようにレンタルショップに立ち寄る。店内の行き先が決まってると足取りも軽い。
『あっ、あった。』
DVDコーナーから取った作品は《ミート・ザ・○アレンツ2》大好きなハリウッド俳優《ベン・○ティラー》のものだ。私は最近彼にはまりすぎている。
仕事帰りにいつもDVDを借りて暇さえあれば彼とのloveを妄想している毎日。今日のため息も妄想の結果である。
『彼とどうやったら出会えるんだろう。』
『結婚してるし最初は不倫になるのは避けて通れない道ね〜。』
悩んだあげく答えも出ずため息だけが出た。

⏰:08/05/31 02:53 📱:D905i 🆔:89QFacG2


#390 [[デーブ。2/3]キノコ。]
家につき郵便受けを開けると広告が入っていた。『駅前にジオ○オープン…ふ〜ん。』
部屋に入りビールを飲みながらその広告を見て考えた。
『いざベンに会った時、英語が喋れないと不便だ。共に生活をしていくうえでコミュニケーションも取れず文化の壁が乗り越えられない。』
沸々とわいたやる気と焦り。焦りはなぜもっと早く気づかなかったのかという焦り。ビールを一口飲み
『ベン・紀になるのかぁ〜。あれ、紀・ベン?○ティラー・紀?紀・○ティラー?アメリカってどっちが名字だっけ…。』
まぁ、どっちでもよかった。わからなかったらジオ○に聞こう。
ただ、《紀・ベン》だけは少し嫌だった。



翌週、私はジオ○の教室にいた。イケメン講師がいると受付の人に言われたのにまったく見当たらない。目の前にいるのはデーブ・○ペクター風な外国人講師だった。それでも私は必死に勉強した。その間に講師はデーブ・○ペクターからデーブ○久保風な日系アメリカ人に変わったが必死に勉強した。DVD鑑賞を週1に抑え、日課の妄想をお休み前の10分だけに我慢して必死に勉強した。そのかいあって半年後には結構ペラペラになっていた。
ただベン・○ティラーには会っていない。

⏰:08/05/31 02:56 📱:D905i 🆔:89QFacG2


#391 [[デーブ。3/3]キノコ。]
週末の土曜日、今日はDVD鑑賞の日。いつも通り足取り軽くお目当てのところへ行く。
『あっ。あった。』
《ブラザー・○ッド》言わずと知れた《アナタガ、スキダカラー》のチャン・ド○ゴンのものだ。
『女ってすぐ心変わりするんだよねー。』
一人で喋りながらレジへ向かった。
『それに今秋だし。』
不思議そうにみる店員。


帰り道また気づく。
『次は韓国語かぁ〜。アニュハセヨかぁ。おばちゃん多そう。チャン・紀?ド○ゴン・紀?』
まぁ、どれにせよしっくりこない名前だと思った。

⏰:08/05/31 03:01 📱:D905i 🆔:89QFacG2


#392 [キノコ。]
初投稿です
このスレ大好きですみなさんの作品とても面白く勉強になります
これからも面白い作品期待しています(>_<)


アタシの作品ゎクダグダ系なので軽く見ていただければ嬉しいデス笑。
またきまーす

⏰:08/05/31 03:04 📱:D905i 🆔:89QFacG2


#393 [◆vzApYZDoz6]
>>388
>>392
参加者キターw
乙です、またジャカスカ来てくださいw

⏰:08/05/31 03:51 📱:P903i 🆔:mlOVWIRI


#394 [[定年。1/2]キノコ。]
妻『お父さん、本当に行くんですか?』
心配そうに妻は言う。
夫『あたりまえだろう。ここまできて引き下がれないだろうが。』



秋山米作。61歳。無事定年退職を迎え妻と二人年金生活と少しの蓄えで第2の人生を迎えた。
(息子二人を立派に育て決して裕福ではなかったが絵に描いたような幸せな家族だったと誇りに思う。)と妻は定年の日に感謝の言葉として言ってくれた。
それなりに仕事も大変だったが家族との時間も大切にした。それがこの結果だ。我が人生に悔いなし。



妻と二人の時間が始まり3ヶ月。最初の内は時間に縛られず自由にのんびり行こうと思ったが、長年の生活サイクルが出来ていて朝は5時に目覚め夜は8時に就寝。サラリーマン時代と何も変わらない生活。ただ変わったのは今まで仕事をしていた時間に何もする事がないという事だ。暇だ。暇だ。
趣味を見つけようにも飽きっぽい私には無理だろう。と始める前から諦めてしまう。
この先ぽっくり逝ってしまうその日まで何をして生きよう?と模索していると妻が一つの雑誌を手渡した。
妻『お隣の山田さんがこの雑誌で趣味を見つけたらしいわよ。今はウォーキングしながら絵を描いてるそうよ。』
夫『あの山田さんが…絵をねぇ〜。せっかちなのに描けるのかね。』
妻『人の心配してる場合?』

⏰:08/05/31 04:10 📱:D905i 🆔:89QFacG2


#395 [◆vzApYZDoz6]
読んできたので、少し批評を…

>>385-387
文章は悪くないです
ただ、全体的によく分からないです…
描写が間接的すぎると言うか
最後のネコとか逃げる子を抱き上げた女の子とか、多分繋がりがあるんでしょうが、繋がりが分かるような文が無いので、なんのこっちゃ? になってしまいます
その辺を、直接的に繋がるような文章にして、読み手に伝わるようにするといいかもしれません
なんか難しいこと言ってすみませんw

>>389-391
こういう雰囲気の小説すごく好きw
自分でも書いてみたんですけど(かなり最初の方の『雪』とか『賭け』とかw)、なかなかユルい雰囲気が出せないですw
普通の小説なら人物名の○は避けるべきですが、こういう小説なら全然アリですね、雰囲気出ててw
行間をもう少し空けるのと、会話を「」←これにするように気をつければいいと思います

⏰:08/05/31 04:11 📱:P903i 🆔:mlOVWIRI


#396 [[定年。2/2]キノコ。]
妻に言われしぶしぶ雑誌を開いた。ウォーキングにサイクリングにヨガ…どれも体を動かす物ばかり。別にどれをやってみてもよかった。ただやったところで雑誌の思うつぼだと意固地になってしまった。人と同じ事をやってもつまらない。変わったことがやりたい。B型の私はすぐ道がずれてしまう。しかしやる気がだんだんと沸き上がってきたのは事実だ。そして私はその雑誌を参考に大胆な計画を立てた。計画は慎重に順調に進みとうとう決行の日がやってきた。



妻『お父さん、本当に行くんですか?』
夫『あたりまえだろう。ここまできて引き下がれないだろうが。この日の為に2ヶ月も時間を費やしたんだ。大丈夫だよ、心配するな。さぁ、幕を下ろしてくれ。』
そう言うと妻は家の中に入り二階に上りベランダに出た。そして準備しといた白い垂れ幕を下ろした。バサッーと綺麗に垂れ幕は下りた。



《秋山米作の自転車をかつぎながら日本一周の旅。in秋山家》



バサバサ〜。垂れ幕が少し風に揺れた。
夫『じゃ、行ってくるから。』
妻『…行ってらっしゃい。』
心配そうな顔のまま二階のベランダから手を振った。



『誰もやった事のない事に挑戦したかった…』と後に米作は病院で語った。



秋山米作。61歳。
ぽっくり逝ってしまうその日まで何かをやり遂げようと今も模索中。

⏰:08/05/31 04:12 📱:D905i 🆔:89QFacG2


#397 [キノコ。]
アトバイスありがとうございます
ユルい感じが伝わって嬉しいです。
人物名最後まで悩んで○にしました
使っていいんですね安心しました。
アトバイスを参考にまたきまーす

⏰:08/05/31 04:19 📱:D905i 🆔:89QFacG2


#398 [紫陽花]
ナ……ナナシさん!!
私の小説へのアドバイスは無しッスか?(つд`)

⏰:08/05/31 07:10 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#399 [林檎]
アドバイスありがとうございます
やっぱりわかりにくいですよね
読み手にわかるように書けるように頑張ります(・∀・)!

⏰:08/05/31 07:57 📱:D705i 🆔:k4UYfhuU


#400 [◆vzApYZDoz6]
>>394
>>396
なんかレスかぶってしまったorz
しかしなんというユルさ…ある意味すごいw
これぞSSSって感じw
下手にアドバイスなんてできやしねぇw

>>398
うえ?
……あっ、なんと…林檎さんの前に書いてますな
しかしボクは今からやることがいっぱいなんで家帰ってきてからで…w

⏰:08/05/31 15:02 📱:P903i 🆔:mlOVWIRI


#401 [殺し屋1/2 林檎]
俺は誰もが恐れる殺し屋だ。
今日も依頼がきて、いまから奴を殺しにいく。
今日の相手は少々手こずりそうなので数人仲間を連れてきた。

仲間に運転してもらい、現場に向かう。
ガタガタ揺れる車の中で一人考える。
さて、今日はどんな殺し方にしようか。
毒殺か…それとも窒息死させるか…

思考を巡らしていると無意識に笑みがこぼれる。
こんな事を楽しんでいる俺は狂っているのだろうか。

そして細い山道を抜け、一軒の古びた民家に到着した。
車から出た途端、仲間が大きなあくびをしたので

「馬鹿やろう。気を抜くんじゃねえ。油断してたらこっちが殺られるんだぞ…」
と注意してやった。

⏰:08/05/31 20:45 📱:D705i 🆔:k4UYfhuU


#402 [殺し屋2/2 林檎]
『すいません!』
仲間は謝り、自分で自分の頬に平手打ちしていた。

俺は横目でその行動を見て、気にせず車のトランクから奴を殺すための道具を取り出した。
ゴミ袋にノコギリ…色々取り出して、民家に向かった。
一足遅れて仲間もついてくる。

家の前にはすでに家主らしき人が立っていた。
軽く会釈して
「どうも…殺ってほしいのは家の裏にいます…」
と言って案内してくれた。

狭い隙間を通り抜けて家の裏についた。
すると奴はいた。
なかなか手ごわそうだ…
仲間は怯えていたが俺は迷わず奴にゴミ袋を被せた。
ゴミ袋の隙間からスチーム状の白い煙を注ぎ込む。
奴は驚いて仲間に襲いかかろうとしたが俺が握りつぶしてやった。
他にも奴の仲間がたくさんいて、袋から出ようとしていたが無理矢理袋に詰め込んでやった。

遂に奴らの家を切断するときがきた。
仲間に協力してもらい、ノコギリで切断することができた。

あとは家を奪っておいて申し訳ないが蜂蜜をとって、家主に渡すだけだ。
蜂蜜を無事に渡して、車に乗り込む。
そして仲間に優しく言う。

「どうだ。初めての蜂の駆除は。これからも頑張れよ。」

最近スズメバチの異常発生で殺し屋は今日も忙しい。

⏰:08/05/31 21:21 📱:D705i 🆔:k4UYfhuU


#403 [保守ネタ1/2]
…まずい。
このままでは遅刻してしまいそうだ。
私はギラギラと照り付く炎天下の路上を、全力で駆けていた。
くしゃくしゃ着崩れたスーツを直す暇も、額から流れる汗にへばり付く髪の毛を直す余裕もなく、ただただ走っていた。
「……くそっ!」
足が縺れ息が切れる。
参ったな。後5分で会議だってのに…。
私はようやく辿り着いた会社の自動ドアを滑り込むようにしてくぐり抜ける。
ひんやりとした冷気が体を包み込みとても心地が良い。
だが、歩く余裕などはない。
…急がねば。
辺りを一瞥すると受付を通過しエレベーターへ走る。
角を曲がればエレベーターが見えてくるはずだ。
私の心臓は角を曲がると同時に、ひどく跳ね上がった。
「…まずい」
エレベーターはすでに到着しており、搭乗員を待っている状態だった。
会議室は46階だ。とても階段で上れるような高さじゃない。エレベーターも一度上がったら今度はいつ下りてくるかわかったものじゃない。このエレベーターを逃せば遅刻は免れないだろう。
思わず立ち止まっていた私は、瞬時に悟ると直ぐさま走り出した。

⏰:08/05/31 23:28 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#404 [保守ネタ2/2]
ふと、目の前に同じく急ぎ足の男性がいた。
彼は私より遥かに早くエレベーターに乗り込んだ。
私は距離的に厳しいことを感じながらも諦めなかった。
彼の背中を追うように足を早める。
しかし無慈悲にもエレベーターの扉が閉まりだしてしまった。
同時に中で息を整えている彼と目が合う。
私はついに諦め速度を減速する。
閉まりゆく扉の向こうで彼が動いたのが見えた。
すると突然、完全に閉まりかけていた扉が再び開きだす。
「どうぞ」
彼の笑顔が、緩い歩調で歩く私を見据えていた。
「どうも…」
一礼すると息を乱した己の姿に気まずそうに入る。
入り口に向き直すと、また一人、こちらに走ってくる者がいた。
私はエレベーターのボタンを確認する。
私が“開”と掛かれたボタンに手を伸ばすよりも早く、彼の手がそれを押さえた。
続いて聞こえた彼の小さな声。
「…保守」
ボタンに伸びてかけいた手を下ろすこともせず、私は横目に彼を見遣る。
同時に彼と目が合った。
彼は依然としてこちらを見据えながら、口元に柔らかい笑みを浮かべた。
つられるようにして私も微笑む。
「…保守」
私は照れ臭そうに返す。
新たな搭乗者がエレベーターに入って来た。

⏰:08/05/31 23:28 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#405 [我輩は匿名である]
保守ってのは過疎ってるときにやるもんだぜ?

⏰:08/05/31 23:37 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#406 [朝海「月」(1/3)]
アタシ美花(ミカ)太陽が出てる朝が大っ嫌い
だから夜しかアタシは外に出ない―-
美花「はぁ―-今日も月…アンタはきれいでいいね」

アタシは自分の部屋から遠くでしっとりと輝いている月に喋りかけた
美花「10時か…散歩しよ」
アタシはパーカーを羽織り手ぶらで外にでた

がちゃ―

アタシは近くのベンチに座り目を閉じた

そして―-

ゆっくり目を―-

パチ

美花「わぁ(慌;ッ―-え!」
アタシは目の前にいた見知らぬ男にびっくりして立ち上がった

「一人でこんな夜にあぶねぇよ;しかも何してんの?」

美花「あ…アタナ誰?」

「―-んぁ?俺?タケルだけど何?」

美花「へッ―-!?あ…そうですか」

帰ろう;

アタナは家に引き換えした

タケル「ちょ―-ちょっとまて;」

タケルはアタシを引き止めた

美花「はい;なんでしょうか;」

⏰:08/06/01 00:00 📱:V803T 🆔:BKbjJvmQ


#407 [朝海「月」(2/3)]
タケル「いいからここ座れ」

タケルは美花の手を引っ張り再びベンチに座らせた

美花「…;あの―-」

どうしよう…

タケル「お前名前は?」

タケルは美花の隣りに座り美花をみた

美花「み―-美花;」

タケル「そっか―-つかお前肌白過ぎだろ;太陽浴びたことある?」

美花「ない…です」

タケル「なんで?しかも髪もボサボサだし前髪で顔も見えねぇし;」
タケルは美花の前髪を手で分けようとした

美花「やめ―-」

アタシは手で髪を押さえた

タケル「そうやられると益々見たくなんだけど…」

タケルは無理やり美花の髪をかき上げた

タケル「!!―-どうしたんだよ…これ」

タケルは美花の顔を見て驚いた

美花「驚いたでしょ…」

タケル「誰がやったんだよ―-そんなひでぇ事…」

⏰:08/06/01 00:12 📱:V803T 🆔:BKbjJvmQ


#408 [朝海「月」(3/3)]
美花「ヤられたんじゃない…アタシ太陽に当たれないの―-」

タケル「そっか―-悪ぃ;ムリヤリ…ってか太陽が照ってる昼間なんかより夜の方が楽しいからな―-よしこれから遊びいくぞ」

するとタケルはアタシを引っ張りどこかに連れて行った
タケルのお陰でアタシは変わる事ができたよ…
タケルのお陰でまた笑えるようになっよ…
タケルのお陰でまた生きる希望ができたよ…
ありがとうね―-タケル
アタシは月を見た

美花「タケル―-聞いてる?」
タケル「んぁ?」

美花「なんでもない―-
ずっと一緒に居ようね」

タケル「ずっとそばに居てやるよ(笑」

タケルは月のようにアタシのそばにいてくれる

⏰:08/06/01 00:24 📱:V803T 🆔:BKbjJvmQ


#409 [[嗚呼、思春期。1/3]キノコ。]
[女子のみなさん、体育館に集まって下さい。]この台詞はどうにもくすぐったい。
だってわかる男子にはわかってしまうから。

品川由美。当時小学校4年生。この時はまだ女子だけ体育館に集まる理由なんてわからなかった。
[女子は赤ちゃんを産むために月経と言って毎月…うんたらかんたら。]先生の話を聞き終わると、言葉に表せない気持ちで胸が締め付けられた。男子にはない特別なもので、でも毎月一回くるんだ〜。
どんなものなんだろう。

「ゆみんこ。嫌だねー。こんな話今更しなくてもわかるつーの。」
中野沙紀。由美とは幼なじみ。少しませた小学生。
由美「えっ…。あっ、うん。そーだね。」
先生の話を聞いて特別な感情を抱いていた由美はそれが急に恥ずかしくなりわかってもいなかった生理をわかった風に答えた。
沙紀「だいたいさぁ、生理なんかこなくていいつーの。毎月毎月あんなに血が出てさぁ、無駄じゃね?意味がわからないつーの。」
由美「そんなに血出るの?」
恐る恐る由美は聞いてみた。
沙紀「ゆみんこあんま出ない系?あたしは毎月ドバァッーだよ。ドバァッー。体の血が全部出たんじゃないかつーの。ぐらい。」
由美「…だよねー。私も同じドバァッーだよ。さきちんと一緒。まったく一緒。うん。一緒なんだよね…。」
言っちゃった。
まだ出発していない未知の世界なのに知ったかで言ってしまった。
おそらくスタートラインにも立っていないかも知れないのに。
それと同時に(さきちんは生理になってるんだ…。)
置いてかれてるような気分になった。

⏰:08/06/01 01:37 📱:D905i 🆔:UqmAtBfE


#410 [キノコ。]
すんません、今貼りした話以外に長すぎてBレスで収まりそうもなかったのでやめます…
Bでいけると思ったんですけどね笑。
中途半端ですいません

⏰:08/06/01 01:47 📱:D905i 🆔:UqmAtBfE


#411 [[マルコ。1/3]キノコ。]
月曜の午後の昼下がり。俺は会社近くの公園のベンチで昼飯をとっていた。
いつもは社員食堂で食べていたがたまに外で食べるのも気持ちがいい。
今日は雲一つない晴天だ。


妻が作った弁当を三分の1ほど食べた頃俺の隣に女性が座った。
(おいおい、ベンチたくさん空いてるのになんでここなんだよ。)
と思い、少し訴えかけるような目で女性の方を向いた。


「スーチン!!!」
目があった瞬間いきなり女性は勢いよく俺の腕をつかみ
「スーチン!!!スーチン!!!」
と唾を飛ばしながら俺に向かって叫んできた。
「何?あなた。唾が弁当に入っちゃうでしょ?止めなさい。その手を離しなさい。」
子供を叱るように冷静に言い女性の手を振り払った。
女性は俺の冷静な対応に落ち着いたのか姿勢をなおし聞いてもないのに話し始めた。

