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#423 [[時に残酷な。(1/3)]あに]
わたしが見る景色は、いつも同じ。 空の色が蒼から赤、黒へと変わりまた蒼に戻る。それの繰り返し。

退屈な日常を変えてくれたのは貴方だった。

行き交う人々が見向きもしなかったわたしを、貴方は見付けてくれたわ。


「綺麗だね」

「可愛いね」


貴方は毎日わたしのそばに来て、そう話しかけてくれる。

それだけで、わたしはまた美しくなれる。


貴方の無邪気な笑顔が見れるだけで幸せなの。


――たとえ、僅かな寿命だとしても。

⏰:08/06/24 23:33 📱:SH903i 🆔:ER.bvmo2


#424 [[時に残酷な。(2/3)]あに]
太陽が高く昇っている。そろそろ、彼が来る頃ね。

ほら、やっぱり。

小走りで近づいてくる彼は笑顔で、とても素敵だわ。

「よかったあ。まだ、いたんだ」


少し息を弾ませながら安堵した表情を見せる彼。

わたし、貴方をいつでも待っているのよ?何を今更。
貴方といれるなら、この命、儚くても構わないわ。

今日もわたしに綺麗だと言って。


言葉を待っていると、彼の手が伸びてきた。そして、わたしの首を掴んだ。

⏰:08/06/24 23:34 📱:SH903i 🆔:ER.bvmo2


#425 [[時に残酷な。(3/3)]あに]
次の瞬間、勢いよく胴体と切り離されてしまった。


何を!何をするの!?

嘘よ、どうしてこんなことを!


困惑するわたしに構わず、彼はわたしのカラダの一部を順にちぎり取っていく。


残酷な言葉を囁きながら。



「……リカちゃんはぼくのことを……すき、きらい……すき、……」


嗚呼、貴方の為になるならばこの命、差し上げ給う。

(彼等は時に残酷で。)

⏰:08/06/24 23:36 📱:SH903i 🆔:ER.bvmo2


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