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#26 [雪(1/2)◆vzApYZDoz6]
昨日からずっと雪が降っている。そのおかげで外はなかなかの積雪量だ。
別に冬に雪が降るのは当たり前だが、基本的に雪が殆んど降らないこの地方で、雪が積もるのは珍しい。
住んでいるマンションから眼下を見下ろせば、近所の子供達がその珍しい積雪の上で大いにはしゃぎまわっている。
その子供達に混じって、俺の姉も遊んでいた。
「おい姉貴、遊んでないで手伝えよ!」
窓から身を乗り出して、子供達と雪合戦をしている姉に叫ぶ。
なんとも平和な光景だ。
「いつでもできる部屋の大掃除と、希にみる豪雪の元で思い切り遊ぶ事、どっちが大事!?」
姉が叫び返してきた。
ハタチを超えているというのに、そんなに雪遊びに夢中になれるものなのか。
なんとも平和な光景だ。
:08/03/03 12:46 :P903i :zBYy/l0.
#27 [雪(2/2)◆vzApYZDoz6]
「うるせぇ!いいから戻ってこい!」
「今日のお前は冷たい!そう、雪のように!」
こりゃ駄目だ、完全に雪に洗脳されてる。雪のように冷たいってなんだよそれ。
窓から身を引っ込めて、室内に視線を戻した。
乱雑に置かれた雑巾に掃除機、紐で縛られた雑誌類。
俺のすぐ横には漫画がいくつか置いてある。
そう言えば、タンスの奥から見付けて読んでたんだっけ。俺もサボってんじゃん。
外からは子供達のはしゃぐ声が聞こえてくる。
俺は漫画を纏めて、立ち上がった。
外はまだ雪が降っていた。
積雪に沢山つけられた足跡。出来るだけ足跡のない綺麗な場所を選んで歩き、足跡を残していく。
姉はまだはしゃいでいた。
こっそり後ろから近付いて、雪玉を当てる。
姉は驚いて振り返り、続いてあどけなく笑って手招きする。
その誘いに乗って、俺も本格的に雪合戦に参加した。
なんとも平和な光景だ。
:08/03/03 12:47 :P903i :zBYy/l0.
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