⏰:08/06/01 03:40 📱:D905i 🆔:UqmAtBfE


#412 [[マルコ。2/3]キノコ。]
「アイ、私マルコネ。働キ盛リノ41歳ネ。アナタ、スーチンデショ?白状シナタイ。」


(あっ、この人痛い人だ。)
と思い、俺は立ち上がり他のベンチに移ろうとした。
すると女性はまた俺の腕を引っ張りベンチに座らせた。
俺はバランスを崩し持っていた弁当を落としてしまった。


「アイ、ゴメンクサイ。私拾ウネ。セッセト拾ウネ。」
女性は散らばった弁当の中身を拾い始めた。
「もう、いいですよ。どうせ食べれないし。」
俺は一刻も早くこの場から立ち去りたかった。
「アイ、大丈夫ネ。3秒ルールネ。日本人頭イイネ。」
そう言うと落ちた卵焼きを拾い自分の口に入れた。
「アイ、グッジョブ。」
親指を立てて俺の顔の前に突き出した。


訳の分からない言葉を連発し、俺の弁当を落とし、おまけに落ちたおかずまで食べてしまうこのマルコという女性。


迷いはなかった。ダッシュで逃げよう。


そう思った瞬間今度は女性は泣き出し、そてまた聞いてもないのに話し始めた。

⏰:08/06/01 03:42 📱:D905i 🆔:UqmAtBfE


#413 [[マルコ。3/3]キノコ。]
「アイ、私ノ息子スーチンネ。アナタニソックリネ。スーチン韓国デ海苔作ッテル。会イタイケド会エナイ。」

女性は韓国人で女性の話からすると息子と離ればなれで暮らしており、その息子が俺に似てるらしい。


逃げる体勢にはいっていた俺はベンチに再び腰をかけた。
「そんなに俺に似てるの?」
「アイ、似テマス。スーチンニソックリネ。私サビシイネ。」


俺にも息子がいる。同じ親として少し同情もあり、俺は昼休みが終わるまで女性の話し相手になってあげた。
故郷の事や、女性が働いているスナックの事、そして息子スーチンの事。
最初は痛い人だと思っていたが話していくうちにだいぶ心も開き女性との会話を楽しんだ。


話は盛り上がっていたが昼休みが終わりに近づき「マルコさん、俺毎日このベンチで昼飯食べるから寂しくなったら話し相手ぐらいにはなるよ。」
「アイ、アリガトデス。私毎日ココニキマス。待ッテマス。」
女性は笑顔で答えた。
自宅と会社の往復だけの窮屈な生活に少しだけ楽しみができ、俺は笑顔で会社に戻った。


火曜日の午後の昼下がり。
いつものベンチで女性を待つ俺。昨日から始まった異文化コミュニケーションに胸を躍らせていた。
空を見上げると今日も雲一つない晴天だ。


ふと隣のベンチを見ると女性が60歳近くの男性の腕をつかみ
「スーチン!!!」
と叫んでいた。


俺は社員食堂で昼飯を食べた。
たぶんあそこのベンチに行く事はないだろう。


おわり。

⏰:08/06/01 03:47 📱:D905i 🆔:UqmAtBfE


#414 [◆vzApYZDoz6]
あげますぜ

⏰:08/06/07 13:27 📱:P903i 🆔:5dF7gc0M


#415 [紫陽花]
あげ〜(・∀・)

⏰:08/06/08 17:09 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#416 [GAM]
ああ、そうしてまたあなたは私を白いカルシウムで砕くんですね。
聞こえますか、この悲痛が。分裂した私を更に粉砕して、身にまとった色素は残らず剥ぎ取っられてしまう。私の後ろにいる紅色の蛇に。

形を崩して原型を留めていない体。もう二度と元には戻れない。

でもあなたは私を無にはしなのでしょう。
下で待ち構える浴室へ送還される事なく、私は生命の全てを奪われて終わるんです。

他の方はシャワーを浴びていらっしゃるのかしら、あなたが裁きをくだすうちは決して干からびる事のない浴槽、そこにつかっているのかしら。

悶える様な声が私の耳に届きます。

蛇の動きが鈍くなりました、もうすぐ別れの時間なのですね。
分かっています。

でも私は、あなたに弄ばれて幸せでした。
この裁きと共に与えられる清水が、地下から湧き出るそれに及ばなくても。

醜い姿になってもあなたに衣装を脱がされる事こそが、私の務めだと分かって下さいね。

あの銀の上絹を剥ぎ取ってくれてありがとう。

さようなら。

⏰:08/06/12 23:05 📱:D905i 🆔:PZfyFEBo


#417 [GAM]
剥ぎ取っられて→剥ぎ取られて

無にはしなので→しないで

⏰:08/06/12 23:08 📱:D905i 🆔:PZfyFEBo


#418 [[居場所(1/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
 
「どうしてこういうことになるの!?」

重い空気を引き裂くように、階下の部屋からヒステリックな叫び声が聞こえてきた。

「こんなことありえないでしょ! 意味がわからないわ! 一体何だっていうのよ!?」

僕は笑い声をあげそうになるのを堪えて、いつものように自室で一人押し黙っている。その間にも下からは金切り声とそれをなだめる声が響いていた。

「どうしてあの子の亡きがらが無いのよ!? なんでカナコがそこにいないのよ!」

さっきから狂ったように声を張り上げているのは俺の義理の母親。
母さんが死んですぐに家に来たそいつには連れ子がいた。
それがカナコだ。俺の妹。
血の繋がりはなくとも、俺にとってはかわいいかわいい妹だった。

そのカナコが昨日死んだ。まだ十三歳だったのに。
ドア越しに父さんからカナコの死を伝えられた時、俺は気が狂うんじゃないかと思うほどに混乱した。

だって俺はカナコが好きだったから。
妹としてか女としてかなんてことはわからない。だけど俺は世界で一番カナコが好きだった。

⏰:08/06/16 23:37 📱:SH903i 🆔:J7xrqn4I


#419 [[居場所(2/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
 
カナコの死因を俺は知らない。
なぜなら俺はオタクでニートで引きこもりだから。自分の部屋から一歩も出ない俺にわざわざカナコの死因を知らせにくるヤツはいなかった。

で、どうして今義理の母親がこんなにも騒いでいるのかというと、今から葬式だというのにカナコの遺体が棺桶から消えているからだ。
昨日の夜滞りなく通夜を終え、今日の朝――つまりついさっきだが――母親がカナコの亡きがらを確認したところ、棺桶の中は空っぽだったということらしい。
棺桶のある部屋にはろうそくの番にカナコの親戚らしい年配の男がいたが、なんとそいつは夜中の二時には酔っ払っていびきをかいていたんだ。
あの女はそれを知らないが俺は知っている。

なぜか。
カナコの遺体を隠したのは俺だからだ。

カナコは今俺の隣で静かに眠っている。
その眠りが覚めることは永遠に無いが、それでも俺はカナコを自分の手元に置いておきたかった。

⏰:08/06/16 23:38 📱:SH903i 🆔:J7xrqn4I


#420 [[居場所(3/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
 
五年前に母さんが死ぬ前から、俺と親父は顔を合わせなくなっていた。
その頃はまだ引きこもりではなかったが、しかし俺は仕事に就いていなかった。
そんな俺を見たくなかったのだろう。
いつからかお互いに避けるようになり声を聞くこともなくなった。

そして母さんが死んだ。俺と親父をつなぐ唯一の人がいなくなった。
それはつまり、俺の居場所が無くなるのと同じこと。
そしてあの女が家に来て、俺は引きこもりになった。

でも俺には新しい居場所が出来た。
まだ幼かったカナコは俺に冷たくしなかった。
あまり言葉は交わさなかったけれど、俺達は通じ合っていたはずだ。目を見ればわかる。

母さんを失って俺は学んだ。
失いたくなければ自分の手で捕まえておかなければならない。
でなければ俺はまた居場所を失ってしまう。
かわいい妹を俺から奪うことなど誰にも出来ないのだ。

そうして俺はカナコを捕まえた。

もう二度と離さない。俺のかわいい妹……カナコ……。

⏰:08/06/16 23:39 📱:SH903i 🆔:J7xrqn4I


#421 [◆vzApYZDoz6]
あげますよー

⏰:08/06/23 03:05 📱:P903i 🆔:qKg5R2Vw


#422 [我輩は匿名である]
ageるよ

⏰:08/06/24 09:22 📱:PC 🆔:MWJsF0yA


#423 [[時に残酷な。(1/3)]あに]
わたしが見る景色は、いつも同じ。 空の色が蒼から赤、黒へと変わりまた蒼に戻る。それの繰り返し。

退屈な日常を変えてくれたのは貴方だった。

行き交う人々が見向きもしなかったわたしを、貴方は見付けてくれたわ。


「綺麗だね」

「可愛いね」


貴方は毎日わたしのそばに来て、そう話しかけてくれる。

それだけで、わたしはまた美しくなれる。


貴方の無邪気な笑顔が見れるだけで幸せなの。


――たとえ、僅かな寿命だとしても。

⏰:08/06/24 23:33 📱:SH903i 🆔:ER.bvmo2


#424 [[時に残酷な。(2/3)]あに]
太陽が高く昇っている。そろそろ、彼が来る頃ね。

ほら、やっぱり。

小走りで近づいてくる彼は笑顔で、とても素敵だわ。

「よかったあ。まだ、いたんだ」


少し息を弾ませながら安堵した表情を見せる彼。

わたし、貴方をいつでも待っているのよ?何を今更。
貴方といれるなら、この命、儚くても構わないわ。

今日もわたしに綺麗だと言って。


言葉を待っていると、彼の手が伸びてきた。そして、わたしの首を掴んだ。

⏰:08/06/24 23:34 📱:SH903i 🆔:ER.bvmo2


#425 [[時に残酷な。(3/3)]あに]
次の瞬間、勢いよく胴体と切り離されてしまった。


何を!何をするの!?

嘘よ、どうしてこんなことを!


困惑するわたしに構わず、彼はわたしのカラダの一部を順にちぎり取っていく。


残酷な言葉を囁きながら。



「……リカちゃんはぼくのことを……すき、きらい……すき、……」


嗚呼、貴方の為になるならばこの命、差し上げ給う。

(彼等は時に残酷で。)

⏰:08/06/24 23:36 📱:SH903i 🆔:ER.bvmo2


#426 [[時に残酷な。(3/3)]あに]

2回目の投稿です!

(^ω^;)

文章力がなくて申し訳ない。
また暇な時に投下させていただきます。

⏰:08/06/24 23:38 📱:SH903i 🆔:ER.bvmo2


#427 [◇vzApYZDoz6]
し、白い俺もイケてる!
( ゚∀゚)o彡゚age!

⏰:08/06/25 02:33 📱:D905i 🆔:OoNDRyOU


#428 [帰路(1/3)◆vzApYZDoz6]
がたんがたんがたん。
電車が私達2人の前を、音をたてながら通過する。

かんかんかん。
耳障りな警告音は鳴り止まない。
黒と黄色のスプライトポールの前で、次に通過するであろう電車を2人並んで待っている。
隣に立つ彼女が、なんて事ないように話し始める。

透き通ったその声は夜空に吸い上げられていく。
その先では、真冬の星空が燃えんばかりに瞬いていた。
まるで、これが最後の煌めきだと言わんばかりに。

冷たい夜風が吹き抜ける。
散った木葉が夜空に舞う。

かんかんかん。警告音が鳴り響く。
そして彼女は語り出す。

「もう、何年前の話になんのかなァ」

水色のジャンパーを羽織った彼女。
夏はショートだった髪も、今ではセミロング。
さりげなく存在感を放つフチ無しの眼鏡が、燃え上がる星空の光を淡く反射する。
奥の瞳が、踏み切りのランプの赤い光を吸収する。

黒と黄色のスプライトポールの前で、2人並んで立っている。
かんかんかん。電車はまだ通過しないのか。

ふと彼女を見てみる。
桃色のマフラーに、黒い手袋。彼女が寒がりだということは最近知った。

彼女は語る。透き通った声に混じる白い吐息が、乾燥した冬の空気に消えていく。
かんかんかん。乾燥した冬の空気に響き渡る警告音。
そんなものどうでもいいから早く電車を走らせろよJR。

「隣町に女の子が居てさァ。女の子。14歳。ちょうど今のあたしらと同い年」

⏰:08/06/26 16:11 📱:P903i 🆔:yCWejlVo


#429 [帰路(2/3)◆vzApYZDoz6]
吐息は白く、私の頬は赤くなっていた。
彼女の横顔は、どこか黄昏て見えた。

かんかんかん。鳴り響く警告音。赤いランプ。
塾の帰り道。黒と黄色のスプライトポールの前で、2人並んで立っている。

寒空の下、脳内では先程解いた二次関数のグラフが蘇る。
A=√4。対になるB=−√4。

頭上では星空が輝くのをやめない。
それが例え死の直前だったとしても。

彼女の声はあの星空に届いているのだろうか。
揺れるセミロングの髪。
その向こうで、走ってくる電車のヘッドライトが揺れている。

「何でかは分からないけどさ」

寒さで手がかじかむ。彼女は大丈夫なのだろうか。
かんかんかん。鳴り響く警告音。赤いランプ。
吹き抜ける風がまるでノイズのように聞こえる。
それに身を任せて舞い散る木葉。
最後の1枚。終わりはすぐそこ。
そして彼女は語り出す。

「電車につっこんでさ」

かんかんかん。鳴り響く警告音。赤いランプ。
黒と黄色のスプライトポールの前で、2人並んで立っている。

⏰:08/06/26 16:12 📱:P903i 🆔:yCWejlVo


#430 [帰路(2/3)◆vzApYZDoz6]
がたんがたんがたん。電車は音をたてながら、もうすぐそこまで迫っている。

聞き取りが難しくなる彼女の声。
横顔が、どこか遠くを眺めている。
かんかんかん。鳴り響く警告音。赤いランプ。
黒と黄色のスプライトポールの前で、2人並んで立っている。
がたんがたんがたんがたん。電車がもうすぐ目の前にやってくる。
そして彼女は語り出す。

「自殺したんだよね」

がたんがたんがたんがたんがたんがたんがたんがたんがたんがたんがたんがたんがたんがたんがたんがたん。
電車が私達2人の前を、凄まじい勢いで通過する。
まるで光のように。
黒と黄色のスプライトポールが上がっていく。赤いランプが消灯する。
彼女が掛けているフチ無し眼鏡が、燃え上がる真冬の星空の光を反射する。
なんて事ないように彼女は進みだす。

私もそれに続く。冷たい風もついてくる。
白い吐息を押しのけて、ノイズのように絡みつく。

頭の中で耳障りなあの音が蘇る。
かんかんかん。それは、終わりへいざなう警告音。

私は彼女の後ろ姿を眺めながら、顔も名前も何も知らないその女の子に、何かを想っていた。

⏰:08/06/26 16:13 📱:P903i 🆔:yCWejlVo


#431 [◆vzApYZDoz6]
久々投下w

>>430は(3/3)です

⏰:08/06/26 16:15 📱:P903i 🆔:yCWejlVo


#432 [紫陽花]
ナナシさんのSSSはレベルが高すぎる!!Σ(゚Д゚)Ww

⏰:08/06/28 08:32 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#433 [[求めるもの(1/1)]紫陽花]
教室という小さな箱の中、規則正しく並べられた机と椅子。そして毎日飽きもせず、人形のようにそこへ行く自分。

吐き気がする

何のために、誰のために
何がしたくて、何を求めて
俺はここに立っている?

もう、うんざりだ!!

誰もいない教室
夕暮れの教室
規則正しい机と椅子

これを見ていると
全てを壊したくなる
世界を壊したくなる

誰のために
自分のために

何がしたくて
生きていたくて

何を求めて
縛られない羽を求めて

何がしたくて
自由になりたくて

誰もいない教室
夕暮れの教室
乱雑に置かれた机と椅子

まるで俺の心をあらわすように

---end---

⏰:08/06/29 00:22 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#434 [◆vzApYZDoz6]
保守!

⏰:08/07/03 21:53 📱:P903i 🆔:Wub61Ubo


#435 [[愛しいあなた(1/1)桃色]]
タキシードに身を包み、バージンロードに立ってるあなた。緊張してるのが背中から伝わる。

少しくせのある襟足から、肩にかけての曲線が好き。小さくて引き締まったヒップラインも好き。たくましい腕でどんな困難も乗り越えて行けそう。だけど何より「真理」って呼ぶ優しい声が好き‥あなたの全部が大好きよ。

賛美歌をうたって誓いのキス。

初めて見る、キスをするあなたの姿‥

「奈緒子、シャッターチャンス!」友人に促されカメラを構えるあたし。

永遠の愛を誓います‥

レンズ越しの愛しいあなたへ‥‥‥

⏰:08/07/04 16:40 📱:SH703i 🆔:Rip0ffE6


#436 [[名も無き花(1/1)桃色]]
先日、旦那と娘を連れて実家にご飯を食べに行った。

いつもは寄り付かない庭に、何となく出てみる。

誰も手入れをしていないので荒れ放題だ。

片言の日本語を話せるようになった娘が嬉しそうに

「おはな」

と言っている。

見ると伸びきった雑草の間に名も知らぬ白くて可愛いらしい花がいくつか咲いていた。

母にいつ植えたのか尋ねると、首を横に軽く振る。
だがその後語られた一言に私は心を揺さぶられた。

「あそこね、偶然かもしれないけど‥キューちゃんを埋めたところなのよ」

キューちゃんとは、昔幼かった弟が一生懸命に可愛がっていたハムスターの名だ。

なんだかいてもたってもいられずもう一度庭へ行き、娘と一緒に花壇の前で手を合わせた。

⏰:08/07/05 01:51 📱:SH703i 🆔:/fZibtYw


#437 [桃色]
>>436
↑ちなみに実話デス↑

⏰:08/07/05 01:53 📱:SH703i 🆔:/fZibtYw


#438 [咲笑]
桃色サンめちゃめちゃ文章上手ですね
もっと書いてほしいですP

⏰:08/07/06 23:48 📱:W53S 🆔:u2w2uFNs


#439 [[闇夜の雨、月(1/1)]蜜月◆oycAM.aIfI]
真っ暗な空。それをどんよりと覆い隠す雲。そしてその雲が悲しみを誘うように落とす雨粒。
そんな雨の降る深夜に、一人の少女が空を眺めていた。

町も静まり返る時刻に、彼女は自室の窓枠に肘をかけ憂いを含んだ表情でぼんやりと一点を見つめている。晴れていれば月が存在するはずの一点を。

随分長い間そうして雲を眺めていた彼女は、おもむろに側にあった携帯電話を手に取る。折り畳まれたそのボディを器用に片手で開くと、小気味のよい音がした。
しかし液晶画面を見た彼女の顔は暗い。雲に覆われた空よりも。
(連絡……来ないなぁ)
口には出さずに心の中だけでそう呟くと、
「はぁ」
と小さなため息を一つ。恐らくは想い人からの連絡を待っているのだろう。
彼女は下唇を噛むと、親指を素早く移動させながらボタンを押し、何やら新しい画面を開く。

しかし指の動きは止まってしまった。
真剣な目で闇に浮かぶ白い画面を見つめる彼女。

しばらくしてようやく指を動かした。
ゆっくりとボタンに親指を乗せ、カチッ、と鳴らすと――画面は真っ黒になってしまった。
「ふぅ……」
携帯電話を折り畳みベッドに放り投げると、彼女は再び窓の向こうに目をやった。さっきと同じ姿勢で、肘を窓にかける。

