【SSS】超短レス短編祭り!【飛び入り参加OK!】
最新 最初 全
#58 [<春への想い>向日葵(1/1)]
雪が降っていた。
しんしんと積もる雪の音に、耳を傾ける。
白に近い灰色の空を見上げながら思うは貴方のこと。
冷たさも感じないくらい、この白い絨毯の上に寝転んでいる。
それほど貴方のことを考えてる。
重いかな?
重いよね。
私の想いはまるで雪のよう。
軽そうに見えて、その想いは積もれば積もるほど重くなっていく。
だから貴方は私の前からいなくなってしまったの?
:08/03/04 00:51 :SO903i :MhC0f226
#59 [<春への想い>向日葵(2/2)]
一筋涙が流れて耳へとつたっていく。
空気のせいか、まだ体温がある顔に触れる涙はひどく冷たく感じた。
まるで貴方の気持ちを表したみたい。
私のことなんて、もう忘れるくらい冷めてしまったのでしょう。
しんしんと降る音の中で、サクサクと軽快に雪を踏む音が聞こえてきた。
この広く白い草原に足を踏み入れたのは誰?
するとやがて、音が無くなって、またしんしんという音だけが聞こえた。
1つの影が私にかぶさる。
:08/03/04 00:55 :SO903i :MhC0f226
#60 [<春への想い>向日葵(2/2)]
間近で見えるは、あの人。
待ちわびた人。
愛しい人。
「冷たいね。」
そう言いながら、凍りついた私の頬に、太陽のように温かい貴方の手が触れる。
そして愛おしそうに私を見つめながら微笑む。
私の心が、寒い冬から草花溢れる春へと変わる。
温かい日差しの中、私は貴方と手を繋ぎ笑いあう。
薬指に、結ばれた証をつけて……。
:08/03/04 00:59 :SO903i :MhC0f226
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194