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#539 [渚坂さいめ[ホワイトデー(1/3)]]
ある晴れた日、僕は突然声をかけられた。
「お、おい。お前ホワイトデーって何すればいいか分かるか?」
声をかけてきたのは宇峰央里だった。
ホワイトデー?
確かにそんな行事があった気はするけど……、そんなに目を血走らせて内容を考えるような行事だったかな?
「何って言われても……。そもそも央里は誰かからチョコ貰ったわけ……?」
「ゔ……。えーと、ハルキに貰った」
そう言えばハルキはみんなにチョコを配ってたっけ。
僕は……あれ?貰ったっけ?
「だからさ、バレンタインデーのお返しって何あげていいか分かんなくって。
傳って経験豊富そうだし、なんか知ってるだろ!?」
「いや、僕は決して経験豊富じゃない。そこは否定させてもらう。
でもまぁ、聞いた話では普通ホワイトデーにはマシュマロをあげるらしいけど……」
「ハルキ、マシュマロ嫌いって言ってた……」
「あれ?なんで嫌いって知ってんの……?」
「……っ、たまたま聞こえたんだよ!!」
:09/03/27 00:27 :F905i :ErRKzwfM
#540 [渚坂さいめ[ホワイトデー(2/3)]]
ははーん。
リサーチ済みって事は央里も何気にハルキの事が気になってんだな。
ホワイトデーのお返しと言えばマシュマロって相場が決まってるんだけど、それが嫌いだったから焦って僕を頼ってきたわけね。
ここは僕の出番って事か。
「そーだね……。食べ物は好き嫌いが分からないからやめた方がいいかも。もっと無難に……」
「無難に?」
「無難に花束とかでいいんじゃない……?」
「花束!!それいいな!!!!早速買ってくるわ」
「あ……」
行っちゃった。
花言葉には気をつけた方がいいよー、って言いたかったのに。
僕の経験上、女の子って花言葉とか細かいところに敏感だからね。
ま、店員さんが選んでくれるから心配いらないかな。
って、もう帰ってきた。
あーあー、そんなに振り回したら花びらとれちゃうって。
バカ、ハルキはあっちだって。男子トイレに居る訳ないだろ……。
そうそうそっち。
さて、僕は隠れて様子を見守りますかね……。宇峰央里の一世一代の晴れ舞台ってやつかな。
:09/03/27 00:28 :F905i :ErRKzwfM
#541 [渚坂さいめ[ホワイトデー(3/3)]]
「ハ、ハルキ……。これバレンタインデーのお返し……」
「……何これ?」
ぅわ……。
ハ、ハルキの目が怖い!!頑張れ央里!!もう一押しだ!!そのまま押し倒してしまえ……!!
うん。押し倒しちゃ駄目だけど、ハルキもまんざらじゃないみたいだし……。
これはひょっとしたら、ひょっとするかも。
「ゔ、ちょっと汚くなっちゃったけど花束だよ……。食べ物は何が好きか分かんなかったからモノにしてみました」
「ふーん……。この黄色いの、なんて花?」
「えっと、忘れた……」
「あっそ。……でも、ありがとう」
おっ!!
いい感じになってきた!!
じゃあ、覗き見なんて野暮なまねはこの辺にしといて、おじゃま虫な僕は退散するとしようかな。
ちなみに央里が買ってきた花の名前は「サンピタリア」で、花言葉は「愛の始まり」。
本人が花言葉を知っていたとは考えられないけど、偶然にしちゃあ今の央里にピッタリな花だと思っちゃうのは僕だけかな?
傳・央里・ハルキ [jpg/38KB]
:09/03/27 00:32 :F905i :ErRKzwfM
#542 [渚坂さいめ]
以上、アダムの唄の番外編でした
本編→http://bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/8607/
貼っているイラストは絵師様に描いてもらったものです。今考えると、なんとなくラノベっぽいですねw
イラストの無断転載・二次発布はやめてください
:09/03/27 00:34 :F905i :ErRKzwfM
#543 [渚坂さいめ]
:09/03/27 00:45 :F905i :ErRKzwfM
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