しかし――その目には、固い決意の光が宿っていた。

⏰:08/07/07 02:18 📱:SH903i 🆔:iEqgZovM


#440 [桃色]
>>438咲笑サン

ありがとうゴザイマス!
マタ話しが浮かんだら書かせていただきマスねp(^^)q

⏰:08/07/07 11:28 📱:SH703i 🆔:uiLDk8VY


#441 [[記憶のカケラ(1/2)桃色]]
毎日毎日オレの世話を焼く女。飯の世話から何から何まで。

俺が何か言うたびに一喜一憂する女。

正直頭が上がらない。

それに、オレだけに見せる最高の笑顔‥

たまらない。こいつのためなら何でもできる。

だけど最近おかしいんだ。

今まで「アー」だの「ウー」だのしか言えなかったオレの口から、段々言葉が話せるようになってきた。

もちろんそれを聞くたびに、あいつはオレを抱きしめて喜ぶ。

それと同時にオレがオレじゃなくなってくんだ‥

⏰:08/07/07 21:33 📱:SH703i 🆔:uiLDk8VY


#442 [[記憶のカケラ(2/2)桃色]]
‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥
‥‥‥
『お誕生日おめでとう圭』
「圭が生まれてもう一年か」

「ねぇあなた、この間雑誌で読んだんだけど、赤ちゃんって前世の記憶があるらしいの。だけどそれを覚えているうちに話してしまわないように、おしゃべりができるまでに時間がかかるんですって」

「へぇ、じゃあ圭もその記憶ってのがまだあるのかな?」

「どうなのかしら?ねぇ、圭ちゃん‥」

⏰:08/07/07 21:35 📱:SH703i 🆔:uiLDk8VY


#443 [[夏の教室(1/3)]紫陽花]
むせかえるような生ぬるい風。半袖のシャツから伸びる腕に容赦なく熱を浴びせる太陽。

そんな灼熱の外の世界とは裏腹に窓一枚隔てたこの部屋は心地良い一定の寒を保っていた。

まさに科学の進歩。この世界にとってクーラーはなくてはならない生活の必需品だろう。

「あの……さ」

そんな外とは別世界のこの部屋には一人の男と一人の女2、3個の机を隔ててが立っていた。さながら、その数メートルが彼らの心の距離と言ったところだろうか。

女の左手には教科書、右手には鞄のファスナーを開けようとしたのか小さな金具が握られている。

「……なに?」

女は男の顔も見ず淡々と帰り支度を進める。この男の話に、さほど関心がないようだ。

「葛城、これから帰る…よね?」

彼女の名前は葛城と言うらしい。男は下を向き、まるで親の様子をうかがう小さな子供のように怯えた表情で声を震わせながら彼女に問う。

⏰:08/07/09 00:40 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#444 [[夏の教室(2/3)]紫陽花]
「……えぇ、帰るわよ。授業、終わったもの」

彼女は手元の教科書から目を離さず数メートル先に立ち尽くす男に素っ気なく答える。

生徒もおらず、窓も閉め切ってある放課後のこの部屋には彼女の声だけが静かにそして微かに響く。


その言葉を聞いた瞬間、男は意を決したように両手の拳を握りしめ勢いよく頭を上げた。先ほどとは違い、彼の表情に怯えはない。
この男の決意が空気を伝い彼女にも届いたのだろうか、帰り支度をやめ彼女も顔を上げた。

そして二人の視線がぶつかる。

「あのさ、葛城。……俺一緒に帰っていい?」

彼女の瞳が一瞬動く。窓から差し込んでいる光は机と机、向かい合っている二人の間を静かに照らす。男の視線は真っ直ぐに彼女をとらえ、彼女も彼の視線に答えるように瞳を合わせる。

⏰:08/07/09 00:41 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#445 [[夏の教室(3/3)]紫陽花]
少しの沈黙。校庭で力の限り声を張り上げる野球部の声が聞こえるほど静寂は続いた。

「……別に、いいけど」

静寂を破ったのは彼女の方だった。

「本当に!?」

男の瞳は驚きと歓喜の輝きを放ち、きつく握られていた拳はいつの間にか解かれていた。

「私、教室の鍵を返してくるから先に昇降口で待ってて」

彼女はまたも視線を鞄に戻し帰り支度を始めた。

「分かった!!待ってるから」

そう言って男は顔を赤らめながら鞄を背負い、照れくさそうに彼女を見つめながら教室を後にした。

男がいなくなった直後、彼女は帰り支度をする手を止めた。そして、その手はゆっくりと上に伸び彼女の顔を覆った。

「……緊張した」

顔を覆った細く今にも折れてしまいそうな指の間から見える彼女の顔は照りつける太陽よりも熱を帯び、紅く紅く火照っていた。

彼女一人残された教室には既に電源の切られたクーラーからの残された冷気が漂っていたが、それほどの少量の冷気では彼女の火照った心を鎮めることは出来なかった。

---end---

⏰:08/07/09 00:41 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#446 [紫陽花]
あげ(・⌒・)

⏰:08/07/11 23:55 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#447 [[夏恋(1/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
夏休みに入ってもうすぐ一ヶ月。暑さはちっともましにならない。
ユウスケは今日も朝から遊びに出掛けて行った。学校の宿題なんてそっちのけだ。
多分、八月後半になってから家族を巻き込んで焦るんだろう。毎年のことだ。

十歳の夏休みを、ユウスケは心の底から楽しんでいる。
幼なじみのコウタやタモツと集まるのももちろん楽しいが、今年はいつもの夏と少し違っていた。
転校生の女子、ナツメさんも一緒なのだ。ナツメさんにはいつも世話係のようにおてんば娘のレイコがくっついているけど、お盆の間レイコは田舎に帰省している。ユウスケは邪魔者がいないのが嬉しかった。

「ナツメさん、今日はどこ行く?」

「オレ駄菓子屋でジュース!」

「タモツには聞いてないよ!」

「わたし、駄菓子屋さん行ってみたいな」

「えっナツメさん行ったことないの!?」

「うん、前に住んでたとこには無かったの」

⏰:08/07/12 00:47 📱:SH903i 🆔:ImRIP7KU


#448 [[夏恋(2/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
四人は近所の古ぼけた駄菓子屋にやってきた。何歳なのか想像出来ないくらいしわしわのおばあちゃんが店番の駄菓子屋だ。

「おいコウタ、これ買ってくれよ! オレお金足りないや」

「やだよ〜自分で買ってよ〜」

タモツとコウタはチョコレート菓子を手にして言い合いをしている。
ユウスケはナツメさんに駄菓子屋のルールを教えてあげていた。

「これはあんまりおいしくないし高いからやめた方がいいよ、あ、コレ! このジュースはね、ここを歯でちぎって飲むんだ、それからこれは……」

ナツメさんは頷きながら興味津々といった様子で聞き入っていたが、急に見ていた駄菓子を手に取った。

「ユウスケくん、わたしこれにする」

「え、これ……?」

「うん。一緒に食べよう?」

ナツメさんが選んだのは、きれいな色の四角いグミがたくさん入った駄菓子だった。ユウスケの顔がみるみる笑顔になっていく。

「うん!」

⏰:08/07/12 00:48 📱:SH903i 🆔:ImRIP7KU


#449 [[夏恋(3/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
駄菓子屋の外のベンチに座って、買ったばかりの駄菓子を開ける四人。タモツとコウタはすぐに食べ始めた。

「きれいね、このお菓子」

ナツメさんは爪楊枝に刺したグミを見つめるばかりでなかなか口に入れない。ユウスケもつられてグミを見つめた。

「ナツメさん、駄菓子屋楽しかった?」

「うん! あんなにお菓子があるなんてビックリしちゃった。スーパーより多いのね」

ユウスケの目に映るナツメさんの横顔は、夏の太陽に照らされてキラキラ輝いていた。

「ねぇ、食べよう! これ、まあまあおいしいからさ!」

ユウスケがそう言うと、ナツメさんは素直に頷いてグミを口に含む。
ゆっくりと味わって小さな一粒を飲み込むと、ユウスケに笑顔を見せた。

「ふふ、おいしい」

「でしょ!」

「ユウスケくんも食べて、ほら!」

たくさんのグミを、二人は笑顔で分け合った。残ったグミは、あと二つ。

「わたし……これ持って帰ろうかな」

「食べないの?」

「だって……食べたらなくなっちゃうもん」

ナツメさんは淋しそうに呟く。それを見て、ユウスケも少し淋しい気持ちになった。

「じゃあ僕も一個持って帰る! いい?」

これで二人とも淋しくない、ユウスケはそう思ったのだ。ナツメさんはびっくりしたように目を丸くした後で、「うん!」と満面の笑みを見せた。

暑い暑い夏の日、小さな恋の始まりです。

⏰:08/07/12 00:49 📱:SH903i 🆔:ImRIP7KU


#450 [◆vzApYZDoz6]
保守 

⏰:08/07/27 19:38 📱:P903i 🆔:Dsn9imQ6


#451 [◆vzApYZDoz6]
1-164までのまとめ
>>165-170
171-228までのまとめ
>>229-231
232-290までのまとめ
>>291-293
294-348までのまとめ
>>349-352

353から現在までのまとめ↓
有さんの作品
死神さんとおんなのこ(現在2/2、再投下予定あり?)
>>356-357

RIEさんの作品
窓際の私(4/4)
>>361-364

朝海さんの作品
スキ(3/3)
>>371-373
指輪(3/3)
>>378-380
月(3/3)
>>406-408

紫陽花さんの作品
とある無人島での話(3/3)
>>374-376
とある歪んだ恋の話(2/2)
>>382-383
求めるもの(1/1)
>>433
夏の教室(3/3)
>>443-445

⏰:08/07/27 23:44 📱:P903i 🆔:Dsn9imQ6


#452 [◆vzApYZDoz6]
林檎さんの作品
わたしの家(3/3)
>>385-387
殺し屋(2/2)
>>401-402

キノコ。さんの作品
デーブ。(3/3)
>>389-391
定年。(2/2)
>>394
>>396
嗚呼、思春期。(3/3だったけど長すぎて断念)
>>409
マルコ。(3/3)
>>411-413

SH905iの匿名さんの作品
保守ネタ(2/2)
>>403-404

D905iの匿名さんの作品
GAM(1/1)
>>416-417

蜜月◆oycAM.aIfIさんの作品
居場所(3/3)
>>418-420
闇夜の雨、月(1/1)
>>439
夏恋(3/3)
>>447-449

あにさんの作品
時に残酷な。(3/3)
>>423-425

⏰:08/07/27 23:45 📱:P903i 🆔:Dsn9imQ6


#453 [◆vzApYZDoz6]
◆vzApYZDoz6の作品
帰路(3/3)
>>428-430

桃色さんの作品
愛しいあなた(1/1)
>>435
名も無き花(1/1)
>>436
記憶のカケラ(2/2)
>>441-442

なお、タイトルのない作品は文中から抜粋してタイトルをつけました。

⏰:08/07/27 23:46 📱:P903i 🆔:Dsn9imQ6


#454 [◆vzApYZDoz6]
まとめ&作品数集計&現在のお題一覧
>>451-454

現在の作品数集計
1レス短編:39
2レス短編:41
3レス短編:48
レス数オーバー短編:1
総作品数:128

現在のお題
@雨
Aあの頃の思い出
B電話
C卒業
D電車
Eささやかな幸せ
F手紙
G都会
H未来
Iアルバイト
J忘れられない
K空
L窓
M指輪
N怒り
O葬式

⏰:08/07/27 23:47 📱:P903i 🆔:Dsn9imQ6


#455 [◆vzApYZDoz6]
意外とみんな参加してたんだw

つーわけでこれからも参加者募集だぜ
1回投下しただけで満足すんなよ!
きたれリピーター!

あとちょっとで折り返し地点…
次の企画スレを立てるにはどれぐらいかかることやら

⏰:08/07/27 23:50 📱:P903i 🆔:Dsn9imQ6


#456 [紫陽花]
まとめ乙です(・∀・)

私もそろそろSSS書きたいなぁ

⏰:08/07/28 00:13 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#457 [あげ!(1/2)多分二人称]
やぁ、おはよう。
やっとお目覚めかな。ずいぶんと長いこと眠っていたようだけど、気分はどうだい?
……そうだね、あぁ失礼した。なんてことだろう! 僕は礼儀を忘れるところだった。
本当にもうしわけないな。
でも、いや、僕は謝ることが多いみたいだ。もうしわけないけど、君に僕の名前を教えることはできないんだ。
あぁそんな怒った顔をしないでくれないか、そのかわり僕も君の名前を聞いたりしないから。
そう、君が自分のことを知っていればそれでいいから、もしかして記憶がな……ごめんごめん冗談だよ。
それじゃあ、立ってくれないか? 一緒にこの状況を確認しよう。
安心して、そんな危険な場所にいるわけじゃない。
ただ、ちょっと君の勇気がいるだけぐらいだ。

⏰:08/07/29 00:57 📱:N904i 🆔:vh9FAEqw


#458 [あげ!(2/2)多分二人称]
手を伸ばしてくれるかな? そう、ありがとう。そのままちょっと壁に手を付けてくれるとさらにありがたいんだけど。
おや、そんなに驚くとは。ははっごめんよ。
今度はそのでてきたハシゴで上を目指してくれるだけでいい。
そのまま、絶対下をむいてはいけない。
むいてしまったら、……君ならわかるだろう?
さぁ、上って。そうだ! 最後に君へお礼を言わなくちゃ。
ないだい? そんな不思議そうな顔をして。
いいじゃないか。僕が君にお礼をいいたいんだ。
だって君は僕の言葉をちゃんと聞いてくれたから。
ふふ、あたりまえかい? だけどここじゃみんな僕のことを見向きもしなかったんだもの。
限られた人だけが僕の声を聞いて上へ戻っていったんだよ。
危険なことなんて何一つなかったろう? ただ上へ上ったらいつもがあるだけさ。そう、少しの勇気がいるよ。
ここはとてもいいけれど、ここにいたら君の思いを聞いてくれる人なんていないんだ。
え? 僕も一緒に? いや、いいよ。まだまだここには僕の声を聞きたがる人がいるからね。そう、君と違って。
気分を害したかい? ごめんね。けれど事実なのだからしょうがないことさ。
さぁ、こんな話はよそう。
君はこれから言うんだ。ここで唯一みんなが聞いてくれる言葉。
準備はいいかい? 大きな声で言うんだよ。それから上へのハシゴを踏みしめるんだ。何、一瞬だよ。
さぁいくよ!


「あげ!」



****
二人称はむずかしいですね

⏰:08/07/29 00:57 📱:N904i 🆔:vh9FAEqw


#459 [◆vzApYZDoz6]
>>457-458
乙!
ちなみに完全に一人称だぜ、それw

二人称ってのは、人称(平たく言えば主語)が『相手』の文のこと
使われる場面は手紙だったり回想シーンだったり、会話だったり

あなたが私にくれたものを覚えていますか?
あなたは笑いながらそれを差し出しましたね。

みたいな
基本的に問い掛ける形式になる、というかそれ以外では使えない

つまり、難しいとか以前に二人称だけじゃ小説は書けないという罠
もしかしたら語り手と人称の意味をごっちゃにしてるのかな

二人称はそれによって読み手を引き込む力があるからうまく使ってみましょー

⏰:08/07/29 05:39 📱:P903i 🆔:D7JrmyN2


#460 [桃色]
まとめオツです!

何か‥‥歴史を感じるw

たくさんの方がたくさんの作品を残せるSSS!

改めて良スレですよね(^-^)

久々何か思い浮かばないかなァ(人μωμ)

⏰:08/07/29 12:49 📱:SH703i 🆔:5fgmi4/E


#461 [紫陽花]
あげ(・⌒・)

⏰:08/08/07 00:57 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#462 [◆vzApYZDoz6]
過疎すぎる!
こうなったら燃料投下するしかねー!

つーわけでお題、一気にいくぜ
@テレビ
A俺(私)とお前のヒストリー
B街角
C交差点
Dネット掲示板
Eいつかまた
F飛行機雲
G奇
H応援
I保守

過去のお題一覧
@雨
Aあの頃の思い出
B電話
C卒業
D電車
Eささやかな幸せ
F手紙
G都会
H未来
Iアルバイト
J忘れられない
K空
L窓
M指輪
N怒り
O葬式

さぁいけ! 誰かいけ!
俺は暇が無いから無理だw

⏰:08/08/11 00:36 📱:P903i 🆔:eSuLyhPg


#463 [未来1/2 林檎]
目が覚めると一面、白い部屋にいた。
目の前には小さな透明のガラス張りの部屋がある。
その部屋は4畳半ぐらいの大きさで天井は少し低めだ。

よく見るとその小さな部屋の中には可愛い白人の赤ちゃんが4人いる。
皆、人差し指をくわえてお腹を空かしているようだ。

しばらく見ていると3人の赤ちゃんが1人をこしょばがらせ始めた。
始めはそれを笑いながら見ていた私だが、どうやら様子がおかしい。

1人の赤ちゃんが泣き始めたのだ。
近づいて見てみると、なんと3人全員が生えたばかりの爪で1人をひっかき回していた。

慌てて止めようとしたがその部屋には入り口がどこにもない。
どうすることもできなくて、ただ呆然と見ていた。

そして遂に赤ちゃんの皮膚が破け、真っ赤な肉が見えた。
しめたと言わんばかりに3人は顔を合わせる。

⏰:08/08/11 16:19 📱:D705i 🆔:Wohegi.s


#464 [未来2/2 林檎]
次の瞬間1人が肉に食いついた。
それに続けて2人も食らいつく。

泣き叫ぶ赤ちゃん。
どんなに大声で叫んでも誰も助けてくれない。
私は3人の赤ちゃんが3匹の悪魔にしか見えなかった。

いきなり吐き気が私を襲う。
とてもじゃないけど見ていられないので、あてもなく歩き出した。

…どれくらい歩いたのだろう。
歩いても歩いても白い部屋から抜け出せない。
この部屋に終わりはあるのか?

そんな事を考えていると前から白衣を着た男がやってきた。
あの赤ちゃん達は何なんだ、皆狂っていたぞ と言うと
狂っているのはお前だよ と言われ首に噛みつかれた。

この瞬間すべてを思い出した。
これは…地球から食糧が無くなったら人類は生きられるのか。
という実験だ。
食べ物を一番捨てている国が実験台になった。
それが私たちの国だ。
その中でランダムで選ばれた100人が犠牲になった。

私は選ばれたと通知がきた瞬間、自殺しようとしたが何者かにより邪魔され、ここへ連れて来られたんだ。

しかし、このままいくと100人の命が無駄になる。
現実になるかもしれない。
あなたも食べ物は残さず食べてください。
そうしないと次はあなたの国かもしれないですから…

⏰:08/08/11 17:00 📱:D705i 🆔:Wohegi.s


#465 [紫陽花]
あげ(´・ω・`)

⏰:08/08/17 22:26 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#466 [8月のおしまい(3/3)◆vzApYZDoz6]
季節は夏、うだるような暑さの8月の午後。

自転車の前かごには、俺と彼女の黒い鞄が2つ。
途中で漕ぐ気力も無くなった自転車を押しながら、蝉の鳴き声が響く帰り道を歩いていた。

不意に、彼女の足が止まる。

「あ、飛行機雲」

「ん?」

汗を拭いながら、彼女が指差す空を見上げる。

高く、遠くまで突き抜けていく青空に、おもわず片目を瞑ってしまう程に強く輝く太陽。
彼女の指の先には、その太陽の光を受けて白さを増した一筋の雲があった。

「あぁ、俺目ぇ悪いから」
「見えねーのかよ」

まぁそれは嘘で、本当は飛行機雲とそれを吐き出し視界の端まで突き進む銀色の飛行機まで、ばっちりと見えていた。

「ああー…クソ暑い」

彼女は舌打ちをして悪態をつきながら、熱せられた道を再び歩き出す。
しかしこの言葉遣いはどうにかならないものだろうか。

「帰ったら麦茶でも飲むか…」

⏰:08/08/27 10:00 📱:P903i 🆔:EWTxTBzE


#467 [8月のおしまい(2/3)◆vzApYZDoz6]
言ってしまえばド田舎のこの町は道のほとんどが装されておらず、また水をたっぷり湛えた田んぼのど真中を突っ切っているので、舗装された道路よりは暑くない。

ただ、それでも直射日光が、Yシャツに学ランのズボンという格好の俺に容赦なく襲いかかる。

「うへぇ…ズボンの中ぐしょぐしょだ」

「キモいこと言うなよ」

彼女はセーラー服。歩くたびに股下を風が通る。

「男子は冬が暖かいじゃん」なんて言う女子が多いが、夏の長ズボンよりかは冬のスカートの方が絶対にマシだと俺は思う。

なぜこのクソ暑い日にクソ暑い格好をしなければいけないのか。

登校日なんて、なくなればいいのに。

遠くから蝉の鳴き声が響く。
お馴染みのミンミンゼミに、シャーシャーと鳴くアブラゼミ。
それに混じって時折、つくつくぼーし、と別の鳴き声が聞こえてくる。

「夏もそろそろ終わりかぁ」

田んぼを抜けて、小さな交差点で進行方向を変える。

⏰:08/08/27 10:01 📱:P903i 🆔:EWTxTBzE


#468 [8月のおしまい(3/3)◆vzApYZDoz6]
土造りの用水路から、ポチャン、とかわいい音がした。

「切ないなぁ、夏の終わりって」

用水路から目だけを覗かせるトノサマガエルを一瞥して、彼女はそう応えた。

「部活も引退したしな…これから高校受験かぁ……」

俺は今にもこちらに倒れてきそうな入道雲を眺めながら、ぽつりと呟く。

前を歩く彼女が立ち止まり、振り返った。

「…ねぇ」

「なに?」

「高校行ってもさぁ、またこんな夏に会えるかな」

「……えー……?」

柄にもなくセンチな事を言い出したので驚いたが、彼女の目は真剣だった。

ので、至極簡単に答えてみせた。

「…俺らなら大丈夫だろ」

「そっか…そうだよな!!」

彼女は嬉しそうに、きれいな顔で笑ってみせた。

ああ畜生。

そんな顔するからますます夏の終わりが恋しくなるんじゃねぇか。

⏰:08/08/27 10:02 📱:P903i 🆔:EWTxTBzE


#469 [ぁき]

この話めっちゃすきですーっ


てかここが大好き★
最初っからずっと見てます

⏰:08/08/29 02:19 📱:SH905i 🆔:kyWwOBe.


#470 [◆vzApYZDoz6]
>>469
どうもですw
よければ参加してね

⏰:08/08/29 03:55 📱:P903i 🆔:saOknxQ2


#471 [応援(1/3)に]
ー暇だなあ。
普段の忙しさからは考えられないゆっくりとした時間の流れの中でそれを感じずには居られない。
夏とは思えない肌寒さと激しい雷雨の所為か、一番混雑している筈の夕方、院内には殆ど患者の姿が見られない。暖かい膝掛けと、微かに流れている院内の音楽を掻き消して外壁を打つ雨の音が心地良く耳に響いて、私の眠気を誘った。本当に寝てしまいそう。

「ねえねえ、これ見て」
一瞬飛んだ意識を起こして声のする方へ首を捻ると、同僚が嬉々とした様子で茶封筒を差し出していた。
「…なにこれ」
ぼんやりした頭で差出人を読むが、全く記憶が呼び起こされない。既に封が破ってあり、中身を出すと一枚の手紙と写真が入っていた。
「ほら、あの時の患者さんだよ!」
「…ああ」
写真の中でどこかの牧場を背景に女性と幸せそうに微笑んでいる中年男性、この顔には見覚えがある。
「こんな、元気になったんだね」

⏰:08/08/31 09:18 📱:N904i 🆔:rzQdvrtA


#472 [応援(2/3)に]
最初ここに来た時は人生が終わったような顔で来てたっけ。絶対大丈夫、一緒に治そうってその度に励まして。患者のあの泣きそうな笑顔が印象に残ってる。
手紙の内容は、あの時の貴方達の励ましが無ければ今の自分は居なかった、本当に感謝していると言うものだった。
「幸せそうで良かった」
同僚もそれに頷く。こうゆうのは素直に嬉しい。
「写真の裏側、見て」
言われるがままに裏に返すと、丁寧な字で『これからも頑張って下さい』とだけ書かれていた。
「…私、この仕事してて良かったな」
「私も」
嫌な事や悲しい事も沢山あるけど、患者さんと触れ合える、喜びを分かち合えるこの仕事で良かった。辛いことがあったら応援してくれる人の事を思い出して頑張れる気がする。

仕事頑張るぞ。

雨も上がり見覚えの無い顔が入ってきた。何か凄い悩みを抱えてそうな雰囲気を醸し出している。

⏰:08/08/31 09:19 📱:N904i 🆔:rzQdvrtA


#473 [応援(3/3)に]
20代後半と言った所だろうか。男性だ。
「こんにちは。今日はどうされましたか?」
笑顔で話し掛ける。なるべく、緊張を解いてあげられるように。
「えっと…」
目をキョロキョロさせて口をつぐんでしまい中々言いだせない様子。初めてここへ来た人の大半がそうだ。皆それぞれが抱えた深い闇だ、言って認めてしまうことも怖いのだろう。
「大丈夫ですよ」
とびっきりの笑顔で言ってみせた。
「円形脱毛症、絶対治りますから」
張り詰めていた男性の顔が少し弛んだ。
「一緒に頑張りましょうね!」

ここはリーブィーワンダホー。悩み無用だ。

⏰:08/08/31 09:32 📱:N904i 🆔:rzQdvrtA


#474 [我輩は匿名である]
このひとwの意味わかって使ってんのかな

⏰:08/08/31 09:56 📱:W42S 🆔:4cRE.XJk


#475 [◆vzApYZDoz6]
上げます

⏰:08/09/05 13:00 📱:P903i 🆔:eNsEU7Zo


#476 [トイレ]
粉々になってしまえばいい。
泥々になってしまえばいい。

その潤んだ目、か弱き細い腰、唾液が伝う口元、快感で小刻みに震える身体。
ああ、勿論愛しいと思うよ。けれど、鬱陶しさが勝ってしまう。
───全て、壊してしまえたならば、どんな悦楽が僕に降りかかるだろうか。
愛するが故、混沌に駆られる僕の脳はきっとイカれてる。
その血管が透けて見える君の喉を締め付けた。死を拒むその表情は幾度見ても、魅力的だ。

────さぁ落ちよう。

ナラクノソコニ

⏰:08/09/05 21:24 📱:W51SA 🆔:XkGO105s


#477 [愛情表現]
「好きだよ」
…違うな
「愛してる」
ん〜…何か違う

そんな言葉じゃない
そうじゃないんだよ

「何やってんの?」
「ん〜…言葉がね、見付からないの」
「は?バカじゃね?」
「うるさいな〜…」
「そういう時こそこうすんだろ?」

抱きしめてくれる腕に驚いて
抱きしめてくれる体温に安心して
あぁ、そっか…

言葉が見付からないなら
態度で表せれるんだ

そんな方法もあるんだね

ありがとう

END

⏰:08/09/05 22:50 📱:W52S 🆔:8uyV8KuM


#478 [ベリー(1/1)あお☆まる]
恋は中々上手くいかない
今回が最後の恋!!!
…なんて思ってみても、
突然終わりがくる


今回の恋もきっと最後の恋だと思っていたが
冬が終わるそんな時期に私の恋も終わった



そんな寂しい私は別れ話を終えて自宅に帰る帰り道に花屋に寄った


【今話題!恋が実るワイルドベリー】

⏰:08/09/06 05:33 📱:812SH 🆔:JTxLYlWE


#479 [ベリー(1/1)あお☆まる]
あぁ…昔テレビでよく見たっけ。
そう思い出し、その力を信じる訳ではないが、なんとなく買って帰った。



数日後、昔から仲のイイ男友達の春彦に、いつもの様に失恋の経緯を話していた

失恋したら、いつも春彦に電話で愚痴る。昔からの失恋の儀式みたいなもの。
春彦はそれを嫌がる事なく毎回優しく聞いてくれる



「それでね−……」

⏰:08/09/06 05:39 📱:812SH 🆔:JTxLYlWE


#480 [ベリー(1/3)あお☆まる]
ふと鉢植えに目をやると、小さい白い花が、かわいらしく咲いていた


「あっ!!咲いてる!」


「何が?」


「ワイルドストロベリー!!やったぁ。花が咲くとね運命の人に出会えるんだって!誰かなぁ?」


「あぁ…。それ、きっと俺だよ」



春が近づくそんな日に、私は凝りもせず新しい恋の予感を感じていた。
END

⏰:08/09/06 05:45 📱:812SH 🆔:JTxLYlWE


#481 [あお☆まる]
ナナシさん!!
短編祭が延期になったみたいなので、有り余る力をここにブツケてみました!( ´艸`)笑
実は実話だったり??( ●≧艸≦)


ちなみに【先生のいうとおり】書いてます☆
↑ちゃっかり宣伝!爆

⏰:08/09/06 05:51 📱:812SH 🆔:JTxLYlWE


#482 [◆vzApYZDoz6]
ていうか知らぬ間に3作品もw
今から読みまーす

>>481
構わん、むしろもっと投下しやがれ!
ここはそういうスレだw

⏰:08/09/06 06:32 📱:P903i 🆔:0iRFWzpQ


#483 [我輩は匿名である]
あげあげ

⏰:08/09/10 09:18 📱:PC 🆔:☆☆☆


#484 [こころ*グラフ(1/1)あんみつ]
 

「人間の感情って、よく分かんないよね」

「うん?」

「好きとか嫌いとか、さ」

「例えば?」

「例えば・・・すっごい嫌いな人がいたとするでしょ」

「うん」

「嫌いなはずなのに、たまに優しくされたり話して楽しかったり・・・そんなことがあると、むしろ好き?って思っちゃう」

「へー」

「そいつのことばっか考えちゃうし・・・けどね、そいつすっごい意地悪なの」

「は?」

「人が真剣に話してるっていうのに・・・うんとかへーしか言わないし、にやにやこっち見てくるし」

「・・・」

「嫌いって思うのに・・・考えるのは、そいつのことばっかで・・・」

「・・・つまりさ、結局の所どうなの?」

「・・・すっごい好き」

「俺も」

.

⏰:08/09/15 11:49 📱:D904i 🆔:LqzOrwVE


#485 [東脂ヤ]
>>484
このお話とっても好きです(´∀`)

私もそろそろ投下したいなぁ☆
毎度駄作ですがorz


アゲます\(^_^)/

⏰:08/09/15 13:29 📱:W52P 🆔:Fyuk0N.k


#486 [◆vzApYZDoz6]
あーげ

⏰:08/09/18 00:01 📱:P903i 🆔:TTf2D1yg


#487 [イツワリ(1/3)◇東脂ヤ転
「"人の為"と書いて"偽り"と成る」

「は?」

「いや…ニュアンスは違ったかな…でも確かこんな感じの言葉だ」

「いやだから、急に何?
教科書の見過ぎで頭変になった?」

彼女の言葉にカチンときたのか、彼はムッとした表現を浮かべると徐に顔を上げた。

「今朝見た日めくりカレンダーに書いてあったんだよ。あれなかなか良いこと言ってるよな」

そう言って一人軽く頷くと、彼はまた教科書に視線を落とした。

「なーんだ、ただの漢字の創りの話じゃん。」

そんな彼の言葉を小馬鹿にするように彼女は笑った。そしてその彼女の態度を彼は見逃していなかった。

⏰:08/09/18 11:39 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#488 [イツワリ(2/3)◇東脂ヤ転
「本当にお前は馬鹿だな。何で俺が今このタイミングでその言葉を発したのか分かってないだろ?」

「…分かりたくもないけど」

「例を一つ上げよう」

彼は彼女の言葉を無視して話を続ける。

「さっきから何でお前はここに居るんだ?
図書室は勉強する奴が居る所で、お前みたいな勉強嫌いが居る場所じゃないぞ?」

一見、物凄く冷たく聞こえる彼の言葉に、慣れているのか彼女は真顔で返答する。

「そんなの決まってるじゃん。アンタがあたしと一緒に居たいと思って付き合ってあげてんの」

「俺の為に?」

「そ!アンタの為に」

⏰:08/09/18 11:43 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#489 [イツワリ(3/3)◇東脂ヤ転
「それが"偽り"だって言ってんだよ。誰がいつそんなこと頼んだ?」

「…あ………」

ここで初めて彼女の言葉が途切れた。
一方彼は「勝った」とでも言いたげな笑みを浮かべる。
しかし、

「ナルホド…分かった」

「?」

その時彼女が閃いたように身を乗り出した。

「あたしがココに居るのはアンタの為じゃなくて、あたしの為だ」

「…は?」

思いがけない答えに彼は困惑する。
しかしそれとは逆に彼女は自信たっぷりに言う。

「だってあたしがアンタの側に居たいから、その為に居るんだよ。
これなら"偽り"じゃないでしょ?」

満足げに笑う彼女を見ながら、彼は呟く。

「本当、お前にはかなわねぇよ」

偽りの無い笑顔がそこにあった。

⏰:08/09/18 11:46 📱:W52P 🆔:☆☆☆


#490 [◆vzApYZDoz6]
勢いが衰えてきたな…

思いついたらなんか書こう

⏰:08/09/22 03:04 📱:P903i 🆔:7iMRmRKM


#491 [梓◇星空(1/3)]
――ねぇ、武志。あたしはあの空の星になるよ。



――…‥


彩奈はいなくなった。



人は死んでも、星になんかならない。

いなくなってしまえば、あの笑顔を見る事も、手を繋ぐ事も、髪を撫でる事も、キスする事も、抱き合う事も、できない。
すねた彼女の機嫌をとるためにラムレーズンのアイスを買ってあげる事も誕生日にサプライズで喜ばせる事もつまらない話を聞いてあげる事も俺の腕の中の寝顔を見る事も寝ている彼女に好きだと囁く事もできないもう俺は彩奈を見れない触れられない聞こえない彩奈はもういないいないいないいない――――



.

⏰:08/09/22 13:03 📱:SO703i 🆔:☆☆☆


#492 [梓◇星空(2/3)]
俺は彼女に生きていて欲しかった。それは彼女がまだ若くて将来があったからではなく、彼女の夢を応援していたからではなく、彼女の周りのみんなを悲しませるからではなく、俺が寂しいからだ。それだけの理由だ。



自分勝手だ。
治療が辛いと泣く彼女の気持ちより、俺は残される俺の事ばかり考えていた。でも、みんなそうだろう?

倒れた彼女を腕に抱いて「助けてください」だなんて叫んだ奴も、彼女を助けて欲しかったんじゃなくて押し潰されそうになる自分を助けて欲しかったんだ。

でも、俺はそんな事できなかった。葬式で彼女にすがりついて泣く事もできなかった。無駄だとわかっていたから。
祈りなんてものは、自分の心の捌け口でしかない。神がいるかどうかは知らないが、それは大抵、何もしてくれない。

⏰:08/09/22 13:25 📱:SO703i 🆔:☆☆☆


#493 [梓◇星空(3/3)]
それでも、もしかしたら、俺はそうするべきだったのかもしれない。すがりついて、泣き叫んで、死んじゃ嫌だ、と。それもまた、祈りなのだろう。
祈るという行為は、その祈りが誰かに向けたものだったとしても、結局は自分のための行為に他ならない。





彼女が残してくれた優しい嘘は、残される人にとって幾らかの救いとなった。

俺は今日も星空を見上げ、彩奈が幸せであるようにと、祈る。

⏰:08/09/22 13:35 📱:SO703i 🆔:☆☆☆


#494 [瞼の憂い(1/3)夕凪]
それは、まだ私が十代だった頃。親戚の居る0県へ電車で行った帰り道に出会った出来事だ。

私は、乗り継ぐ駅を間違え、見も知らぬ土地の小さな駅で、夕日を恨めしく睨んだ。駅の地図によると、故郷の隣のF県の、小さな村のようだった。故郷へは、県境の山を越えるか、大きく迂回するしかない。どちらにしても、その日の内の帰宅は無理だった。乗り継ぎを間違えた自分と、折り返しの電車の無い小さな山村をうらんだ。
仕方なく駅を出ると、古びた木製のベンチに、美しい和装の女性が座っていた。女性は当時の私と同じ位の年頃にみえた。少し虚ろな目で、小さく鼻歌を歌っている。彼女に宿はないかと尋ねた。彼女は、ゆっくりした喋りで、宿はないが、自分の家に空き部屋が有るので家に来ないか、と提案した。十代の私には願ってもない事で、鼻息あらく頷いた。美女の家へ向かう道のりで、彼女が二十歳で伊織と言う名である事、街へ戻る電車は三日後にしか出ないという事を知った。

肩を落とし着いた場所は、大きな洋館で伊織さんは、そこのお嬢様のようだった。大きな扉の前で、姉やさんに訳と私の名前(木村衛)を名乗り中に入った。

⏰:08/09/22 14:35 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#495 [もう戻らない(1/3)電源]
今日は4月1日。
僕の前に大きなケーキが置かれた。
いつもより豪華な料理が食卓に並ぶ。
お母さんはマッチを握って準備万端だ。お父さんはぶつぶつ言いながらカメラをいじっている。
毎年変わらない風景。

「そろそろ始めようか。お父さん、カメラの準備はいい?」

ろうそくに火が灯った。
いちごにくまにウサギ。その間には僕の名前が書かれたチョコレートものっている。

「待って待って……よし、いいよ。」

⏰:08/09/25 22:20 📱:N903i 🆔:aBurfd3Y


#496 [もう戻らない(2/3)電源]
部屋の電気が消える。
ろうそくの炎がそれぞれの顔を淡く照らし出した。

「ユウちゃん、フーってしていいよ。」

お母さんは心なしか涙声だ。
今年こそは一息で全部消したい。
今、僕を包むのは幸せな少しの緊張感。
僕はふるふると震えた。
口を大きくあけて周りの空気を全部吸い込む。
これくらいの意気込みがなければ一息で消すのは難しい。ろうそくは年々増えるから尚更だ。

身を一度ひいて今度は乗り出す。
僕の身体は風船のようにふくらみ、一瞬でしぼむ。
身体中の空気を口から吐き出す。

フーーーーッ

⏰:08/09/25 22:21 📱:N903i 🆔:aBurfd3Y


#497 [もう戻らない(3/3)電源]
揺らめく炎。
シャッターが鳴った。
炎は消えない。
少し揺らいだだけで変化はなかった。
炎はお父さんとお母さんを照らしている。

―今年も消せなかった。

お母さんが僕の方を見て小さく微笑んだ。

「お母さんね、今でもあれはユウちゃんの嘘だって願ってる。どんな嘘でも怒らないから帰っておいで。」

お父さんは震える肩を抱き寄せた。僕の方を見る。

「ユウタ、18歳おめでとう。」

ろうそくは2人を暖かく照らす。
炎は消えない。
僕は静かに微笑んだ。

―ありがとう。

⏰:08/09/25 22:23 📱:N903i 🆔:aBurfd3Y


#498 [ラブレター(1/3)あんみつ]
 

大好きな人に手紙を書いた。

私の気持ち、全部込めて手紙を書いた。


届きますように。

この気持ち、あなたに届きますように。

願いながらその手紙、あなたのかかと履き潰した上履きの上に置いた。

.

⏰:08/09/26 14:51 📱:D904i 🆔:7xTSTCD.


#499 [ラブレター(2/3)あんみつ]
 

あなたが来た。

あなたは何も言わない。

私はあなたを見れない。


きっと、届かなかった私の気持ち。

それでも、伝えたかった私の気持ち。


誰もいなくなった教室で、一人涙をこらえてた。

.

⏰:08/09/26 14:52 📱:D904i 🆔:7xTSTCD.


#500 [ラブレター(3/3)あんみつ]
 

その時、あなたが来た。

私のところにあなたが来た。


驚いて目を見開く私にあなたは言った。

「・・・一緒に帰ろっか」

照れた時、目線を少し左にそらす。

あなたのその癖、ずっと見てたから知ってるよ。


・・・気持ち、届いた?

.

⏰:08/09/26 14:54 📱:D904i 🆔:7xTSTCD.


#501 [◆vzApYZDoz6]
おおw
いつの間にか折り返し地点にw
とりあえず
>>491-493
>>494
>>495-497
>>498-500
皆さん乙っす!

折り返しで何かやろうかなーとか考えてたけど何も思い付きませんw

⏰:08/09/26 18:37 📱:P903i 🆔:hjI7VTjs


#502 [英]
はじめまして^^!
いきなりすみません。聞きたい事がありまして…

ルールが3レス以内との事で…やはりルールに書いてあるように、それ以上の少し長くなったものは駄目ですよね…(´`;)?こちらに書こうと思って考えたものが長くなってしまって;;;

⏰:08/09/30 03:25 📱:W53T 🆔:vKD6JVY6


#503 [◆vzApYZDoz6]
>>502
返事遅くなってすみません!

まぁ多少は大丈夫ですよー

ちなみに、最高120行(1レス40行)まで書けるので、3レスは思っているより長いですよ

⏰:08/10/04 02:03 📱:P903i 🆔:pZXk7L.U


#504 [英]
>>503
限界まで書いた事なかったのでそんな書けるとは知りませんでした(´・ω・`)

なら3レス以内ですむかもしれません^^!お返事有難う御座いました!オーバーした場合はごめんなさい;;

⏰:08/10/04 15:05 📱:W53T 🆔:VPxnXd7.


#505 [タイトル未定(1/3)英]
夏が終わり、雨が降り続いた。
雨が降る度に風は徐々に冷たいものへとなり、秋が始まったのだ。



久々に晴れた空は青く清々しかったが、私の心は空のように清々しくはなかった。

進学、就職。
そんなものまだ先の話と思って何も考えず過ごしていたら、あっという間に高校三年の二学期が始まってしまった。いや、もう三学期へと時は進んでるんだけど…そう思うと深い溜め息が出てくる。

鉛のように重たい足を引きずり、学校から家へと帰る途中にある、小さな公園へと入った。
たった一つだけのベンチに腰掛け、私は何をするわけでもなくただボーッと空を見上げていた。冷たい風と一緒に流れて小さい子達の楽しげな声。


昔はよく此処で遊んだっけ…。


学校や家とは違い、進路の事を言ってくる者も焦りや不安、苛立ちを与えてくる者も居なく、とても落ち着ける。

⏰:08/10/04 15:29 📱:W53T 🆔:VPxnXd7.


#506 [タイトル未定(2/3)英]
どの位時間が経ったのか…相変わらず空を眺めている私の元に、黒のランドセルを背負った幼い少年が歩み寄って来た。
無言のまま私の隣りに座る少年。だが、その瞳はずっと私の方へと向けられた。

じぃっと見られているのに耐えられなくなった私は相手が小学生だと言うのに不機嫌丸出しで口を開いてしまった。


「…何よ」
「別に」


あれだけ見ていたくせに返ってきたのはたった一言。
最近の小学生は生意気だな…なんて心で悪態をついていると、今度は少年が口を開いた。

「お姉さん、高校生でしょ……サボり?」

何を言うかと思えばコイツは…。まあ確かに…昼前で、しかも公園で暇そうにボケッとしている女子高生を周りが見たらサボっているように見えるのかもしれない。


「…今日は午前で学校は終わりなのよ」
「ふーん」


そこからまた無言。
私がさっきまでしていたように少年も空を見上げていた。
――変な子。
なんて思うが、邪魔だとかウザイとか、そんな言葉は全く出てこなかった。

⏰:08/10/04 15:49 📱:W53T 🆔:VPxnXd7.


#507 [タイトル未定(3/3)英]
"

「ねえ、飴食べる?」
「苺味以外なら」
「ごめん。私苺味しか買わない人間だから」


相当苺味が嫌いなのか…少年は吐く様な顔をしたので嘘だと言って色んな色の飴玉を渡した。

「君、いつも此処にくるの?」
「たまーに」
「そっか」

今日、此処に来たのは気紛れだったのだろうか。もしそうだとしたら、その気紛れが今日向いてくれて良かったと思えた。


「僕これからママとお出かけだから帰るね」
「うん、バイバイ」


ベンチから下りると少年は手を振る私を見て、右手を差し出してきた。
何だ何だと思いその小さな手を見て見ると、そこには私があげたモノとは違う飴玉が一つ。

「有難う」

受け取って御礼を言うと、少年の顔が生意気なものから可愛らしい笑みへとなり、公園から出て行った。



貰った飴玉を口に入れれば広がる、大好きな苺味。そしてそのままもう一度空を見上げれば私の頬は自然と緩んでいった。

「また会えるかな」

また、あの不思議な少年に。


一人笑みを零し、自分も帰宅しようと立ち上がると重かった足はとても軽くなっていた。

⏰:08/10/04 16:32 📱:W53T 🆔:VPxnXd7.


#508 [英]
>>505
冷たい風と一緒に流れてくる小さい子達の楽しげな声。
です。間違えました;

⏰:08/10/04 16:41 📱:W53T 🆔:VPxnXd7.


#509 [◆vzApYZDoz6]
>>505-507
乙っす!

⏰:08/10/06 17:52 📱:P903i 🆔:AgtI2yAg


#510 [紫陽花]
あげまーす!!

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600

⏰:08/10/17 00:37 📱:F905i 🆔:T5TgBx/w


#511 [我輩は匿名である]
頑張ってください

⏰:08/10/17 11:06 📱:PC 🆔:CKUgJZX.


#512 [果樹]
参加させていただきます!

⏰:08/10/17 12:25 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#513 [甘い夢(1/3)果樹]
陽介と知り合ったのはホストクラブ。

初めて友達と行って私の席についたのが陽介だった。なんだか話が妙に合って、そのまま指名した。

それから陽介の店に何度か遊びに行ったし、メールも電話も毎日した。
私はまるで彼女気分だった。

ある夜、陽介といつものように電話していた。

「次はいつ遊びにくるの?」

「気が向いたら」

「いつだよ」

私の言葉に笑って返す陽介。

⏰:08/10/17 12:27 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#514 [甘い夢(2/3)果樹]
陽介の声が好きだった。
甘えてくるようななんともいえない声。

私より五つも年上なのにそんなの感じさせないしゃべり方や服装。

全てが愛しかった。

「俺ね。猫飼い始めたの。レオちゃんていうんだよ」
猫を呼ぶときのあの声がなんだか羨ましくて私は猫になりたいって思った。

無条件で私の好きな人の側にいられるその猫がなんだか憎らしかった。

だから思わず聞いちゃったの。

「ねぇ陽介。あたしたちってなんなのかな?」

「は?」

⏰:08/10/17 12:28 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#515 [甘い夢(2/3)果樹]
「あたしたちの関係ってなんなのかな?」

陽介は言葉に詰まっていた。

嘘でもいいからなにか言って欲しかったけど陽介は結局なにも言ってはくれなかった。

だから私は気付いてしまった。

ああ。この恋は実らないんだって。
私は甘い夢を見すぎたんだって。

あれから私は陽介に会っていない。
もちろん連絡もとってない。

ねぇ陽介。あなたは今も元気でやっていますか?
まだホストを続けているのかな?

私は本当にあなたが好きだったよ。
甘い夢をみさせてくれてありがとうね。
さようなら。

⏰:08/10/17 12:29 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#516 [果樹]
みっつめは甘い夢(3/3)です。

⏰:08/10/17 12:30 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#517 [命日(1/1)果樹]
「お前なんか死ねばいいのに!」

本当だね。

「なんで生まれてきたのかしら」

うんごめんなさい。

「お前の顔なんてみたくないのよ」

それはあたしも一緒。

大丈夫だよお母さん。
心配しないで。
もうすぐあたしの顔なんて見れなくなるよ。

だってお母さんは今日あたしに殺されるんだもん。

お母さんの悲痛に歪む顔が楽しみだなぁ。

ふふ・・・ふふふふふ。

⏰:08/10/17 12:44 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#518 [かすかな記憶微妙な関係(1/3)]
『あっ....』
持っていた小銭が落ちた。

――チャリーン
当然大きな音はなるだろう。


誰かが近づいてくる..

怖い怖い……
何かされる――――。

ギュッと目をつむったその時
誰かの大きな手が.
そっと落とした小銭をすくい上げた。

⏰:08/10/17 23:23 📱:D904i 🆔:hfZ1KwdM


#519 [かすかな記憶微妙な関係(2/3)]
『あ..ありがとうございます』
目が見られない。


この人の香り..
好きだなあ

そっと相手の顔をみる。

その顔は優しく.
可愛くて私の好み。

『あの..』
名刺が私の手に……。

なんて答えたらよいかわからず『ありが…とう』

⏰:08/10/17 23:27 📱:D904i 🆔:hfZ1KwdM


#520 [かすかな記憶微妙な関係(3/3)]
たった一言そうゆった。


その後めでたく
連絡が長続きした末.
おつきあいすることになる。



奇跡的な出会い。
それは時に幸せを意味し
稀に不幸な結果となる。

なんぶんのいちかわからないけれど.
あなたと出会えたこと.
心から誇りに思います。

ありがとうございました。

⏰:08/10/17 23:34 📱:D904i 🆔:hfZ1KwdM


#521 [安価行動の妙(1/1)◆vzApYZDoz6]
事実は小説よりも奇なり、とはよく言ったものだ。

『……ねぇ、ユウヤ君? ユウヤ君なんでしょ? 分かるよ、キミの事なら。息遣いだけでも分かる』

電話の向こうの彼女の声は少しも変わってなくて、俺は何の理由もなく泣きたくなった。

『元気にしてる? 私は…相変わらずだよ。あの頃と、何も変わってない』

俺は電話を握りしめてから、どれくらい沈黙を守り続けているだろうか。
半分以上灰になった煙草が、灰皿の上で危ういバランスを保っている。

行き場を失って虚ろう視線が、目の前にあるディスプレイの文字列を捉えた。

【先月彼女にふられた25歳無職童貞が安価でイタ電(147)】

我ながら、くだらないスレタイだ。

『ふふっ……ね、ユウヤ君。あんまり夜更かしして変な掲示板ばっかり見てたら、目、悪くなっちゃうよ。
──じゃあ、ね。体、気をつけてね』

ぶつり、という通話が切れる音が、いつもより名残惜しげに聞こえた。

惜しくなんかない。別れを惜しむいとまはない。
俺は俺で、彼女は彼女で、もう別の道を歩んでいる。
お互いに人生はまだ長いし、やることだってたくさんある。


そしてなにより、安価電話の相手は、まだ10件以上残っているのだから。

⏰:08/10/17 23:41 📱:P903i 🆔:pkfPh73.


#522 [◆vzApYZDoz6]
あげるぜ

⏰:08/11/19 22:08 📱:P903i 🆔:qQoe6RDo


#523 [プリクラさん]
       

⏰:08/11/20 01:25 📱:PC 🆔:80r74rCs


#524 [きのこ。『私の夢。1/3。』]
「私の夢。私の夢は幸せなお嫁さんになる事です。優しくて背の高い旦那様と子供は女の子二人がいいです。
お家は屋根のある大きなお家でポメラニアンを飼いたいです。
そして、いつまでも幸せに暮らしたいです。」



25年前に書いた作文が押入からぐしゃぐしゃになってでてきた。
普段手抜きな掃除をしている私がなぜか今日は無性に押入を掃除したくなり、出てきたのは私の夢。なる題名の作文だった。
妙にリアルな夢に私は申し訳ない気持ちになった。25年前にタイムスリップ出来るならあの頃の私に謝りたい。


橘美智子。35歳。主婦。
旦那は優しくもなければ背も高くない無口な人。子供は女の子の夢叶わずやんちゃな男の子二人。家は団地住まい。犬はもちろん飼えず、夜中にカラカラ回るハムスターが二匹。ごめんね、25年前の私。描いた夢にかすりもしていません。


「行ってらっしゃい。はい、お弁当と麦茶。」
「…うん。」
最近の旦那との会話はまったくキャッチボールが出来ていない。
これで学位時代野球部だったなんて聞いて呆れる。
一度冷めた夫婦関係を修復させるのはかなり難しい。
それでも、好きになって結婚した相手だから私も修復させる為の努力はした。
しかし、どれも失敗に終わりむしろますます溝を深めてしまったんじゃないかと思うくらいだった。

⏰:08/11/28 22:27 📱:D905i 🆔:yAoJO7js


#525 [きのこ。『私の夢。2/3。』]
ただ一つだけまだ続いてるものもある。近所の田中さんが教えてくれたもので、確か「ラブレター作戦」とか言っていたかな。作戦と言っても簡単なもので、毎日のお弁当にメッセージカードを添えるだけのものだ。
最初はメッセージを書いて入れとくだけだったが、旦那が見てるのか見てないのかわからなかったので最近では返事欄なるものを作り旦那からの返事を楽しみに待つという作戦に変更した。


予想通り、始めて一年が経つが届く事のないラブレターばかり増えていく。始める当初からわかりきっていたが、いつかはいつかはと期待しつつ今に至る。


「愛してる」
この言葉までは望まないが、
「ありがとう」
この一言が欲しかった。そしていつものようにお弁当にメッセージカードを添える。

⏰:08/11/28 22:28 📱:D905i 🆔:yAoJO7js


#526 [きのこ。『私の夢。3/3。』]
「おかえりなさい、今日もお仕事大変だった?」
「…うん。」
いつもと変わらない会話。
お弁当と水筒を手渡されキッチンに向かう。
「いつになったら返事くれるんだろう…。」
ため息だけが出る。
空のお弁当箱を広げ洗おうとした瞬間、一枚の紙が足下に落ちた。
「一方通行の可哀想な私のラブレター…。」
そう言い手紙を拾い上げた。


「あっ。」
そこには久しく見ていない旦那のミミズみたいな字が見えた。
(もしかして…。)
と心躍らせながら、やっと報われた私のラブレターに興奮隠せず、
「ありがとう…かな。」
「お弁当おいしかった…かな。」
もしかしたら無口な彼だからこそ手紙では大胆に
「愛してる。かも」
などとまるで恋する乙女の様に想像を膨らませながら手紙を見た。



「麦茶に砂糖を入れるな。」



25年前にタイムスリップ出来るならあの頃の私に言いたい。
「麦茶に砂糖を入れて飲むのやめよ。」
とね。



そして私は今朝も麦茶に砂糖を入れる。
手紙はもう入れていない。その代わりに離婚届でも入れようかと思う今日この頃。

⏰:08/11/28 22:30 📱:D905i 🆔:yAoJO7js


#527 [きのこ。]
久々にきました
やっぱここゎ楽しいねみなさんの作品見て勉強にしてます

⏰:08/11/28 22:32 📱:D905i 🆔:yAoJO7js


#528 [我輩は匿名である]
>>527
乙でーす

俺も久々になんか書こうかな

⏰:08/11/30 22:32 📱:P903i 🆔:2BN2KbTQ


#529 [我輩は匿名である]
僕は呼びかける

「聡子…聡子聞いてくれよ?…」

彼女は黙っている

僕のことなど完全に無視だ

当然っちゃ当然か

僕が悪いんだから

「アドレスも連絡先も…相手からの履歴も消した…もう電話もメールもしないし、外で会ったりなんか絶対にしないから」

それでも、彼女の瞳の色は少しも変わらない

許す気などない…その決意に満ちた目だ

彼女がこういう目をしている時は絶対にテコでも折れない

何日でも僕を“シカト”し続ける

「許してくれ…本当に心から反省しているんだ」

彼女の髪の毛が一房、ふわりと揺れた

あ……嗤っているのかい?


>>530(僕の彼女2/3)に続く...

⏰:08/12/02 10:07 📱:PC 🆔:☆☆☆


#530 [我輩は匿名である]
「聡子ごめんよ…許す気になったのか?」

でも彼女は何も言わず、ただ妬まし気な目で僕を睨め付けるばかり

彼女が何を考えているのか

僕にはとんと理解できない

浮気のことがばれて、今朝家を追い出されたかと思えば、急に呼び出して「話し合いたい」だなんて…

嗤っているように見えた彼女の表情は、いつもどおりのポーカーフェイスに戻っていた

ふと、僕は気付いた

目の端に映る、ひらひらと風にゆられるカーテン

12月のこの時期にカーテンを開けっ放しにするなんて、と僕は窓を閉めに窓際に歩み寄った

「…閉めるよ」

キィキィ音をたてながら、窓を閉めた

いい加減、建て付けが悪くなったな…修理屋にでも見て貰うか

ぼんやり考えながら、僕は彼女の方に向き直った

どれだけ時間がかかっても構わない

彼女を説得しなければ…


>>531(僕の彼女3/3)に続く...

⏰:08/12/02 10:18 📱:PC 🆔:☆☆☆


#531 [我輩は匿名である]
「許す気なんてないわ」

ずっと黙っていたのに、彼女が口を開いた

やはり許せないか…当然だ… 僕はすっかり彼女を説得する気が失せてしまい、その場で項垂れた…これでもう、終わりなのか、と―

「だからアナタも、もう観念して」

次の瞬間、右の前頭部に激しい衝撃 何かがあたったような…続けざまに数回の衝撃の後、僕はその場に倒れ込んだ

意識を失う直前、僕の目に飛び込んできたのは、鎌を左手に持った女の姿
それは“彼女”ではない、別の女。彼女はまだ椅子に座ったまま、変わらぬ瞳で僕を睨んでいる

「………お前……………なんで……」

僕のつぶやきをかき消すように、最期の一撃が僕の頭めがけて振り下ろされた

女はしばらくそのままボンヤリと立っていたが、ハッと気がついたようにその鎌を、座っている“彼女”に無理矢理握らせた

死後硬直が始まっている“彼女”の手は固かったが…

「…これでよかったのよね?聡子さん」

女はそれだけ言い残すと、ゆっくりと部屋を出て、それきり二度と戻らなかった。

⏰:08/12/02 10:46 📱:PC 🆔:☆☆☆


#532 [渚坂 さいめ]
あげます

⏰:09/01/03 15:06 📱:F905i 🆔:DDHmQNGU


#533 [願いを叶えるための遺言(1/2)]
「死ぬ前に一度だけ死んでみたかったわ」

そう言ってクスリと笑う彼女の唇はまるで朝露に濡れた百合の花のように艶めかしく、僕の視線を捕らえて離さなかった。


「なにを言っているのかよく分からないよ」

思ったままを口にした僕は急に自分がとても幼稚で無知な人間のように感じられた。

彼女といるとそんな風に自分を見てしまうことが度々あったのだった。

外を歩いていても、昼食をとっていても……。そして僕と一緒に深い闇のようなベッドの中でまどろんでいる時でも。

彼女は息を吐くのと同じぐらい自然にポロリと訳の分からない言の葉を零す。


「あなたにはまだ分からないわね……」

そして決まってそう言うのだった。


そしてその言の葉はコーヒーをまだ苦いと感じてしまうような、まだ大人になりきれていない自分の内側を、尖ったナイフで削り取られるような感覚を引き起こす。

僕は密かに彼女の言葉を、いや、彼女を一点の光も届かないような心の奥の方で恐れていたのかもしれない。

⏰:09/01/13 23:20 📱:F905i 🆔:cnnAJJEE


#534 [願いを叶えるための遺言(2/2)]
僕は胸に広がる恐れを押しのけるように、力任せに隣で微笑んでいる彼女を抱きしめた。

僕が恐れる言の葉を零す唇を僕の唇を使って無理矢理塞いでやると、またも自分は幼稚な人間だと虚ろな思考が僕を責める。

それは本当に惨めで、なんて滑稽な姿なんだろうか。


「死にたいなんて言うなよ……」

それが今、僕に言える最大限の彼女への抵抗だった。



そして次の日の朝、彼女は僕の前から忽然と姿を消した。

彼女は己の願いを成し遂げたのだ。

僕の目の前から消えることで、僕の中のリアルな彼女は消え去ってしまった。

もうその柔らかい胸に顔を沈めることも、優しい微笑みも、僕を突き刺す鋭い言の葉も、僕の隣にはいない。つまり死んだも同然なのだ。


けれど彼女はこの世界から消えたわけではない。

彼女はまだどこかで呼吸をしている。

シーツに染み込んだ彼女の残り香がそう言っている気がした。

---end---

作者は
元:紫陽花
現:渚坂 さいめ です^^

⏰:09/01/13 23:22 📱:F905i 🆔:cnnAJJEE


#535 [あめ(1/1)]
ざあざあざあ。
きょおわ、あめです。
ママといっしょにおでかけです。パパにカサをとどけにいくの。

ぴちぴち、じゃぶじゃぶ、らんらんらん

おうたをうたうとね、あめがおどります。
たのしいね、たのしいね
わたしも、ママもにこにこです。

ぴちぴち、じゃぶじゃぶ、らんらんらん

はやくかいしゃにつかないかな
はやく3にんでかえりたいな

ぴちぴち、じゃぶじゃぶ…

「どうしたんだ、こんな所まで!」
みあげると、パパでした。あたまにカバンを乗せたパパでした。とってもおどろいたかおをしています。

「傘…持ってきてくれたのか。」
そうだよパパ、えらいでしょ?
あなたが風邪引いたら大変だから…とママもいいました。
「こんなに濡れて…ありがとうな。早く一緒に帰ろう」
わたしとママは、えがおでうなづきました。



『ワン!』

⏰:09/02/13 17:46 📱:N904i 🆔:hcPdkTbc


#536 [[はつこい](1/3)あかり]
春が好きだ。

いや、初夏、といった方が妥当かもしれない。
桜の花が散って、若葉が出て来た頃が好きなのだ。

どういう訳か、何かが起こりそうな予感が湧いてきて、わくわくしてくる。


別の誰かはこう言った。

桜の花が散ってゆく様が好きだ、と。
散ってゆく花びらが、雪のように儚くて綺麗だから、と。

⏰:09/02/15 22:36 📱:SH904i 🆔:oDtqLGpY


#537 [[はつこい](2/3)あかり]
女だった。顔はもう思い出せない。

けれど優しい声色だったのは覚えている。

こうやって話していた様子を思い出すと、必ず胸が焦げるような感じがした。

それと同時に、酷く甘く、酷く熱く、酷く切なくと、激しく気が昂った。

⏰:09/02/15 22:38 📱:SH904i 🆔:oDtqLGpY


#538 [[はつこい](3/3)あかり]
この熱情は何だろう。

この淡い心は何だろう。

悶々と考えるが、答えは出ない。


春が好きだ。
その春がまたやって来る。

行ってみようか。

不意にそう思った。

行ってみようか、あの場所へ。あの桜並木が続く公園へ。

もしかしたら、答えが出るかもしれない。

⏰:09/02/15 22:41 📱:SH904i 🆔:oDtqLGpY


#539 [渚坂さいめ[ホワイトデー(1/3)]]
ある晴れた日、僕は突然声をかけられた。

「お、おい。お前ホワイトデーって何すればいいか分かるか?」

声をかけてきたのは宇峰央里だった。

ホワイトデー?
確かにそんな行事があった気はするけど……、そんなに目を血走らせて内容を考えるような行事だったかな?

「何って言われても……。そもそも央里は誰かからチョコ貰ったわけ……?」

「ゔ……。えーと、ハルキに貰った」


そう言えばハルキはみんなにチョコを配ってたっけ。
僕は……あれ?貰ったっけ?


「だからさ、バレンタインデーのお返しって何あげていいか分かんなくって。
傳って経験豊富そうだし、なんか知ってるだろ!?」

「いや、僕は決して経験豊富じゃない。そこは否定させてもらう。

でもまぁ、聞いた話では普通ホワイトデーにはマシュマロをあげるらしいけど……」

「ハルキ、マシュマロ嫌いって言ってた……」

「あれ?なんで嫌いって知ってんの……?」

「……っ、たまたま聞こえたんだよ!!」

⏰:09/03/27 00:27 📱:F905i 🆔:ErRKzwfM


#540 [渚坂さいめ[ホワイトデー(2/3)]]
ははーん。
リサーチ済みって事は央里も何気にハルキの事が気になってんだな。

ホワイトデーのお返しと言えばマシュマロって相場が決まってるんだけど、それが嫌いだったから焦って僕を頼ってきたわけね。

ここは僕の出番って事か。


「そーだね……。食べ物は好き嫌いが分からないからやめた方がいいかも。もっと無難に……」

「無難に?」

「無難に花束とかでいいんじゃない……?」

「花束!!それいいな!!!!早速買ってくるわ」

「あ……」

行っちゃった。
花言葉には気をつけた方がいいよー、って言いたかったのに。
僕の経験上、女の子って花言葉とか細かいところに敏感だからね。

ま、店員さんが選んでくれるから心配いらないかな。




って、もう帰ってきた。

あーあー、そんなに振り回したら花びらとれちゃうって。

バカ、ハルキはあっちだって。男子トイレに居る訳ないだろ……。

そうそうそっち。
さて、僕は隠れて様子を見守りますかね……。宇峰央里の一世一代の晴れ舞台ってやつかな。

⏰:09/03/27 00:28 📱:F905i 🆔:ErRKzwfM


#541 [渚坂さいめ[ホワイトデー(3/3)]]
「ハ、ハルキ……。これバレンタインデーのお返し……」

「……何これ?」


ぅわ……。
ハ、ハルキの目が怖い!!頑張れ央里!!もう一押しだ!!そのまま押し倒してしまえ……!!


うん。押し倒しちゃ駄目だけど、ハルキもまんざらじゃないみたいだし……。
これはひょっとしたら、ひょっとするかも。


「ゔ、ちょっと汚くなっちゃったけど花束だよ……。食べ物は何が好きか分かんなかったからモノにしてみました」

「ふーん……。この黄色いの、なんて花?」

「えっと、忘れた……」

「あっそ。……でも、ありがとう」


おっ!!
いい感じになってきた!!

じゃあ、覗き見なんて野暮なまねはこの辺にしといて、おじゃま虫な僕は退散するとしようかな。


ちなみに央里が買ってきた花の名前は「サンピタリア」で、花言葉は「愛の始まり」。


本人が花言葉を知っていたとは考えられないけど、偶然にしちゃあ今の央里にピッタリな花だと思っちゃうのは僕だけかな?

傳・央里・ハルキ [jpg/38KB]
⏰:09/03/27 00:32 📱:F905i 🆔:ErRKzwfM


#542 [渚坂さいめ]
以上、アダムの唄の番外編でした

本編→http://bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/8607/

貼っているイラストは絵師様に描いてもらったものです。今考えると、なんとなくラノベっぽいですねw

イラストの無断転載・二次発布はやめてください

⏰:09/03/27 00:34 📱:F905i 🆔:ErRKzwfM


#543 [渚坂さいめ]
貼れてなかった……orz

本編:○アダムの唄○
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/8607/

⏰:09/03/27 00:45 📱:F905i 🆔:ErRKzwfM


#544 [【いつか、また1/3】みぉり]
「さてっ……と、これで全部かな?」


最後の段ボールを玄関先に運んで、ふぅっとため息をつく

振り返った部屋はガランとしていて、何もない



二人の写真も、季節ごとに飾った花も


お揃いのコップもお箸も………



「………空っぽ…だ」



私の心に、ぽっかり空いた穴と同じ

⏰:09/03/27 04:26 📱:N905i 🆔:9cJ2rwVY


#545 [【いつか、また2/3】みぉり]
やけに声の響く部屋を見回して、ふと目についたのは柱の傷


『ー……ね?私のほうが高いでしょ?』

『んなの、俺がすぐに抜いてやらぁっ!!』


…………こんな傷つけちゃって


そこにあるのは、二人の記憶
彼と私の背比べの跡


くすっと笑って、その傷を撫でる

いくつか刻まれたその傷は、彼の背丈ばかりが伸びた証

3年前より2年前が、2年前より1年前が、ぐんと成長した証



「おいっ!!荷物まだかぁ?」


下から呼び掛ける父の声に、はっと、慌てて部屋を出る

⏰:09/03/27 04:34 📱:N905i 🆔:9cJ2rwVY


#546 [【いつか、また3/3】みぉり]
靴を履いて、もう一度くるりと部屋を見回す


私がこれから入る場所は木のぬくもりはない、鉄筋造りの建物らしい

一刻も早く、私はそこを出られるようにならなくてはいけない


彼に手を上げない、強い心を持った母親になって


胸を張って彼を迎えに行くために
彼と共に、この部屋に帰ってくるために


また、あの柱に彼の記憶を刻めるように……


深く息を吸い込み、扉を閉めながら誓う



いつかまた、必ず帰ってくるからとー………

⏰:09/03/27 04:46 📱:N905i 🆔:9cJ2rwVY


#547 [みぉり]
初めて、こちらで書かせていただきましたm(__)m

いつも皆様の作品を拝読させて頂きながら、いつかは書かせていただきたいと思っておりまして今回、書かせて頂きました。


自分の作品がかなりの亀亀更新なのに、すいません(T_T)

駄文ですが、よろしければ読んでやってくださいm(__)m

⏰:09/03/27 04:55 📱:N905i 🆔:9cJ2rwVY


#548 [我輩は匿名である]
おおw
たまたま来たらあがってるじゃないかw

>>547
乙です
またいつでもどーぞ!


俺も久々にSSS書こうかなー

⏰:09/03/27 08:21 📱:P903i 🆔:xxY6cByU


#549 [[あのとき3/1]妃羅◆x1TI9uE9ik]
「カッコいい…」

─── あたし、桃。
今あたしが恋しているのは翼って奴。

そいつは超スタイル良くて
バスケ大好き。

あたしは帰宅部だから
いつもバスケを見学して帰る。

顧問に
「やってみるか?」と聞かれるが
やる気はない。

ただ翼に恋してるだけ。

今は片思い中。
もちろん翼に…ね。

⏰:09/03/27 10:19 📱:F01A 🆔:☆☆☆


#550 [[あのとき3/1]妃羅◆x1TI9uE9ik]
翼とは運よく席はとなりどおし。
いつも笑わせてくれる。
授業中もいつも楽しい。

最近気持ちが通じ合ったのかと思うくらい
翼と仲がいい。

普段髪を結ばないあたしが
友達にいたずらで結ばれていたら
「見たい!どんなん?」って聞いてくる。

好きな人聞いたら
顔を赤らめて逃げていく。

そんなんみてあたしは
可愛いな、ってただただ思う。

カッコいい時と
可愛い時のギャップがたまんない。


そんな日が続いて
あたしは告白することにした。

⏰:09/03/27 10:36 📱:F01A 🆔:☆☆☆


#551 [きく(1/2)有]
背中が冷たかった。
何だかよく分からない、体験したことのない冷たさだ。例えるならそう、水に濡れた指が背中を這うような、そんな。
部屋も同様に寒かった。薄暗い和室の中、わたしは部屋の隅にある仏壇に目をやる。
そこには背を丸めて俯くひとりの男がいた。彼が誰であるのかなんてすぐに分かった。わたしの配偶者、つまり夫にあたる男性だ。
彼は仏壇の前で何をしているのだろうか。義父さんだって、もう何年も前に亡くなったのだ。今更そんな風に湿った空気になるのは少しだけ違和感がある。
わたしは一歩前に歩みを進めた。

⏰:09/04/19 20:17 📱:PC 🆔:aFY8ZasA


#552 [きく(2/2)有]
仏壇には菊の花が挿してあった。白い菊だ。夫は正座した膝の上に握り拳を置いて、首を項垂れて下を見ながら嗚咽を漏らしていた。
何がなんだか分からなかった。それに、背中の冷たさと眠気が消えない。わたしはそんなに寝ていなかっただろうか。あるいは――

「ねえ、何をそんなに泣いてるの?わたしで良かったら聞くよ」
わたしがそう言ってもウンともスンとも言わず、ただただ下を向いて涙をこぼすだけの彼。無視か、そうか。なんだか頼りにされていないようで心がチクリと痛んだ。
わたしは彼の隣に同じように正座し、仏壇に向けて手を合わせた。菊の匂いが鼻をかすめる。目をゆっくり開けると、隣で声がした。
「何で俺は、子供も、妻も、…亡くさなきゃならないんだよ…」

目を開けた先に見えたのは、義父さんではなく、わたしの写真。
菊の香りが舞ったとき、初めてわたしは自分が死んでいることに気づいた。

⏰:09/04/19 20:26 📱:PC 🆔:aFY8ZasA


#553 [Sense(1/2)]
レイは、勇気をふりしぼって一歩外に出てみた。

顔に、手に、身体全体にとめどなく降りかかる大きな雨粒。
レイはおもむろに手を天へと差し伸べる。
いくぶんか震えているその手は、しかし確かな強さを持って雨を感じていた。

だんだんと雨足が強まってくる。

レイの着ている赤いワンピースが水を吸って次第に重くなっていっても、レイはそこを動こうとはしなかった。

ただひたすらに、降りしきる雨の中を立っていた。

⏰:09/04/25 01:10 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#554 [Sense(2/2)]
どれくらいの時間が経っただろうか、レイはずぶ濡れのまま家の中に入った。
玄関で、白い杖をついたびしょ濡れの娘を見たジェシカは驚いた。
「まあ、レイ…何をしていたのよ、まったく。外はまだ私と一緒じゃないと危ないって言ったじゃない。」
「庭に出ていただけよ…それよりママ、私やっと『雨』がどんなものか理解できたわ。雨ってすごいのね。ずっと糸のように水が降ってくるものだと思っていたのだけれど…違うんだわ。粒よ、粒。幾つもの水の粒が、私の手のひらではじけて溶けていくの。まるで宝石を浴びてるみたいだったわよ。私の目ではそれを見ることはできないけど、手のひらで感じるの。きらきらと天から宝石が降っているんだわ…きっと。」

見ることが叶わないのなら、感じればいいのだ。
盲目こそが世界をより正直に享受できるのだと、レイはこのあと何度も強く思うようになるのであった。

⏰:09/04/25 01:26 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#555 [愛し(1/2)]
愛しい。

愛しい。

朝からずっと、こんなことばっかり考えてる。

愛しい。

仕事が手につかない。
早く家に帰りたい。

家には世界で一番愛しい妻と世界で一番かわいい娘が待っている。

俺、本当に結婚してよかった。

⏰:09/05/16 13:48 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#556 [愛し(2/2)]
結婚してから2年。
ずっと幸せだったけど、最近娘が生まれてからは本当に幸せで。
家にいて娘を見ていると、嬉しいような、なんだか泣きたくなるようなそんな気持ちになる。
古文には「愛し(かなし)」という言葉がある。語源は「愛する人を思うと、幸せと同時にもの悲しくなるから」らしい。

まさにそれ。
愛しすぎて感極まってきちゃうんだよな。


俺、これからもっといい「お父さん」になるから。頑張って二人を守るから。

だから、いつまでも笑っていて。

⏰:09/05/16 13:56 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#557 [渚坂]
定 期 あ げ !

⏰:09/05/25 19:58 📱:F905i 🆔:Kt2brzEY


#558 [1日(1/2)]
今日も彼女は、とっておきの笑顔を見せながら僕に話し掛けてくる。

「おはよう」

たったこの一言が、僕にとってどれだけ嬉しいことか。
毎朝この言葉で、僕は1日頑張ろうと心から思えるんだ。

はじめはまったく僕になついてくれなくて、本当に困った。
どんな話をしても、どんな動作をとっても反応は皆無と言っていいほど。
当時新米だった僕は、こんな仕事選ぶんじゃなかったかなって苦悩する日々が続いた。

⏰:09/05/25 20:44 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#559 [1日(2/2)]
ある日、僕が趣味のトランペットを磨いていたときのこと。
「…それ、なに」
僕はもちろんびっくりして、「こ、これかい?これはトランペットって言うんだよ」とつぶやきながら、マウスピースを取り付けて吹いてみた。

「…!」

その日から、彼女は少しずつ心を開いてくれるようになった。

動かない手足。
細い腕に突き刺さる点滴。彼女はそれでも懸命に、僕のする話に相づちを打ち、笑い、泣き、驚いた。

やがて人工呼吸機が取り付けられるようになってからも、僕は毎日変わらず彼女に様々な話をした。


あとになって僕は彼女の余命を知らされた。

不思議と気分は穏やかだった。


余命があろうとなかろうと、僕にできることはただ一つ。
1日を無駄にしないこと。1日1回、彼女に話を聴かせてあげる、ただそれだけのことがどれほど彼女を助けているのかは分からない。

けれど、自己満足かもしれないけど…
僕は彼女の笑顔が見れることしかやりたくないんだ。逆に言えば、それしか方法がないんだ。



今日も彼女はとっておきの笑顔を見せながら、僕に話し掛けてくる。

「ありがとう」

⏰:09/05/25 21:00 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#560 [[世界が開いた夏(1/3)]渚坂]
チリン―……

風鈴の音が耳に心地よい涼を運ぶ季節、私は一度目の前の縁側に腰掛け、ただ黙々と本を読む男に尋ねたことがあった。お前は私が不気味ではないのか、と。


「不気味?はは、まさか」


カラカラと渇いた笑い声とともに私の疑問は否定された。やつは左手にもっていた小説をパラパラとめくっていたかと思えば、何かを思い出したように頭を上げその漆黒の瞳が強く私を見つめた。
もちろん、彼の瞳に映る私の姿はない。私は鏡にも映らないし、水面にも映らない存在だから。


「いくら君が霊魂だとしても僕はちっとも怖くないよ。むしろ大歓迎だね」


それはお前が小説家だからだろう?ネタが欲しいだけなのだろう?と言い返せば、やつは私から視線を小説へと戻して小さく笑うだけだった。否定は、しない。


「現実は小説よりも奇なりと言ってね、僕は君のような存在が大好きなんだよ」

「……それは告白として受け取っていいのか?」

「それは困るね。幽霊に惚れるほど僕は愚かじゃない」


嗚呼、私がやつの家に来て一年が経つ。つまり都内の一角に隠れるようにして佇むこの家の主人と出会って一年が経つ。最初は私が他の人間に見えないことがすごく怖くて、自分は本当に死んだのだと痛感し涙を流すこともしばしばあった。

だが、それにももう慣れた。


「霊魂という存在にはたいそう興味があるけれど、君自身には全く興味ないから安心してよ」


真っ直ぐに私を見つめて話すやつの言葉は、もう動いていない私の心の臓に爪をかけ、深い傷をつける。

それにはまだ、慣れない。

……私が人間に恋して一年が経つ。

⏰:09/07/11 19:00 📱:F905i 🆔:tSzZ2Nw.


#561 [[世界が開いた夏(2/3)]渚坂]
チリン、チリン―――……


やつは一日を縁側に座って過ごす。左手には読みかけの小説を、足下には蚊取り線香を設置して。
少し伸びた前髪の下には銀縁の眼鏡をかけ、やつが鬱陶しそうにスラリと長い足を投げ出せば、たとえ今の格好が甚平姿だとしても誰もが見とれてしまう。


「四条センセ、こんにちは。もちろん原稿できてますよね?」


そして、たまにやってくる編集局の人間に自作の小説の原稿を渡しては、また縁側に座り読書へと耽る。これが小説家『四条幸彦』の生活パターンだった。


「先生また一人で本読んでるんですか?たまには運動したらどうです」


夏であるにも関わらず、黒いスーツ姿の編集局の人間(名は清水という)は、来る度にやつを気遣う言葉と表情を見せる。
ぱっちりと開いた瞳、ほのかに上気した桃色の頬。この女は世間一般に言う『美人』の分類に属していると私は思う。


「君みたいな目麗しい女性と一緒なら運動してもいいよ」

クスクスと笑いながらやつは立ち上がり、部屋の中へ消えていく。


「ちょっと先生、それって私のこと美人だっておっしゃってるんですかー?」

「ふふ、そうとってもらって構わないよ。はいこれ、原稿」


先生は口が達者だから、とかなんとか言うにも関わらずしっかりと熱気を持った彼女の視線は艶めかしくやつを絡め取る。その光景は女の私から見ても背中がゾクゾクするような色気を感じた。

⏰:09/07/11 19:01 📱:F905i 🆔:tSzZ2Nw.


#562 [[世界が開いた夏(3/3)]渚坂]
たっぷりと見つめ合った後、清水さんはやつから原稿を受け取った。清水さんに私は見えない。だから見せつけているわけではないのだろうけど、それでも私は心を焦がしてしまう。

“私には肉体があるのよ”そう言われてる気がして、血液の通わない私の体が熱くなる。


「んふふ、今日は仕事中なんでもう帰りますね。今度オフの日に食事にでも誘いますわ。もちろん二人っきりで…。じゃあまた、センセ」


月に一回、仕事として清水さんは家にやってくる。そして月に五回彼女は“四条幸彦”の“密接な関係を持つ女”として家にやってきては密接な夜を過ごしている。



チリン、チリン、チリン―――……

もちろん事情を営んでいる間は縁側に出て邪魔にならないようにしているが、それでもやっぱり胸が苦しい。


「人間に惚れるなんて、なんて愚かな幽霊……」

自嘲気味に笑うと少し気が楽になった。




この家に来て一年。
やつに恋い焦がれてもう一年。
この一年の間にやつは恋人を六回変えた。この一年の間に私は六回も劣等感を味わったことになる。



チリン、チリン、チリン、チリン―――……


……嗚呼、風鈴の音が忌々しい。

⏰:09/07/11 19:02 📱:F905i 🆔:tSzZ2Nw.


#563 [我輩は匿名である]
あげるぜゴルァ!

⏰:09/07/29 12:25 📱:P903i 🆔://8hkJbU


#564 [渚坂]
定期あげ!

⏰:09/08/17 00:16 📱:F905i 🆔:SlJXxl/w


#565 [遠距離前(1/3)あんみつ]
 


踏切の音がする。

もうすぐ電車が来るんだ。

もうすぐ行ってしまうんだ。

そう思うと、ずっと我慢してたものがのどの奥からこみ上げてきて、私は唇を噛み締めた。

今、目の前にいる大好きな人は、これから来る電車に乗って私の知らない街へ行く。


.

⏰:09/08/17 14:36 📱:D904i 🆔:irKb7zTg


#566 [遠距離前(2/3)あんみつ]
────────



彼女が涙をこらえているのが、痛いくらい分かった。

俺は、口から出そうになる言ってはいけない言葉を必死に呑み込む。

言ってはいけない。

彼女には彼女の生活がある。

俺は無言で彼女を抱き締めた。



────────

⏰:09/08/17 14:38 📱:D904i 🆔:irKb7zTg


#567 [遠距離前(3/3)あんみつ]
このまま時が止まれば。

彼の腕の中で本気で思った。

そんな思いもむなしく、ホームに電車が停まる。

腕の力が緩むのが分かった。

そっと体を離して彼は言う。

「……じゃあ、行くわ」

嫌だ。

「……行ってらっしゃい」

行かないで。

ドアが閉まり、電車がゆっくりと動き出す。

いとも簡単に私と彼を引き離すこの箱が、今は憎い。

電車が見えなくなって、私は彼の温もりごと自分の体を抱き締めた。

言えなかった言葉がのどにつっかえて、今も、これからもきっと、ずっと苦しい。


.

⏰:09/08/17 14:39 📱:D904i 🆔:irKb7zTg


#568 []
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450

⏰:09/09/04 23:17 📱:SH904i 🆔:nVJyS6uk


#569 []
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:09/09/04 23:19 📱:SH904i 🆔:nVJyS6uk


#570 [別れ/渚坂]
「こんな終わり方しか出来ない俺って最低だよな」

自嘲ぎみにしか笑えない俺には言い訳をする資格も無いのかもしれない。俺のせいでボロボロになった彼女を前にしても、気の利いたセリフなんて一ミリも思いつかないのだから。

「でもお前とはわりと続いた方なんだぜ。前の奴なんか一週間しかもたなかったから」


今更昔話に花を咲かせようって腹じゃあない。でもこう言うことで、彼女を捨てる自分の精神を庇護しているしているのかもしれない。ああ、きっとそうだ。そうに違いない。


こんな俺を前にしても彼女は一言もしゃべらない。きっと彼女はその小さな身体だけでなく心までも乾きだしたのだ。

以前は潤っていた部分が一秒ごとに乾いていく。身体も心も。確実に。俺のせいで。



……これ以上は両者とも限界だ。無理、なのだ。


「じゃあな、コンタクト。俺は今日からお洒落眼鏡をかけるんだ。今まで世話になったよ」


右手に乗っていた使い捨てコンタクトを素早くゴミ箱に入れ、その手で黒縁眼鏡のフレームを掴み、難なく装着。


「よっし、いってきます!」


外は本日も晴天なり。

今日から俺は今流行の眼鏡男子だ。

⏰:09/10/25 13:15 📱:F905i 🆔:RazuJFaA


#571 [我輩は匿名である]
あっがーれ!

⏰:09/11/18 04:36 📱:P08A3 🆔:EPpIYhCk


#572 [渚坂]
定期あげー

⏰:10/01/01 23:53 📱:F905i 🆔:dPq9enoQ


#573 [渚坂]
あげとく

⏰:10/03/28 01:23 📱:F905i 🆔:tOiw0VQo


#574 [避難訓練(1/3)◆vzApYZDoz6]
黒板にチョークを撫で付ける耳障りな音を、さらにでかくて耳障りな非常ベルの音が掻き消す。
しかもこれがまた長い。やかましい事この上ない。

かの有名なアインシュタインは、小さな子供に相対性理論とはどういうものか、と聞かれた時、『好きな子の事を考える時の時間の進みは早く、熱いストーブの前で堪える時の時間の進みは遅くなる』事を証明する理論、と説いたそうだが、実にいい喩えだ。
それが相対性理論とどう関わりがあるかなんて俺には理解のしようもないが、少なくとも言ってる事は的確である。

要は楽しい時は時間が早く、かったるい時は遅く感じるという事だが、果たして今の俺はストーブどころかオーブントースターでも足りないぐらいに時間の経過を緩やかに感じていた。
只でさえ長い非常ベルに続いて教頭のダミ声まで黙って聞かなきゃならない上に、非常ベルが知らせる警報とダミ声が告げる情報その両方が嘘っぱちと確定しており、なおかつその嘘っぱちに素直に従ってこのクソみたいに寒い中上履きのままグラウンドまで走り、最後に冷たい地面に座ってこれまでの無意味な行為の重要性を語る校長の無駄に長い話を聞くという一連の行為を、事もあろうかもうすぐ卒業する俺達3年の連中に強いてるんだから、そりゃ時間経過も遅くなるというものである。

『地震により、家庭科室から火災が発生しました。生徒のみなさんは―――』

前置きが長くなったが、つまり今は避難訓練の真っ最中で、上の鍵括弧が示すように、ちょうど今第一ステップである非常ベルが止まり、第二ステップである教頭のダミ声が響き始めたところだ。

⏰:10/03/28 16:08 📱:P08A3 🆔:swSqV4NM


#575 [避難訓練(1/3)◆vzApYZDoz6]
それにしても避難訓練というものは、学校におけるいらない行事ベスト3に入る、と言ったら、恐らく首を横に振る奴はほとんどいないだろう。

いるとすれば運悪く席替えのくじ引きで前から2列目の真ん中の席あたりに引っ越しが決まり、授業中に居眠りしようものなら教卓に立つ教師に即座に見つかってしまい白墨を投げられるせいで日中に睡眠時間を確保できないがために、せめて授業だけでもサボれまいかと自習やら身体測定といったイレギュラーなイベントを心待ちにしているネガティブかつ不真面目な奴ぐ

⏰:10/03/28 16:12 📱:P08A3 🆔:swSqV4NM


#576 [避難訓練(2/3)◆vzApYZDoz6]
>>575ミス

それにしても避難訓練というものは、学校におけるいらない行事ベスト3に入る、と言ったら、恐らく首を横に振る奴はほとんどいないだろう。
いるとすれば運悪く席替えのくじ引きで前から2列目の真ん中の席あたりに引っ越しが決まり、授業中に居眠りしようものなら教卓に立つ教師に即座に見つかってしまい白墨を投げられるせいで日中に睡眠時間を確保できないがために、せめて授業だけでもサボれまいかと自習やら身体測定といったイレギュラーなイベントを心待ちにしているネガティブかつ不真面目な奴ぐらいなもんだ。

同じく席替えのくじ引きで窓際の後ろから2番目という最高のポジショニングに成功した俺からすれば、避難訓練なんてミディアムレアの豚ロースに真珠を添えるぐらい没意義で意味のないイベントであり、従って第三ステップ、つまりグラウンドへの避難から如何にしてエスケープするかという思考に俺が没頭しているのは至って当然の事である。

するとどうだろうか。もう教頭の避難指示が終わりそうな雰囲気になってやがる。
エスケープの方法を考えるというのは、俺の中で楽しい事に分類されているんだろう。人間の脳みそというのは実に都合のいい構造になっているらしい。

『―――繰り返します。生徒のみなさんは先生の指示に従って速やかに避難してください』

ブチッ、というスピーカーのスイッチがオフになる音を皮切りに、周りの生徒が次々と廊下に出ていく。
俺もその例に漏れず廊下に移動し、他のクラスの連中も混じっての学級大移動の波に乗りながら、先生の視界に入らない立ち位置を確保する。

⏰:10/03/28 16:13 📱:P08A3 🆔:swSqV4NM


#577 [避難訓練(3/3)◆vzApYZDoz6]
俺が考えたエスケープ方法とは、階段を降りる時にこっそりトイレに入ってやり過ごす、というもの。

こういう時はシンプルな方が成功率が高く、実際に俺はあっさりとエスケープに成功し、トイレの個室で足音が去るのを待ってから教室へ向かって踵を返し、我がクラスの扉を開け放して教室内を見渡す頃には、グラウンドで体育座りをしているであろう全校生徒に当たり障りのない話題からトークを展開する校長の声が、拡声器を通じて教室内まで響いていた。

ああ、当然だが教室の扉に鍵はかかっていない。こういう時は避難が最優先であり、これから火が上がるという想定の校舎にわざわざ施錠するような律儀で用心深い奴はうちのクラスにはいやしない。
誰もいない教室を眺めて小さく溜め息をつき、さてこれからどうやって時間を過ごそうかと考えていた時、不意に後ろから声をかけられた。

「ダメじゃない、戻ってきちゃ。これが本番ならあなた今頃死んでるわよ」

声の方へ視線を取って返すと、俺の後ろに女が立っていた。
学校指定のプリーツとカッターシャツの上に、焦茶色のカーディガン。化粧っ気はないが大きめの瞳と小さく整った小鼻と唇に、胸元の赤いリボンがよく映えている。
見たことがある。というか俺のクラスの女で、さらに付け加えると保険委員であり、故にこいつがサボるのは俺としては感心しないところだが。

⏰:10/03/28 16:16 📱:P08A3 🆔:swSqV4NM


#578 [避難訓練(4/3)◆vzApYZDoz6]
「それはお互い様でしょ。急患を保健室へ連れていくのも保険委員の役目だもの」

お互い様はこっちの台詞だ。だいたいこの教室にはどこにも病人や怪我人なんていないぞ。
グラウンドでは校長の話が明後日の方向に向かい始めていた。座らされている生徒はさぞ辛かろうに。
急患をお望みならグラウンドに行くべきだな。この寒空の下で長時間座らされて、体調を崩している奴が一人ぐらいはいるかもしれん。

「大丈夫よ。保険委員はあたし一人じゃないんだし」

女は俺の横をすり抜けて、窓側の一番後ろの席に陣取った。つまり、ちょうど俺の指定席の後ろである。
手にしているコンビニ袋の中身を机の上にぶちまけて、悪戯そうな笑みを満面に浮かべて俺に向かって手招きした。

⏰:10/03/28 16:18 📱:P08A3 🆔:swSqV4NM


#579 [避難訓練(5/3)◆vzApYZDoz6]
「今は火災発生から7分45秒。
 …結局、不測の事態に対応できるのは普段から遊んでる奴だけだと思わない?」

言い得て妙だ。俺は女の言葉に、そんな感想を抱いていた。

女の前に腰かけて、広げてあるポテトチップスをつまみ上げつつ、これらの菓子類は先程の学級大移動中に買ってきたものだという女の話を聞きながら、さてそろそろグラウンドでの校長の話が終わって生徒が帰ってくるがどうするかという俺の次なる課題の攻略法を考えている時に、ふと己の体感時間の短さに気付いた。

つまり普段から遊んでる奴は常にこういう時間感覚の中にいるからこそ、体感時間が極端に短くなる不測の事態に直面しても焦らず落ち着いた行動の取捨選択を可能にするのであり、こんな堕落した避難訓練を百回と繰り返したところでその結果は変わらないだろうし、結局それが避難訓練の学校におけるいらない行事ベスト3の座を不動のものにしてるんじゃないだろうか。

しかしそれに気付いたのは他ならぬ避難訓練のお陰であり、またクラスでもそこそこ可愛い部類に入る女子生徒との接点も得られたので、まだまだ避難訓練も捨てたものではないと認識を新たにしながら、俺は再開される授業を如何にして早く乗り切るかをまた考え始めるのだった。

⏰:10/03/28 16:19 📱:P08A3 🆔:swSqV4NM


#580 [我輩は匿名である]
2レスもオーバーしちまった…
意外と字数足りないもんだな。

⏰:10/03/28 16:19 📱:P08A3 🆔:swSqV4NM


#581 [【反映して(1/3)】我輩は人間である]

「おい、もうへばってんのかよ。もっと飲め」
「もう無理です!無理ですって!」

満開の桜の下で交わされる言葉は周りから見れば微笑ましい光景だった。
本日5本目の缶ビールを会社の先輩である司馬から無理矢理掴まされて、その後輩である久野は苦笑いの表情で断った。

お花見の場所取りは新入社員である仕事の一つだ。
入社してまだ間もない久野は自分と同時期に入った同僚の中で自ら場所取り役を名乗り出た。
一夜の花見宴会のために朝早くここら辺では桜が綺麗に見える有名なスポットに訪れ、ちらほら他の人に場所を取られていたが充分な場所を取った。
そこから同じく場所取り役であり同期入社の岡部と交代で、今上司が気持ち良さげに寝転んで寝ているこの場所をキープし続けたのである。

「文句言うなよ。断れる身分か?あ?」
「司馬さん飲み過ぎですよ……、もう9はいってるんじゃないですか?」

そもそもこんな必死に(少し大袈裟だが)場所取りを買って出たのは本心ではない。今目の前でベロンベロンに酔って酒を押し付けてくる司馬伸彦のためでもある。

⏰:10/04/08 02:24 📱:S001 🆔:☆☆☆


#582 [【反映して(1/3)】我輩は人間である]

優しく人柄も良く顔もまぁそこそこで上司からの視線も良かった。歓迎会の時だって上手く溶け込んでいいワークライフを過ごしている。だけど打ち解けてない人が一人……それが司馬伸彦である。
話したと言えば挨拶の時しかない。

司馬はテキパキとよく働くし仕事が出来てなんでも有名大学を卒業しているようで、世間一般に言うエリート人間だ。
性格も久野と正反対。愛想なく必要な会話しか話さない、クールと言う言葉がピッタリな人だった。
だけどそれが女性からの支持を受けている。ルックスは男から見てもそりゃもうイケメンで、王子様に例えられるような人でそれも人気の一つだ。

久野はそんな自分と正反対の司馬が気になってばっかりだった。
性格はいいと評判の久野だが仕事の方はイマイチでおっちょこちょい、残業だって数えられないくらいした。
高校の頃は185センチの身長と体格を生かして柔道に没頭していたいわゆるスポーツバカで、頭を使ったりパソコンを使う仕事には不向きな方なのだ。
だから仕事を完璧にこなす司馬にもっとを目を引かれた。話してみたいと気持ちは膨らむ一方だった久野にようやくチャンスが訪れた。

⏰:10/04/08 02:53 📱:S001 🆔:☆☆☆


#583 [【反映して(2/3)】我輩は人間である]
>>581優しく人柄も良く顔もまぁそこそこで上司からの視線も良かった。歓迎会の時だって上手く溶け込んでいいワークライフを過ごしている。だけど打ち解けてない人が一人……それが司馬伸彦である。

司馬はテキパキとよく働くし仕事が出来てなんでも有名大学を卒業しているようで、世間一般に言うエリート人間だ。
性格も久野と正反対。愛想なく必要な会話しか話さない、クールと言う言葉がピッタリな人だった。だけどそれが女性からの支持を受けている。ルックスは男から見てもそりゃもうイケメンで、王子様に例えられるような人でそれも人気の一つだ。
久野はそんな自分と正反対の司馬が気になってばっかりだった。性格はいいと評判の久野だが仕事の方はイマイチでおっちょこちょい、残業だって数えられないくらいした。高校の頃は185センチの身長と体格を生かして柔道に没頭していたいわゆるスポーツバカで、頭を使ったりパソコンを使う仕事には不向きな方なのだ。
だから仕事を完璧にこなす司馬にもっとを目を引かれた。話してみたいと気持ちは膨らむ一方だった久野にようやくチャンスが訪れた。

⏰:10/04/08 02:58 📱:S001 🆔:☆☆☆


#584 [【反映して(3/3)】我輩は人間である]
それが、今日の花見宴会だ。お酒も交える今日この日こそが絶好のチャンスなのだ。でもまさか、
「お前仕事出来なさすぎるんだよ!」
「はい…すいません…」
「酒まだあんだろぉ?出せよ」
「ダメですってもう止めましょ?!一回酔い冷ましましょうって…」
こうなるなんて。こんなんじゃお酒混じりに交流どころかお酒しか混じってない。司馬がまた新しい缶ビールに手をつけようとしている所を久野は焦って言い聞かせながら思った。
「うるさいな…まだ、いけ…る…」
「だから酔いが冷めたらに…って司馬さん……?」
手を出されると困るので缶ビールを手の届かない位置に置いて振り返った時には、もう、スースーとゆっくりとした寝息を立てて木の幹に寄りかかったまま眠りに着いていた。片手にはビールの空き缶が緩く握られている。それを見て久野は溜め息を吐いた、と同時に口元が緩んだ。酒が強い体質じゃない自分にとって缶ビール5本は大分体にきていたが司馬の心地良さそうな寝顔を見ていたら自然と笑みが溢れた。みんなの知らない酔っぱらった一面を見れただけでも良しとしよう。心が桜色に染まった気がした久野のだった。

⏰:10/04/08 03:32 📱:S001 🆔:☆☆☆


#585 [我輩は人間である]
【反映して】

>>581
>>583
>>584


もっと改行したかった…。

⏰:10/04/08 03:33 📱:S001 🆔:☆☆☆


#586 [我輩は匿名である]
上げるぜ

⏰:10/12/04 11:35 📱:P08A3 🆔:wwvC.sEQ


#587 [隠謀(1/2)◆vzApYZDoz6]
目を覚まして最初に飛び込んできたのは、縦横に溝が走るタイル張りの白い天井と、ほのかに黄ばんだ蛍光灯。
耳に入るのは雑多な電子音と、機械が稼働するファンの音。
体を起こそうと上半身に少し力を込めようとして、そこで初めて自分がベッドに寝ている事に気付いた。

「お目覚めかね?」

ベッドの脇から、落ち着き払った男の声。
見ると、白衣を着た初老の男性が立っている。

「……ふん」

口角を片方吊り上げ目を半月状に細めてこちらを見る男から視線を外し、上半身を起こして辺りを見回す。
どこかの研究施設にでもあるようなコンピューターとコンソールの類の機械が、そう広くない室内の壁際にずらりと配置されている。

「第二の人生を手に入れた気分はどうかね?」

白衣の男が問い掛ける。
私は部屋を眺めながら男には目を合わせず、自嘲するように鼻で笑った。

「最悪だな。今すぐ貴様をぶち殺してやりたいくらいには」

「女性があまり汚い言葉を使うべきではないねぇ。ま、どちらにしろそんな事は不可能だけど」

⏰:12/02/19 11:05 📱:P08A3 🆔:9vitOHrA


#588 [隠謀(2/2)◆vzApYZDoz6]
そう言って白衣の男はくぐもったように笑い、側にあったテーブルのマグカップを手に取った。
薄く湯気が立ち上る中身を一口啜り、再び口を開く。

「死人に口なしと言うだろう?」

「………」

自分の手のひらに視線を落とす。
既に血の通わないそれは青白く澱んでおり、軽く握ると冷ややかな感触が返ってきた。
手のひらを自身の胸に当てる。
柔らく弾力があり、それなりの大きさもあるが、しかし心臓の鼓動は微塵も感じてはくれなかった。

「……ふん」

「ま、働きには期待しているよ。その為に君達を直したのだから」

そう言いながら、白衣の男が顎先で部屋の中央を指す。
そこにはベッドが二つ。即ち自分が今いるベッドと、その隣。
自分が着ている物と同じような、簡素な白い患者衣を着た男が、先刻までの自分と同じように眠っている。

その横顔を眺めながら、私は無意識のうちに冷たい手を伸ばした。
男の頬に指先が触れる。と同時に男の眉間に皺が寄り、頬に僅かな力が入る。
驚いて反射的に手を引いた私と、その様子を無表情に眺めていた白衣の男の見守る中、もう一人の屍が目を覚まそうとしていた。

⏰:12/02/19 11:08 📱:P08A3 🆔:9vitOHrA


#589 [我輩は匿名である]
上げついでに久々投下。
過疎よ去れーッ!

⏰:12/02/19 11:09 📱:P08A3 🆔:9vitOHrA


#590 [青の中の家(1/3)◆WHAzwTTDUw]
 家が激しく揺れ動くせいで目が覚めた。地震だ。

 部屋は真っ暗だったが、ぼんやりとしていた目がだんだんと冴えてきて、激しく揺れ動く電気のスイッチの紐を見る事ができた。震度五、あるいは六かもしれない。とにかく、強烈な揺れだった。

 揺れが収束する。妻がいなくてよかったと、私は思った。妻はひどく地震に弱い。震度三程度でもこの世の終わりかと思うほど、あたふたとする。何故そんなに地震を恐れるかというと、阪神・淡路大震災を体験しているからだ。あれが妻に強烈なトラウマを与えるきっかけとなった。

 妻は訳あって実家に帰っている。私の家は東京にあるから、もしかすると微弱な地震が届いたかもしれない。しかし、まあ震度五、六の地震を味わうよりかはいいだろう。

 私はベッドを降りて、居間に向かった。テーブルの上に置かれたリモコンを持ち、スイッチを押した。しかし、テレビは点かなかった。沈黙を保ち続けた。

 どうやら停電したらしい。まあ、結構な揺れだったので、停電になってもおかしくないと、私は思った。

 私は寝室に行き、布団にくるまった。眠るのにそう時間はかからなかった。

⏰:12/02/19 19:03 📱:biblio 🆔:.BF1/ONc


#591 [青の中の家(2/3)◆WHAzwTTDUw]
 目覚まし時計が泣き叫ぶ赤ん坊のようにけたたましく鳴り響いた。私はベッドから降りて、部屋の隅に置かれた目覚まし時計を止めた。ベッドの側に置かない理由は、手の届く場所に置いておくと、止めてからまた眠ってしまう事があるからである。

 私は顔を洗おうと洗面所に行った。洗面所の窓からは明るい日差しが差し込んでいた。蛇口を捻った。しかし、水は出てはこなかった。まさか夜中の地震で断水してしまったのだろうか?

 私は薄暗い居間に行き、電気のスイッチを押した。電気は点かなかった。まだ停電しているようだ。

 私は窓を開け、シャッターを開けた。その時、驚きの光景が目に入った。空だ。青空が広がっていた。雲も漂っている。手を伸ばせば届きそうだ。家々や電柱、道路の姿はない。夏だというのに外気は上空にいるせいでひんやりとしていた。

 私は下を覗いた。ミニチュアより遥かに小さい都市が広がっていた。

 まだ夢でも見ているのだろうか。私は一度頭を引っ込め、目を閉じて深呼吸をした。そして、目を開けた。目先には水色の空がどこまでも広がり、綿菓子のような雲が所々浮かんでいた。

⏰:12/02/19 19:03 📱:biblio 🆔:.BF1/ONc


#592 [青の中の家(3/3)◆WHAzwTTDUw]
 一体何が起きたのだろう。何故家が浮いているんだ。理解の範疇(はんちゅう)を超えてる。

 私は居間に置いていた携帯電話を取り、開いた。画面の左上には圏外の文字。無理だとわかってはいたが、妻宛に助けを求めるメールを作成し、送信を試みた。やはり送信に失敗した。

 どうしたらいいのだろう。地上の人間は気付くだろうか? 家は点にしか見えないんじゃないか? 飛行機が通れば気づいてくれるかもしれない。いや、気づかない。旅客機は遥か上を飛んでいる。窓の外は零度近くだろうから、現在の位置は富士山の山頂かちょっと上といった所だろう。それならヘリコプターの飛行範囲内だ。

 誰かが発見してくれるさ。私はポジティブに考えた。

 腹が減ったのでパンを食べ、オレンジジュースを飲んだ。小便はトイレにした。

 家は上昇を続けていた。何故なら外気が明らかに冷たくなっているからだ。私はシャッターを閉め、押し入れから毛布を取り出し、布団にくるまった。あまりの寒さに縮みあがり、ガクガクと震えていた。歯が音を立てる。

 昼頃になると酸素が薄くなり始めた。苦しい。家の上昇は止まらない。私は酸素を激しく欲求した。

 そして、遂に身体は体温を失った。

⏰:12/02/19 19:04 📱:biblio 🆔:.BF1/ONc


#593 [我輩は匿名である]
>>450までのまとめ一覧↓
>>165-170
>>229-231
>>291-293
>>349-352
>>451-454

455から現在までのまとめ↓

>>457-458 あげ!(2/2)
>>463-464 未来(2/2)
>>466-468 8月のおしまい(3/3)
>>471-473 応援(3/3)
>>476 トイレ(1/1)
>>477 愛情表現(1/1)
>>478-480 ベリー(3/3)
>>484 こころ*クラブ(1/1)
>>487-489 イツワリ(3/3)
>>491-493 星空(3/3)
>>494 瞼の憂い(3/3っぽいけど途中で投下止まってます…)
>>495-497 もう戻らない(3/3)
>>498-500 ラブレター(3/3)
>>505-508 タイトル未定(3/3)
>>513-515 甘い夢(3/3)
>>517 命日(1/1)
>>518-520 かすかな記憶微妙な関係(3/3)
>>521 安価行動の妙(1/1)
>>524-526 私の夢。(3/3)
>>529-531 僕の彼女(3/3)
>>533-534 願いを叶えるための遺言
>>535 あめ(1/1)
>>536-538 はつこい(3/3)

⏰:12/02/19 22:56 📱:P08A3 🆔:9vitOHrA


#594 [我輩は匿名である]
続き

>>539-543 ホワイトデー(3/3)
>>544-546 いつか、また(3/3)
>>549-550 あのとき(3/3っぽいけど途中で投下止まってます…)
>>551-552 きく(2/2)
>>553-554 Sense(2/2)
>>555-556 愛し(2/2)
>>558-559 1日(2/2)
>>560-562 世界が開いた夏(3/3)
>>565-567 遠距離前(3/3)
>>570 別れ(1/1)
>>574-579 避難訓練(5/5 ※レス数オーバー)
>>581-583 反映して(3/3)
>>587-588 隠謀(2/2)
>>590-592 青の中の家(3/3)


なお、タイトルのない作品は文中から抜粋orそれっぽいのを勝手につけました。

⏰:12/02/19 22:56 📱:P08A3 🆔:9vitOHrA


#595 [我輩は匿名である]
まとめ&作品数集計&お題一覧
>>593-595

現在の作品数集計
1レス短編:46
2レス短編:47
3レス短編:65
レス数オーバー短編:2
その他(投下停止等):3
総作品数:163

現在のお題
@雨
Aあの頃の思い出
B電話
C卒業
D電車
Eささやかな幸せ
F手紙
G都会
H未来
Iアルバイト
J忘れられない
K空
L窓
M指輪
N怒り
O葬式
Pテレビ
Q俺(私)とお前のヒストリー
R街角
S交差点
21ネット掲示板
22いつかまた
23飛行機雲
24奇
25応援
26保守

⏰:12/02/19 22:56 📱:P08A3 🆔:9vitOHrA


#596 [我輩は匿名である]
行数がえらいことになりそうだったので作者名は割愛。
まとめサボってたらすごい量になってたぜ…

さて、600レスが間近に迫り中盤戦もそろそろ終わりが見えてきたところですが、まだまだ参戦者募集中!
当スレは新参古参素人玄人老若男女その他諸々一切合切問いませぬ。ドカドカ書いていけーッ!

⏰:12/02/19 23:04 📱:P08A3 🆔:9vitOHrA


#597 [我輩は匿名である]
よくまとめられましたねw
お疲れさまです。

⏰:12/02/20 01:59 📱:P01A 🆔:iV.6Lu7Q


#598 [指輪(1/3)悠斗]
お前にあげたい物はまだ手に入らない

ごめんな、ずっと待っていてくれてるのに

「いまはこれで」

おもちゃの指輪をお前の薬指に填めてやる。鈍く光るダイアなんてまだ手に届かない


いつか、本物を手に入れたならもう一度伝えるよ


「俺と結婚してください」

⏰:12/03/08 23:02 📱:T003 🆔:psIccDYc


#599 [指輪(2/3)悠斗]
あなたの口から漏れる言葉は本心なの?

おもちゃの指輪だから結婚できない。それは誰が決めたの?

わたしはあなたの気持ちが籠もっているものがいいな

いつか、本当にプロポーズしてくれたならわたしは迷いなく答えます

「よろこんで」と

⏰:12/03/08 23:05 📱:T003 🆔:psIccDYc


#600 [指輪(3/3)悠斗]
俺の気持ち、この指輪に込めて指に填めるよ

わたしの気持ち、填めてもらった指輪に込めます

「あなたを」

「お前を」

「「愛しています」」





鈍く光るダイア。少し汚れてしまったけれど、思い出すのはあなたと結婚した10年以上も前のことばかり

お互い歳とったけど、お前を思う気持ちは誰にも負けない

愛の証の、指輪に誓って

⏰:12/03/08 23:09 📱:T003 🆔:psIccDYc


#601 [わたしはバブル(1/2)アカシ]
私はバブル、
あなたのことが好き。

大きな川の一滴として生まれた私は、泡になり、パチンと弾けて、また流されて、暗いトンネルを抜けたところで、あなたに出逢いました。

たしかあなたは、たくさん汗をかいていたから夏の季節だったと思います。あなたと共にハシャいだり、笑ったり、大きく息を吸ったり、吐いたりして、生きてるってことをたくさん、たくさん、感じることが出来ました。

⏰:12/03/09 11:19 📱:K006 🆔:MJCNRL52


#602 [わたしはバブル(2/2)アカシ]
あるとき、私はあなたの心臓と血液の音を枕にして寝ているとき、夢を見ました。
顔のわからないあなたと、手を繋ぎ、抱き合っている夢を。

これが愛しいという気持ちなのですね。
わたしは初めて、あなたと共に恋をしたのです。

わたしは胸のドキドキが止まりませんでした、そして、張り裂けそうなくらい感情が高まるのを感じました。そして悲しい気持ちになりました。

わたしは再び泡になり、あなたの涙となって、愛しい瞳からこぼれ落ちました。あなたは、恋を失ったのですね。誰かを、愛していたのですね。

わたしはバブル、
雲になり、雨となり、またあなたの体にめぐる日を待っています。

《終》

⏰:12/03/09 11:29 📱:K006 🆔:MJCNRL52


#603 [我輩は匿名である]
ageる

⏰:16/10/12 15:51 📱:E5823 🆔:Qk/6hoQc


#604 [&◆JJNmA2e1As]
あげ(´∀`∩)↑age↑

⏰:22/09/30 19:01 📱:Android 🆔:AHulHGHk


#605 [&◆JJNmA2e1As]
(´∀`∩)↑

⏰:22/10/01 19:36 📱:Android 🆔:rYsbLV12


#606 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑

⏰:22/10/01 21:59 📱:Android 🆔:rYsbLV12


#607 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age

⏰:22/10/02 02:31 📱:Android 🆔:Ltpo.xA.


#608 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>1-40
>>40-80
>>80-120
>>120-160
>>160-200
>>200-240
>>240-280
>>280-320
>>320-360
>>360-400

⏰:22/10/02 17:37 📱:Android 🆔:Ltpo.xA.


#609 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>400-440
>>440-480
>>480-520
>>520-560
>>560-660

⏰:22/10/02 17:39 📱:Android 🆔:Ltpo.xA.


#610 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>40-70
>>70-100
>>100-130
>>130-160
>>160-190

⏰:22/10/03 14:54 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#611 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>190-210
>>210-240
>>240-270
>>270-300
>>300-330

⏰:22/10/03 14:55 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#612 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>330-360
>>360-390
>>390-420
>>420-450
>>450-480

⏰:22/10/03 14:56 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#613 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>480-520
>>520-550
>>550-580
>>580-600

⏰:22/10/03 14:57 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#614 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>40-60
>>60-80
>>80-100
>>100-120
>>120-140

⏰:22/10/03 14:59 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#615 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>140-160
>>160-180
>>180-200
>>200-220
>>220-240

⏰:22/10/03 15:10 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#616 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>240-260
>>260-280
>>280-300
>>300-320
>>320-340

⏰:22/10/03 15:11 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#617 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>340-360
>>360-380
>>380-400
>>400-420
>>420-440

⏰:22/10/03 15:12 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#618 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>440-460
>>460-480
>>480-500
>>500-520
>>520-540

⏰:22/10/03 15:13 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#619 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>540-560
>>560-580
>>580-600

⏰:22/10/03 15:14 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#620 [○○&◆.x/9qDRof2]
#587 [隠謀(1/2)◆vzApYZDoz6]
目を覚まして最初に飛び込んできたのは、縦横に溝が走るタイル張りの白い天井と、ほのかに黄ばんだ蛍光灯。
耳に入るのは雑多な電子音と、機械が稼働するファンの音。

⏰:22/10/03 16:41 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#621 [○○&◆.x/9qDRof2]
体を起こそうと上半身に少し力を込めようとして、そこで初めて自分がベッドに寝ている事に気付いた。

「お目覚めかね?」

ベッドの脇から、落ち着き払った男の声。
見ると、白衣を着た初老の男性が立っている。

「……ふん」

口角を片方吊り上げ目を半月状に細めてこちらを見る男から視線を外し、上半身を起こして辺りを見回す。
どこかの研究施設にでもあるようなコンピューターとコンソールの類の機械が、そう広くない室内の壁際にずらりと配置されている。

⏰:22/10/03 16:42 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#622 [○○&◆.x/9qDRof2]
「第二の人生を手に入れた気分はどうかね?」

白衣の男が問い掛ける。
私は部屋を眺めながら男には目を合わせず、自嘲するように鼻で笑った。

「最悪だな。今すぐ貴様をぶち殺してやりたいくらいには」

「女性があまり汚い言葉を使うべきではないねぇ。ま、どちらにしろそんな事は不可能だけど」

⏰:22/10/03 16:42 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#623 [○○&◆.x/9qDRof2]
#588 [隠謀(2/2)◆vzApYZDoz6]
そう言って白衣の男はくぐもったように笑い、側にあったテーブルのマグカップを手に取った。
薄く湯気が立ち上る中身を一口啜り、再び口を開く。

「死人に口なしと言うだろう?」

「………」

自分の手のひらに視線を落とす。
既に血の通わないそれは青白く澱んでおり、軽く握ると冷ややかな感触が返ってきた。
手のひらを自身の胸に当てる。
柔らく弾力があり、それなりの大きさもあるが、しかし心臓の鼓動は微塵も感じてはくれなかった。

「……ふん」

「ま、働きには期待しているよ。その為に君達を直したのだから」

そう言いながら、白衣の男が顎先で部屋の中央を指す。
そこにはベッドが二つ。即ち自分が今いるベッドと、その隣。
自分が着ている物と同じような、簡素な白い患者衣を着た男が、先刻までの自分と同じように眠っている。

その横顔を眺めながら、私は無意識のうちに冷たい手を伸ばした。
男の頬に指先が触れる。と同時に男の眉間に皺が寄り、頬に僅かな力が入る。
驚いて反射的に手を引いた私と、その様子を無表情に眺めていた白衣の男の見守る中、もう一人の屍が目を覚まそうとしていた。

⏰:22/10/03 16:42 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#624 [○○&◆.x/9qDRof2]
🌸・ 。
 🌸∴。 *
  ✨・゚*。🌸・
 💖 ・ 🌸 ✨
     °*.* 💖
   ・ ゚*。・゚✿。
  🌸 🌸 ・✨°*.
   。·*・。゚ *.。🌸。 ✿
    * 。・゚*.。
     * 💖 ゚・✨🌸 * 。
      ・゚ 。🌸

⏰:22/10/03 16:43 📱:Android 🆔:LEXcEWww


#625 [わをん◇◇]
(´∀`∩)↑age↑

⏰:23/01/02 13:12 📱:Android 🆔:jK5SBgKM


#626 [わをん◇◇]
>>200-300

⏰:23/01/02 13:14 📱:Android 🆔:jK5SBgKM


#627 [わをん◇◇]
>>300-400

⏰:23/01/02 13:14 📱:Android 🆔:jK5SBgKM


#628 [わをん◇◇]
>>400-500

⏰:23/01/02 13:15 📱:Android 🆔:jK5SBgKM


#629 [わをん◇◇]
>>500-600

⏰:23/01/02 13:15 📱:Android 🆔:jK5SBgKM


#630 [わをん◇◇]
>>1-200

⏰:23/01/02 13:15 📱:Android 🆔:jK5SBgKM


#631 [わをん◇◇]
>>10-200

⏰:23/01/02 13:16 📱:Android 🆔:jK5SBgKM


#632 [わをん◇◇]
>>700-999

⏰:23/01/02 13:16 📱:Android 🆔:jK5SBgKM


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